2017年3月6日~3月10日放送
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「暗殺」2017/03/06
秋山大治郎(渡部篤郎)は偶然、駕籠に乗った若い侍(上杉祥三)が3、4人の男に襲われているのを目撃し、襲撃者を蹴散らした。
男の傷は重く、「女が待っている…」と大治郎に言った後、息絶えた。懐中から百両出てきた。大治郎は父小兵衛(藤田まこと)にことの次第を報告した。
翌日、小兵衛の家にお秋(森口瑤子)という居酒屋の女が訪ねて来て、斬られて死んだ侍の墓を教えてほしい、と言う。
奇妙な話だが、小兵衛はちょうど家に来ていた佐々木三冬(大路恵美)を伴ってお秋を墓に連れて行く。
お秋によると、侍は居酒屋の客で、店で血を吐いて倒れたのをお秋が看病した。
その恩返しに、借金がかさんで他所へ身売りしようとしているお秋のために「金を作ってくるから待っていろ」と言って姿を消したという。【出演者】藤田まこと、渡部篤郎、大路恵美、小林綾子
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「剣の誓約」2017/03/07
秋山小兵衛(藤田まこと)の一子大治郎(渡部篤郎)の道場に、嶋岡礼蔵(夏八木勲)という老剣客が訪ねてきた。
少年時代の大治郎は山城国の山里の礼蔵の下で5年間、厳しい修行を経験していた。
礼蔵は、柿本源七郎(東野英心)という剣客と真剣勝負をするために江戸に来た。柿本とは20年前に江戸の道場で立ち合い、圧勝した。
屈辱のなかで柿本は「10年後、真剣で再度勝負を」と言った。
その10年後も勝負はつかず、再度10年後の立ち合いを申し込まれていた。礼蔵はすでに剣を捨てていたが、剣客の宿命と、応じる覚悟を決めていた。
礼蔵は大治郎の道場に滞在する。大治郎は礼蔵の手紙を持って柿本の家に行く。
本人は不在で、応対したのは伊藤三弥(本宮泰風)という歌舞伎の女形のような青年だった。【出演者】藤田まこと、渡部篤郎、大路恵美、小林綾子
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「婚礼の夜」2017/03/08
秋山大治郎(渡部篤郎)の親友浅岡鉄之助(金山一彦)に、仕官と養子縁組の話が決まった。
ところが、何者かが鉄之助の身辺を探っているとの話が秋山小兵衛(藤田まこと)の耳に入る。鉄之助をねたんでいる者がいるかもしれない。
大治郎が調べると、養子に入る家はわずか五十石。娘の千代乃(中谷由香)は29まで婿の来てがなかった大女で、ねたまれる話ではない。
それでも大治郎は情報を集め、怪しい浪人が、鉄之助の祝言を無茶苦茶にしようとしていることを突き止めた。【出演者】藤田まこと、渡部篤郎、大路恵美、小林綾子
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「勘ちがい」2017/03/09
女剣士佐々木三冬(大路恵美)の父である老中田沼意次から、小判で千両という大金が三冬に贈られた。
田沼の真意は不明だが、一生遊んで暮らせる金額だ。三冬は、父がこの金で自分の剣術への情熱を萎えさせ、普通の娘に戻らせようと考えているとみた。
その気はさらさらない三冬は、秋山大治郎(渡部篤郎)に相談したが名案はなく、結局しばらくは、秋山小兵衛(藤田まこと)が預かることになった。
金は漬物樽に入れて小兵衛宅の土間の隅に置いてある。そこに、八郎吾(火野正平)という男が鯰を売りに来た。
小兵衛は鯰を買い、八郎吾に樽を台所に運ばせる。その時小兵衛は、「千両入っているからな」と言う。
この男、土崎の八郎吾という盗賊だった。【出演者】藤田まこと、渡部篤郎、大路恵美、小林綾子
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「三冬の縁談」2017/03/10
老中田沼意次(平幹二朗)の娘の三冬(大路恵美)は腕の立つ女剣士である。縁談があっても、「私を負かせる殿御でなくては嫁には参りません」と言う。
新しい相手は大和郡山藩士の大久保兵蔵(由地英樹)という男だ。
三冬は勝つ気でいたが、三冬に稽古をつけている秋山大治郎(渡部篤郎)は、「勝てる相手ではない」と思った。
大治郎は三年前、京都で大久保と立ち会った事があった。剣は強いが、人間的に欠陥だらけの男だった。
大治郎が不機嫌なのを見て秋山小兵衛(藤田まこと)は、息子が三冬に惚れているためと思いたしなめるが、話を聞いて「絶対その男を三冬の婿にしてはいけない」と一計を案じた。【出演者】藤田まこと、渡部篤郎、大路恵美、小林綾子