毎週月~金曜 午後4時から
第2部
奥州の津軽、南部両藩の紛争に乗じて、その取潰しを企む柳沢吉保。その陰謀を砕くべく、黄門様一行は旅に出る。
水戸光圀 : 東野英治郎
佐々木助三郎 : 杉良太郎
渥美格之進 : 横内正
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
永い旅を終え、水戸で元の生活に戻って久しい老公主従。しかし、御老公は、再び旅に出たくてうずうずし始める。そこへ飛び込んできたのは、津軽藩老中の賄賂政治の話。そして、何者かによる西山荘の火災。“旅に出るなら今しかない”と、老公主従心を決めて、津軽に向かって旅立つ空は、どこまでも美しい秋晴れであった。
老公主従は郡山に入った。だが、彼等より一足早く、津軽藩からの使者が到着していた。棚倉藩は、その“老公主従を殺せ”という嚇しに手も足も出ない。しかし、そこには助三郎の顔見知りの武士がいた。正義感の強い彼は、自分自身の命をもって、藩の正しいあり方を教える。その姿に心打たれた老公主従、さらに津軽藩へと旅を進める。
福島の代官は悪代官。そのあまりに無謀な税の引き上げに、再検地願いを出した男が、一揆の張本人とでっちあげられ引きたてられた。彼を奪い返そうとする百姓達にも黒いわなの手が……。しかし悪とは栄えぬもの。彼の娘や、彼に付き添う志正しい武士に、老公主従が手を貸せば、悪代官などなんのその、平和な町に逆もどり。
会津若松の名産は、第一に会津塗り。しかし、その名人は酒びたり。実は、次席家老が、筆頭家老を失脚させる手段として、不良品を多量に作り、他国へ流していたのだ。この為、名人といわれる彼の仕事は減り、彼の息子は家を出て不良品作りに加わったという。それを知った老公主従は、会津塗りの伝統を守ろうと力を尽くす。
米沢にやってきた老公主従。ここで格之進は大変な役目を与えられた。身替り婿になれというのだ。相手の女は、数年前、行儀見習い先で知り合った男と家出同然に所帯を持ったが、夫が死に、子供を連れて家に帰ろうとしていた。だが、夫も連れて来いといわれ、やむなく格さんの登場となった。そして御老公は下働きの爺やに……。
兄の仇を探す二人の姉弟。目指す相手は松島にいた。彼は、彼等の兄の親友でもあり、姉の方の恋人でもあった。ある日、不可抗力から親友を斬ってしまったのだが、彼にとっても不本意なことであり、初めから討たれるのを覚悟していた。しかし、御老公が間に入り、彼を憎むべきではないことを弟に説く。さて結末はいかに?
祭りの季節を迎えた花巻。楽しいその夜に、御老公に向けられる刃。それは、ある大工のものだった。博打の借金を理由に嚇されたのだという。根は正直な男であり、すぐに罪を悔いたことから、御老公も彼を許すが、それにしても彼を陰で操り、祭りを、大工の兄妹愛を、そして御老公をなきものにしようと企んだ男は何者なのか―?
城下町八戸で、竹とんぼを作って売る浪人。彼は、数年前に妻を手籠にした男を斬って以来、妻と娘をおいて、剣一筋放浪の旅を続けていた。しかし、突然、娘が目の前に現われた。とまどう二人の上に襲いかかる武士達。彼を仇として斬るのだという。老公主従は彼を助け、こじれた父娘関係を元に戻し、末永く幸福にと願う。
津軽・南部の争いの最中、津軽藩主が南部藩士を斬るという事件が起きた。老公主従をここまで連れて来た津軽藩士兄妹の長兄は切腹に追い込まれ、二人は脱藩者として捕えられてしまった。しかし御老公は、“まず両者の言い分を聞いてから”と、一旦峠の茶屋にこもり、助さん格さんを両藩に潜入させて様子を見る。
助さん格さん等の苦心が実り、御老公の前で顔を合わせた両藩主。そこでまた口論を始める二人に、御老公は、津軽・南部の争いを激化させようとする男があり、両藩城代がそれに一役買っていたことを話す。うなだれる両藩主に、“二度と争うことはならん”との言葉を残し、老公主従は再びあてのない旅を続ける。
能代春慶塗りの完成に心血を注ぐ一人の職人。数年前に盗人から足を洗った彼には孫があった。孫の父親は番頭で、店への義理の為に職人の娘と別れたのだが、ある日その男の前に四人の無法者が現われ、娘達を盾に脅しをかける。しかし、職人の昔馴染み弥七と、老公主従によって一件落着。能代春慶は完成し、親子四人は水入らず。
老公主従がひょんなことから手にした一枚の紙切れ。それは、笹竹藩城代家老が城下隋一の米問屋と組んで藩札の両替を差し止める際の誓約書の一部だった。その紙切れを手に入れて直訴しようとする藩財用方頭役が何者かによって殺され、後に残った若侍一人……。御老公の命令一下、弥七と助三郎が若侍に加勢して大活躍!
城下町新庄で、角兵衛獅子をしながら仇の帰りを待つ幼い兄妹。しかし、いくらやっても上達しない二人は、毎日親方に叱られっぱなし。そんなある日、仇が町に帰って来た。だが、悪名高い親方が奉行や仇と裏で通じているため、思うように事が運ばない。それを見かねた老公主従、てきぱきと二人に仇討ちをさせる。
八兵衛が、女将棋さしと賭将棋の末スッテンテン。揚句の果てに御老公の財布まで狙ったその女スリは、牢で出会った元大店の娘だという女強盗になりすまし、その両親に会いに行く途中だった。それを知った老公主従、女と共に天童に行き、農民泣かせの悪政を見る。御老公自ら盗人になり、殿様と女スリの目を醒ます。
山形にやって来た老公主従、俵に腰かけひと休み。そこを農家のおばばに見つかり大目玉。“藩の悪口を言った”と格之進は役人に捕えられ、御老公と助三郎はおばばのもとで農家の手伝いを始める。その頃、城内では、藩の悪政の証拠をつかもうとする兄妹が……。そして、格之進を水戸の者と知った郡代達は御老公の命を狙う。
天領佐渡での恋の鞘当て。振矩師の娘は器量良し。兄弟弟子でもめる中、奉行が見染めて大混乱。しかし娘が好きなのは初めから弟弟子。父親もそう望むのだが、それを知った兄弟子が、弟弟子は隠れ切支丹であることを奉行所に申し出る。そして今度は奉行の手が……。御老公がひとりでまとめるひと騒動。
新潟は漁業の町磯浜。そこには、対立する二つの網元があった。相手の漁業と漁師を奪おうと、あの手この手のあこぎな手段。だがその息子は、あまりに酷い父の所行が許せない。それというのも、相手方の娘を好いていたから。手も足も出せずに苦しんでいる相手を、老公主従と共に助け起こす。愛が正義を救った話。
老公主従が小諸で聴いた母子追分。夫の博打の借金代わりに遊女屋で働く女。その子供が病気になり、看病の為に夜逃げを計る。一方夫は、女を足抜きさせようと、飛脚を襲って百両を奪う。その金目当てに夫を狙う男達……。助三郎の尽力空しく、夫は十手持ちの悪人に殺されてしまったが、母子はもう二度と離れることはない。
祭りも近い下諏訪の町。名を変え潜むは殿の目付。それを見破ったのは、城下外れの暴徒から賄賂を受け取っていた藩士達。さらに“目付は格之進である”ということになり、彼までが命を狙われる。しかし、恍け続けた目付は、悪の根源を突き止め、機をみて妻の仇も討つ。晴れ晴れ目付に格之進。そして城下も同じく晴れ晴れ。
木曽は木どころ檜の香り。ここにも二つの材木問屋があった。それに巻き込まれたのは一人の老浪人。以前の主家の盗まれた刀を取り戻す為に、切り出しで日銭を稼ごうとして殺されてしまったのだ。御老公は怒りを隠さず、影で糸を引く悪代官に自ら裁きを下す。再び旅立つ老公主従の耳に木曽節の美しい唄が聴こえてきた。
着物を盗まれた老公主従を助けたのは小さな馬子。彼は、昔父が仕えていた丹波の殿の機嫌を損ね離れ離れになった母に会いに行く途中だという。その母は、乳母として、姫の道中と共に大井の宿に。姫の脱走を機に、やっと母子の対面が叶う。そこに、身を持ち崩して老公主従の着物まで狙った父が現われて……。
金を目当てに御老公の命を狙った男を斬ってしまった格之進。垂井の男の実家へ形見を届けに行ってみれば、それを乗っ取ろうとする駕籠屋と役人がいた。亡き父の代わりに自分の手で家を守ろうとする少年に、幼い頃の自分を見た格之進は、全てを振り切って敵の中に飛び込んでいく。そこで格之進が見たものは……。
越前福井の家督騒動。藩主の病弱をいいことに、自分達の子供を殿の嫡子と偽り、藩の乗っ取りをたくらむ城代家老と側室。そして、殿の甥を立てようとする重役派。やがては義兄弟ともなろう二人の男が、忠臣であるばかりに互いの命を狙い合う。そこに登場老公主従、弥七が証拠を手に入れて、あとは藩主に解決をさせる。
丹後は宮津で、祖母と孫娘が経営する料亭。その店と孫娘を狙う悪人達。亡き父が博打で作ったという借金の、偽の証文を見せられて、娘は店の為に嫁に行く決心をする。だが、娘に惚れていた板前と老公主従が、祖母と共にそれを止める。八兵衛とその子分も大活躍し、二足の草鞋を履く悪町奉行をこらしめる。
如何様の罷通る賭場を足蹴に消え失せる旅人の威勢の良さが老公主従の目に爽やかに映る。一行が泊まる宿の母娘が、出奔から戻るのを願って止まない長男こそその旅人であった。罪を着て故郷を捨てた旅人の過去の秘密を知る幼馴染との友情はとうに歪んでいた。老公主従に助けられ五年間の汚名を濯いだ旅人は母と妹をその胸にかき抱く。
些細なことで助さんと喧嘩別れした老公は、謎の虚無僧に襲われた武士から今際のきわに会わせたい娘がいると聞かされる。偶然助さんと八の相部屋に居合わせた男装のその娘にかかる追手。弥七の調べでお家騒動の絡む裏の事情が明らかになる。襲い来る追手を払いながら、老公と格さんは娘に導かれるまま久留米に向けて旅立つ。
お家騒動の仲裁に老公の裁断を仰ぐべく、老公を導いて海を渡る弥生。小倉では廻船問屋が厳しい警戒線から一行を護るが、程なく主人は代官所に召し取られる。探索に出た弥七は、主人が藩財政を憂うあまり抜荷に手を出していたことを知る。唆した本人の家老は主人に罪を着せるが、一切の証拠となる書き付けを持つ老公の大活躍。
旅籠に現われた偽の御老公一行。そうとは知らず、仇討ちの娘と若党が助けを求めて偽老公を弱らせる。折りも折り、同じ宿に泊り合わせた老公主従は、偽者を困らせながら仇討ちの手助けに動き出す。やっと掴んだ仇の居所。だが、奉行所の許しが出ない。仇と奉行所との腐れ縁を断ち切り、みごと娘たちの本懐を遂げさせる老公主従。
弥生の急病で足を止めた佐賀藩の鉄砲隊の威力には老公も唸る。弥生の窮状を救われたのが縁で一行は薬種問屋の兄妹の厄介になる。問屋の身辺に出没する怪しい影。鉄砲鍛冶の娘を恋人に持つ兄は恋を捨て鉄砲奉行の挙動を探る。やがて、老公主従は兄妹が鉄砲密造の陰謀を暴くべく密命を帯びた隠密であることを知り団結して闘う。
旅に疲れた老公に天下一の茶を立てた藩主家老の養女。互いに恋するこの娘と侍の仲を嫉み、次席家老と組んで家老の失脚を目論む剣術指南役は、家宝の茶碗紛失を演出。娘を我がものにせんとする。高麗焼き盗人の巧みな手口を見逃さぬ弥七。居合いの達人の太刀を退けた老公は、茶器に現をぬかし政事に疎い殿様を諌める。
とうとう老公主従を久留米領に入れた弥生。その行動は彼女ひとりの筋立てであった。世継ぎの推挙で大方に反し病弱な嫡男を推す弥生の父は幽閉の身。財政難の藩を金の力で牛耳ろうとする廻船問屋の陰謀。追い詰められた弥生の人質取っての非常手段は老公の同意は得ぬものの恋という大きな犠牲を払いながらお家騒動に幕を下ろす。
久しぶりに戻った江戸の町。罷り通る生類あわれみの令に辟易の江戸っ子達。老公主従が袖すり合わせた魚屋がふとしたはずみで野良犬を殺し、あわや死罪のその時、助さんはじめ老公までが命を賭けてこの無法を正さんと決意。将軍を目のあたりに、老公の愛情溢れる説得。柳沢の奸計をも退け、将軍は自らその不明を詫びるのだった。
第32部
江戸の水戸藩上屋敷では光圀(里見浩太朗)の孫、菊千代の成長を祝う儀式が行われた。久しぶりに江戸へ出た助三郎(原田龍二)と格之進(合田雅吏)は祭りでにぎわう湯島天神へ足を運ぶ。そこで2人は黒覆面の男たちに襲われていた松姫(佐藤江梨子)を救う。松姫は尾張大納言の娘で、将軍の養女となり、加賀藩の若殿との縁談が進んでいた。覆面の男たちをお娟(由美かおる)が追うと、一行は加賀藩の下屋敷に逃げ込んで行き…
水戸光圀 : 里見浩太朗
佐々木助三郎 : 原田龍二
渥美格之進 : 合田雅吏
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
江戸の水戸藩上屋敷では光圀(里見浩太朗)の孫、菊千代の成長を祝う儀式が行われた。久しぶりに江戸へ出た助三郎(原田龍二)と格之進(合田雅吏)は祭りで賑わう湯島天神へ来た。 そこで二人は黒覆面の男たちに襲われていた松姫(佐藤江梨子)を救った。松姫は尾張大納言の娘で、将軍様の養女となっていた。姫には加賀藩の若殿との縁談が進んでいた。
助さんとケンカした風来坊、実は名代の温泉宿の跡取り息子。故郷見たさに戻ってみれば、湯気の向こうに悪いヤツらが実家乗っ取りの悪だくみ。頑固なオヤジと可愛い妹のために暴れまわる風来坊を止めにいったはずの助さん格さんも大暴れ!正義に燃える若者たちに手を貸す御老公と一行の大活躍!
殿さま自慢の立派なそば屋…ところがちっとも美味しくない!その裏には思わぬ悪だくみがあった!そば打ちに命を賭けた弟子入り志願の少年を助け、御老公が殿さまに教えた、これぞ名代そばの味!!
美しい湖にひびく御諏訪太鼓!新田開墾に精根を傾ける土地の人々に、次々と無理難題を押しつける悪いヤツら。稽古を重ねた御諏訪太鼓を、お殿様にお見せすることは出来るか?御老公が力を貸した、太鼓に響く恩返し!
記憶の底に眠る恐ろしい掟!山々を守る夫を支えた若き妻には、知られてはならない秘密があった。伐採を禁じた山から材木を盗み出す悪い奴らの出現に、命を賭けて立ち上がる夫!果たして妻の運命は!?親子三人の幸せを、御老公が守り抜く!
よその店の者だろうが誰だろうが、叱り飛ばす男勝りの名物女将。そんな女将のひとり息子と恋に落ちた可愛い娘のために、我らが八重さんが一肌脱いだから大騒動!熟女同士の意地比べに、思わぬ誘拐事件が絡まって、御老公が立ち上がる!
上役の顔色をうかがってばかりの若侍。この若者を鍛えようと御老公が立ち上がる?!高岡名産の鋳物に仕掛けられた卑劣な罠に、若者の勇気は戻るのか?!臆病風を吹き飛ばし、悪を懲らす御老公の大活躍!
御老公を狙う紅蓮の炎!正体の見えない敵、敵、敵!加賀に渦巻くお世継ぎの陰謀に巻き込まれ、金沢入りする御老公の姉の運命は?!そして、鬼若と夜叉王丸の最終決戦!?加賀百万石を救うため、御一行が立ち上がる!
御老公を狙う紅蓮の炎!正体の見えない敵、敵、敵!加賀に渦巻くお世継ぎの陰謀に巻き込まれ、金沢入りする御老公の姉の運命は?!そして、鬼若と夜叉王丸の最終決戦!?加賀百万石を救うため、御一行が立ち上がる!
助けた娘は女スリ!父を尋ねる娘とともに、助は危険な二人旅!!悪の罠に陥った大商人、その腕に抱かれた猫には、母の名前。最後の仕事に命をかけた、娘白波の運命は!?健気な娘心に、心打たれた御老公が、能登は輪島で父と子の絆を結びます。
悪政に立ち上がったのは、藩主のお祖母さま。二人のお供を従えた姿は、まるで女黄門様。潜入した公儀隠密の意外な正体。藩を揺るがす大事件と、忘れられない初恋の記憶。はたして御老公はどう収める!?
口は悪いが腕は確かな名物先生。助さんも、手遅れと言われて目を白黒!そんな豪傑でも息子は愛しい。侍と恋敵になった息子を陥れる、黒い罠。紅花染は恋の色、御老公が一肌脱いだ、出羽・山形の鬼退治!
どんな奴でも一歩も引かない元気娘!やっと見つけた奉公先は子だくさん。やんちゃ五人のいたずらにも平気の平左。でも切ない娘ごころ、そしてご主人様に迫る悪の罠!御老公が力を貸して、仙台城下の悪退治。
赤子を拾った御老公。母恋しと泣かれ、さすがの御一行も右往左往。そこにはつらい仇討ちの旅を続ける夫婦の悲しみ。御老公が悪を懲らしめ、家族の幸せ取り戻します。
浪花から母を捜しにきたド根性娘、その名はおはな。ひょんなコトからおはなの亭主になった格さんも、一緒に母探しするハメに!親切なお女将さんに居候するうちに、知ってしまった悪だくみ。立ち上がる浪花娘に、御老公が助太刀します!
亡き父から譲られた仔馬を育てる少年、そして姉。馬はやがて御老公も驚く名馬になった!名馬は金を生み、悪事を招く…少年と馬の夢を守る、御老公の大活躍!
三年前に飛び出した息子が、女形になって戻ってきた!錠前師の親爺はガンコ者、息子を許そうとしない。そんな親爺の腕を知って、悪いヤツらが群がってくる!父危うし!女形の息子を助けて、御老公が立ち上がる!
娘漁師が身体で暖めて介抱したのは、密命を帯びた若侍。胸につのる想いを隠し、娘は不正の証拠を城に届ける!ワルたちの罠を打ち破る、御一行!御老公の大活躍は如何に!
第33部
水戸の西山荘で、晴耕雨読の毎日を送っている黄門様(里見浩太朗)のもとへ、江戸から急の手紙が届く。駿府の久能山東照宮に神君家康公の幽霊が出るというのだ。将軍・綱吉(堤大二郎)が自ら駿府に赴くと知り、黄門様はそれに同行しようと江戸へ出発する。そのころ江戸では、身分の高い侍が何者かに狙撃されて殺される事件が起きていた。
水戸光圀 : 里見浩太朗
佐々木助三郎 : 原田龍二
渥美格之進 : 合田雅吏
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
神君家康公の亡霊が夜な夜な久能山東照宮に現れるという。参詣する将軍綱吉を護るべく、御老公一行も駿府へと旅立つ。豪商、西海屋に利用され将軍狙撃を企てる工藤祐馬は、江戸で助さんとは意気投合した仲だった…黒川藩のお家騒動を巡る暗い過去、祐馬とその妹の悲劇。御老公は果たして将軍を護ることができるか?!
血も涙もない金貸しの用心棒を買って出た御老公。心優しき娘が見抜いた、因業な男の真の姿、そして秘めた意外な過去とは?東海道は御油の宿場で、借りた金を踏み倒し悪さを企む代官たちをやっつけて、水戸老公が、金を憎んだ男の心を解き放ちます!
前の女房が新しい女房のところに、討ち入りをしたからさぁ、大変!二人の妻に挟まれた、職人の亭主のつらさにほだされて、御老公が一肌脱いだ。有松名産の有松絞に迫る悪を懲らしめて、夫婦の新しい門出を祝う、黄門様。
誘拐の片棒を担いでしまった御老公!さらった娘はとんでもないはねっ返り、父親から大金をせしめるという。さすがの御老公も驚きあきれるが、娘には出生の秘密が。慌てる助さん格さん、お娟さんを尻目に、誘拐騒動の裏でうごめく悪を懲らして、黄門様が父と娘の絆を結びます。
金の亡者と呼ばれた健気な女中は、大店の娘を支えて誰かの帰りを待っている。賭将棋に負けて、突然消えた旦那様が知っている、藩を揺るがす秘密とは何か?次の一手は絶体絶命!御老公の悪を裁く大勝負で、亀山の宿場は日本晴れ。
甲賀の忍者が伊賀忍者の里を狙っているという噂に、母おようと祖父柘植幻斉の身を案じ故郷を目指すアキと鬼若を待ち受ける、壮絶な死闘!そして鳴神の夜叉王丸もまた、伊賀の里を目指していた。そこには彼の出生の秘密があった。忍者たちの戦いを利用する西海屋の影を感じた御一行。御老公は果たして、アキの故郷を守り通すことができるか?
お娟さんを追いかけて東海道をゆくよろず屋の千太が拾ったお守り袋。ひょんなことから帰らぬ息子に間違われた千太は、年老いた母、さよの世話を焼くようになる。そして拾った守り袋は、千太やさよの命を狙う。守り袋の意外な秘密とは何か?ここは大和郡山、お守り袋に入った小さな観音様に絡んだ悪い奴らを、御老公が懲らしめます。
父が遺した淡路人形。もう操る人もいない人形に、父は何を込めたのか? 片平早苗との恋を権力に引き裂かれた若侍、吉村光一郎は、失踪した父の死を知り、御老公たちの助言によって父の失踪の原因を探るが、そこには藩を揺るがす秘密が隠されていた。娘の愛する男の行動に、苦悩する片平嘉平。護らなければならないのは藩か?それとも娘の幸せか?黄門様が、人形だけが知っていた悪事の証拠を解き明かします。
千太の言うことを聞いたばっかりに、船を間違えて四国に渡った御老公たち。土佐の高知のご城下で、きれいな宝石を拾った大店の坊ちゃんとお留守番をするはめになったアキ。年下の男の子はアキを頼りっきりにすれば、ご禁制の宝石を狙って襲いかかる、悪い奴ら。御老公は、おなじみ雷(いかずち)の光右衛門に扮して助太刀すれば、ちびっこ二人が力を合わせて、悪人どもをやっつける!!
