FEAUTURE特 集
ザ特集
2019年 愛知の10大ニュース
19.12.25
「25日は『テレビde日経電子版』特別編。日経名古屋支社デスクが選ぶ10大ニュースで振り返ります。
解説は日経名古屋支社、清水デスクにお願いします。」
中部地方にとって2019年はどのような年でしたか?
「経済、社会を取り巻く環境が大きく変わり、
企業はグローバル競争に向けた一手を打ち、
自治体は、新たなリスク管理が問われた
1年だったと言えます。」
(日経名古屋支社 清水デスク)
2019年は地元有力企業の動きに注目が集まりましたね。
金融・小売などの業界では、再編の波が相次ぎました。
中部地方の経済を支える自動車産業では、どうでしたか?
「トヨタ自動車は、2019年3月期の売上高が
日本企業として初めて30兆円を超えました。
好調な世界販売に加え自前主義にこだわらず、
100年に1度の大変革期をのりきろうとしています。
世界の自動車産業が自動運転や電動化など、
最新技術にしのぎを削るなか、
トヨタはライバル勢はもちろん、
海外の若い企業とも連携を深めています。
スズキとは資本提携を結び、
スバルへの出資比率は引き上げました。
さらにソフトバンクなどとの
合弁会社も動き出しました。
こうしたオープン戦略により
技術の普及に先手を打ち、
同時にコストを引き下げる狙いです。」
(日経名古屋支社 清水デスク)
名古屋の地域力が問われた一年でもありました。
インバウンドの需要の掘り起こしや、
地方創生が加速しましたね。
中でも、中部国際空港の、
格安航空会社専用・第2ターミナル開業は、
どのような効果が見込めますか。
「2019年9月、LCC専用ターミナルが開業し
中国やアジアなどからの観光、
ビジネス客に弾みが付くと期待されています。
LCC向けの大型ターミナルは関西国際空港、
成田空港に続き国内で3カ所目です。
2018年、中部地方の旅客数は1235万人。
新たな第2ターミナルにより、
さらに年450万人の受け入れが可能になります。
空港側も、自動のチェックイン機や手荷物預け機を導入し、
運営コストを重視するLCCの乗り入れ拡大を目指します。」
(日経名古屋支社 清水デスク)
行政面では、リスクに直面した混乱も多くみられました。
今なお対策が道半ばと言える、
中部地方から始まった豚コレラの感染拡大は、
中部経済に、影をおとしたままですね。
「家畜伝染病の豚コレラは2018年9月、
約26年ぶりに岐阜県で確認されました。
その後、愛知にも広がり、国は2019年10月、
中部3県を含む6県で対策として
ワクチンの接種を承認しました。
岐阜では9月までの1年間で約7万頭が処分されるなど、
地域経済に深刻な影響を及ぼしています。
各県は補正予算などを組んで対応しているものの、
豚肉消費の風評被害などを防ぐ、
取り組みが求められています。」
(日経名古屋支社 清水デスク)
それではあらためて、
10大ニュースのおさらいです。
2019年は銀行やドラッグストアなど、
様々な業界で企業再編の話が
進んだことが印象的でした。
また、ジブリパーク計画が
スタートするなど明るいニュースの一方、
名古屋城天守閣の木造復元については
課題が山積みです。
2020年はどんな動きが出てくるのでしょうか。