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2018.07

映画「未来のミライ」インタビュー後編

前編はこちら

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宇野

いくつかのエピソードの連なりで全体が構成されていますが、

一番好きな場面はどれですか?

上白石さん

初めはよちよちの4歳の男の子が色んな冒険の中で色んな人と出会っていく中で

ぐっと男の子らしくというかお兄ちゃんらしくなる瞬間があるんですけど、

そこは1番好きですね。

自転車に乗れるようになったシーンは、

自転車ってやっぱり小さいときの1番の壁というか

それを超えたら大人になれるというか、

そういう思い込みがあったので

その頃を思い出したりとかして、

ああくんちゃんかっこいいなと思いながら演じていました。

宇野

くんちゃんも、お父さんもお母さんも

感情や行動がとってもリアルで、

どうやってこの家族を作り上げていったんですか?

細田監督

普通のアニメ映画ですと、子どもが中心に見ていると、

結構親って言うのはそこから一歩引いた感じでね表現するっていうのかな。

例えば見守る役割としてのお父さん、お母さんみたいな感じになることは多いと思うんですけど、

今回はそれよりも夫婦の仲で、赤裸々な、なんていうのかな、

そういう風にやっていこうか、みたいな話とかね、

そういうシーンも結構含まれていて、

やっぱりそういうのって子どもも含めて一緒に、

今不器用だけどもがきながら頑張って生きている家族、

そういうようなことが子どもたちにもわかるといいなあと思うんですよね。

で、そういうようなつもりで、今生きているリアルな、

不器用だけど何とか一生懸命やっていきたい家族っていうのを

自分たちで見つけたいっていうそういった人たちを

しっかり描いていきたいなあと思ったので、

自分の身の回りの家族とか

もちろん自分の家族のことの要素もいっぱい入れながら

現代の家族っていうのをちゃんと表したいなと思いました。

宇野

自分でこうだった、ってところもかなり盛り込まれた?


細田監督

そりゃあもう。

特にね、子どもの仕草だったり階段の降り方なんかも日に日に変わってくっていうのかな。

最初はお尻からそっと足を出して降りていたのが

一段ずつ前を向いて降りられるようになって

そこからさらに一段ずつじゃなくて互い違いに降りられるようになるっていうこともね、

いつの間にかできているっていう、子どもはね。

そういう瞬間を見逃さないようにしたいなって思いながらもなかなか見逃しちゃったりするんですよ。

あれ、いつできたのっていう風になってる。

だからそれくらい刻々と変化する子どもっていうのを

何とか映画っていう形にとどめてやっていきたいなっていう風に思うので、

すごく一生懸命観察して描きました。


宇野

最後に視聴者にメッセージをお願いします。

上白石さん

映画「未来のミライ」が7月20日に公開となります。

この物語は4歳の男の子が主人公の、その男の子が自由の象徴のようで、

思いっきり泣いたり笑ったり、むき出しの心でどんどん物語の中で成長していきます。

だからそこ新しい視点を与えてくれたりとか

今まであまり考えなかった自分の過去のこととか、これからのことについて

考えていただけるきっかけになるんじゃないかなと思います。

是非ご兄弟で、ご家族で、夏の冒険に、劇場に足をお運びください。よろしくお願いします。


細田監督

映画「未来のミライ」は4歳の男の子くんちゃんが

未来からやってきたミライちゃんと一緒に家族を巡る冒険の旅に出かけるお話です。

本当に家族の時空を超えた歴史みたいなものに触れたりするようなところが随所にありますので

是非、ご自分のご家族を思い浮かべながら観て頂くと、きっと昔の小さかった頃の自分に出会えるような

そんな体験が出来ると思いますので、

是非、この夏休みの映画らしいこの未来のミライっていう作品を皆さんでご覧ください。

よろしくお願いします。


この映画を通して、自分の過去も現在も未来も、

そして自分の大事な人のそれも、まるっと愛しく思える素敵な映画です。

映画「未来のミライ」は7月20日公開です☆

宇野 名都美 @ 2018年7月10日 17:45

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