街で出会ったお姫様、嫁入り前の松姫。黄門様の占いが、ピタリと当たって目をシロクロ。助さん格さんが止めるのも聞かず、占い師に扮した御老公は松姫と行動を共にする。ご家老、河辺勘左衛門の心配をよそに、まだ見ぬ姉おゆきを探すじゃじゃ馬姫。御老公が一役買った、汗と涙の縁結び。宇和島城下の悪い奴らを懲らしめます。
岩国の錦帯橋で出会った肝っ玉かあちゃん。口やかましく言われ、働かされて御老公も青色吐息。圧政に苦しむ人々を尻目に、なぜ母は悪にこびへつらうのか?献上織物に大望を秘めた女と共に、紙漉の里を、御老公が救います!
京の都から萩焼の里に逃げてきた娘。潜んで暮らすその様子に、助さんが娘をかばって亭主になった!だが娘には、待ちわびる男がいた。だが娘はその人の正体を明かさない。千太に助けられたのは、藩を揺るがす大事件を探っていた男、それは娘が待っていたひと。水戸の御老公が、悪い奴らを懲らしてめて父と娘の絆を結びます。
何でも人のせいにする甘ったれ若旦那に、母親はじっと耐えているばかり。憤慨する御老公だが、この若旦那をかげで支える娘に心打たれる。さてどうすればこの甘ったれをしゃんとできるか?娘に力を貸す御老公。そして出雲大社の門前町を狙う黒い影!悪い奴らを懲らしめて、放蕩息子の性根を直す御老公。
無実の罪で裁かれる、恩人の命はあとわずか!救出に命をかけた弟分のために、お調子者のよろず屋の千太が一肌脱いだ。果たして恩人を救い出すことはできるのか!?力を貸そうとする助さん格さん。だが御老公は、千太を男にしようとじっと見守ります。米子城下でよろず屋の千太の、兄弟仁義の恩返し。
御老公が襲われた!遂に鳥取入りした御一行を待ち受ける暗殺者の群れ!裏社会を仕切る大商人・西海屋の狙いは何か?そして沖合に現れるという外国船の真相は!?日本を揺るがす大事件に、水戸老公が挑みます。
その寺には幽霊が出るという噂。そして悪代官がご執心の健気な娘が身投げした。どうも仕掛けがあるらしい。出石の町で、娘を守る幽霊に力を貸した御老公。民を泣かせる悪い奴らを懲らしめます。
調子のいい男に見込まれた助三郎は、ハメをはずして旅籠でドンチャン騒ぎして、御老公に大目玉!献上彫物に賭けた兄弟弟子。調子のいい風来坊が彫った雀は、まるで生きているよう…。出湯の里の山中で、職人魂に心打たれた御老公。弱き者たちを守り、悪を懲らしめます。
今年も風の盆が、またやってくる。懐かしいあのひとを想いながら踊りの稽古を続ける美しい娘。だが、その美しさを狙って悪い奴らが動き出した!消えたあのひとの運命は!?ここは越中八尾。悪を懲らしめて、水戸老公がふたりの絆を結びます。
若殿さまが見初めた娘は、元大店のお嬢様。貧しさに負けぬ明るさに、御老公も大感激。町一番の器量よしは性格もいい娘。若君の恋の行方は!?そして娘の運命は!?大店が没落した事件の裏には悪い奴らの影。御老公は恋の使者、そして悪い奴らを懲らしめて、長岡の城下に明るい笑顔を運びます。
荒波を佐渡に渡った御老公。美しい声で歌う、謎の男の正体は!?何人もの隠密の命を奪う隠し金山!荒くれどもがたむろする、たこつぼのような酒場にどっかり居座った御老公。謎に挑んだ男を助け、兄と妹を二十年ぶりに再会させます。
鮭が帰ってくる豊かな川を、悪い奴らが独り占め。亡き父が命を賭けた鮭漁に、健気な娘が再び挑む。故郷の自然の恵みを守り抜き、娘を助けようと一心の男。ふたりに手を貸した水戸老公、悪い奴らを懲らしめて、村上の地に平和を戻します。
第31部
光圀(里見浩太朗)は西山荘で歴史書「大日本史」の編さんの作業を続けながら、野良仕事にも精を出していた。助三郎(岸本祐二)、格之進(山田純大)も一緒に畑で汗を流している。光圀の身の回りをする八重(岩崎加根子)、お娟(由美かおる)も元気に光圀の仕事を手伝っていた。そこに、家老の山野辺兵庫(丹波哲郎)が将軍綱吉(堤大二郎)の手紙をたずさえてやって来る。
水戸光圀 : 里見浩太朗
佐々木助三郎 : 岸本祐二
渥美格之進 : 山田純大
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
ここは水戸の西山荘。幕府の財政逼迫を解消するために、柳沢吉保が独断で貨幣改鋳を画策していたのだ。盗っ人かと助三郎が捕らえたのは、お初(高松あい)という娘。恋人の冤罪を救ってもらおうと、江戸から御老公に会いにきたという。事件の背後にただならぬ物を感じた御老公は、山野辺兵庫(丹波哲郎)の制止を押し切って、助三郎と格之進、そして八重とお娟とともに江戸に旅立つ…。
水戸に帰らず御老公を追ってきた八重は、侍たちに追われた志乃(大沢さやか)と出会い、鬼若とアキに助けられる。礼も言わずに逃げていく志乃、しかし次なる危機を救ったのは、箱根湯本に向かっていた御老公たちだった。ご一行が泊まった旅籠では、箱根関所の役人たちのドンチャン騒ぎ。志乃はその中に恋人、今岡(林泰文)の姿を見てしまった…。
亡き息子に瓜二つ…廻船問屋の女将おせい(二宮さよ子)に言われた助さんは、半日だけ息子としてつきあうことに。しかし助を待っていたのは、真っ暗な蔵の中。抜け荷を探っている城代の手先と間違えられたのだ。抜け荷の悪党たちを前に、助は大芝居を打つが…そして、おせいの正体は?絶体絶命の助を救う、御老公の大活躍!
鬼瓦のような顔をした問屋場の頭、権三が一目惚れしたのはお娟!息子の三太の母親になって欲しいと結婚を申し込み、調子に乗って三太が藩主の御落胤であるとデマカセを言ってしまう…それが次の藩主の座を巡って派閥争いをしている家老の耳に入り、三太が悪党たちの餌食に!父と子を救え御老公!そしてどうなるお娟の結婚話?!
三日後のお見合い相手はとんだバカ殿だって?!鬱憤ばらしに城下を見物に出かけた菊姫(榊原めぐみ)は御老公と出会い、市井の人々の暮らしを知る。そのころ、護岸工事の不正が噂される天竜川に、源太という青年が現れた。孤児たちを養っている浄心院で菊姫は源太と出会い、心ときめく。源太実は浜松藩の若君、青山忠正。まさに菊姫のお見合い相手、その人である。やがてふたりに忍び寄る悪の影、そして御老公の活躍はいかに!
剣の稽古にと助さんに襲いかかったのは男装の娘。上意討ちの旅の途中だという。ここ吉田は目指す仇の故郷、そして同じく仇を追ってきた藩士たちが斬り殺された。彼奴はいる!しかし八重の説得にも耳を貸さない娘の前に現れたのは、病で伏せっているはずの父親。娘が追っているのは、実の父親だというのだ…。父と娘の悲しい再会、そして上意討ちに隠された陰謀を暴く御老公の活躍!
母もライバル、娘もライバル!助けてもらった格さんに恋煩いの娘ふたりは、とんだ訳アリで、何をするにもライバルという母親がついている。そのモー烈ぶりに格さんのモテモテ気分もあっという間にマッ青!このドタバタ騒動の影では、尾張藩への納品を巡って黒い陰謀が動き出していた。御老公の活躍は如何に!
御老公が気に入った香炉を作ったのは、酔いどれ職人の秀二郎。腕はイイのに職人気質がタマにキズのこの男が、献上品をめぐる陰謀に巻きこまれた!ものづくりの心を愛する御老公が立ち上がる!助さん、格さん、ひと暴れと参りますか!
アキの母の消息は?抜け忍が里に戻ったら死しか待っていないと、必死で止める御老公たちを振り切って、伊賀上野を目指すアキと鬼若。待ち構えるのは、アキの祖父である幻斉を監禁し、柘植一族を乗っ取った、八剣の十兵衛。その背後に御老公暗殺を企てる柳沢吉保の影が!母と娘そして祖父の情愛は、陰謀渦巻く忍者の戦いに勝つことができるか!
ダメ殿叱る、大砲ドッカーン!税金の高さに悲鳴をあげる町人を足蹴にする非道役人に怒りが爆発し、捕吏たちに追われるハメになった御老公。匿ってくれたのは、うだつの上がらない大砲奉行の青年。御老公は、この青年にやる気をださせて殿への諌言をさせようとするが…。果たして御老公の想いは届くか?!
日本の経済を牛耳る淀屋を狙う狙撃者!そして、お娟の秘めた恋!淀屋辰五郎が狙撃された。幸い弾は外れたものの、淀屋は幕藩経済を揺るがしかねない大人物。狙撃者を追っていたお娟が助けたのは、胆石で苦しむ又四郎。ほのかに芽生えた恋ごころ。しかし又四郎こそ、狙撃者だったのである。そのころ淀屋の娘に近づいていた格は、辰五郎が占いに凝っていることを聞き出し、御老公は占い師に扮して淀屋に向かった。
祭りの中、ご一行が泊まった宿は壊れそうなボロ旅籠。すっかりやる気をなくしている女将を盛り上げようと、立ち上がった御老公だが、慣れぬ番頭仕事に、格さんにまで「気の利かないジジイ」と言われる始末。さてさて宿屋は再建できるか?
明石名物の鯛がない!御老公が楽しみにしていた、明石名物「明石鯛」。ところが、この明石では、名物の鯛を売り買いしただけで、なんと牢屋に入れられるという!どうやらそこには悪巧みが…。御老公が出会った魚屋・政五郎は、鯛一筋にかけた真っ直ぐな男。心打たれた御老公が、瀬戸内の海の宝を取り戻す!
人助けをする度にお金をねだる、小銭稼ぎのヘンな浪人:望月安兵衛。御老公は、実は安兵衛が今はなき恩人の妻子を支え続けていることを知る。希代の名刀にまつわる謎の事件の真相とは?姫路城下で御老公が手を貸した、不器用な男の恩返し!
龍野の町に、幡随院長兵衛の忘れ形見だという男が現れた!その男は村を守ってくれるのか?本当にその男を信じていいのか?ホントは売れない旅役者!でも、一寸の虫もなんとやら…。さえない旅役者の男たちの勇気に、御老公が立ち上がる!さて、一世一代の大芝居の結末は?
若君様のお守り刀をつくる兄と弟。全く性格の異なるふたりを争わせるのは、名人と呼ばれる父だった。どちらの刀が選ばれてもひと波瀾…。そこに悪いヤツがつけこんだ!刀剣の産地・岡山で、御老公が見届けたほんとうの刀の極意とは?
毒煙が吹き出す謎の鉱山!御老公を襲う異様な浪人の群れ!そして、正体不明の仮面の怪人、鵺の大黒!そこは助さんの剣の師の住む、幼なじみの娘の住む、美しい町のはずだった…。渦巻く謎に敢然と立ち向かう御老公!果たして、陰謀の裏で糸引く巨大な悪の正体は?
直訴にかけた若い庄屋。死に急ぐ若者を諫めようとした御老公もまた行方不明になってしまう…この時代、直訴は御法度。死罪はまぬがれない。助さん格さんの必死の捜索にも関わらず、ふたりの消息はつかめない。そして町奉行の追っ手が迫る!”命”の、”生きること”の大切さを若者に説く御老公…はたしてその想いは届くのか!
アキちゃんが少年剣士に恋をした!?いつもは強い鬼若も今回ばかりは大弱り…。そして、純真な少年たちを巻き込む大人の悪巧みが!アキが恋した少年剣士は、試合で優勝できるか? すくすく伸びる若い芽を、御老公はやさしく見守る。
御老公が迷子になった!桃の節句に出会った男、徳次郎は、五年ぶりに故郷に帰るという。はたして、男に街を捨てさせた事件とは?旅は道連れ世は情け。三次の街で、雛人形に命を吹き込む男を助ける、御老公。
お城から四千両が盗まれた!この金を取り戻さなければ、若い藩士・冬木順之助は切腹!彼を助けようとする威勢のいい旅籠の女将、お京、かつては”七化けのお京”と名乗る義賊だった。そして、順之助はお京が捨てた子供だった!月光の中に飛び交う黒装束の面々。敵?!味方か?!女将の過去を知った御老公が、大泥棒を名乗って大活躍!
第21部
旅の始めは、水戸近郊の袋田温泉。そこで救った二人の尼僧が、実は岡崎藩の世継ぎ騒動に絡んでいたのである。岡崎藩お世継ぎ騒動解決依頼のため、刺客の手から逃れながら、何とかたどり着いたという。事情を聞いた黄門様、岡崎へ向けて旅立ちを決める。
水戸光圀 : 西村晃
佐々木助三郎 : あおい輝彦
渥美格之進 : 伊吹吾郎
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
長旅の疲れを癒す為、八兵衛とお銀を連れて袋田の湯を訪れた水戸老公が救った二人の旅の尼僧。尼僧達は実は神君家康公ゆかりの地・岡崎藩の姫君と国家老の娘だった。世継ぎを巡る藩の危急を、命を賭けて報せに来た娘達の真情を知り、旅立ちの決心をする一行の前に次々と現れる暗殺集団。岡崎城下を目前に爆殺の罠が…。
長旅の疲れを癒す為、八兵衛とお銀を連れて袋田の湯を訪れた水戸老公が救った二人の旅の尼僧。尼僧達は実は神君家康公ゆかりの地・岡崎藩の姫君と国家老の娘だった。世継ぎを巡る藩の危急を、命を賭けて報せに来た娘達の真情を知り、旅立ちの決心をする一行の前に次々と現れる暗殺集団。岡崎城下を目前に爆殺の罠が…。
三河・岡崎藩のお家騒動を収め高山へ向う老公一行が下呂温泉で知りあった女は、無実の罪で手配者となった弥七そっくりの春慶塗り師の夫を待っていた。しかし夫はすでに罠に嵌められ、殺される寸前に無実の証を弥七に託す。将軍家献上の漆器を巡る陣屋の手代と問屋の陰謀に、残された妻と弟を助けて立ち向かう。
名物“小鯛の笹漬け”を楽しみに小浜城下に入った水戸老公だが、頑固な網元と頑固な魚問屋の大喧嘩が原因で、笹漬けは当分お休みの状態。両家の相思相愛の娘と息子まで引き裂かれた喧嘩の黒幕がやくざな網元と組んだ代官の陰謀と知った老公が、若い二人の幸せと浜の平和を取り戻す為、ひと肌脱ごうと乗り出す。
伯耆の国・米子の近く皆生の湯に向う一行が出会った母を探す健気な娘馬子。一方別行動の助三郎は、御用金横領の悪臣が放った刺客に襲われた母里藩の姫君を救う。姫の乳人が娘馬子を見込んで替玉を勤めさせるが、実はこの乳人こそ娘の生き別れの母親。忠義の心と哀しい母心に揺れる想いを汲んだ老公が藩を救って母子の絆を取り戻す。
三次城下で老公が心魅かれた三次人形は、三年前から付近の村に住みついた因くありげな浪人が工夫したものだった。陶器・漆器に加えて人形の一手売り捌きを企てる物産問屋と町奉行の悪行を暴く為命を賭けて直訴を敢行しようとする浪人だが、そこに現れたのは浪人を父の敵と狙う武家娘。娘の顔は人形の面影にそっくりだった。
浜田城下を前に、老公達の金も着物も騙し取った父娘のふりをした泥棒。実は娘は浜田で一番の紙問屋の孫娘で、亡くなった父親が飛騨高山で身につけた紙漉きの秘伝を携えていた。改心を誓った男と共に娘を連れて紙問屋を訪れた一行だが、何ともう一人孫娘が現れた。古い暖簾を狙う陰謀を砕き孫娘の幸せつかんだ浜田城下の大掃除。
津和野領に入った老公は、格之進と瓜ふたつだが無法者と名高い藩主・亀井茲親と出会う。一方、老公の代参を済ませた格之進は、藩主を父の仇と狙う娘から斬りかかられた。過酷な年貢にあえぐ農民の窮状を直訴して娘の父は茲親に無礼討ちされたというのだ。藩主を隠れ蓑に家老一派が目論む津和野藩乗っ取りの計画に気付いた老公は…。
長府の城下で出逢った酒浸りだが元は腕のいい蒲鉾職人と、生さぬ仲だが健気に尽すその娘。一方長府一の蒲鉾問屋で聞いた悪辣な海産問屋の嫌がらせに長府の町の大掃除を決意した水戸老公が、その探索を開始した矢先に、娘の実の親が蒲鉾問屋の主人夫婦と判る。美しい娘心と古い暖簾を守る為、毒入り河豚の罠に陥ちたと見せかけて…。
豊後杵築に繰り広げられる大規模な隠密狩りの背後には、藩重役と物産問屋が結託しての禁制の鉄砲買いの動きがあった。通行改めでお銀の夫になりすました公儀隠密が連絡をつけた畳表職人の女房の家を訪れたことから、老公も否応なく騒動の渦中へ。次々と消される隠密達と、務めと夫への愛に苦しむ女心を察した老公が下した英断とは。
木材の里、日田に入った一行はわがままな姑と懸命に尽す健気な嫁と出会う。姑は息子の出世が遅いことに不満を抱いていたが、その息子は代官所手代と材木問屋の不正伐採を暴こうとして命を狙われる。汚名を着たまま行方不明の夫の無実を信じる嫁の真心に触れ、御用林を欲しいままにする悪に対し、老公の怒りが爆発する。
助格と喧嘩別れの水戸老公は一人阿蘇山中に迷いこみ獣穴に落ちて危機一髪。粗相火の罪で没落した象眼細工の問屋の娘に救われる。一方老公を捜す助さんはお微行で町に出た姫君の危機を救い、格さんは女掏摸を捕えたが、この二人が瓜ふたつ。一見まるで脈略のない三つの出逢いが一つに繋がった時、藩主暗殺の恐るべき陰謀が明るみに…。
名代の球磨焼酎を楽しみに人吉に入った一行だが蔵元は火事で焼失。主夫婦はすでに亡く、末娘がからくも伝統の味を守り続けていた。折りから助三郎が知りあった旅役者の娘太夫は、実はその蔵元の家出した姉娘。店の再興と父母の仇討ちをそれぞれ胸に秘めた美しい姉妹の為に、老公が書いた御存知黄門一座の漫遊大狂言。
幼い子どもまで働かせてその稼ぎを全部巻き上げてしまい、世間から鬼と呼ばれる母親。一体なにがそうさせるのか。黄門さまの目には働き者の女としか見えないのに、なぜ評判が悪いのか。疑問に思った黄門さまはその陰にひそむ事情を探り始める。その結果、思いがけない事実が…。
宇和島の港に着くや、てんぷらを巡って大喧嘩。老公、八兵衛と別れた助さん格さんだが皮肉にも偽黄門のお供に雇われる。かって悪政を施いた家老を斬って逐電したこの老人が、今再び漁師に横暴を働く悪網元と郡奉行を懲らしめようと命を賭けた大芝居。心を察した老公も、偽黄門に調子を合わせ漁師に扮して宇和島城下の大掃除。
大洲城下を前に、助さんとお銀が見つけた閻魔堂の中で泣いていた赤ん坊。慣れぬ手つきで世話するはめになった老公達だが、なんとこの赤ん坊、次席家老と筆頭側室の陰謀で毒殺されかかり城外に脱出した大洲藩の一粒種の和子だった。忠義の腰元を助け、藩内に巣喰った悪党の奸計を打ち破る為老公が授けた一計とは。
生憎の雨にたたられた一行は、今治宿近い荒れ寺に一夜の宿を請うが、住職らしい盲目の琵琶法師は平家の亡霊に祟られた寺という理由で一行を脅す。一方助三郎が助けた旅の娘は、その荒れ寺に寄宿している謎の男の妹で何やら曰くあり気な様子。不思議な亡霊騒ぎに困窮する漁師の話を聞き更に不審を抱いた老公は幽霊の正体を暴こうと…。
丸亀の船着場で老公の財布を掏ろうとしたコソ泥は、実は讃岐一のうどん屋を十五年前に家出した跡取り息子。老公を大泥棒の親分と勘違いしたその男を何とか堅気に戻そうと老公は一行に加える。一方お銀と飛猿はうどん屋に放火しようとしたやくざに出会う。うどん粉の利権を巡る悪企みの真只中で老公一行も黒装束で大活躍。
備中松山を訪れた一行が目にしたのは、過酷な砂鉄採掘の夫役狩りに逃げまどう領民達。助・格が飛び出す間もなく、どこからともなく現れた謎の白頭巾が領民を救う。一方、城下で神楽面職人の家に身を寄せる切腹した元藩士の娘と知り合った老公。砂鉄の精錬を隠れ蓑に、鉄砲の密造を企てる無法に白頭巾と共に立ち向う。
龍野の城下に入った途端、いがみあう二軒の旅篭の本家と元祖に二分された老公一行。この争いで引き裂かれた本家の娘と元祖の伜は心中騒ぎを起すほどのもつれよう。その元凶が次席家老を後盾に持ち、藩の世継ぎ問題まで口出そうとする女占い師の存在と聞き、一計を案じた水戸老公。お銀を女占い師に仕立て、城中での大芝居。
福知山を目指す老公一行が見た由良川の川巾を拡げる三年掛りの大工事普請。そこを取りしきる代官は鬼と呼ばれ村人達に怖れられていた。しかし現場で人足達を叱咤しながらも共に汗を流すその姿に農民を思う熱い心を感じた老公が、自ら人足に紛れこみ実態を探った時、代官の上に立つ作事奉行の工事金横領の事実が明るみに…。
伊丹に入った水戸老公。銘酒で御機嫌になったところで宿の番頭に誘われて行った賭場だが、居合わせた造り酒屋のツキに乗ったつもりが見事にはずれてスッテンテン。路頭に迷った老公を泊めてくれたのがその造り酒屋の娘だった。実はこの博打が、酒屋の身代を狙ったイカサマとわかり怒った老公が借金の証文を取り戻す為に大博打を。
彦根城下に近い農村で天台宗の名刹を訪れた一行は、そこに歓楽街を造ろうと企む悪徳商人とならず者達の横暴を目にする。村を守る為に立ち上がった百姓達と寺の僧侶の姿に心打たれた老公は寺に泊って様子を見ることに。折りしも昔、寺の門前に捨てた我が子を捜し彦根を訪れた旅の女が攫われた。旅の女は僧侶の母親だったのだ。
港町・敦賀でやくざに襲われた若い男女を助けた一行は、その縁で娘の母親が営む宿屋へ。一方娘の恋人は老舗の廻船問屋の息子で父親は敵対する廻船問屋から藩御用達の艦札を巡り、命を狙われていた。雇われた殺し屋は元忍びの盗賊だがその男が現れた時、娘の出生の秘密と母親の隠された過去が明るみに…。老公の温情裁き。
伝統ある加賀友禅の老舗を訪ねた老公は、友禅の利権独占を狙う悪企みがあるのを知る。折りから金沢の町には、江戸から京・大坂まで荒らしまわった義賊・隼小僧が現れた。盗んだ金を貧しい友禅職人の長家にばらまく隼小僧の正体を知った老公が、町奉行と結託した悪徳商人の鼻をあかす為、黒装束に身を固め、百万石の城下で大奮闘。
