FEAUTURE特 集

ザ特集

ザ特集 不登校 悩む子どもの支えに

19.11.27

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続いて特集です。
現在国内でひきこもりの
状態にある人の数は
100万人あまりに
上っています。

ひきこもりのきっかけとなる
不登校の子どもに寄り添う
支援員の活動に密着しました。

井口泰雄(いぐち・やすお)さんは
名古屋市から依頼され、
不登校の子どもの支援活動をしています。
この日、向かったのは・・・

「中学3年生の男の子。
不登校で、学校には行っていない状態」
(井口泰雄さん)

鈴木健二さん(仮名)は中学3年生。
いじめを理由に、2018年9月、不登校になりました。
高校生の兄と小学生の弟の3人兄弟ですが、
全員不登校です。

長男の不登校をきっかけに両親は離婚。
今はお母さん一人が3人を養っています。

お母さんは週3日のパート勤務。
常に3人の子どもが家にいるので、
なかなか家を空けることができません。

「(生活は)苦しいです
 子どもみんなが手が離れて
 子どもたちが(仕事に)行ってもいいよ
 となれば正社員になりたい」
(母親)

無理して学校には行かせたくないと思う一方、
今の状態が続くことに不安もあります。

「仕事がきちんとこなせて
 仕事ができる子になってもらわないと・・・心配」
(母親)

いわゆる「ひきこもり」の状態にある人の数は
現在約105万人。
不登校も、そのきっかけのひとつです。

名古屋市は2018年8月、不登校児の家庭などを訪問し、
継続的に支援する取り組みを始めました。

「継続的に自分で支援を求めて
 機関に行くのは なかなか難しい子も多い
 継続的に支援をするということで
 家庭訪問による支援事業を開始した」
(名古屋市子ども未来企画室 原田直己主査)

井口さんは週1回、けんじさんの家を訪問します。


「きょうは何をやりますか?」
(井口泰雄さん)

「・・・」
(鈴木健二さん(仮名))

「何をやります?」
(井口泰雄さん)

「いつものやつにします?」
(鈴木健二さん(仮名))

井口さんから提案やアドバイスはしません。
子どもたちの気持ちに寄り添い、
支えることが必要だと考えています。

「また来週」
(井口泰雄さん)

井口さんが支援員になったのは2019年1月。
それまではサラリーマンでした。
でも人間関係の問題で会社を辞めました。
苦しい時期を乗り越えられたのは、
妻の一言があったからでした。

「悩んでいた彼を見ていたからこそ
 会社は1つではないし
 またつまずいたら そこで
 一緒に考えればいいんじゃないって
 本当に前向きな気持ちで彼に伝えました」
(妻・真央さん)

「おれ 仕事を辞めたい!
 その一言に対して いいんじゃない!と受け入れてくれた
 生活があって 結婚式も控えているのに
 転職していいよと最後に背中を押してくれたのは妻なので
 誰かの助けがないと
 本当に感謝していますよ 妻には」
(井口泰雄さん)

「こんにちは。」
(井口泰雄さん)

10月、けんじさんのお母さんから、
ある相談を受けました。

「お願いしたいことなんですけど...
 (高校入試の)出願から入学の流れで
 出すにあたって作文が・・・」
(母親)

「テーマ自分の未来について」

けんじさんは、高校進学を希望していました。
入試のため、作文が必要だったのです。

「書いてみようか」
(井口泰雄さん)

「・・・・」
(鈴木健二さん(仮名))

なかなか筆が進みません。
一体、何があったのでしょうか?


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