FEAUTURE特 集
ザ特集
ザ特集 不登校 進学を阻む壁
19.11.28
まずはザ特集、
不登校の子どもを助ける
訪問支援員の密着取材、
28日は後編です。
進学を目指す
不登校の中学生に
立ちはだかる壁とは?
井口泰雄(いぐち・やすお)さんは
名古屋市から依頼され、
不登校児の支援活動をしています。
井口さんは元サラリーマン。
人間関係に悩み会社を辞めましたが
妻の支えで立ち直りました。
支援員は自分の経験が活かせる仕事です。
「こんにちは」
(井口泰雄さん)
井口さんが訪問したのは
不登校の中学3年生の男の子の家です。
健二さん(仮名)は、いじめをきっかけに、
2018年9月から学校に行っていません。
この日、お母さんからこんな相談が・・・。
「お願いしたいことなんですけど...
(高校入試の)出願から入学の流れで
出すにあたって作文が・・・」
(母親)
「テーマ自分の未来について」
(井口泰雄さん)
けんじさん、高校進学を希望していました。
「いよいよ作文をもらってくると実感わいてこない?」
(井口泰雄さん)
「なんか」
(鈴木健二さん(仮名))
「この学校がいいところって
何個かあったけど なんだっけ
授業があれだよね
自分で組み立てられる」
(井口泰雄さん)
「まあ」
(鈴木健二さん(仮名))
「週に何回(学校に)行くとか
午前中に(学校に)行くとか
昼から(学校に)行くとかね」
(井口泰雄さん)
「自習の部屋もあった」
(鈴木健二さん(仮名))
「明確にやりたいことが
すごくはっきりしていたので 正直驚いた」
(井口泰雄さん)
そこで作文を書こうとしたのですが・・・
「書いてみようか」
(井口泰雄さん)
なかなか筆が進みません。
30分かけて書いた文章は・・・。
ひらがなが目立ちます。
困った井口さん。用意したのは・・・
小学5年生の漢字の問題。
それでも・・・。
「きょうのやつ難しい?」
(井口泰雄さん)
「難しい あんまり出てこない」
(鈴木健二さん(仮名))
学力に関しては、健二さんの時間は止まっていました。
「中学校3年生がやっているテキストは
まったくわからない状態なので
もともと差があったのが
余計に差が出てきたなと痛感しています」
(母親)
現在、引きこもりの状態にある人の数は約105万人。
最近は、引きこもりの高齢化も問題になっていて
引きこもる時間が長ければ長いほど復帰は難しくなります。
子どものうちに
誰かが社会復帰の手助けをしなくてはならないのですが、
支援が必要な子どもに対して、
支援する側の数が追いついていないのが現状です。
「すごくハードルの高い仕事だと
印象を皆さん持たれているのか
これまでいろいろな分野で活躍された方が
なかなかとび込みにくい」
(よりそい訪問サポートなごや 星野智生総括責任者)
支援員にとって大切なことはなにか、
井口さんに聞きました。
「支援側として自分が行く意味を見出そうとすると
自分が行く意味がないんじゃないかと
思うことがでてくると思うので
そういうことは考えてはいけない
おれが行って変化させてやろうとか
そういう目線ではいると支援にはならない
あくまで支援なので
そこの意味合いをきちんと理解するのは一番大事」
(井口泰雄さん)