糸魚川の岩場で傷を負った八兵衛を診たのは、腕はいいが評判の酔いどれ医者。医者には愛する妻の病気を癒せず死なせてしまった過去があった。折りしも無法な代官が企んだ年貢の横領に苦しむ領民と庄屋の為に、直訴を買って出た医者を襲う凶弾。医者を庇って瀕死の重傷を負った一途な女の心に過去を断ち切り大手術に取り組むが…。
善光寺参詣の後、老人達の穏やかな余生の為に建てられたという“蓬莢山”を訪れた水戸老公。しかし現実に見たものは高い冥加金を支払わねば入れない舘と、姥捨伝説そのままの貧しい老人が行く悲惨な姥捨山。時が来て泣く泣く家族に別れる哀れな老人達の姿に怒った老公は一人山の中へ。老人達に呼びかけ大脱走を企てる。
漆器の産地・木曽栖川村に住む名工忠兵ヱを訪ねる途中、なんと二代目忠兵ヱを名乗る男と知りあった老公。だが博打の借金で村を出てから五年ぶりに帰ったその男を息子の三代目忠兵ヱは許そうとしない。折りから漆器の一手買い上げを代官と共に企む問屋が献上漆器を利用しようとしていた。父子の絆を取り戻そうと老公が命じた腕比べとは。
やくざ同志の争いで見る影もなく荒れ果てた下諏訪宿。宿屋も飯屋も戸を閉ざし、困った一行を泊めてくれたのは男姿をした口入れ屋の娘。娘は宿屋の人々と窮状を直訴しようとして闇討ちにされた父親の仇討ちを心に秘めていた。宿場の疫病神を一掃しようと二手に別れた黄門一家が共倒れを狙ってそれぞれのやくざに用心棒を志願する。
高崎へ向う老公等が街道で出会った物々しい警護の佐渡金山からの御用金送りの一行。一行を追う忍びの集団に気付いたお銀達の働きにより高崎藩目付の息子の誘拐は防ぐことはできたが、一味とその背後の大物の狙いは御用金強奪と判明。一計を案じた老公は、一味に接近し強奪計画に加担したと見せかけるが、そこには既に暗殺の罠が…。
武州忍藩の城下で一行が出逢ったのは帰らぬ夫を待ち、季節はずれの白い鯉のぼりをあげ続ける農家の女房。かって物産問屋を営んでいた夫が、対立する問屋に殺人の濡れ衣を着せられ逃亡したことから夫を待つ変わらぬ心が白い鯉のぼりと聞き、真相究明に立ち上がる水戸老公だが、何と復讐の為舞い戻った夫は助三郎に瓜ふたつだった。
美しい雛人形で知られる岩槻に入った黄門一行。城下の飯屋で知りあった人足風の男は、公金横領の罪で切腹したとされている勘定方の侍の元中間で、残された妻子と共に主人の無実の証を探っていた。死を覚悟して横領の真犯人である勘定奉行に仇討ちを挑もうとする健気な母子と元中間の姿に心動かされた老公が一策与えて助太刀を。
半年余りの旅路の果てに江戸を抜け無事水戸へ向う一行だが、小塚原にさしかかった所で荒くれ浪人に襲われている将軍家奥女中を救い再び江戸へ舞い戻る。大奥へ行儀見習いに上がった娘の小さな幸せをふみにじる悪徳商人と幕閣の野望に義憤を感じた老公は将軍綱吉に直接拝謁することに。大奥に権勢を伸す悪に対し旅の終りの大掃除。
第20部
国民的人気時代劇シリーズ「水戸黄門」第20部。節目を迎えた記念シリーズは、北海道と沖縄を除く日本全国を回る。「水戸黄門」としては初の全48話、長道中となる。
水戸光圀 : 西村晃
佐々木助三郎 : あおい輝彦
渥美格之進 : 伊吹吾郎
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
平穏な日々が続く西山荘。だが江戸では老公の実子・讃岐高松藩主松平頼常が、気鬱を理由に参勤交代の出府を遅らせるという事態が起きていた。背後に高松藩改易を計る老中の動きを察した老公は、折りから江戸藩邸を抜け出した孫に当たる頼常の娘・綾姫と、直訴に出向いた駿府川根の庄屋の娘お鈴を連れて風雲急を告げる四国・讃岐へ。
甲州名産・水晶細工。その利権を狙う悪代官と悪徳商人を後楯にして、地元のあらくれ共が暴れ放題。ただ一人立ち向かう老目明しに協力して、助三郎、格之進も十手を持って下っ引きに。だが家出していた老目明しの息子が綾姫を誘拐した。互いに本心を隠して反発しあう親子の絆を結び直し、村の平和を取り戻す水戸老公。
参勤交代の途中、お微行で駿府の町へ出た但馬豊岡のお殿様はなんと助三郎に瓜ふたつ。雨宿りした軒下で町一番の竹細工職人の娘と知り合ったが、とろろ汁の礼と渡した財布が仇で娘は好色な町奉行の奸計に陥った。一方行方不明の殿様の身代わりで助三郎は綾姫、お鈴と共に本陣に。民を治める難しさを身を以て教える老公のお微行指南。
駿府代官の圧政に苦しむ農民を救う為、お鈴の案内で神君家康公お墨付きの茶処、川根に入った水戸老公。だがすでにお鈴の父の庄屋は召し捕られていた。百姓爺に化けた老公が、黄門様を見かけたと言いふらせば、折りしも島田宿には白い髯の旅の芸人。偽黄門とも知らず戦々恐々の代官一味を手玉に取って、老公主従が打った大芝居。
浜松で一行が泊まった宿は、鰻中毒で死者を出した罪で鰻料理が出せない。その上、中毒で死んだ客の幽霊が出るという噂で閑古鳥。幽霊騒ぎを操り、美人の女将と老舗旅籠を手に入れようとする悪企みに気付いた老公が、真相をあぶり出す為に幽霊に扮してひと芝居。鰻の里の平和を取り戻し、父を捜す娘お菊を一行に加える。
三河花火で名高い吉田で、一行が出逢った花火師は商売仇の陰謀で失明寸前の状態。その花火師を支え、花火作りに手を貸す美しい妻。三河の夜空を大輪の菊で彩る夫婦の夢を叶えさせようと、尽力する一行だが、花火に使う硝石をネタに大儲けを企む商売仇と悪家老の度重なる妨害。花火較べを目前に老公の鉄槌が下される。
桑名名物焼き蛤を食べ過ぎて、腹痛を起した八兵衛。元御典医の娘だという美しい女医者に診てもらえば、請求された法外な治療費。不振に思った水戸老公の調べで、御典医の座を巡って七年前に起きた事件が浮かび上がる。医は仁術か算盤か。桑名藩十一万石に巣喰う病根を断つ為に、病に伏す殿様に代わり真実を暴く水戸老公。
お菊の父親捜しで京に入った老公一行が助けたのは西陣織の老舗の女主人。町奉行を抱き込み、西陣織独占を画策する悪徳商人に対抗して、生さぬ仲の独り息子に暖簾を渡すまではと頑張っている。その心も知らずに放蕩の限りを尽くす若旦那の目を醒ますため、情けを教える水戸老公。記憶を失ったお菊の父とも涙の再会。
うどんのお代わりを巡って老公と格之進、八兵衛が大喧嘩。分裂した一行は別々に大坂に入る。ケチで頑固なお蝶の昆布屋に住み込みで働くことになった老公組と、お蝶の孫娘お京を救って昆布屋を訪ねる格之進たち。思いもかけぬ暖簾争いが引き起こす暗殺計画に倦き込まれ、仕掛けられた罠に老公自ら飛び込んで浪速の大騒動。
姫路城下を前にして、些細なことから大喧嘩。単身山路を辿って獣穴に落ちた老公を助けたのは闕所になった物産問屋の娘。一方助さん格さんが知り合いになった旅の一座の女太夫は、実はその物産問屋の家出した姉娘。店の再興を賭けて美しい姉妹の仇討ちを遂げさせようと、老公が書いた筋書きとは。ご存知黄門漫遊大狂言の幕が開く。
いよいよ目指す高松へ。頼常の気鬱が果たして真実か。息子の身を、父の身を思う老公と綾姫。先代領主の子と、頼常の実子とをまつりあげた国家老と江戸家老の争いに決着をつけるべく水戸老公が立ち上がった時、お京の母親が人質として攫われた。救出に向かった一行だが刺客が仕掛けた大爆発に巻き込まれ、絶体絶命の危機!!
讃岐・高松藩の内紛を治め、阿波を訪れた老公一行。折りしも参勤交代を終えてお国帰りの藩主を迎える阿波踊りの稽古で盛り上がる徳島城下だが、その十五夜の晩、親の恨みを晴らそうとする男は助三郎に瓜二つ。待ち焦がれる許嫁を助けて、農民を苦しめる悪家老を懲らしめる為、踊り連に交じってお城に乗り込む老公のひと踊り。
鰹節が藩の専売となったことで苦しむ漁師が増える土佐高知で、問屋場に押し込んだ男と、騒ぎに捲き込まれて一味にされてしまった格之進。押し込みの際に持ってきてしまった一枚の書き付けから意外な事実が浮かぶ。押し込みの一味として牢屋に入れられた老公一行と、もと名人の鰹節職人のその男が鰹節横流しを見事に暴く。
道後で助三郎と八兵衛が知り合ったのは、酒と遊びに明け暮れて生まれて一度も働いたことのない大店の若旦那。勘当されて元奉行人の女将の宿に居候するが、性根すえて初めて働きだした時、父親が無礼討ちにあう。死因に不振を抱いた老公が若旦那と女将を励まして、色と欲に溺れる勘定奉行に仇討ちを挑む。
豊前小倉で町奉行の威光を笠に着て放け火、脅しに人殺し。やりたい放題の口入れ稼業は西海屋。対する同業の国見屋の若い主人は、重なる嫌がらせにいきり立つ手下を押さえ、喧嘩を避けるが相手が悪い。ついに男がたった一人斬り込む決意を固めた時、代わって殴り込みをかけたのは老公達が住み込んだ曰くあり気な河豚屋の女将だった。
峠の茶屋で道連れになった男は一年前に殺人の濡れ衣を着せられて博多を捨てた人形師。旅の空で殺した筈の男と鉢合わせして不振を抱き故郷に戻った。が、かつての老舗の織元は闕所となり、恋しい娘は居酒屋に働きに出ていた。一方助三郎が助けたイキな芸者は人形師の妹。濡れ衣の陰でほくそえむ悪家老一味の陰謀を暴く。
焼き物の町唐津で、唐津焼を一手に扱おうとして陶工に誘いをかける陶器問屋。頑固にそれを拒む名人のもとにいる弟子は、実は美濃から陶工の技術を学びとるためにやって来た武士だった。知らずに一途に思いを寄せる陶工の娘。そして誤解したまま家出した陶工の跡取り息子。国の宝の唐津焼の伝統を守る為立ち上がった水戸老公。
お茶で名高い嬉野宿だが、一行が訪れた町は廃墟同然のさびれよう。お茶の利権を巡って対立する二人の親分。使役に駆り出された男達、そして山に隠れてしまった庄屋の娘を中心とする女達。現れた不思議な旅ガラスと共に両派の用心棒となって別れた一行が対決を煽ってお膳立てした荒野の決闘。
長崎で助けた旅の若者は、実は五年前に生き別れになった母を探すうら若い娘。廻船問屋の抜け荷をさぐる男が盗み出した金の延べ板から、漁師を苦しめる長崎奉行と廻船問屋の悪企みが徐々に明らかになる。五年前の抜け荷の真相を暴き、母娘の再会のために、老公が娘を大名の姫君に仕立てて悪者退治のひと芝居。
一年ぶりに八代を訪れた弥七に、父の敵と突如襲いかかる女壺振り師。そして老公一行が助けた漁師を束ねる網元は、一年前に風車の弥七に殺されたとの噂が。やくざが始めた網元と郡代が手を握り善良な漁師達に押しつける無理難題と、弥七の濡れ衣の出所は意外や一つ。姉妹の絆も深く、見事に仇討ち本懐を遂げさせる。
球麿川の鮎で名高い人吉で一行が出逢った元気な肥後娘は、藩の勘定方の武士の妻と子の守り役として献身的に仕えている。その武士の失踪と同時に、悲しむ妻を狙う好色な上役は、藩の御用林を密かに切り出しさばいていた。不正を隠す為に攫われた子供を助け出そうと、一人乗り込む忠義の娘。勇壮な臼太鼓に乗って老公が悪を裁く。
薩摩の国に入ったところで見かけた優しい若侍と、母は善人なのだが呑んだら始末におえない中間の主従。二人をつけ狙う家老の息子一味は、若侍の検地査察の調べ書きを狙い、ついには若侍を斬殺。悲嘆にくれる中間と残された許嫁が、死を覚悟の仇討ちに立てば、背後に年貢米の不正を見抜いた老公も怒りの助太刀。
蛇にかまれた八兵衛を手当てしてくれた“お助け屋”と呼ばれる女は無類の世話好き。たった一人の娘の相思相愛の相手は恩を受けた材木問屋の若旦那だが、その店の鑑札が取られて切羽詰まった時、お助け屋の母が現した昔の正体は”黒揚羽”と呼ばれた女盗賊。金貸しの両替屋に便乗した好色な勘定奉行の悪企みに立ち向かう水戸老公。
湯の町別府の湯治宿で一行が出逢ったわがままな姑と健気に仕える後家の娘。夫の残した竹人形の店を竹細工職人と共に懸命に守ろうとする嫁だが、その嫁に食指を伸ばす悪代官に却って嫁を差し出そうとする姑。嫁の真心に心打たれた水戸老公が、悪代官とやくざ一味の無法に正義の鉄槌を下せば姑の心も氷解する。
中津へ入った水戸老公が目にしたのは、家老と家老の勢力争いに巻き込まれて苦しむ農民の姿。老公一行も道普請の使役に参加して内情を探るが突然現れては両家老の邪魔をする紫頭巾と、静観したまま動かない筆頭家老の心中は謎のまま。助三郎が知り合った腰抜け侍と筆頭家老の娘の恋も絡まって両家老の争いの行方は?
萩の城下で出逢った酒浸りだがかつては名人と呼ばれた指物師は、生さぬ仲の健気な娘に酒代のために身を売れと迫るほどの落ちぶれよう。一方やっと巡り逢えた娘の実の両親は金の亡者。その親に萩焼き独占を企む悪い奴らが襲いかかる。美しい娘心と萩焼きの伝統を守るため、一肌脱いだ水戸老公が悪を一掃。
楽しみに訪れた銘酒・安芸鶴の蔵元は火が消えたようなさびれ方だった。若く美しい女主人を後添えに、とせまる競争相手の蔵元の主人と、勘定奉行が組んで企んだ陰謀で藩御用達の看板も風前の灯。酒と博奕に溺れて家を顧みない跡取りの弟を信じて待つ女主人だが、進退窮まりついに競争相手に嫁ぐ日が……。
風光明媚な松江城下で突然藩の重役を襲った刺客は、血気にはやる藩の若侍達。城中で密かに進行するお世継ぎを巡る首席家老と次席家老の争いと、恐るべき陰謀。その陰謀を未然に防がんと、単身敵の懐に飛び込み、連判状に名を連ねる家老の決死の覚悟。真実の忠義に感じた老公が、松江藩のためにひと肌脱いで大活躍。
お銀がイタズラで掏った助三郎の財布。それを見ていた旅の掏摸が勘違い。お銀に惚れこみつきまとって離れない。この人のいい掏摸が十六年前に鳥取城下の藍玉問屋の父娘の心中を引き止めた恩人だとは当人も忘れてしまったことだが、その時の約束を利用して大店乗っ取りを企む奴が現れた。因果応報の人の世を見事に裁いた水戸老公。
銘刀の故郷備前長船で早速に訪ねた刀匠に、刀は作らないと追い帰された老公一行。頑固な刀匠と刀剣独占を狙う刀剣屋のいさかい。そして巷に出没する謎の辻斬りに刀匠の娘婿は殺され、姉娘もまた囮となって傷を負う。再び仕事にかかった刀匠の胸に燃える復讐の一念を見た老公が暴いた辻斬りの正体はなんと岡山藩の勘定奉行だった?!
格之進が出逢った美しいが伝法な女掏摸。守り袋をたよりに実の親を探すその娘が最後のたのみとやって来た丹後宮津では、縮緬の利権を狙って呉服問屋がやくざと組んで陰謀を巡らせていた。町奉行まで抱き込んだ呉服問屋が脅しをかける友禅問屋の生き別れの娘こそがその女掏摸なのか?親娘の絆を甦らせて、悪を一掃する水戸老公の活躍。
助さん達と大喧嘩してひとり旅の水戸老公。博奕に負けてまる裸の弥次と喜多を連れにしたのはいいが誘拐されて大騒動。かたや御老公の人相書きが届いて自分の悪事露顕を恐れる郡奉行は、今度は老公を偽黄門に仕立て上げた弥次喜多の珍妙さに、大わらわ。私利私欲の郡奉行一味を、本物偽物入り混じって叩き潰す三国湊の大混乱。
友禅問屋と下絵書きが大喧嘩。老公にも手がつけられないほど犬猿の仲の両家の息子と娘は相思相愛で駆け落ちを企てるが失敗。下絵の盗用、藩公御下賜の盃が何故か二人にたった一つだけ。喧嘩のもとは絶えないが、その陰には意外な黒幕が控えていた。絡まった糸を解きほぐし、加賀友禅の伝統を守る水戸老公。
越中富山に乗り込んだ老公一行は、思いもかけず富山の薬を巡る紛争の渦中に。老公が心魅かれた琴の調べを奏でる目を患った武家の妻女は、死んだと聞かされた夫を待っている。一方藩重役の身辺に出没する謎の虚無僧の正体は。次席家老の専横を懲らしめるため、忠義の侍が死の淵から甦り、天誅を下す。
信州のあちこちから品物が集まる松本で、武家の荷を運ぶ伝馬宿が町人が経営する中馬に様々な嫌がらせ。繁盛していた中馬も今は青息吐息の状態。そこに八年前に家出した娘が、弥七を代理の亭主に仕立てて里帰り。中馬最後の命運を賭けた生糸運びに、馬子に姿を変えて荷を守る老公一行の悪退治。
盗まれた主君の刀を探し、浪々の身となった武士の息子は責めを負って切腹。刀を盗んだ盗賊を追いつめたが今は病に伏す老盗っ人の娘は父の素性を知らない。銘刀に執着して刀を騙し取る不肖の息子を嘆く家老。銘刀・三条宗近を巡る数奇な運命に関わった水戸老公の、それぞれの心を思いやる人情裁き。
助さん格さんが知り合った水芸一座の太夫は何やら曰くありげ。そして老公が世話になった娘馬子は、元長岡藩御用の米問屋だった父と二人暮らし。長岡城下の闇に跳梁する“義賊むらさき小僧”の目的は奇しくもその米問屋への恩返し。仕掛けられた罠とも知らず悪の巣窟に乗り込むむらさき小僧を助けて、水戸老公が抜け荷の謎を暴く
米どころの庄内平野の中心地酒田で相変わらずの腹痛で苦しむ八兵衛を診た、嘗ては名医と呼ばれた呑ん兵衛医者。健気に尽す娘の恋の相手は善良な米問屋の若旦那。米の値段を巡る問屋の争いから、呑ん兵衛医者が再起を誓って煎じた問屋のための薬が毒に掏り替えられた。米の値上げを画策する悪人共を懲らしめて、若い二人の縁結び。
米俵に座った老公を打った娘は領主を名君と信じて疑わない。だがなんと八兵衛そっくりの久保田の殿様は老公に憧れ微行で町には出るが、私腹を肥やす家老や代官にたぶらかされて真実の領民の姿は知らない。娘を思いやる老公の怒りが爆発。八兵衛をお城に、本物の殿様には百姓姿で藩の実情を見せて治世の道を説く。
峠の茶屋で老公が助けた文無し男は、津軽塗りにかけては並ぶ者のない名人。五年前に博奕の借金のため子供も捨てて夜逃げ同然で弘前を出た。再起を誓って帰って来たが、後を継いで津軽塗り職人になった兄妹はそんな父親が許せない。そこにつけこんだ悪徳商人の悪企み。献上文箱を競う親子の溝を見事に結び直す老公の人情裁き。
将軍家御用馬南部駒の本場、長者山に入った水戸老公。折りしも将軍献上馬を選ぶ競べ馬を目前に対立する牧場主。片や荒くれの兄弟達が家老、奉行を抱き込み暴れ放題。その悪辣ぶりに怒った老公が、一方の妨害にもめげず必死で牧を守る若い娘を助ける為に立ち上がる。飛猿と荒くれの弟が決死の一騎討ちで御前試合。
盛岡名物「わんこそば」の食べ競べで八兵衛と競った旅の男は義賊を気取るケチな泥棒。一行の財布を狙って見事に失敗。再起を誓って帰った故郷では、献上の茶釜を巡る不穏な動きに、男の弟や世話になった鋳物師が巻き込まれていた。盗まれたお城の茶釜を、老公一行が大泥棒に扮して盗み返す、南部領での大活躍。
川舟の利権を狙う陸運業者が郡代を丸めこみ、対立する荷運び屋に無理難題。がまんを重ねる一方の荷運び屋だが、ついに死人が出て一触即発の状態に。相談を持ち込まれた兄貴分の口入れ屋の女房は敵の親分の妹。義理と正義を貫く為に女房を離縁する男。北上の清流を汚す陰謀に怒った老公主従が喧嘩支度で助っ人する。
紬で名高い織物問屋の娘が、藩の物産方の侍に嫁いだが、訳も判らず離縁された。夫と姑と三人で紅花染めの工夫に賭けていただけに納得いかない。しかも離縁直後に夫は藩金を横領して脱藩。夫の正義を信じる妻の真心に心打たれた老公が、悪者一味を手玉に取って大活躍。藩重役の不正を糺し、犠牲になった娘達を救い出す。
育ての親の仇を討つ為に、馬子として街道で武士と見れば駆け寄る娘。五年の歳月の後、目指す敵もまた、娘に討たれる為に福島に向かっていた。現れた敵を前に決死の覚悟の娘だが、なんと名乗り出たもう一人の仇は親とも慕う庄屋。白洲に持ち込み老公が糾明した真相は意外なもの。父の仇、村人の仇を討ち、新たな村の平和を導く水戸老公。
野天風呂に浸っている間に一行の着物と印籠を盗み出した女掏摸と弟分。印籠を金に替えようと思ったら、江戸から来た密偵と間違われて大接待。折から漆商人の陰謀で、名物絵蝋燭の伝統は風前の灯。苦しむ材木問屋だが、なんと掏摸の弟分はこの家の跡取り息子だった。切り札をなくした老公だが、偽密偵を祭り上げて悪人共を懲らしめる。
東照宮参拝をすませた一行は意地の張合いから老公だけ一人別行動。そこで出会った左甚五郎。一方、行方不明の老公を探す助格が見た日光の街は東照宮改修普請に集まる人足相手に大賑わい。土場破りの末に盗んだ衣装の男と知り合うが、その姿形は老公そっくり。その男を黄門様に仕立てて助格、八兵衛が打った悪者退治の大芝居。
名工・左甚五郎と共に一足先に江戸へ急ぐ老公達を襲う謎の傀儡師。寛永寺改修の陰にひそむ老中の計略とは。仙台藩世継ぎを巡る騒動に左甚五郎が命賭けで彫る飾り彫りは完成なるか。土壇場で正嫡暗殺を計画した老中一味が、能面に塗った毒殺の危機を乗り越えて薪能の舞台で最後の対決を迎える。水戸老公、旅の終わりの大芝居。
第19部
今回は、出羽国・庄内藩で起こった世嗣をめぐるお家騒動を解決すべく、黄門さま一行が水戸を発つところから始まる。さまざまな困難が待ち受ける中、一行は北へ向かう…。
水戸光圀 : 西村晃
佐々木助三郎 : あおい輝彦
渥美格之進 : 伊吹吾郎
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
西山荘で晴耕雨読の日々を元気に過ごす老公。そんな時、助三郎とお銀が助けた山伏姿の娘。同じ頃江戸で格之進と弥七が救った曰くあり気な娘二人は何と出羽庄内藩の姫と腰元。負傷したのも国家老の娘。命がけで藩の危急を報せに来た娘達に報いるため、老公は庄内藩へ旅立つ決心を。待ち構える修験者くずれの刺客との対決は如何に?
