FEAUTURE特 集

ザ特集

ザ特集 "女子"刑務所が抱える問題とは

19.11.21

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続いては豊橋にある
女子刑務所の密着取材、
後編です。

この刑務所では
人手不足のほかにも
問題を抱えていました。

「気をつけ!右へならえ!」
(吉田刑務官)

国内の女性受刑者の数は2018年末現在で3602人。
30年前の約2倍だ。

「何でトイレでしゃべっとるの
 さっきも言ったけど
 閉めなさいよ ちゃんと」
(大谷刑務官)

ところがその一方で、女性刑務官はなり手が少なく、
毎年定員割れが続いている。
問題はそれだけではない。

「今は高齢者(の受刑者が)多くなって
 作業が追いついていないので
 人手は欲しい」
(大谷刑務官)


問題は、受刑者の高齢化。
監督する刑務官の負担も大きくなっている。

工場での刑務作業が始まった。

「おはようございます
 連続無事故日数、目標270日まであと4日となりました。
 目標達成できるように今日も手元に集中して
 ケガのないように取り組む事、良いですか?」
(吉田刑務官)

「はい!」
(受刑者)

刑務官の吉田さん、何か見つけたようだ。
受刑者の一人に近づいた。

「一回言われたことはちゃんと守りなさい
 しなきゃいけない事でしょ
 けがしてから
 手に傷つけたまま外に出たくないでしょ」
(吉田刑務官)

どうやら手袋をつけずに作業をしていたようだ。
吉田さんのおばあちゃんぐらいの年齢の受刑者だった。

「わき見しないでやって
良いですか?」
(吉田刑務官)

「はい」
(受刑者)

「私よりも年上の受刑者が多いので
 プライドを傷つけないように気をつかうのが大変です」
(吉田刑務官)

持病の薬をきちんと飲んでいるか?
今や受刑者の健康管理も刑務官の大切な仕事になっている。

高齢の受刑者には個別の介助も必要だ。
人手不足が刑務官の負担を大きくしている。

人材不足を解消するための取り組みも始まっている。
学生を対象とした女子会の開催もその一つだ。

「女子会という催しに参加して
 実際の刑務官の仕事の内容を説明して
 刑務官の仕事についての関心を
 より一層持っていただく
 取り組みを行っております」
(豊橋刑務支所・三井所長)

吉田さんに刑務官の仕事について聞いた。

「自分のアドバイスによって
 受刑者の考え方が良くなっていったときに
 すごくやりがいを感じています」
(吉田刑務官)

2019年9月に行われた国家公務員試験、
あわせて2861人が女性刑務官を目指している。


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