2017年2月27日~3月3日放送
-
「箱根細工」2017/02/27
秋山小兵衛(藤田まこと)の頼みで息子大治郎(渡部篤郎)は、父のかっての剣友横川彦五郎(山本學)の病気見舞いのために箱根へ行く。
箱根にほど近い街道で大治郎は殺気をたたえた若い浪人(長森雅人)に道を追い越された。
幸い彦五郎の病は持ち直しており、勧められるままに大治郎は同じ宿に泊まった。不気味な浪人も別の部屋にいた。
その頃江戸では小兵衛が、料亭の女将おもと(梶芽衣子)から人探しを頼まれていた。
菓子屋桔梗屋の番頭が五日ほど前、料亭で人に会ってから行方不明になっていた。やがて番頭は斬殺死体で発見された。【出演者】藤田まこと、渡部篤郎、小林綾子、三浦浩一
-
「嘘の皮」2017/02/28
秋山小兵衛(藤田まこと)は若い女房おはる(小林綾子)と入った浅草の汁粉屋で、着飾った町娘と身なりの良い若侍が店に入ってくるのを見かけた。
若侍は五百石の大身の旗本の跡取り村松伊織(清水邦彦)。女は浅草の香具師の元締の娘お照(及森玲子)。おたがいに相思相愛なのだが、どう考えても釣り合わない。
お照と別れた伊織の前に、お照の父親の鎌屋辰蔵(石橋蓮司)の子分たちが現れ、伊織に刃物を突きつけた。
近くにいた小兵衛が伊織を助けた。伊織の父と小兵衛とはかって付き合いがあり、貧乏道場を経営していた時代の小兵衛はその援助を受けていたこともある。
伊織は坊っちゃん育ちで、香具師の元締という稼業が、どんなものか分かっていない。小兵衛は予想される悲劇を何とか防ごうと策をめぐらした。【出演者】藤田まこと、渡部篤郎、大路恵美、小林綾子
-
「天魔」2017/03/01
秋山小兵衛(藤田まこと)の前に、笹目千代太郎(片桐光洋)という異様な雰囲気の若い男が姿を見せた。腰には鉄の芯が入った木刀を下げている。
千代太郎は、全国を武者修行し、八年ぶりに江戸へ帰ってきた、と小兵衛に言った。「化け物が・・・舞い戻ってきた」と小兵衛は吐息をついた。
千代太郎は、小兵衛のかっての弟子の息子で、幼い時から異様に身が軽く、剣術もめきめき上達した。
しかし精神的にはどこかおかしく、ある日、自分を叱った父に向かって天井にまで飛び上がり、頭を強く蹴った。
父親は、「あれは伜ではない。魔性の生き物だ。斬って下され」と混濁した意識の下から言い、やがて息絶えた。
千代太郎は、自分の体内には韋駄天が宿っている、と言っていた。【出演者】藤田まこと、渡部篤郎、大路恵美、小林綾子
-
「兎と熊」2017/03/02
医師、村上道歩(頭師孝雄)の十八歳になる娘房野(朝岡実嶺)は色白で美しい。まるで可愛い白兎のような女である。その房野が白昼、大月という侍に誘拐された。
夕方、道歩の家に書状が届けられた。娘の命が惜しければ、浅草の三好屋という店に大月の客だと言って来い、という内容だった。
三好屋から道歩は、目隠しをされて駕籠に乗せられ、ある屋敷で頭巾をかぶった男から毒薬を調合するよう命じられた。
道歩は佐々木三冬(大路恵美)の伯父のかかりつけの医師。その縁で三冬が秋山小兵衛(藤田まこと)に相談に来た。
ずんぐりとして毛むくじゃらの熊のような、小兵衛の昔の弟子内田久太郎(中野英雄)が、念願叶って九千石の旗本、花房筑後守の家来になれたと挨拶に来た。
仕官の声をかけてくれたのが大月侍だと聞いて、小兵衛の顔色が変わった。【出演者】藤田まこと、渡部篤郎、大路恵美、小林綾子
-
「辻斬り」2017/03/03
江戸の町に辻斬りが出て、3ヶ月の間に5人が犠牲になっていた。
哀れな6人目は、秋山小兵衛(藤田まこと)がなじみにしている料亭不二楼の若い奉公人おみつ(中原果南)だった。
小兵衛は何としても下手人を捕らえようと、毎晩提灯を持って夜の道を歩き、ついに黒覆面の男とその供に出会った。
永井十太夫(赤羽秀之)という千五百石の旗本で目付衆という要職にある。永井には市口孫七郎(渡辺哲)という異形の剣客がついていた。
息子の大治郎(渡部篤郎)と共に闘うことになった小兵衛は、命がけの相手だと決意を固め、若い女房おはる(小林綾子)を里に帰した。【出演者】藤田まこと、渡部篤郎、大路恵美、小林綾子