出羽庄内へ向かう旅の途中、岩城平で藩の内紛。城代と次席家老の争いに心痛めるのは格之進の旧友。両家老の対立が深まる中、水戸老公の生命を狙う修験者が、次席家老にとりいり老公暗殺を計画。お銀を人質にとられ、船倉に誘き出された老公らを待ち受けるのは修験者達の仕掛けた爆薬。老公危機一髪。そして両家老の争いの行方は?
棚倉城下で一行が出会ったのは、働き者の子供達と締まりやの母親。恩ある主家の若旦那の為、母と子供達が身を粉にして借金返済の手助け。農民を救うため、藩名産の煙草の利権を守ろうとする若旦那。その裏には、利権を狙う悪徳問屋と勘定奉行の悪企み。母子の健気さに打たれた老公は、悪計を阻むために立ちあがる。
みちのく三春の城下で、故なく離縁された武家の妻女に出会った一行。突然の離縁の裏には、武家の母子の秘めたる想い。勘定奉行と組んでお止め山材木の横流しを続ける材木問屋。公金横領で脱藩し、藩侯への直訴を企てた武士を襲う奉行の手先。危ういところを救いだし、藩の汚職を暴いて妻女と母子の絆を甦らす老公の大活躍。
相馬藩の領民は重い年貢に青息吐息。暴虐な役人の前に現れ、危機を救う烏天狗。老公が出会った男勝りの女馬子の家には、藩御用人の忘れ形見の若侍が居候。圧政に耐えかねた領民が直訴を決意し、女馬子が訴え出るが、罠にはまって磔の危機に。四人の烏天狗が出現し、大奮闘。老公の裁きと共に烏天狗の正体も明らかに……。
仙台城下の呉服問屋の大旦那が何と水戸老公に瓜二つ。おまけに近所でも評判の因業爺。その孫が江戸から女房と赤子を連れて帰った事からひと騒動。大旦那が勝手に決めた縁談の相手が、結納金に目がくらみ、勘定奉行も絡む結婚サギの悪企み。カラクリを見破った老公は、孫夫婦のために、大旦那に化けて一芝居打つ。
羽前の国尾花沢で、天領である銀山を預かる代官と悪の一味が好き放題。領民に重税を課し、娘達が人買いに追われる無法地帯。継母のいじめに耐えながらも宿を守る娘と領民の為に立ち上がろうとする若者。ついには、銀山を視察に来た改役が襲われるという事態に。一計を案じた老公は、人買いに化け、悪事の証拠を掴み悪人共を大掃除。
出羽の国新庄で人望の高い造り酒屋の主人は何と入墨者。娘の出生に関わる主人の過去を知る目明しが、はるばる江戸からつけ狙う。酒屋の利権を手に入れようとする町奉行と酒屋が、これ幸いと介入しての悪企み。やがてその娘が育ての父親に実の親の仇討ちをするという異常事態を解決し、父娘の絆を取り戻させる老公の活躍。
雪姫の願いを叶え、御家騒動を取り鎮めようと庄内藩に乗り込む老公一行。迎え撃たんと必死の妨害を企てる次席家老一味。城内入りを果たした雪姫は、藩主である父と再会するが、病床の藩主に魔の手が伸びる。一方、国家老の娘を人質に、老公を誘い出す次席家老の罠。爆破の危機を乗り越え、薪能の舞台で最後の対決を迎える。
出羽本荘で一行が出会ったのは、美しいが気の強い御殿まり作りの老舗の女主人。そこへやってきたのが老舗の家出した娘。しかも助三郎を夫に仕立て赤子同伴。御殿まりを我が物にしようとする物産問屋の後添い妻が奉行ややくざと組んで悪企み。まり屋の女主人に人殺しの罪を着せたが、水戸老公が見事暴いて、御殿まりの暖簾を守る。
盛岡へ向かう道で崖崩れから救ったのは、鉄器問屋の主人。一方、助三郎とお銀が出会った若い大工は島帰り。その妹は鉄器問屋の女中で若旦那と恋仲の身。鉄器問屋の商売敵が、藩主へ上納の茶釜を盗み、失脚を企てる。妹の幸せを願う大工の一途さに打たれた老公は、悪計を見抜き大泥棒に扮して茶釜を取り返し、兄妹を救う大活躍。
奥州一関に知られた彫金師の造る刀の鍔は、雲竜鍔と呼ばれ天下一品。だが、三年前に息子を無礼討ちにされて以来、鍔造りをやめて鍛冶屋に。ようやくつきとめた息子の敵は藩御用人。北上川水運の利権を手に入れようと暗躍する船問屋と絡んでいる様子。心優しい許嫁の娘と彫金師の気持ちを汲んだ老公は、悪者退治と仇討ちに一役。
将棋の駒と紅花で名高い天童城下。泊まった湯宿の主人が賭け将棋にうつつをぬかし、宿を守る健気な娘が尻ぬぐい。物産問屋と代官が、江戸の賭け師を使い、法外な借金を背負わせる。借金と引換えに宿と娘を要求された主人は、絶体絶命。娘の真心にほだされ改心した主人に代わり、老公自ら華やかな人間将棋の対局。
米沢名物一刀彫に打ち込む浪人とその娘。浪人を親の敵と狙う若侍と浪人の娘は許嫁。郡奉行とやくざ一味の悪行に、農民の苦しみ。一刀彫の利権を取り上げるため、若侍を利用しようともくろむ悪一味。意を決した庄屋が直訴を試みるが、妨害に会う。討つ者、討たれる者の心中を察した老公が、悪を蹴散らし、総てを丸く納める人情裁き。
越後新発田藩の若殿が、天狗の面をつけ乱暴狼藉。領民達は戦々恐々。その若殿の素顔は格之進と瓜二つ。一年前に死んだ嫡男である兄の死に疑問を抱く老公。遠乗りに出た若殿が、兄と同じ場所で事故に遭うが、危うい所を助けられ、格之進が身代わりで城内へ。お世継ぎ騒動に揺れ動く悪の企みを、老公が叩き潰す身代わり天狗の大活躍。
佐渡の金山で鉱山掘りの人足と囚人の死亡が激増。島に潜入した公儀隠密の兄を探す妹と知り合った老公は、一計を案じる。人足として島入りした助三郎を待つのは、地獄のように過酷な仕打ち。逃げ出そうとして命を落とす者も。旅役者に化け、恐ろしい死の坑道に突入した老公が、悪者一味を叩き潰す、地獄の大乱闘。
能登で名高い輪島塗りの名工を慕って訪れた老公だが、当の塗り師は息子の家出に悩んで酒浸り。山を詮議中の役人が、やくざに襲われたことから、輪島塗りを巡る陰謀が明らかに。大儲けを企む悪者一味が、塗り師の息子共々職人達を山中の仕事場に監禁し、輪島塗りの粗製乱造。職人達が消される危機一髪、救出に乗り込む老公の活躍。
加賀大聖寺で三つ葉葵の印篭を盗んだ二人組の枕探し。鉄火肌の姉御が、藩御用達の呉服問屋を狙う悪者共に踊らされてとんだ大芝居。ところがこの娘、十八年前神隠しにあった呉服問屋の一人娘だった。店の暖簾を守るため、身をひこうとする娘を押し止め、悪の企みを暴き出し、親子の絆を取り戻させる老公の人情裁き。
郡上八幡で出会った娘馬子は、先代庄屋の娘。その家に住みついている謎の医者。先代から守りぬいてきた、川水の権利を保障するお墨付きを狙う代官と当代庄屋が、あの手この手のいやがらせ。娘馬子と村人達を守るため、身体を張る医者には、胸に秘めた過去が。親子よりも強い二人の絆に打たれた老公が、悪人共を大掃除。
飛騨高山の姫君が、お見合いを前にお城を抜け出して大騒ぎ。婿は高遠藩の若殿だが、山歩きの好きな変わり者。病床の殿様をいいことに、両藩の家老が材木問屋と結び私腹を肥やす。藩を憂う、若殿、姫君を助けて悪事の証拠を手にいれた老公は、お見合いの場に乗り込み、悪者を退治して若い二人が結ばれる。
越中富山の薬売りが忍びに襲われ、現場に居合わせた飛猿が下手人に間違われる。薬売りが息絶える前に飛猿に託した密書の宛て先は薬売りの女主人。富山藩の次席家老と悪問屋の企む陰謀は薬の横流し。その為、証拠を記した密書の行方を血まなこになって探し出す。気丈な女主人を助ける老公と、黒部の烏と飛猿が壮絶な忍び対決。
越後高田で知り合った、活きのいい椎茸売りの娘。道中、格之進が出会った侍は国に妻子の待つ身。だが、郡奉行役宅から帰ったのは、切腹した夫の死骸。切腹の陰には、堤防復旧普請に関わる口入れ屋と郡奉行の黒い企みが。夫の無実を信じる妻と出入りの椎茸売りの娘を助けて、不正を暴き、妻子の怨みを晴らす水戸老公。
信州野沢温泉が赤鬼青鬼二派のやくざの為にすさび放題。年若い殿様をいいことに陰で操る国家老。町中で、赤鬼の用心棒に助太刀した格之進は、腕を見込まれ用心棒に。一方、助三郎は青鬼の用心棒に。やくざ同士の大出入りに殺気立つ中、若殿が密偵を送り込んだとの噂が。敵、味方を巻き込んでの湯の町騒動を、老公が暴いて悪退治。
善光寺でそば屋の娘と、薬味に使う唐辛子屋の息子が、それぞれの親に仲を裂かれて駆け落ち騒ぎ。勘当されたそば屋の息子と出会った老公は、妹を思う心に打たれ、勘当息子の手助け。地元のやくざが、掃除代を払わない両家に数々のいやがらせ。裏では、悪代官が糸を引く。善光寺に巣喰う悪を暴き、両家の仲をとりもつ老公の活躍。
松本城下で、寺の普請で請け負う大工同士の争い。助三郎と格之進とけんか別れした老公が出会ったのは、若き左甚五郎。貧しいながらも正直な棟梁一家を助けて大工見習いを始める老公。普請を取り戻そうと、あの手この手の商売敵。つけ火の危機を助、格等に救われた老公は、商売敵相手に国定忠治さながらの喧嘩支度で対決する。
信州小諸で荷駄を扱う問屋の争い。主人の娘を助ける帳付けの男。その娘と利権を狙う悪徳問屋。お銀と飛猿が侍に追われる娘を助けるが、その娘の捜し人は帳付けの男で実は許嫁。藩の不祥事の為に逐電した男と、真実を知った兄を殺された娘の持つ念書を狙う高遠藩の上役。馬子唄流れる追分に、悪を暴く老公の名裁き。
武州深谷で、好色代官が将軍献上の大鬼瓦を作らせる為、職人が惚れた美人後家に無理難題。代官の失脚を願い、頑として応じない職人と陰で支える美人後家。痺れをきらした代官は、土地のやくざを使い領民を襲わせる。乱暴に耐えかねた領民の訴えに、自ら代官に差し出そうとする美人後家を助けて、悪者一味を手玉に取る老公の活躍。
川越で藩から江戸通いの舟の桟橋お許しを受けている旅篭の主人が、占いに凝り、妖艶な女占い師の言いなりに。舟便御用の桟橋と、旅篭の一人娘を狙う商売敵が女占い師と組んで悪企み。企みを見抜いた老公は、ソロバン占い師に扮して、女占い師の化けの皮を剥がす。旅篭に平穏を取り戻し、良縁をもたらす老公の占い騒動。
久し振りに江戸に戻った一行は、旗本に言い寄られる手代を助け、弥七は身投げ寸前の男を救う。この二人実は、一月前に火事で店を失った呉服問屋で、どうやら付け火の疑いが。その裏では、商売敵の呉服問屋が養女に出した娘を大奥にあげ、将軍の寵愛をいいことに好き放題。老公が将軍お微行の芝居小屋で悪を暴く勧善懲悪の大熱演!
第18部
今回の世直し旅は、長崎・平戸藩家老の陰謀に巻き込まれた清国の使節団を救うべく、黄門さま一行が九州に向けて水戸を発つところから始まる。諸国漫遊もさることながら、刺客として一行に立ちはだかる忍者軍団と風車の弥七&かげろうお銀&柘植の飛猿らとの間で繰り広げられる“忍”の立ち回りも見どころ。
水戸光圀 : 西村晃
佐々木助三郎 : あおい輝彦
渥美格之進 : 伊吹吾郎
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
西山荘に戻った老公は、格さんの縁談話に頭を痛める以外は平穏無事な日々。その頃江戸では老中柳沢吉保に面会する曰くあり気な清国使節団。だがその正体は密貿易で私腹を肥やそうとする平戸藩家老と結ぶ海賊団。生命を賭けた有為の士の報せで平戸藩の危急を知った老公、捕らえられた本物の清国使節団を救う為、平戸へ旅立つ決心を。
海賊達の手から救い出した清国使節侍女麗花を伴って平戸藩の危急を救う旅に出た老公。将軍綱吉の許しを得て柳沢吉保の動きを牽制しつつの世直し旅。そうはさせじとする海賊一味の襲撃に爆破寸前の危機。好色な代官をそそのかして老公一行を闇に葬ろうとする一味のやり口に老公の怒りが爆発。前途多難な旅の行く末に待つものは?
武州粕壁の宿を牛耳る鼻つまみ者の兄弟やくざ。その兄弟が代官と結託して狙う溜め池の利権。生命の水ともいえる池を守ろうとして嫌がらせに耐える農民達。農民の為に手を貸そうと立ち上がった老公に襲いかかる海賊一味。捕えられたお銀と飛猿を救い出す為、罠の仕掛けられた宿場の広場に乗り込む老公一行、捨て身の大逆転!
小山へ向かう道中で一行が知り合った何故か憎めぬ旅烏。結城袖の織物問屋の若旦那に織物職人の娘が惚れ込まれて玉の輿。その娘こそ旅烏の実の妹。競争相手の問屋がやくざを使って婚礼をぶち壊し、商いを乗っ取る悪企み。旅烏が妹の過去の秘密を守り、花嫁衣裳を着せようと命を張る姿に感動した老公、ひと肌脱いだ大騒動。
宇都宮で一行が出逢った酔っ払いは何んと飛騨の工。その息子は阿彌陀堂改修の棟梁だが、親父は何故か酒浸りの毎日。藩主の弟が仕切る工事にほくそ笑む家老。工事の裏に曰くがあると睨んだ老公が聞き出す改修の秘密。玄竜一味もつけ込む罠に閉じ込められた老公達。恐怖のからくり吊り天井が老公の頭上に迫る危機一髪!
天明鋳物で知られる佐野の城下で、お微行で領内を視察する藩主に斬りかかった初老の男は鋳物の名人。息子を無礼討ちにされた恨みに燃えるが、危ないところを助と弥七に救われた。だが藩主にはそんな覚えがない。裏で藩主の名を騙る悪の企みを浮かび上がらせ、伝統の鋳物を復活させる八木節に乗せた悪人退治のひと騒動。
病気の娘を抱えた男はかって高崎一の料亭の娘と駆け落ちした相手。娘は死に、子供を親許に返す道中という。子供を連れ戻すと引き受けた老公達が無事料亭に着いたのも束の間、今度は弥七が同じ話で娘を連れて来たから一同びっくり。果たしてどちらが本物か。細腕で料亭を守る後妻の女将を助けて、子供達を幸せに導く白洲の土壇場。
霊験あらたかな観音様をお守りする美しい尼僧の祈祷で小判がざくざく。色と欲の皮をつっぱらせた俄か信者で大評判。代官と手を結ぶ悪玉庄屋が飛猿・お銀を使って農民の為に直訴を決意した善玉庄屋の家から神君家康公お手書きの色紙を盗み出す。企みを知った老公、お梅を中国の女祈祷師に仕立て、尼僧とともに占い合戦で悪退治。
諏訪に足を踏み入れた老公一行の耳に響くお諏訪太鼓の音。病床の藩主の恢復を願う侍は謹慎中の身。実権を握る家老が世継ぎを巡る騒動の中、正義に燃える若侍達を弾圧。だがその若侍達の危機を救う白頭巾の正体は。義憤に燃えた老公が、罠の仕組まれた磔の刑場に乗り込んだ時、玄竜一味の襲撃に現れたのは三人の白頭巾!
御岳山で名高い木曽福島で格之進を親の敵呼ばわりした鳥追い女。老公が出逢った木曽塗りの職人は何んと格之進に瓜ふたつ。代官を利用して木曽塗りの原料である漆山をお止め山にした材木問屋の狙いは利権独占。職人達の窮状を知った老公。謎を含む仇討ち劇に紛れて襲いかかる天竺屋一味。木曽の名品を守る大活劇!
木曽川に近い犬山で老公一行が出会った男装の娘馬子。一方、助三郎が助けた町娘の正体は城を抜け出したお姫様。しかも姫と娘馬子は瓜ふたつ。米問屋と結び、農民を苦しめる代官が無理難題を押しつけて娘を自分のものにしようとあの手この手。娘の父親が獄死した秘密を探る老公。そっくりな娘ふたりを操って悪人供大混乱に陥れる。
彦根城下を荒らし廻る神出鬼没の凶賊ましゅら党。腹痛の八兵衛の面倒を看てくれた薬種問屋の主人に見え隠れする曰くあり気な表情。ひっそりと山で暮らす飛猿の恩師を巻き込む天竺屋。恩師の孫娘を人質に、老公を誘い出す玄竜一味の罠。大爆発の危機を乗り越えた一行と猿面のましゅら党との対決。
火が消えたように活気のない敦賀の町に入って来た一行は、不気味な修験者が予言する船幽霊騒動に出喰わす。漁師達は出漁も出来ずに苦しい日々。海神様のお告げで人身御供に差し出される姉娘の蔭でぬくぬくと暮らす廻船問屋の後妻と娘。船幽霊を隠れみのにして私腹を肥やす勘定奉行と商人を老公が暴く。
小浜の漁港で、黄門さまたちが泊まった宿は、女将のお若ひとりきり。そんな中へお銀と飛猿が、腹ペコで行き倒れ寸前の若侍春日井小太郎を担ぎこむ。お若はびっくり、昔仕えていたお屋敷の若様だ。やさしい主人の春日井小左衛門が殺され、仇の土門権九郎を追って小浜へ来たのだという。黄門さまは、小太郎に仇を討たせると約束。折柄、名手芳次郎の御前獅子舞があると聞いた黄門さまは、獅子に入って、城内へ入った。
調子が良くてどこか憎めぬやくざと知り合った一行は、筑前博多で出逢った気風のいい芸者とやくざが幼馴染と知ってびっくり。しかもやくざは没落した博多織問屋の跡継ぎという。悪玉の織元が勘定奉行と結んでやくざの母と妹に無理難題。事情を知った老公、芸者と父親の博多織名人の心意気に感じて、献上博多の為に悪を一掃。
目的地の平戸を前にして一行が立ち寄った唐津焼の里で出逢ったわがままな姑と健気に仕える嫁。腕に溺れて放蕩三昧の亭主を立ち直らせようと懸命。その嫁に横恋慕する家老の馬鹿息子。嫁の真心に改心した亭主が焼き上げる一世一代の唐津焼。その作業の途中に仕掛けられた玄竜一味の罠で窯に閉じ込められた一行に迫る爆破の危機!
いよいよ肥前平戸に乗り込んだ老公一行。手ぐすねひいて待ち受ける事件の黒幕、藩次席家老。軟禁された本物の清国使節に迫る身の危険。藩を憂うる若侍達にも粛清の魔手が。爆破から救われた緋竜の改心によって敵側は混乱。最後の決着、城中対決で悪の企みを暴き出し、平戸藩の窮地を救い、清国との絆も無事取り戻す。
長崎名物竜踊りの最中起きた殺人事件で助が下手人と間違われて追われるハメに。知り合った旅役者一座の太夫は美しいが曰くあり気。その太夫を巡る色と欲。オランダ商人、長崎奉行、廻船問屋が結んで行う悪業の数々。太夫とお銀が招かれた仮面舞踏会の闇に飛ぶ謎の人物の真意は?復讐の炎が長崎で、老公の人情裁き。
諫早の宿屋で一緒になった曰くあり気な男が追手に殺された。しかも同宿した若い母親が赤ん坊を置き去りにして姿を消した為、一行が面倒を看るハメに。その赤ん坊の守り袋に入っていたオランダカルタの謎。島原の海産物問屋を狙う抜け荷一味の企みから赤ん坊を守り、奉行と手を結ぶ悪を叩いて、哀れな親子の絆を取り戻させる老公。
草千里と呼ばれる阿蘇山麓は名馬の産地。その牧場で馬を飼育する村人達に、無理難題を仕掛けて苦しめる荒くれ一家。遂に死人まで出してしまう。妨害に遭いながらも懸命に献上馬を育てる姉弟。荒くれの息子が姉に惚れ、危機一髪。悪に鼻薬をかがされ、言いなりの代官達を相手に、姉弟や村人達の為にひと肌脱いだ老公の活躍。
久留米絣で名高い久留米へやってきた一行。だが城下は化け猫騒ぎで火が消えたよう。藩の物産方役人が暗殺された時、一緒に殺された猫の祟りだという噂で持ちきり。化け猫退治に出向いた侍は髷を切られて騒ぎは広まるばかり。父の敵を狙う武家娘を助けて、久留米絣の利権を巡る悪人一味の陰謀を暴く化け猫騒動の大芝居!
祭り間近の小倉で一行が聞いた名人級の祗園太鼓。打ち手は酒浸りの船大工。健気な娘の献身にも仕事を再開する気配なし。一方お銀が助けた廻船問屋の主人夫婦は生き別れの娘を探す身。その娘こそ船大工の娘と判り、苦悩する生みの親と育ての親。弱身につけ込む悪を暴いた老公が、総てを丸く治める人情裁き。
京の都で一行が出逢った放蕩息子は、御所御用達の菓子を造る老舗の若旦那。一日若旦那を気取った八兵衛と意気投合して祗園でどんちゃん騒ぎ。挙げ句の果てに若旦那は頑固一徹の父親に勘当される始末。その老舗の看板を狙う菓子問屋が欲深、好色な公家と結んで無理難題。京の名菓を守ろうとする若い職人達を助ける老公の活躍。
干瓢で有名な水口で、助格達と喧嘩別れした老公、道を間違えて穴に転落。一方、行方不明の老公を捜す助格が見た現状。村人達に高利の金を貸し、返せぬと娘を売り飛ばす悪者一味。ひょんな事から老公に間違えられた旅の講釈師と知り合った助格達が、本物と偽の水戸老公を組ませて、人の生き血を吸う悪人供を大掃除。
絞りで有名な鳴海の宿で一行とぶつかった男は型師として腕は名人級。その女房と娘が絞りを担当。人情家の問屋父子の許で仕事に励んでいたが、藩の物産方役人と結ぶ問屋が横車。職人が引き抜かれて大ピンチ。一大決心した娘が始めた下絵描きに溢れる才能を発揮。十二年前、謀叛の罪で切腹した武士を巡る謎を解き、悪を懲らす老公。
初午の祭礼で賑わう豊川稲荷へやって来た老公一行。宿で相部屋になった曰くあり気な男や女達。その宿で江戸の商人が殺され、浮かび上がる強請のからくり。年貢横流しに加担した郡奉行と商人の黒い繋がり。濡れ衣を着せられて処罰された無実の商人の悲劇。怨念を秘めた復讐の筋書きが明らかにされた時、老公の正義が燃える。
山内一豊の妻の言い伝えが残る掛川城下で、一行が出逢った人のいい侍。掛川葛布を織る美しい妻女に支えられてはいるが無役の身。その侍に対し、役につけると騙して十両巻き上げた上、御用金使い込みがバレるのを防ぐ為に打った御金蔵破りの責任をなすりつけた家老の放蕩息子。内助の功に報いる為に悪計を暴き出す老公。
天下の茶所・駿河は清水で一行に見つかった女掏摸と弟分。腹いせに老公の印籠を盗み出した。役人と結んで茶の独占を企む茶問屋が狙う茶畑。必死で守る病弱の女主人と娘。何んと掏摸の弟分はこの家の跡取り息子だった。悪人を懲らしめ、親不孝の息子を改心させる為、印籠を利用してひと芝居打つ水戸老公の茶の香り騒動。
三島の宿で、老公をちゃっかり馬に乗せた少年馬子。だが身なし児という哀れな身の上。少年を可愛がる宿屋の主人と娘。だがその宿屋に立退きを迫る、代官と結んだ悪者一味の謀略。一方、助三郎が助けた武家の女は代官の娘。女には昔、子供を里子に出した悲しみが。利権に走る黒幕を叩き潰し、母と子、父と娘の絆を甦らす老公。
天下の嶮と謳われた箱根の山へやって来た老公が見た関所の実態。関所役人と手を組んで、雲助を使い箱根八里を我がもの顔にのさばり私腹を肥やす悪親分。嫌がらせに耐え、女手ひとつで元湯を守る旅籠の娘。助三郎が救った娘が探る父の死の真相。父が殺されたと知った娘の仇討ちを助け、はびこる悪を一掃する老公の幽霊騒動。
鶴岡八幡宮で有名な鎌倉にやって来た一行。早速八が辻斬りに襲われ危機一髪。助けられた家は名門の刀鍛冶。折りしも将軍家献上の守り刀を息子と弟子に競わせている最中。その献上刀を狙う代官とその倅の悪企み。利用された母親が息子を勝たせようとして罠に。怒りに燃えた老公、辻斬りの正体を暴くとともに献上刀を完成させる。
江戸は目前の川崎大師で、名物の飴を売る健気な娘。だが娘の兄は博奕の借金で追われる身。一大歓楽街にしようと門前町を、地上げ屋よろしく暗躍するやくざ。そのやくざの後ろで糸を引くのは代官。兄の許嫁者も好色な代官にかかって死に至らしめられた。事情を知った老公、兄を幽霊に仕立てて悪人の尻尾を掴む珍騒動。
なつかしい江戸に戻って来た一行。息つく暇もなく巻き込まれる襲撃事件。若年寄の座を狙う大名同士の暗闘を背後で操る柳沢吉保。大奥まで絡んだ根深い確執に翻弄される呉服問屋の娘。政道の乱れに憤りを感じた老公、自ら江戸城に乗り込んで柳沢と対決。見事に事態を解決する。水戸への道中は明るい初夏の日射しに包まれていた。
第17部
旅から戻った黄門さま・水戸光圀(西村晃)は、西山荘で晴耕雨読の日々を過ごしていた。黄門さま暗殺を企てながら、その人格にふれて以来、すっかりシンパとなったお銀(由美かおる)は、うっかり八兵衛(高橋元太郎)とともに黄門さまの側に仕えていた。
そんな折、芝・増上寺で営まれた四代将軍家綱の法要において、接待役の鳥羽藩主・内藤忠勝と宮津藩主・永井尚長がともに急死するという奇怪な報せが…。
水戸光圀 : 西村晃
佐々木助三郎 : 里見浩太朗
渥美格之進 : 伊吹吾郎
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
四代将軍の大法要が行われた芝増上寺で招待役の大名同士が刃傷事件。裏には大名を思いのままに操ろうとする柳沢の策略が。事件によって取り潰し寸前の志摩鳥羽藩の危急を老公に伝えようとした又平は、忍びの殺し屋の手から家老の娘を救おうとして非業の最期。領民達の為に事件を納めようと立ち上がる老公に襲いかかる忍びの刃!
武州八王子で、機織り娘を牛馬のようにコキ使い、代官と結託して商売の独占を狙う織物問屋。その非道を八州見廻り役に直訴しようとして殺された同業の問屋主。その息子と許婚の娘を助ける老公に襲いかかる黒谷の道鬼一味、更に飛猿、お蓮。対する弥七、お銀の忍び同士の大血闘。息子の処刑場に乗り込んだ老公の奇策とは?
甲府を目指す老公一行が、信玄公の隠し湯でひと息つく間にも、機会を窺って襲いかかる忍びの群れ。更に足を踏み入れた領内では武田家の残党・武川党と称する一団が残虐な殺戮を繰り返していた。だが一行が訪ねた武川党の村では、人々はひっそりとした暮しぶり。武川党の名を騙る集団の目的とは? 甲州の天地を揺るがす大激闘。
信州高島藩で、権力を握る次席家老が城代家老を押し込めて勝手放題。私欲に走る次席家老に反発する者は次々と捕えられ、助三郎の旧友にも危機が。一行が道中知り合った旅芝居の座頭には胸に秘めた想いが。神出鬼没、正体不明の紫頭巾を助けた老公、襲い来る忍びの刃をかわしながら描いた筋書きもいよいよ大詰めの幕が上がる。
妻籠の宿は木曽山中。桧を扱う材木問屋の利権を独占しようと企む強欲非道な商人が、役人と手を結び、やくざを使って、健気な娘が支える問屋に乱暴狼藉。だがその振舞いを見て見ぬ振りの十手持ち。曰くあり気なその様子に興味を抱いた老公、商人のバカ息子を捕えて宿場に一石を投じるが、逆に今度は弥生が道鬼一味に捕われた。
岐阜の城下で出逢った美しい武家の若後家。夫に先立たれ、残されたひとり息子と姑を、和傘の絵柄を工夫する手内職で支える健気さに引き換え、孫の家督相続に執念を燃やし、嫁に辛く当たる姑。だが夫は殺されたと信じて敵討ちを悲願とする嫁に、家老の放蕩息子が横恋慕。嫁の信念に感じ入った老公、真の下手人追及と仇討ちに一役。
津の城下へ向かう途中で出逢った急病の女は、実は道中師。更にこの女、元油問屋のひとり娘だったが、幼い時に店も両親も火事で失って天涯孤独の不幸な身。だが生き残っていた元奉公人から付け火と聞かされ、両親の復讐を決心。義憤に燃えた老公一行も天下の大泥棒一味に扮して悪者の正体を暴露。娘の無念を晴らしてやる。
鳥羽藩の内紛は一触即発の危機。籠城蹶起を操る次席家老の策略で、弥生の父である城代家老は幽閉の身。城代を救おうとする弥生の許婚も敵の謀略に陥る寸前。一方、忍びの対決も、道鬼の弟弟子・竜鬼の出現で激化。又平の敵討ちに燃えるお銀と飛猿の血闘。間隙を衝いてお蓮が仕掛けた大爆発に巻き込まれた老公の運命や如何に?!
飛猿の機転で、危なくお蓮の仕掛けた爆破から逃れた老公一行。老公が死んだと信じる悪一味は、鳥羽藩取り潰しへの仕上げにかかる。捕えられている城代と弥生父娘の命も風前の灯。だが飛猿一派の活躍で救出に成功。一方、城下では籠城蹶起、総登城を告げる太鼓が響く。悪一味との最後の対決を期して一行も決死の覚悟で城内に潜入。
名古屋へ向かう途中で助けた遍路姿の父娘。だがその正体は、男は仏壇問屋の跡取りで勘当中の身。娘は母の行方を捜す哀れな身の上の偽父娘。老公が博打場で出逢った仏壇職人。腕は確かだが博打好きが玉にキズ。殿様献上の仏壇を巡り悪の企みに巻き込まれた職人を助け出し、一味にひと泡ふかす活躍で、父子も夫婦も元通りに。
近江膳所藩剣術指南役の娘をいたぶる異様な武士と、娘を助ける若侍。国家老の息子一味の乱暴から助三郎を庇う浪人者は元師範代。その浪人を慕う宿屋の女将。国家老の無法好色な悪行に追い詰められる指南役の娘を助ける為、遂に浪人が立ち上がる。老公一行の見守る中、浪人と異様な武士の、命を賭けた対決の火蓋が切られた。
堺の町で出逢った鉄砲鍛冶名人。だが跡継ぎの息子の確執。殺人の武器を造る悩みを抱く長男と、野心に燃える腹違いの弟。新式銃試し撃ちの的にされた娘は、秘伝盗みに鉄砲鍛冶の家に入り込んだ娘の妹だった。新式銃開発の巨大な利益で私服を肥やそうとする役人と鉄砲問屋の企みに巻き込まれた兄弟を救い、奉行暗殺を防ぐ一行。
母を捜す千春を連れて渡った阿波の徳島。ここは人形芝居の盛んな土地として有名。折りから一行が出逢った人形造りの名人は酒浸り。その名人が、非業の死を遂げた人形使いの後家とひとり息子に献身的に仕える姿に感じ入った老公、殿様上覧の晴れの舞台で、人形使いを死に追いやった悪のからくりを暴き、母子に敵を討たせる。
金毘羅様へ向かう途中で出逢った、ちゃっかりした少年馬子。だが本当は病気の母親の薬代の為にという健気な思いと知って一同感心。その少年を助ける讃岐うどん屋の親父と娘。博打好きの親父にイカサマを仕掛けて娘を自分のものにと狙う悪親分の為、娘は遂に嫁入りを決意。代官も噛む過去の悪事を暴き出す、水戸老公の婚礼騒動。
土佐の高知で一行が助けた侍は、腕はからきしだが心の優しい男。だがその妻は気性の激しい女武芸者。夫を助けて怪死を遂げた義父の謎を追う。藩の重役と結ぶ大庄屋の材木密売の陰謀を知った老公、亡き父の意志を継いで藩政を糾そうとする侍と妻を助け、事件の真相を暴き出し、飛猿お銀の活躍とともに夫婦に敵を討たせてやる。
伊予宇和島の伊達家では、世継ぎを巡って姉妹の姫君が両派に分かれて御家騒動の真っ最中。しかも姉姫は母を訊ねる千春に瓜ふたつ。実情を訴える江戸への密使も殺され、家中騒然。姉姫を命がけで守る乳の人こそ千春の母。その母の為に姫の身代わりを承知した千春が毒を前にした土壇場、城内へ乗り込んだ老公が黒白を決する母娘対面。
道後温泉繁盛の裏に、町奉行と結んで悪の限りを尽くす赤鬼、青鬼の兄弟。地獄の苦しみ、伊予絣の機場から逃げ出して命を落とした娘。その妹も売られて湯女の身だが、好色の罠に危機一髪。逆怨みした妹は、あわや藩主を刺そうとまでする。怒り心頭の老公。お微行の藩主に実状を見せ、悪者どもを叩き潰す湯けむりの大活躍。
下関へ渡る船中で知り合った海産物問屋の気のいい番頭。店を健気に切り廻す主人の娘を狙う商売敵のドラ息子。役人と結び、殿様献上のカマボコに細工して店を乗っ取る悪企み。番頭の息子でカマボコ造りの職人と心を通じ合う娘を助け、悪者どもに一杯食わせる老公の筋書きが、とんだお笑い、八兵ヱが番頭と一緒にフグ中毒の大騒動。
正月だというのに華やかさのかけらもない街並にやって来た老公一行。聞けば女っ気がまるでなく、一行が泊れる宿もない始末。八岐の大蛇より性悪で好色な代官の為に山の中に難を逃れた女達が、親や亭主を叱咤激励。だが男恋しさに悲喜こもごも。怒りの老公が一計を案じ、大蛇ならぬ代官退治の石見神楽の大芝居!
芸州浅野家の領内に入った老公一行が目にする厳しい出入国の詮議。どうやら裏には藩の内紛が。権力を狙う次席家老一派には、翁の面に率られる忍びの一団。これに反発する下級武士達の危急を救う黒頭巾の素顔は何んと助三郎に瓜二つ。浅野家滅亡を画策する怨みの渦に巻き込まれた一行が、公儀巡見使に扮して敵の本拠地へ。
瀬戸内の港町・福山の荒れ寺で、八兵衛が見た平家の亡霊。陰々と弾き語る不気味な琵琶法師。更にその様子を窺う怪しい男。亡霊のたたりに町は死んだように静まり返っている。しかし裏では閉ざされた漁場を舞台に、船手奉行と海賊上がりの廻船問屋の抜け荷が進行中。兄を捜す可憐な娘を救い、亡霊の正体を暴き出す老公一行。
播州竜野の城下で八兵衛が知り合った活きのいい奥女中風の娘の正体は、何んと城を抜け出したお姫様だった。その姫が見た、そうめん問屋の娘に横恋慕する家老の息子の横暴振り。父親の国家老も息子に劣らず強欲非道。怒りに燃える姫を助けて水戸老公、婚礼の席の土壇場で悪一味を一掃。名物そうめんの味を守って大奮闘。
姫路の城下で老公一行が出会った健気な宿屋の娘。父親は賭場通いで母親は占いに凝り、商売は娘が細腕で支えている。その娘を狙う好色な奉行と宿取り潰しを企てる商売敵とやくざが使うインチキ占い師に対抗して老公もにわか易者に大変身。お銀飛猿も協力しての占い合戦。悪人一味をこてんぱんの百発百中の八卦見作戦。
鯛で名高い明石城下で、一行が出逢った微行の若殿。驚いた事に格之進と瓜ふたつ。だがその若殿が世継ぎ争いの陰謀から毒矢で射られて危篤状態に。若殿を守る城代家老一派と対立する江戸家老。城代側に頼まれて身代りとなった格之進だが、若殿の許婚の姫君に正体を見破られた。飛猿お銀と敵方の忍びの血闘に老公出馬の大詰め。
大坂へ向かう途中、助三郎とお銀が助けた若侍姿の武家娘。浮かび上がる蔵元と大坂城代側用人の黒い企み。大名家の財政危機につけ込む悪計に、津山藩の命運も瀬戸際に。行方不明の許婚を心配する武家娘を心配した助三郎は火中の栗を拾う為、敵の手に。黄門様と間違えられた旅役者を利用した老公の作戦に、米倉崩壊の罠が迫る。
弥七らの活躍で米俵崩しの罠から逃れた老公と偽黄門一行。逆に揺さぶりをかけて助三郎ら囚われの人々を救出に成功。事件の背後に浮かび上がる黒幕・柳沢吉保の不敵な笑み。解決の為、舞台を江戸に移して大坂城代側用人と蔵元の企みを砕くと同時に、江戸城に乗り込んで上様の目の前で柳沢と対決。ひと際鮮かな大団円。
第16部
水戸・西山荘で平穏な日々を送る黄門さま・水戸光圀(西村晃)一行。その頃、紀州徳川家の世子・綱教の様子がおかしい。どうやら“何か”に怯えているようだ。事態を案じた家老・安藤飛騨守は、黄門さまに助けを求めるべく配下の兄妹を使者に放つが、兄は追手の凶刃に倒れ、妹は命からがら難を逃れるが…。一方、追手を差し向けた“謎の男”は、黄門さまが事態に介入した場合のことを考え、刺客として忍者を募ることに。そうして選ばれた、かげろうお銀(由美かおる)と煙の又平(せんだみつお)は、黄門さまの命を狙うべく西山荘へ…。
水戸光圀 : 西村晃
佐々木助三郎 : 里見浩太朗
渥美格之進 : 伊吹吾郎
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
西山荘で晴耕雨読の日々を過す老公だが、助格らはもう旅心が疼いている。そんな時、紀州藩に立ち込める妖しの雲。事態を憂う付家老は、老公に助けを求めるべく使者を放つが、兄は忍びの刃に倒れ、妹も危機一髪。腕は確かだが気のいい忍びの娘とお伴と一緒に弥七も敵方に雇われた。闇を裂く忍者群れをかい潜り、一行は紀州へ。
大国魂神社の暗闇祭りを控え、縄張りを争うやくざ二組の対立が激化。老公が泊まった曰くあり気な郷土の娘が語るやくざ達の悪業。お陰で町人農民は大迷惑。宿場に現れたお銀・又平と、老公を狙う忍びの刺客。突然現れた烏天狗は果たして敵か味方か。敵の手に落ちた香織と娘を救うべく、闇の中の罠に飛び込む一行に迫る危機。
東海道でその名も高い箱根山。関所にかかった様々な人々。芸人に化けたお銀・又平、大店の娘と手代の駆け落ち者、その二人の跡を追う怪しい二人組、飛騨の匠と称する夫婦、更に老公を狙う竜神坊と千丈坊。役人と結託した雲助が絡んで巻き起こる大乱闘に飛び込んだ一行、人々を苦しめる、関所に巣食う金の亡者共を一掃。
沼津で出逢った調子のいい旅人の正体はゴマのハエ。だがこの男、実はグレて飛び出した網元の道楽息子。家には目を患った母親と、健気に仕える娘。網元の権利を狙う悪物一味と好色代官に対し、助三郎が息子の替え玉となるが、牢に入れられてしまう。母を想う息子の真情を知った老公、お銀も一役買って悪計に鉄槌を下す。
東海道の難所、宇津谷峠で、一行に襲いかかる殺し屋。老公に加勢した凄腕の侍の願いは、婿入りを賭け、打ち負かされた剣術指南役の娘に再挑戦する事。娘に横恋慕する家老の息子が、お銀・又平を使って卑怯な企みで娘に怪我を。御前試合に負傷を犯して立ち向かう娘の心を察した老公、若者の恋を実らせる人情裁き。
東海道の難所、大井川にさしかかった一行。川止めの島田の宿で阿漕な宿に押し込められて大クサリ。助三郎を夫の敵と間違えた武家の女房とその女中。やくざと結んだ代官の悪政に立ち向かう川越え人足の名前も同じ助三郎。老公の命を狙い、闇をついて襲いかかる殺し屋の狂刃。雨の降りしきる島田の宿に巻き起こるひと騒動。
三河花火で名高い三州岡崎で、何者かに襲われている老人を救った一行。老人は花火作りの職人で死んだ息子の嫁と二人暮らし。折りから殿様上覧の御前花火を巡り花火師の腕比べ。だがどうしても考えた色が出せない。火薬の原料をネタに大儲けを企む悪者一味に紛れ込んだお銀・又平に加え、忍びの刺客の影。火薬小屋爆破の危機迫る。
伊勢の桑名で老公らが泊った宿は、蛤に当って死んだ客の幽霊が出ると言う噂で閑古鳥。主人は賭博で大借金、仏壇まで質入れする始末。助と八が泊った宿の主人は二足草鞋。その宿の女中が助を江戸の十手持ちと勘違いして打ち明けた秘密とは。さびれた旅籠の主人夫婦を幽霊に仕立て上げ、幽霊騒ぎの真相をあぶり出す老公。
吉野山中で刺客に襲われ、助と八が負傷。山に住む娘に案内された小屋の主は、お銀の師匠で、お銀の祖父・藤林無門の弟子だった。老公を狙って新たに登場した根来の三つ編み者に小屋の主は殺され、残された風車から、お銀は弥七の仕業と思い込み、弥七の跡を追う。吉野の山に巻き起こる忍び同士の血で血を洗う抗争。
紀州を目指す老公一行に、それを阻もうと襲いかかる忍びの殺し屋の群れ。弥七に救われたお銀を執拗に狙い続ける竜神坊。怪忍者玄心と手を結び、紀州家の世継ぎ暗殺を図る悪家老一味。付家老・安藤飛騨守の助けを借りて城内に忍び込んだ一行が、薪能の舞台で一味と対決。二人の鐘馗は、果たしてどちらが正か邪か。
大阪で博打に負けた水戸老公。珍商売、台所のガラを集めた食べ物屋、ダイガラ屋の若者に拾われたが、さすが上方、始末の仕方が並みじゃない。びっくり仰天の初体験。塩昆布問屋の権利と跡取り娘を狙う悪者一味が、将軍献上の昆布を巡る悪企み。健気な娘とダイガラ屋の心意気にひと肌脱いだ一行が、浪花の都で大暴れ。
京の都の名物、西陣織りと京人形。その織元が邪な公家と結んで、その両方を牛耳って私腹を肥やす企み。老公が出逢ったのは、今は亡き名人の人形師の娘。芸妓となって父の弟子を助け、名人の技を活かそうと苦労している。更に草庵に閑居する気品ある老人の正体は。あでやかな人形比べを控えて、京の都に繰り広げられるひと騒動。
近江八景で知られる膳所の城下で、一行が出逢った武家娘は、公金紛失の責任を問われて、真犯人探しの旅に出た許婚の母親を助けて、家も捨て、組紐の内職に精を出す健気な娘。その娘に親切ごかしで近寄る許婚の同僚。そんな時、許婚が戻って来た為、事件は再び動き始める。裏に潜む企みを探り出し、非運の許婚と娘を助ける大活躍。
井伊家の赤備えで有名な江州は彦根の城下で、新式の鉄砲を持った黒装束が御用商人を襲うという物々しい騒動が起こる。やって来た老公一行が流れ弾に当たった娘を助けたが、その正体は鉄砲鍛冶の娘。無人の村に関わる謎とは何か。新式の鉄砲の製造を巡る秘密を追って、大筒小筒、西部劇も顔負けの壮烈な銃撃戦が展開される。
丹後は宮津の名産、ちりめん織りの織り子に売られてゆく娘達と出逢った水戸老公一行。その中で器量がいい娘を湯女に売る、悪辣な人入れ稼業の親分。一方、その親分と組んだ悪家老の秘密を暴く密書を携えた侍が一味に襲われた。負傷した侍を助けて、お銀と又平ともども、湯けむりの陰に泣く哀れな娘達を救いだす、怒りの老公。
鳥取の砂丘で皆とはぐれた老公。乗せられた駕籠屋と一杯呑んだのが運のつき。駕籠屋と同じ長屋に住む浪人者とその娘と知り合ったが、父親が辻斬りの下手人として、ひとクセあり気な岡っ引きに挙げられた。陰に潜む悪のからくりを暴く為、お銀が幽霊に化け、香織が囮となって、駕籠とともに真の下手人をおびき出す大奮闘。
雲州松江藩でお抱えの七里飛脚。江戸と松江の間を七月七日夜で走り継ぐという韋駄天走りが売り物。その飛脚問屋を女の細腕で支える娘。悪の一味が次席家老と企んで、娘が守るお墨付きを賭けての走り比べ。一度は飛脚の足を洗った男が、娘の苦労を知って立ち上がる。弥七やお銀も大奮闘、抜きつ抜かれつ、手に汗握る大競争。
囚人を護送する唐丸籠から救い出した女房が訴える無実の罪。地獄の底に罪なき村人達を送り込む隠し銀山の秘密。商人からの賄賂で懐を肥やし、悪事を見て見ぬふりの代官。そんな父を悲しむ優しい娘。老公の作戦で、悪者の内懐に喰い込む助・格・お銀・又平。銀山で悪と対決の時、初めて代官の真の狙いがはっきりする。
越前福井へ向かう途中、助三郎が助けた赤ん坊を連れた女。聞けば店の手代と駆け落ちした和紙問屋のひとり娘だという。老公がお銀とともに赤ん坊を実家に届けに行ったが、ケンもホロロの扱いどころか、既にもうひとりの赤ん坊がいた。果たしてどちらが本物か。裏で藩専売の和紙横流しを企む悪者一味を退治して、水戸老公の子守唄。
越前加賀の国で名高い九谷焼の窯元を訪ねた一行。名人の息子兄弟が献上の作品で父の跡を継ぐ為の腕比べの最中。だが弟は何故か芸者にうつつを抜かして気もそぞろ。その芸者に横恋慕する陶物問屋が家老と結ぶ悪企み。血が繋がらないにも拘らず、兄弟の清い本心を知った老公、悪人を退治して九谷焼の誉れを更に高める活躍。
旅の途中で知り合った女旅役者一座と加賀百万石の城下町・金沢へと入った老公一行。だが町は火の消えたようなありさま。名産加賀友禅の売買が差し止められた為だ。差し止めを命じた奉行と陰で友禅の一手製造販売を目論む悪徳商人の企みを感じた老公、一計を案じ、一座を利用しての大芝居を書き下す。ご存知漫遊大狂言の幕が開く。
越後路の難所・親不知で、足を痛めて一行から遅れた香織が山賊に攫われた。信州へ送る塩を横取りする山賊一味を追う土地の目明し。必死に香織の行方を追う格之進。山賊の本拠地に潜り込んだお銀と又平も化けの皮が剥がれて危機一髪。仕掛けられた罠に自ら飛び込んでゆく老公達が、全力を挙げて戦う糸魚川の大激戦!
越後長岡への道で知り合った旅人。お銀にひと目惚れのせいか、気前のいい事。城下に住む母の許へ帰ったが、母は既に病死。ヤケのヤンパチ、その悔しさは私腹を肥やして領民を泣かせる悪家老に向けられて『世直し天狗』と名乗って義賊を気取った旅人を諭し、悪家老の屋敷に乗り込んで千両箱を盗み出す、本物の世直し騒動。
助三郎とお銀が救った角兵衛獅子姉弟は、母親を訊ねて越後・新発田へ向かう途中。一方、新発田城下で老公が助けたのは、料理旅籠の娘。そこの女主人こそ姉弟が捜し求める母親だが、女主人は母である事を認めようとしない。義理と人情の板ばさみに苦しむ女主人の胸の裡を知った老公、つけ入る悪を退け、親子の名乗りを上げさせる。
庄内藩の城下で一行が出逢った少年のような娘馬子。だが娘は何故か村人達から厄病神と嫌われている。庄屋だった父親が農民の苦しさを直訴して死罪。その為、年貢が増え、以前より苦しくなったというのが理由らしい。父親の信念を継いで農民達の暮しを救おうと努力する娘に感動した老公、年貢の不正取り立てのからくりを暴き出す。
出羽の国、亀田の城下では、姫君の御婚礼を控えて大賑い。気品ある尼僧が屋台から何んとおもちゃを万引き。助三郎の取りなしもどこ吹く風。一方、老公と相宿となった曰くあり気な浪人。城中では姫が行方不明で大騒ぎ。婿となる若様も姿を消す大椿事。婚礼の裏で画策する頭の黒い大ネズミを退治する為、姫も若様と組んでひと騒動。
助三郎が佐竹藩に仕える妻・志乃の従兄を訊ねたが、何んと当の本人が藩の役人に追われて危機一髪。藩主の御落胤の真偽を巡って藩は真っ二つ。果たしていずれが正か邪か。助三郎が証拠を捜す従兄の代りで人質となり牢の中。老公も山の猟師達の力を借りて悪の張本人をいぶり出し、御家騒動を未然に防ぐ獅子奮迅の大活躍。
道に行き暮れた老公達を泊めてくれた親切な娘。だがその村には何故か男の姿がない。その頃、老公達に似た旅役者の一行が、スネに傷持つ藩の家老一味に本物の黄門様と間違えられ、下へも置かぬもてなしを受けて大浮かれ。桧山の材木を巡って酷使される村人達を助けて、本物と偽者が入り乱れての勧善懲悪の大芝居の幕開き!
盛岡で病気の香織が宿を借りた主は、世捨て人同然の浪人者。折りから南部藩では、殿様を押し込め、金山を思いのままに操ろうとする家老派と、阻止しようと必死の正義派武士とが対立。殿の勘気を受けた浪人の許婚で、状勢に心を痛める家老の娘。藩の存亡をかけた騒動に、神の使いが、三匹の鬼も現れて巻き起こる大血闘!
酒処、新庄で一行が呑んだまずい酒。酒造りを止め、酒浸りの父親に健気に仕える娘。その娘を慕う職人とともに何とか父親を再起させようとする。酒の独占販売で私腹を肥やす酒問屋が企んだ過去の殺人の罠。その罠を暴き、老公自らお白洲で父親の無実を明かし、悪人達を裁いてまずい酒を追放。天下の美禄を取り戻す。
山形への道で一行が出逢ったのは、老公も顔負けの頑固な老人。一方、格之進と八兵衛が助けた巡礼娘は、礼も言わずに姿を消す。名産・鋳物造りの名人が何んとあの頑固親父。その父を支えながら献上の茶の湯釜造りに心を砕く娘と、曰くあり気な若い職人。役人と結んだ問屋の企みを見破って、悪を懲らしめ、見事に釜を完成させる。
病気の母親に鯉の生き血を飲ませようと禁漁の川で鯉を獲る武家娘と許婚者の若侍。娘の父は町道場の道場主。折りから仙台の城下は景気が悪く、領民達は青息吐息。米の相場で私腹を肥やす悪の一派が、目障りな正義派の家老暗殺を計画。何んと、その道場主に暗殺者を受け負わせた。苦悩する道場主を救った水戸老公の奇策。
和紙で名高い白石へ向かう道で和紙問屋の主人を助けた一行。その仕事場で紙から布を作る研究に打ち込む侍。侍の風上にも置けぬと怒る親友。その妹は侍の許婚で、今でも侍を信じている。侍を狙うやくざ一味に紛れ込んだお銀・又平が探り出す裏のからくりに浮かび上がる侍の上司。新発明の利害に絡むひと騒動に老公が立ち上がる。
二本松の城下に入る途中、老公一行は忍び狩りの一団に襲いかかられた。どうやら公儀隠密と間違えられたらしい。一方、お銀と又平が出逢った怪しい毒消し売りの男。その男が若君付きの奥女中と密会。若君出生に隠された秘密を巡る世継ぎ問題で藩内は騒然。悲情な忍び狩りの刃をかわしながら老公達が辿り着いた事件の真相は?
会津の民芸品・赤べこを売る若女房に横恋慕する漆器問屋の若旦那。亭主は腕のいい職人だが、若旦那のせいで仕事を干されている。そんな亭主に献身的に仕える女房をいびる職人の母。格式高い塗り物がすたれるその陰に、問屋と漆器奉行の悪企みを知った老公、殿様献上の漆器を利用して策を練り、職人に名品を作らせ、悪を懲らす。
だるまと関所で名高い白河へやって来た老公だが、いきなり武家娘から敵と呼ばれて襲いかかられて違う違うの態。どうやら娘がめざす敵は老公と瓜二つらしい。因業で人々に嫌われているだるま問屋の主人が、何んと老公そっくり。その男に健気に仕える先代主人の娘。だが男の口から語られた仇討ちの秘密に悪の企みが忍び寄る。
正月間もない日光で、身投げしようとした若者を助けた一行。彫り物師という若者の親方は名人だが、呑む打つの道楽にひとり娘を泣かせている。東照宮献上の彫り物を巡って、宇都宮藩の権力争いの罠が忍び寄る。老公の戒めに改心した親方だが、利き腕を撃たれ大ピンチ!親方と弟子、一心同体で見事に彫り上げる新春の大活躍。
小山へ向かう道に迷った老公一行が辿り着いた村では灌漑工事の間っ最中。代官を先頭に農民達が汗を流している。だが何者かに邪魔され、工事は遅れる一方。工事に賭ける代官の心意気に感じ入った老公。自らも手伝いを買って出る。だが代官の成功を心良く思わぬ藩の上役が、工事を一気に潰してしまおうと、爆破の罠が襲う!
水戸を目指しての途中、水郷潮来で一行を迎えに来た志乃が人買い一味の罠に落ちて誘拐された。そうとは知らぬ一行が出逢った旅人は、嘗て土地のダニに立ち向かい、今は凶状持ちの身。代官と結んだダニ共の所業に怒り心頭の老公。旅人を助けて土地の大掃除。娘船頭の歌に送られながら、故郷水戸への足取りも軽かった。
第15部
四国・高松にいた黄門さま・水戸光圀(西村晃)一行。だが金比羅宮への参拝の帰りに志乃(山口いづみ)が誘拐されている事件に巻き込まれる。志乃は福岡・黒田藩主の息女・綾姫(片平なぎさ)と間違われたのだった。奸臣に丸め込まれてしまった父・直政を諌めるべく、江戸の屋敷を出て九州に向かった綾姫だったが、奸臣の差し向けた追手に捕まってしまう。危ういところだった綾姫だが、黄門さま一行に救われる。一連の事件に柳沢吉保(山形勲)の動きを察した黄門さまは、一行と綾姫を伴い九州・福岡へ向かう…。
水戸光圀 : 西村晃
佐々木助三郎 : 里見浩太朗
渥美格之進 : 伊吹吾郎
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
高松城内での接待責めから漸くの思いで逃げ出した老公一行。金毘羅宮に参拝の帰り、志乃が誘拐されてしまう。が、これは人違い。福岡黒田藩の息女・綾姫が敵の狙いだ。奸臣にたぶらかされた父を諫めようと江戸屋敷を抜け出した姫だが、追手に捕まり、危い所を一行に救われる。背後に柳沢吉保の動きを察した老公は福岡へと旅立つ。
伊予の国で名高い道後温泉に、殿様への恩返しと騙されて売られて行く娘達と出逢った老公一行。私腹を肥やす好色な奉行と結託した悪親分に苦しめられる飛脚問屋の女主人を助けて駕籠屋になる助格。片や老公と八兵ヱは旅籠の呼び込みに。綾姫を太夫に仕立て、江戸の芸人一座に化けた一行が、領主の目に不正を確かめさせて悪退治。
伊予に入った途端、ゴマのハエに身ぐるみ剥がされた老公一行。出逢った少年馬子が身を寄せる農家に世話になる事に。病身の母を抱えた馬子は、実は前の庄屋の妻と娘。代官と結んだ今の庄屋の無理難題に、農民達は一揆寸前。窮状を知った老公、自ら黄門役を買って出るが、逆に偽黄門として牢に入れられるハメに。
大洲は名高い和紙の産地。そこの紙問屋の娘と紙漉きの職人の恋仲を裂こうとする娘の継母。娘に横恋慕する廻船問屋と継母の色と欲。その廻船問屋と結んで和紙の利権を独占する悪家老。罠に掛けられた職人を救う為、廻船問屋に嫁ぐ決心をした娘の婚礼の夜、織姫が花嫁とすり替って、老公が悪人達の所業を暴露する花嫁騒動。
伊予・宇和島への道中で一行が知り合った薬売りが、姿を変えて物産問屋へ押し入った。この男こそ今評判の義賊牛鬼。その前に立ち塞がる謎の白頭巾。狙いは一枚の書き付け。藩を操る悪家老一味の陰謀に心痛める城代家老とその娘を助けて水戸老公が変幻自在の作戦に、義賊と白頭巾ともども力を合わせ、悪を滅ぼす大騒動。
道中知り合った若い男を道連れにした老公一行。湯の町別府で美しい芸者を助けたが、お礼の心づくしに老公はじめ浮いた浮いたの大はしゃぎ。だが若い男の正体はゴマのハエ。しかもその男と芸者は代官に計られて怨み死にした廻船問屋の遺児兄妹だった。旅芝居一座の力を借りた一行が、兄妹とともに悪事を暴く仇討ち大芝居。
阿蘇の山麓に広がる大草原・草千里。大自然の牧場で馬を育てる馬飼い達を襲う乱暴な男は、代官と結託して牧場を狙う悪徳馬商人の馬鹿息子。馬飼い達が頼る阿蘇大宮司の血筋を引く娘を狙い、色と欲との無謀な振舞いに決然として立つ老公。娘の父親の死の真相を暴く、噴煙たなびく火の山阿蘇を舞台に繰り広げる一行の大活劇。
肥後熊本の城下外れで知り合った幼い兄妹は、可憐な手踊りで旅廻り一座の人気者だったが、生き別れになっている母の行方を探す身。その哀れさに心を打たれて母親探しに協力。大店の後家に納まる母を見つけての母子対面を計るが、母の方は義理と人情の板ばさみで名乗れない。好色な悪の企みに追い詰められた母子を救う老公。
異国情緒漂う長崎で、織姫に瓜二つの明国の姫君がカンフーの殺し屋に襲われている所を助けた助三郎。裏に抜け荷が絡んでいると見た老公。案の定、長崎奉行と結んだ商人の暗躍が浮かび上がる。再び襲いかかるカンフーを撃退する弥七の忍法。祖国を失った薄幸の姫君を助け、姿を変えた織姫が身替りとなって悪退治に大活躍。
肥前唐津で知り合った武家の嫁姑。姑の嫁いびりは、息子が侍ながら焼き物に打ち込むのも窯元の家から嫁いだ嫁のせいと辛い仕打ち。その嫁に横恋慕する家老の馬鹿息子。父親の家老は陶器問屋と結託、唐津焼を一手に買い上げにして私服を肥やす企みに、夫は捕らえられる。絶望の淵に沈む健気な嫁を助け、姑の前で老公が悪を暴き出す。
今回の旅の要ともいえる福岡に、綾姫とともに乗り込んだ老公一行。すかさず襲いかかる卍屋の刺客に、とうとう姫は敵の手中に。だが敵の仲間割れに乗じて姫は無事救出に成功。柳沢吉保と気脈を通じる悪の一味との度重なる激闘を乗り越えて城中の花見の宴に姿を見せた一行が、藩主と姫の対面を計り、見事福岡藩の危機を救う大団円。
小倉城下で米問屋の娘の命を救った、なりは汚いが腕は確かな医者は、祗園太鼓のバチ捌きも名人芸。折から米商人の間では藩札の暴落に一家心中まで出る騒ぎ。旅の医者ながら人物の大きさを知った老公が、医者を偽の黄門様に仕立て、力を合わせて悪の壁を突き破る。その陰に奇しくも逃れられぬ父子の対決が賭けられた。
長州山口で、由緒ある五重塔修復を命じられた棟梁が、その兄貴分で酒に身を持ち崩し、娘を泣かせる彫り物名人に欄間の彫り物を頼んで立ち直らせようとするが水の泡。そんな父親に真心を尽くす娘の為にひと肌脱いだ老公。役人と結ぶ邪な悪大工の企みを打ち倒し、名人を立ち直らせ、見事に五重の塔を完成させるのだった。
浜田の城下外れで助三郎が救った目の不自由な娘。その夜の宿で好色な元将軍御典医に目をつけられる。その頃、腹痛の八兵衛が担ぎ込まれた先は人望厚い町医者の許。娘の目の手術を引き受けたが、漂う悲しみの影に気づく老公。薬種問屋と強欲な御典医から父親の敵を探す身の娘を守りながらの手術は成功。だが敵とは医者の事だった。
安芸の国大竹で、一年中上げっ放しの金色の鯉のぼりを目にした一行。綾姫と格之進が助けた若い旅人にはふたつの願いが胸の中に秘められていた。その旅人を待ち続け、思いを鯉のぼりに託した娘に哀れを感じた老公。若いふたりの為に再び騒動の渦中に。代官と二足のわらじに苦しめられる人々を助け、鯉のぼりの願いを実現させる。
広島城下で対立するやくざ同士の喧嘩に巻き込まれた助三郎と格之進が、その腕を見込まれて一方の用心棒に。老公が立ち寄った料理屋の若い女将を助けたのが縁で、奉行と結託、悪事を重ねるやくざ達の実体を知った時、現われた旅人は何んと弥七と瓜ふたつ。老公の筋書きでふたりの弥七が悪者退治に神出鬼没の大活躍を展開。
筆作りで知られる熊野の山中で、八兵衛が出逢った烏天狗。附近では神隠しが続発。筆問屋の後妻を嫌って飛び出した生さぬ仲の娘が攫われ、行方を捜す父親がすがりついた相手は異様な修験者の一団。綾姫が人質御供にされる娘の身代りとなって一味に潜入。果たして天狗の真の正体とは。奇怪な天狗の社に巻き起こる壮絶な対決。
福山へ向かう道中で一行が知り合った優しい若侍と槍持ちの仲間主従。だがこの仲間、酒が入ると人格が変わる悪い癖が。乱暴な藩の家老と息子と指南役がつまらぬ事から因縁をつけ、槍を奪った上、返して欲しければ仲間の首を差し出せと無理難題。仲間を守ろうと詫びる若侍を突き殺すという無法に怒った老公、仲間を助けて槍の仇討ち。
備中松山の城下で一行が助けた武家娘。奪われた財布の中には家重代の具足を預けた質札と受け出しの為の金。具足がないと藩の行事、子の刻登城に父親が参加出来ない。父は毎年子の刻登城で先陣を切る強者だ。同情した老公、有り金はたいて具足を受け出す。登城の当日、娘に懸想する家老の息子の悪企みで、父親は危機一髪。
米子へ向かう道が豪雨の為に足止めとなり、閉じ込められた宿の合い部屋に集まった曰くあり気な人間達。小猫を連れた侍、尾羽打ち枯らした浪人父娘、大金を隠し持った男、そして何事かを企む謎の女。夜見ケ浜灌漑工事の測量師を米子へ入れまいとする家老一味。複雑怪奇な暗闘が続く中、本物の測量師とは一体誰なのか。
鳥取城下で出逢った竹細工名人は無類の頑固者。気に入らぬ仕事は引き受けない。お陰で女房と娘には苦労かけ通し。大店の商人が藩重役へ賄賂の注文品を断った為、イカサマ博打に嵌って借金。挙句は娘自らが身を売って金を作ったが、その金を名人が身投げの手代を救う為に使ってしまう大騒動。繊細な竹細工にも似た老公の悪裁き。
播磨の国、三日月の城下で一行が出逢った小太刀を使う武家娘とその弟。腕は姉が段違い。折から参勤交代と大名の家臣達が、能面をつけた謎の武士に襲われ、刀身を改められた上に髷を切られるという事件が続発。姉弟も証拠の備前長船の名刀を持つ父の敵を探している。事情を知った老公、仇討ちの手助けと大名行列に殴り込み。
丹波篠山へ入った途端、農民に鬼と呼ばれて水戸老公、訳が判らず目を白黒。原因は老公そっくりの大庄屋。情容赦ない仕打ちで農民達を搾り上げていた。耐えかねた村人が大庄屋を誘拐し、身代金を持って逃げようと企てるが、捕えられたのは老公。騒ぎに乗じて大庄屋の命を狙う悪代官の企みを知った一行、奇想天外な大活躍。
天の橋立で有名な丹後の宮津で出逢った若い男女のスリ。何んとイカサマ賽まで使う伝法な娘盛りだが、賭場でバレ、簀巻き寸前。老公が丹後ちりめんの見学に訪れた呉服問屋と対立する悪人達の計略に乗せられて、娘スリが打ったひと芝居。だが娘の守り袋には意外な過去が。生き別れになった親娘の絆を甦らせ、悪者一味を一掃。
賭場で弥七が助けた島帰りの男が大切に持っている見事な若狭塗りの細工物。男は老公一行が小浜城下で宿を貸してくれた若狭塗りの本家六代目とは幼な馴染み。男の帰りを待つ女を秘かに慕い続ける六代目。だが、男に抜け荷の証拠を握られている役人と廻船問屋は男を消しにかかる。企みを知った老公、三人の恋の行方の為、悪退治に。
敦賀の町で懐ろ淋しい老公が若い男に賭場に誘われたのが運の尽き。無一文になって連れて行かれた男の実家は意外にも廻船問屋で、母親はしっかり者。店を仕切る姿は男顔負け。同業の悪者が道楽息子の弱みにつけ込んで店の沽券を盗み出させ、乗っ取りを狙う。女主人の心意気を感じた老公、道楽息子の目を覚まさせる大暴れ。
養老の滝で名高い大垣城下で、何んとひねくれ者で札付きの親不孝息子が借金逃れに殿様を騙して孝行息子のお墨付きを手に入れた。親不孝息子の店の利権を狙う悪が町奉行と結んで手を変え品を変えて化けの皮を剥がしにかかる。息子の母親と許婚の悲しみを哀れと感じた老公、真の孝行息子に立ち返らせる為にあの手この手の面白さ。
鵜飼で名高い長良川付近で助三郎が助けた母子から、仮りの夫婦になってくれと頼まれた。その偽夫婦が、老公が訊ねた頑固一徹な岐阜提灯作りの老職人の家に現われた。母親は家を飛び出した職人の娘だった。内親の愛憎に苦しむ職人と母子の為にひと肌脱いだ老公、献上の提灯作りを助けて、代官と結ぶ悪者供の企みを暴き出す。
中津川の宿場で女を襲った乱暴者を捕えた老公一行。引き渡した目明しは襲われた女の父親で曰くあり気な男。乱暴者は山賊に等しい郷士一族の伜で、皆殺しの脅しに宿場は戦々兢々。代官も郷士に丸め込まれ、孤立する元武士の目明しを助けて水戸老公、伜を護送する途中で襲いかかって来る郷士の一団と木曽の山中を揺がす大決戦。
木曽福島で出逢った旅人は助三郎と瓜ふたつ。素性は政吉という材木問屋の跡取りだが、生さぬ仲の弟に店を譲ってやくざの世界に足を突っ込んだ身。木曽の名木を巡る同業者の、利権乗っ取りを企む悪計から、母や弟、政吉を想う娘を助けて、水戸老公、ふたりの政吉を操って悪を糾した上に、親子の絆を復活させる大奮闘。
諏訪の城下で一行がやくざに絡まれているのを救った目の不自由な武家の妻と息子。永年別れ別れの夫に逢う為に江戸から来たという。だがいくら探しても夫は見つからない。奉行と結託して町民を苦しめる悪一味に潜り込んだ弥七の前に曰くあり気な用心棒。実は彼こそ仕官した筈の夫だった。何もかも胸三寸の水戸老公の作戦は。
松本城下へ辿る道に入って来た老公一行は、そこで荷駄を襲う野盗の群れを目撃する。事件の裏には奉行所と組んだ伝馬問屋が野盗を使って、邪魔になる中馬問屋を潰しにかかる悪辣な企みが。健気な中馬問屋の女主人と、彼女を補佐する曰くあり気な馬方を助けて敵の裏をかき、野盗の一族と信州の山々を揺るがす壮絶な大激闘。
信州小諸は鯉の産地として有名。だが殿様の病気が千曲川の鯉の祟りという、怪しい修験者の御託宣で、城下は火の消えたような有り様。一方、城内では家督相続を巡る陰謀に、嫡男の若君お守り役が狙われた。一行が日本一の占い師という触れ込みで綾姫を巫女に仕立て上げ、忍びが暗躍する修験者一味と城内で虚々実々の対決。
碓氷峠の近くでつまらぬ事から老公が意地を張り、助格らと別れて八兵衛を引き連れ、山の湯に浸ったはいいが、兇状持ちの旅人に身ぐるみ盗まれてみじめな姿に。しかも旅芸人姿の女渡世人から親の敵呼ばわりされ大騒ぎ。松井田の宿で綾姫達に救われた女渡世人と再会した老公、娘の悲願の為、ひと役買って花も実もある人情裁き。
高崎の城下で助三郎が懐かしい同門の親友を訊ねたが、親友は異例の出世で勘定奉行。だがその上役、次席家老の悪政を怒る侍達が暗殺を仕掛けて藩内は大騒動。あくまで親友を信じる助三郎。果たしていずれが正か邪か。殿様の帰国を待って開かれる御前会議に、死を覚悟して臨む親友を助けて、城中に乗り込んだ一行が大暴れ。
岡部の近くで老公の財布を狙ったドジなスリとその姐御。街へ入った一行が出逢ったのは、我がもの顔に振舞うやくざと、後ろ楯の代官に恐れおののく人々の姿。好色な代官の為に、女は表を歩けぬ始末。ところがこの代官とスリが瓜ふたつだったから大変。代官に泣かされる宿屋の娘を救う為、本物偽者大混乱の筋書きの幕が上がる。
若旦那の身分を羨ましがる八兵衛が、ひょんな事から熊谷名物「五家宝」の本家・宝屋の婿養子に。お城へ献上する五家宝には毒が。そうとは知らずに献上品を持参した八、危ない所を弥七に救われる。若君暗殺の陰謀を知った老公、悪企み暴くと共に、対立する元祖、本家の宝屋を仲直りさせ、若君の恋を実らせる、白いお髭の縁結び。
川舟で栄える武州大宮へ、一行より一足遅れてやって来た格之進。人待ち顔の男の子に父親と間違えられる。子供の父は河岸問屋の跡取りだったが、イカサマ博打に誘い込まれ、出奔してお訊ね者の身。父の無実と勇気を信じて待ち続ける子と母に感じ入った老公、綾姫を女賭博師に仕立て上げ、父子再会の狂言が幕を切って落とされる。
江戸に辿り着いた一行、やくざに追われる娘を助ける。父親が借りた十両の借金のカタにやくざが申し出たのはお止め川の鯉。気安く引き受けた老公だが、あっと言う間に役人に捕えられてしまう。実は陰で柳沢吉保が動いているのを承知の上。綾姫をも巻き込んでの騒動は、遂に将軍綱吉の御前で虚々実々の対決を迎える。
第14部
世直し旅を終え、水戸・西山荘で晴耕雨読の生活に戻った水戸光圀(西村晃)。その頃、南部藩では藩主が病に倒れ、跡目を巡って藩を二分するお家騒動が勃発した。藩主の血をひく兄弟をそれぞれ後継者として担ぎ出し、一方は、能役者上がりの奸臣が老中・柳沢吉保と手を結んで、藩の実権を狙っているようだ。相反する一派の刺客から難を逃れた江戸家老の娘・由紀(片山由香)から事情を聞いた光圀は、事態の収拾を図るため、風雲急を告げる盛岡へ旅立つことに…。
水戸光圀 : 西村晃
佐々木助三郎 : 里見浩太朗
渥美格之進 : 伊吹吾郎
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
西山荘で晴耕雨読の生活に戻った水戸老公の許に、格さんの母・多加が格さんの嫁探しを相談に来た。その頃、江戸では南部藩主が急に倒れ、跡目を巡って藩論は真っ二つ。能役者上がりの奸臣が柳沢吉保と手を結び、藩の実権を狙う。刺客の手から救った家老の娘・由紀から事情を聞いた水戸老公、風雲急を告げる南部への旅立ちを決意。
奥州二本松郡山領の農民達を搾り上げ、年貢のカタに娘を売り飛ばすなど、非道を尽くす悪代官一味。どこからともなく現われて農民達の危機を救う白狐の姿は神の化身か。名物三春駒を売る娘を、代官のドラ息子の横恋慕から救った水戸老公が、正義の白狐とともに農民達の難儀を助け、悪代官一味を退治すべく、刑場の対決が迫る。
福島領でならず者達に襲われた旅役者の一座を助けたが、その女座頭と助三郎が出逢った不思議な娘が瓜二つ。その頃城下では行方不明の姫を探しててんやわんや。芝居の興行権を狙う悪代官一味が色と欲から女座頭を狙う。女座頭は捕えられたが、瓜二つの娘を替え玉に、老公一座が悪者退治の幕を開けて大車輪。果して娘の正体は?
老公と助三郎が意地の張り合いから、白石で別々の宿に泊る。助三郎の方は代官と手を結ぶインチキ宿。片方は意地悪姑とぐうたら亭主に尽くす健気な若女房が頑張っている。その若女房が作る温麺の旨さに感じ入った老公が、進退谷った若女房の苦難を救い、蛆虫供を退治する。名物「白石温麺」誕生に、一役買った水戸老公。
仙台へ向かう道すがら、愛嬌のいい旅烏と知り合った老公主従。同宿の仙台味噌造りの一行が襲われ、味噌は目茶苦茶。その味噌問屋の主が水戸老公に負けず劣らずの頑固さから、勘当したひとり息子が例の旅烏。藩御用の看板を狙う悪者問屋の卑劣な企みから店を守ろうと立ち上がる旅烏に、老公一行も加わった名物仙台味噌騒動。
鳴子で見かけたこけし人形の表情に興味を覚えた老公が、人形の顔を描き続ける仔細あり気な浪人者に出逢った頃、格之進と弥七が病に苦しむ旅の侍を助けた。こけしの人気に、欲深な郡代・庄屋一味の横車。立ち向かう浪人者に、意外や旅の侍が親の敵と名乗り出た。悪者一味の企んだ後押しに、遂に仇討ちの日がやって来る。
花巻で出逢った少年に案内された町は、祭りを控え楽しい筈が、代官と結んだやくざの為に祭りの冥加金を吹っかけられ、火の消えた有り様。無法を取り締まる目明しは少年の父親だったが、何故かやくざの言いなり。直訴を決心した町の世話役も殺された。怒りに燃えた老公、悪者供のからくりを暴き、改心した目明しと供に立ち上がる。
今回のみちのく旅のきっかけとなった南部藩の内紛はますます悪化。納めに向かう水戸老公を狙う刺客の刃。江戸から密使となって駆けつけた志乃は人質。仕掛けられた爆薬に危機一髪。藩主候補の兄弟の思いを他所に、悪の奸計は実現寸前。南部藩の浮沈がかかる御家騒動に、正義の味方となって敢然と悪を懲らす水戸老公の大活躍。
南部八戸領は南部駒の名産地。だが、その馬作りを巡って対立する牧場主。片や荒くれの兄弟達が悪代官と結んで暴れ放題。度重なる妨害にもめげず必死で家業を守る若い娘の牧場主とその弟。恒例の献上馬を定める競べ馬に、姉弟を助けて水戸老公達が立ち上がる。助三郎と兄の一騎討ちによる、手に汗握る競べ馬の大激走。
青森で網元同士の勢力争いに巻き込まれた老公一行。怪力の相撲取りを用心棒に持つ一家と、男勝りの女主が率いる一家が狙うのは、今は両勢力の為に衰えた老舗の看板。老舗の娘の胸には、父の死の謎を巡って恨みの炎が燃えている。老公の後押しで、娘の兄に扮した格之進が、用心棒と正月の奉納相撲に仇討ちを賭けた一騎討ち。
弘前の城下外れで文無し男を助けたが、これが名高い津軽塗の職人。だが名前を鼻にかけ道楽三昧の末、家を飛び出した。妻子を捨てた父親に対し、息子は男を家に入れない。折りから藩の役人と結託した塗物問屋が、その由緒ある塗師の屋号を利用して大儲けを企んだ。水戸老公の計略は、殿への献上品を競わせる父子の腕比べ。
杉の名産地で知られる秋田・大館の山中で、獣穴に落ちた老公の災難を救ってくれた娘。山林を巡って不穏な企みを感じた老公のお株を奪って、旅役者くずれの偽者が登場。山林奉行と手を結ぶ材木問屋一味もまんまと一杯喰わされた。樵人足頭をつとめる娘の父親が行方不明の謎を巡って、本物が偽者を操っての悪者退治のひと芝居。
久保田の城下を荒らす兇賊「卍」衆。裏をかかれ窮地に立ったのは志乃の従兄に当たる町奉行。助格が賊を追い詰めたが、町奉行とは竹馬の友の目付役が現われ、捕える寸前に斬ってしまう。死を覚悟した町奉行夫婦を助けて水戸老公、卍退治に乗り出したが、その矢先に志乃が誘拐され、助けに向かった助三郎も敵の罠に落ちてしまう。
一行から離れた助三郎が途中で助けた母子に、仮の亭主になってくれと頼まれた。その女の父親は本庄の雑穀問屋の主人で、無類のしみったれ。しかも何んと水戸老公と瓜ふたつ。勘定奉行と結ぶ商売敵の企みに、農民達の苦しみを知った水戸老公、主人にすり代わって本物か偽者か大混乱の中に、悪人達のしっぽを掴む珍騒動。
米どころ庄内藩鶴岡の町は祭りを控えて大賑い。宿を貸してくれた農家の娘が胸に抱く面影は……。無実の罪で父母を殺された蔵宿の息子が仇討ちに帰って来るという噂に、悪者達は戦々恐々。その男に助三郎が間違えられ、追われるハメに。男は女に、女は男に化ける化物祭りの当日、水戸老公の計略に巻き起こる大波乱。
路用の金が尽きた水戸老公、一天地六サイの目に賭けたが、裸にされ、志乃はカタに取られて茶屋奉公。その店に助三郎・八兵衛が上がったからひと騒動。老公は女丈夫の餅屋の女将に助けられたが、その女将に横恋慕するやくざの親分と恋の鞘当て。親の敵を狙う角兵衛獅子姉弟を助けて、老公と女将が夫婦気取りで大暴れ。
将棋駒の産地で知られる出羽天童では、賭け将棋に浮かれた領民達が本業を捨て、一攫千金を夢見て熱中。お陰で田畑は荒れ放題。将棋駒問屋の息子も母の嘆きを他所に賭け将棋にうつつを浮かす。将棋好きの領主を利用して私腹肥やす悪代官一味を向こうに廻し、水戸老公が軍師となって志乃が領主の天狗の鼻を折る大活躍。
絹織物で名高い米沢の織物問屋の娘が、藩の勘定方の侍に嫁いだが、訳も判らず離縁された。夫と姑と三人で紅花染の工夫に賭けていただけに納得行かない。しかし、離縁直後に夫は脱藩。残された身を按じて娘は姑の許へ。織物買い上げの裏で私腹を肥やす一味を懲らし、夫婦が工夫を凝らす紅花染の成功に力を貸す水戸老公の活躍。
会津藩主・松平正容と老公は喧嘩友達。だが再会を楽しみにして領内へ入った途端、蒲生の残党に襲われ、主従は散り散り。老公を助けた若侍が案内してくれたのは美しく気品のある、絵ろうそく作りの娘の家。お家断絶の恨みに燃える蒲生残党の襲撃から領民を守る為、老公と松平正容が息もぴったり、狐と狸を思わせる老巧な大作戦。
越後新発田の領内で茶店を営む健気な娘に、好色な郡奉行が目をつけて無理難題。山の湯で知り合った老武士の心願に興味を抱いた黄門様。娘の苦難を救おうとする老武士が秘めている苦悩。父を無礼討ちにした武士を探す為、郡奉行に身を任せようとする娘を助け、十三年間の恩讐を越えて老武士との和解を取り保つ老公一行。
無実の罪で佐渡に送られる夫を逃がそうとした女房を役人の手から助けた老公一行。女房の話から金山に秘密の動きがあると睨んだ水戸老公、佐渡に乗り込み、姿を変えて敵の懐ろに潜入する。隠し金山を巡る金山奉行らの欲望の渦巻に巻き込まれ、それぞれ絶体絶命の危機が迫る!生死を賭けてこの世の生き地獄に挑む老公主従。
越後・長岡へ入って来た老公一行。さすが地元では越後の縮緬問屋とも名乗れず、江戸の菓子屋という事に。助三郎が城下で家老の息子に乱暴される武家娘と菓子職人を助けたが、男はかつての使用人。藩の物産方の娘の父は酒びたりの毎日。殿様への献上銘菓を巡って、藩の物産方に渦巻く黒い霧を暴き、父親に自分を取り戻させる老公。
高田城下で剣術指南役の師範代を務める侍は助三郎の剣術修行仲間。だが藩政を牛耳る次席家老の後押しで指南役の座を狙う町道場主に道場は押され気味。とうとう悪企みに老指南役が殺されてしまう。指南役の娘への思いも振りきり、仇討ちを決意する侍に、助三郎を始め水戸老公も立ち上がり、悪者一味との対決が迫る。
越中に渡る船の中で出逢った、どこか憎めぬやくざ者。同宿したのはいいが、何んと水戸老公、まんまと博打で巻き上げられてしまった。だがその男の妹が恋する若者が役人に召し捕られ、妹も人身御供の危機一髪。母親孝行と金儲けの一石二鳥を狙ったやくざ者に、本物の老公一行が偽者に仕立てられ、悪者供を取り押さえる珍騒動。
金沢の城下で出逢った孝行娘。父親は蒔絵に使う箔作りの名人だが酒びたりの毎日。生さぬ仲の父親の暴力にも耐え、何とか立ち直らせようと心を痛めている。その父親が地金を盗んだ罪で捕えられた。裏に、欲に目の眩んだ企みを察した老公、悪の一味を懲らしめ、父親の見事な名人芸を取り戻させ、娘にも笑顔が戻るのだった。
山中は加賀で名高いいで湯の里。山道で格之進が拾った赤ん坊は、城下の老舗の若旦那と、親が許さぬ娘との恋に生まれた子供。息子と孫の為、ふたりの仲を裂こうとする母親。老舗の財産と、その若女房に懸想する代官をあやつり、色と欲との悪業を企むやくざ一味から、水戸老公が赤ん坊を取り返し、唄って聞かせる子守唄の一節。
越前勝山領で出逢った娘馬子。両親に先立たれ、弟や妹を細腕ひとつで養う健気さに感じ入った老公。だが新しい領主を名君と信じる娘の心を裏切るように、年貢米の不正取立てや苛酷な夫役など、領民の苦しみは募る一方。娘を思いやった老公が、悪家老一味の不正なからくりを暴き、殿様の目を醒まさせる温情溢れる大活躍。
長浜の城下で縮緬問屋の娘を助けた老公一行。ところが奉行所の役人から大手の縮緬買い付け業者と間違えられ、八兵衛を若旦那として下へも置かぬもてなし振り。しかし本当の若旦那は助三郎と格之進が出逢った得体の知れぬちゃっかりした若者だった。悪者一味が機織り職人を脅迫して私腹を肥やす悪業を、本物と偽者若旦那が暴く。
陶器で名高い信楽の里で一行が出逢った狸によく似た仲間。病気がちな主人筋の母と子に献身的に仕えている。一方、里の陶器師達は代官所役人と茶問屋の無法な企みに苦しめられていた。見かねた窯元が直訴を決意するが、逆に狙われ、危ない所を弥七が救う。仇討ちの大望を抱く母子と仲間を助け、老公が悪者を退治し、悲願成就に一役。
抜け忍の弥七にとって、生国伊賀はなつかしい仲間もいれば敵も多い。異装の忍者達が組織する鉄砲隊に襲われた老公が出逢ったのはくの一とその兄。兄弟の父親は弥七の昔なじみ。だが出世の野心に燃える忍びの頭が父親を殺した上、罪を弥七になすりつけた。怨みから老公を狙う兄弟。伊賀の天地に巻き起こる壮絶な大激戦。
娘スリと乾分のどじな男が大坂の廻船問屋からすった一枚の絵札。まさかの抜け荷の割符とは知らず、次に老公一行をカモとして狙う。しかし老公に正体を見破られ、今度は一行を大泥棒と勘違い、押しかけ乾分に。この娘が悪企みにかかって処刑された大商人の娘と知った老公、抜け荷の秘密を暴き、娘に親の恨みを晴らさせてやる。
音に聞こえた灘の銘酒を楽しみにしていた老公だが、呑んだのは何んともひどい酒。その酒を浴びるように呑む男は造り酒屋の主。酒も造らず酒びたりの毎日。その身を案ずる娘と若い杜氏。酒造りの利権を一手に握る悪問屋と代官の悪業を暴いて水戸老公、主を苦境から救い、伝統の銘酒復活に一役買った酒騒動。
姫路城下でならず者を懲らしめた、むさ苦しいが腕利きの若侍。一方、助格が助けた若衆姿の女武芸者は剣術指南役の娘。娘に懸想する家老の馬鹿息子のせいで、名物明珍火箸作りの名人に振りかかる災難。老公が殿様に献上する火箸に仕掛けられた、藩政を牛耳ろうとする家老一味の企みを暴いて、婿選びを賭けた御前試合での結末は?
塩の産地で名高い播州赤穂への道で、少年とその父親という男に一杯喰って危機一髪の一行。身ぐるみ剥がれた上、印籠までも奪われてしまう。だが、少年の実の父は塩田で働く身。その父親探しを手伝う一行が見たのは、悪役人が私腹を肥やす大汚職。塩人足に化けて塩田に隠された秘密を暴き出す、塩加減にも似た老公の辛口裁き。
淡路島で一行が出逢った記憶喪失の男は格之進に瓜ふたつ。何者かに襲われたのが原因らしい。一方、男を狙う追手は間違えて格之進を捕える。事件の裏に藩重役と廻船問屋が結託した悪企みを察した老公、ふたりの格之進を自由自在に操って敵を大混乱させ、悪の奸計を暴く。鳴門の渦潮で名高い淡路島でのそっくりさん騒動。
阿波徳島の城下で助格が助けたのは藍問屋の娘。一方、老公は惚れ合っていながらも喧嘩の絶えない織物職人夫婦と出逢う。折から、博打三昧の職人が、殿献上の織物比べに、藍奉行と悪問屋の仕組んだ罠に嵌められた。職人を救おうと老公自らが女房を連れて賭場へ乗り込み大勝負。果たして正義のサイの目は丁と出るか半と出るか。
実子、頼常の居城、高松城に仕組まれた陰謀を暴く為、姿を変えて潜入した水戸老公。待ち受ける柳沢吉保の放った伊賀忍者。火花を散らす暗闇が続く。城内では柳沢と結んだ御用人が偽絵図面を使って頼常謀反をデッチ上げる。企みを察した老公、土壇場で悪者共を血祭りに上げ、名物、讃岐うどんの味も格別と、機智縦横の大活躍。
第12部
水戸・西山荘で暮らす黄門様・水戸光圀(東野英治郎)は相変わらず元気いっぱい。だが、助三郎(里見浩太朗)や格之進(大和田伸也)、八兵衛(高橋元太郎)らを巻き込み、遠足(とおあし・今でいうマラソン)を始めたまではよかったが、道中大雨に降られてしまい、風邪をひいてしまう…。そのころ、黄門様の実子でもある高松藩主・松平頼常が、将軍の座を狙っているとの噂が…。真相を知らせるために江戸入りした高松藩士は何者かに暗殺され、風車の弥七(中谷一郎)が偶然その場に居合わせる。こうして、高松になにやら不穏な動きありとの情報は、西山荘の黄門様にもたらされた。事態を重く見た黄門様は、病をおして内紛の真相究明と鎮圧のために水戸を出発、一行は四国・高松を目指して西へ向かうことに…。
水戸光圀 : 東野英治郎
佐々木助三郎 : 里見浩太朗
渥美格之進 : 大和田伸也
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
西山荘に戻った御老公だが、相変わらずの元気振り。遠足を始めたはいいが、雨に降られて風邪をひき込んでしまう。一方江戸では、将軍の跡目をめぐって甲府の綱豊侯と高松の頼常侯の間に不穏な噂が流れていた。実子頼常の一大事と、家老山野辺兵庫の制止も振り切り、病み上がりを押して再び旅立つ水戸老公。目ざすは四国、高松藩――。
八王子宿で意地の張り合いから老公、志乃、八兵衛と、助三郎、格之進が別々の宿に。宿の娘のけなげさに打たれた助と格、客引きを買って出る。一方、どんちゃん騒ぎの老公達は一文無しがバレ、天国から地獄に。宿の娘に目をつけた道中奉行と志乃を狙う代官を、風呂番に化けた水戸老公が、折れて来た助、格とともに懲らしめる。
甲府城下で弥七に助けられたドジな泥棒が、親の仇と狙う両替商と勘定奉行が手を組んだ隠し金山の秘密。店を潰された泥棒の母と妹の悲しみを知った水戸老公、自ら盗賊の大親分に化けて悪者退治に乗り出したが、その矢先に志乃と娘が捕えられ、危機一髪。御老公達が黒装束に身を固め、敵の本陣に乗り込んでの大活躍。
信州諏訪の城下で助けた水もしたたる若衆、次の出会いでは何と町娘姿。執拗に襲いかかる忍びの魔手から救ってくれた格之進を、娘は兄と間違えた。不穏な気配の漂う城下に流れる尺八の音。見え隠れに娘を見守る謎の虚無僧。兄の死の真相を探る妹を助けて、悪者一味の前に現われた四人の虚無僧の正体は――。
木曾の山中で助けた年配の木地職人は、幼い子供と亡き親方の娘との三人暮し。その職人に助三郎が道連れとなった渡世人が親の仇と斬りかかった。男の胸に秘めた苦しみを察した水戸老公、仇同士の間に立ち、事の真相を突き止めて男の無実を晴らし、代官一味の悪企みを叩き潰す。名月の御岳山に流れる木曾節が人々の胸にしみ渡る。
祭りが近い郡上八幡の城下で助三郎が助けた芝居興行元の娘。彼女が胸に抱く面影は助三郎に瓜ふたつ。その人は、なんと水戸老公が道中で出会った旅の人気役者。不思議な縁に結ばれて芝居小屋乗っ取りを企む悪者一味と対決。罠に嵌って牢に入れられた本物に代って、助三郎が舞台をつとめる勧善懲悪、世直し芝居の幕が開く。
岐阜の名物提灯造りの職人が、腕はいいのだがなまけ者の大酒飲み。その兄を立ち直らせようと尽す妹のいじらしさ。商売仇の提灯問屋が役人と組んで献上の提灯造りにことよせ無理難題。だが、意外や志乃に好意を持った職人は必死の仕事振り。悪者一味が提灯奪い取りの悪辣な企みに、水戸老公一行がひと暴れ。
琵琶湖畔の膳所の城下で出逢った兄妹。兄は鮒侍と綽名される足軽で、生活の為に妹とふたりでお役目そっちのけで釣りの毎日。心をこめたもてなしに足を止めた水戸老公、折から藩は正義の若侍達と悪の勢力がしのぎを削る真最中。若侍達の危機に現われる白覆面の怪人が弥七と忍びの術くらべ。果して白覆面の正体は正か邪か。
京の伏見でわらじを買った老婆の息子がとんでもない親不孝者。富くじに凝って箸にも棒にもかからぬやりたい放題で、親を親とも思わぬ所業に母の悲しみは募るばかり。見かねた水戸老公の意見も糠に釘。奉行を利用した悪親分の企みに家屋敷も横取りされる土壇場に、伏見稲荷の御利益か、御老公の情けに息子も真人間に立ち返る。
大坂で助けた男は塩昆布問屋の手代。盗まれたのは将軍家献上の為に松前から仕入れた極上昆布。夫亡き後、冷たい姑の仕打ちに耐えつつ、店を切り盛りする女房の健気さに、水戸老公が町奉行と組んだ悪徳問屋の企みを暴いて、店に巣喰う黒ねずみをいぶり出し、名代の風味と暖簾を守る浪花表の大活躍に、姑の気持ちも氷解する。
阿波の徳島で持ち上がった珍騒動。藍問屋の放蕩息子が何と八兵衛と瓜二つ。バッタリ出会った料理屋で入れ替り、八兵衛は夢うつつの大尽遊び。一方、放蕩振りに心を痛める生みの母の為にひと肌脱いだ水戸老公の説教も糠に釘。若旦那を陥れる悪企みに捕えられたのは何と八兵衛。まさに斬首の刑の土壇場が八兵衛の泣きっ面に迫る。
将軍世継ぎをめぐる企みに、暗雲たちこめる高松藩へ潜入した水戸老公。実の子である藩主頼常の御乱行の噂に、側妾に召し出された娘に代って志乃が接近、水戸老公達を手引きする。が、罠に嵌って捕えられ、船もろとも大爆発の木端微塵。さすがの水戸老公の命運もこれが最期となるのか。悪党達の高笑いに手に汗握る讃岐の大決闘。
金毘羅詣の水戸老公、土地のやくざの手から救った親子とともに、宿で讃岐うどんに舌つづみまではよかったが、父親と称する男の素性がきな臭い。口八丁のいい加減さに御老公もあきれ顔。女達をかどわかすやくざの悪業を探り出した弥七と、舟手役人の悪企みから売られる女達を救い出し、母をたずねる娘を一行に加える。
周防の国柳井の宿で巻き起こる酒造り騒動。健気な女主人が守る銘柄横取りを狙って、悪徳酒屋が代官と結託、杜氏頭を罠にかけ、無実の罪で牢獄に。お陰で酒造りは停止。杜氏頭を助ける為、女主人が悪徳商人の条件を呑んで全てを諦める寸前、水戸老公が悪者の企みを暴いて伝統の銘柄を守ってやる見事な手腕の味とコク。
年老いた父親を助けて牡蠣の養殖に取り組む娘と若い漁師から牡蠣を御馳走され、舌つづみを打った水戸老公。その娘を狙う網元が、牡蠣畑の横取りも狙う色と欲の企み。嫌がらせも頂点に達し、海に柿渋が流されて牡蠣は全滅。涙を呑んで網元に嫁ぐ娘の婚礼の夜、御老公が若い漁師に加勢し、花嫁を奪い返した広島の牡蠣騒動。
備前岡山の名物備前焼の名工を訊ねた水戸老公、見学を断られたが八兵衛をタネに一芝居。だが窯元の息子はグレて酒と博打場通い。備前焼の一手販売を企む悪徳商人と役人の手に落ちた。その時ひそかに戻った勘当中の兄。名工に代わって力を合わせる兄弟に手を貸し、殿様献上の茶碗を見事焼き上げさせ、悪人達を退治する。
播州手延べそうめんの職人、腕は名人だが大の酒好きの上、よるとさわると夫婦喧嘩。悪企みのそうめん問屋がやくざを使って職人に罠をかけ、殿様献上のそうめん造りを妨害。水戸老公達が職人を助け出し、夫婦仲直りさせて必死のそうめん造り。悪奉行と結託する問屋一味を蹴散らして、天下一品のそうめん造りを成功させる。
播州姫路の城下で八兵衛の懐から財布を掏った娘。お城ではジャジャ馬お姫様に家来たちがキリキリ舞い。ところが何と二人は瓜ふたつ。お微行の姫とスリの娘の出会いは何故か気が合い意気投合。立場を入れ換え、てんやわんやの大騒動。二人の娘の心意気を感じた水戸老公、姫をダシに私腹を肥やすネズミ退治に城中に乗り込んで行く。
丹後峰山の城下で恩と義理との板ばさみに苦しむ機織り職人、幼なじみの織元の息子は気が弱く、組合の元締を奪われたが、その張本人は何と職人の女房の父親。腕を見込んだ水戸老公、新しいちりめん織りの成功を賭けて、職人芸と健気な女房を助けて、利権をめぐって暗躍する欲に目のくらんだ連中の悪の根を断つ。
山中温泉で浴衣べいで知られる温泉女中の唄声に湯上がり気分満喫の水戸老公一行。だが、泊まった宿屋はさびれきって、女将と女中の二人きり。もう一軒の旅館は大繁昌。おしのびの家老が湯と酒と女にのぼせているその裏側で、抜荷の悪事。海で行方不明の恋人を探す健気な女ごころにほだされて、水戸老公達が大活躍。
越中富山に向かう途中、水戸老公の急病を助けてくれた薬屋の若女房とその母。だが、一人息子が博奕に凝って莫大な借金。家伝の秘薬の製法を奪おうとする企みとは知らず、すねた若旦那が人殺しの罠に嵌められた。義憤に燃えた水戸老公、母と若女房から受けた恩に報いようと、奉行所に乗り込んで悪者一味を叩き潰す。
信州善光寺支配役人と土地のやくざが組んで、門前町の宿屋に進上金を出させる悪企み。宿の主人の前に現われたのは、一人娘が幼い時助けられた大恩ある男。記憶をたどる娘の心に浮かぶその面影は、果して本物か偽者か。水戸老公が善光寺門前に巣喰うダ二退治の大活躍に、弥七の過去の善意が浮かび上がる。
信州追分に着いた水戸老公、飯盛女の凄ましい客引き合戦に唖然。寂れた旅籠を守る女主人と若い板前に、旅籠を狙う土地のやくざの嫌がらせが続く。好色代官もまとめて面倒看ようとする御老公の描いた筋書きは、盗賊の大親分に化けて、忍び込んだ先はなんと代官所。悪党一味をきりきり舞いさせる黄門さまの大芝居。
上州富岡で曰くあり気な母娘を助けた水戸老公。一方千鶴は、幼い頃から行方不明の娘の身代りに、人助けのつもりで生糸問屋へ。が、勘定奉行と結託した悪徳問屋が生糸の利権独占を狙って身代乗っ取りを企み、千鶴の正体を暴く。実の娘のように尽す千鶴の真心と、母娘の哀惜も絡んで巻き起こる、人の欲と情の一騒動。
物々しい警戒の中を宇都宮に着いた御老公一行の目の前で大工が殺された。世継ぎ問題で真っ二つに割れた藩の騒動に巻き込まれた名大工が造るからくりの謎に挑む一行に、立ち塞がる城代家老の黒い影。若い藩士を助けて陰謀を暴くべく城内に乗り込む一行に迫る釣り天井の恐怖。弥七の活躍が宇都宮藩の危機を救う。
漸く江戸に戻った水戸老公に残された千鶴の母親探し。助さんを待ち切れずに江戸へ急ぐ志乃が助けたお姫様は、意外にも千鶴に瓜二つ。母恋しさに臼杵藩上屋敷を訪れた千鶴は、消えた姫の身代りに仕立てられ軟禁状態に。善玉悪玉しのぎをけずるお家騒動に巻き込まれた一行が、千鶴の為にひと肌もふた肌も脱ぐ大活躍。
第9部
薩摩の旅から帰って半年、黄門様(東野英治郎)は悠々自適の生活を送っていた。ある日、秋田佐竹藩の筆頭家老の娘・志乃(山口いづみ)が、お家騒動解決のため、黄門様の力を借りようとはるばる秋田から出てきたのだと申し出る。もともと旅に出る口実の欲しい黄門様に断る理由はなく、こうして一行は新たな旅に出ることに…。
水戸光圀 : 東野英治郎
佐々木助三郎 : 里見浩太朗
渥美格之進 : 大和田伸也
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
薩摩への旅から帰って半年、黄門さま(東野英治郎)は悠々自適の生活だ。このところ木の根っこ掘りに凝っちゃって、格さん(大和田伸也)と八兵衛(高橋元太郎)はヒイヒイ。これに対して、お城勤めの助さん(里見浩太朗)は、キュウクツさに悲鳴。
その助さんが、ある休日、川で糸を垂れていたら、若い侍が船頭とモメている。話をつけてやって振り返ったらもういない。
「近ごろの若いモンは……」と助さんブツクサ。
女房お新がおめでたで、風車の弥七(中谷一郎)はひとり水戸へ。ご老公に事態を報告し、名付け親になってもらうつもりなのだ。
と、一人の若侍が刺客の一団に囲まれていた。得意の風車でやっつけ、ケガした若侍を西山荘へ連れ込んだ。
若侍と思ったのが、なんと女で一同ビックリ。秋田藩家老小野塚兵衛(水島道太郎)の娘志乃(山口いづみ)という。国許でお家騒動が起こり、佐竹一藩の存亡にもかかわるというので、黄門さまの助力を仰ぎに来たのだった。
もともと旅に出る口実の欲しい黄門さまに否やのあるはずもなく一行ただちに旅へ。
国境も出ぬうちに茶店を燃されて危機に陥るなど前途多難な秋田への旅が始まった。
いわきは内藤家七万石の城下町。悪家老松田玄蕃(安部徹)と勘定頭山野井源八郎(入川保則)が組んで、藩財政を大幅に私しようと悪だくみ。死を賭してその陰謀をはばもうとする浅香新之丞(西郷輝彦)は、格さん(大和田伸也)の旧友。かくて黄門さま(東野英治郎)一行は事件の渦中に。一方、新之丞を慕うなつ(吉沢京子)は、玄蕃の娘。江戸版ロミオとジュリエットは…。
相馬盆唄は、昔も今も庶民の唄。ところが、のどかな民謡の調とはうらはらに、農民たちは苛酷な年貢の取立てに泣いていた。ところが、検地の役人たちの先手先手と取っては作業を妨害する狐小僧なる人物が出没。その正体は果たして……。狐小僧に扮するのは橋幸夫。『水戸黄門』は初出演。
黄門さま(東野英治郎)の一行が、ひょんなことから市(いち)でにぎわう福島の町で、舞台を踏むハメに。興行の利権をめぐる陰謀に巻き込まれた一行の演技は、まこと素人とは思えないあっぱれなものと評判で?!
仙台の町へはいった黄門さま(東野英治郎)の一行。その仙台で、藩の直仕入商人の特権を得ようと、藩評定役天童内記(永井秀明)に取りいるべく金を積んでいる強欲商人大島屋利右衛門(東野英治郎・二役)。このご両人が瓜二つだったことから騒動に!
助さん(里見浩太朗)がフェミニストぶりを発揮したばっかりに、黄門さま(東野英治郎)たちは宿銭が払えなくなり、薪割りやら雑巾がけするハメとなって……。ご禁制の鉄砲をめぐる暗闘が、一行を事件の渦に巻き込む。
南部藩十万石の城下町盛岡。そのお城におわす高姫(ジュディ・オング)は、本名よりも“南部のジャジャ馬”なるニックネームの方が通りがいいという、まこと勇ましいお姫さま。その姫の“お犬さま”が、うっかり八兵衛(高橋元太郎)にからんだことから……。
山賊(実は悪代官の命を受けた無頼者たち)と、黄門さま(東野英治郎)一行および宿場役人、牢破り、旅人たちが入り乱れての大乱闘が、ちょっとした西部劇スタイル。このシリーズでも異色の活劇編。もちろん、このドラマ得意の人情劇要素もたっぷり取り入れて……。
親の許さぬ恋の道、かけおちした娘は、やがて夫にも捨てられ、息子を祖父のもとに届ける途中で落命した。風車の弥七(中谷一郎)がその臨終を看取ったことから、黄門さま(東野英治郎)は、大店の跡継ぎ騒動の渦中に……。
黄門さま(東野英治郎)一行、今回の道中の目的は、久保田(現在の秋田)佐竹藩二十万五千石のお家騒動を、家老小野塚兵衛(水島道太郎)の娘志乃(山口いづみ)の依頼で取り静めるためだったのです。いよいよその秋田へ一行はやって来たのですが……敵もさるものひっかくもの女忍者から鉄砲までとびだして……。
黄門さま(東野英治郎)一行が、各地を歩いていてた当時、酒田はすでに日本海沿いの要港だったという。その酒田の豪商たちの組織に、酒田三十六人衆というのがあり、多くは回船問屋で倉庫業を兼ねていた。そのひとり、吉野屋清五郎(御木本伸介)の前身にまつわる暗い過去が思わぬことから明るみに出るが……。
新潟へやって来た黄門さま(東野英治郎)一行は、札場の高札を見てビックリ。なんと、弥七(中谷一郎)が指名手配されている。よくよく見れば、武州無宿勇蔵と書いてあって、弥七じゃないのだが、余りにも似ている。一騒動起こらなければいいのだがと、黄門さま呟いた舌の根もかわかぬうちに……。
この回、秋田佐竹藩家老小野塚兵衛(水島道太郎)は、愛娘志乃(山口いづみ)を勘当する。志乃の胸いっぱいにひろがってしまった愛しい人、助さん(里見浩太朗)のあとを追わせてやるために……。だが、二人が一緒になるまでには、なお困難が。志乃は、悪い奴らに捕まって売りとばされかけた。助さんは兄をさがす娘おすみ(早乙女愛)を救った。そして黄門さま(東野英治郎)は、泥棒ごっこをやっていた?!
越後高田で志乃の病気を助けた娘とその母。娘の腰に鳴る鈴の音にひかれた水戸老公。折から、藩政をめぐって家老と城代家老が対立、家老は閉門。逆境に立たされた家老の許に娘を差し出す母親が抱く心の秘密。真実の愛一筋に、耐え忍んだ十八年。女の誠に感じた水戸老公、悪政を正し、積年の恋を実らせ、結ばせてやる。
能登の国で輪島塗りを見学しようとした老公一行。道で老公が知り合った細工師の兄妹と、この二人を捨てた父親との間に悲しい親子の愛憎がさかまくのを見た。父親が悪代官と漆商人にかけられた昔の罠の秘密を探つた水戸老公。細工師の腕の冴えにも劣らない老公の活躍で、親子の難儀を救い、輪島塗りの伝統を守ってやる。
越前金沢へ向う水戸老公一行、路銀が届かず身ぐるみ剥がれて追い出されたが、たどりついた城下町で、お国自慢の菓子屋の世話になりほっと一息。だが将軍献上の菓子造りをめぐって商売仇きの悪企み。老公一行、旧恩に報いようとする菓子造りの渡り職人を助けて、加賀百万石の名菓「長生殿」の伝統とのれんをささえてやる。
越前の国福井へ向う山道で農民が役人に斬られるのを目撃した水戸老公。不審を感じて泊った村は紙漉きの土地。役人の命令で奉書紙つくりにかり出される村人達の苦しみ。余りにも厳重な警戒の裏にある、紙つくりの秘伝をめぐる黒い秘密があるのを探知した水戸老公。怪しい西国巡礼姿の男とつなぎをつける宿の主人の正体は?
越前の険しい山中で巻き起る大騒動。公儀の隠密と間違えられ、捕えられた志乃は地獄の責苦、源七も悪戦苦斗。秘密の煙りが立ち込める五箇山の村長の家に足を止めた水戸老公。山深い里に吹き荒れる嵐とは?煙硝造りにからむ悪役人の私利私欲に、破滅を前にした村人達を助け、公儀忍びの親子と共に銃弾飛び交う加賀山中。
美濃国中津川の辺りで出会った子供とその母親、二人に使える火縄作りの男。母子が持つ由緒ある槍一筋にかくされた願いは、夫の仇討ち。母子に傳く元中間の真心に感じた水戸老公。だが先手を取った敵の兇刃が母子に迫る。危機一髪、老公一行の助太刀で見事仇討ち本懐。国許へ帰る母と子、中間の持つ槍一筋に笹竜胆が映える。
唄のうまい渡世人と木曾路で知り合った助さんと、一方仲乗りの元結めに用心棒に雇われた水戸老公達が敵味方で対立。元結めの狙う木曾五木の筏流しの免許状を健気に守る女頭。代官の留守を幸に材木奉行と組んで喧嘩を仕掛ける悪元結め。女頭を助けて悪を倒し、ひたむきな女の恋を実らせる木曾の大活躍、唄も嬉しい晴れ姿。
木曾路を行く水戸老公達が路銀が切れて危い処を助けてくれた渡り鳥。恩を売った男の頼みは何と水戸黄門一行に化けること。本物が贋物になって乗り込む奈良井の宿で、臑に傷もつ悪代官と材木屋が大慌て。悪者達から金を取り甘い汁を吸おうとした渡り鳥にも人の情けが残っていた。贋物が本物となり、悪者退治のどんでん返し。
諏訪大社の初詣の賑わいに女スリにやられた若侍、すられた財布には大切な仇討免許状。その免許状が悪心を起した商人の手から敵に渡ってしまう。折角敵にめぐり合った若侍が窮地に追い込まれた。水戸老公達を仲間と思った女スリが意外に生一本、免許状奪い返しに大ハッスル。水戸老公の手助けで目出たく初春の仇討ち成就。
甲州路で八兵ヱの懐を狙ったドジな若者が病気の母親に飲ませたいお茶は何と将軍献上の銘茶。格さんの旧友で正義感に燃える甲府勤番の侍が探索する金の横流し。幕府の数奇屋茶器の若年寄と地元奉行が結託し私利私欲を肥す悪謀。襲いかかる銃弾の直中に水戸老公が、お茶壺道中のからくりを見事暴露する甲州金山の大奮斗。
武州川越の城下で出会った若い藩士とその妹弟。弟は不治と云われる難病、兄は近習取り立てをかけた剣術試合を目指して猛稽古中。そしてその競争相手は勘定奉行の息子。奉行の不正に気づいた兄は彼等の罠に落ちる。絶望の淵に立たされた兄弟達を、水戸老公が励まし助け、見事試合に勝たせ、弟の病を直す道を開いてやる。
上州館林の村々に吹き荒れる天狗倒しの大風よりも恐ろしい、娘を奪う白羽の矢。悪魔の正体を見破ろうと水戸老公が立寄った庄屋の娘にも遂に白羽の矢。何者の仕業か謀みか。娘を囮に挑戦するが襲いかかる敵は忍者くずれの強敵ばかり、さすがの水戸老公達も大苦戦。最後にうった作戦に掛った敵の元兇は思いもよらぬ大悪党。
下野の国渡良瀬川の舟着場で、悪人足から娘を助けたがその時大暴れする助さん格さん達の雄姿を描く風変りな旅の絵師。助けた娘の父親は元代官。無実の罪をきせられて罷免された父親に取って代った悪代官が、人足元結め一味を使った謀みに、父親は牢に入れられ娘は捕えられ代官の餌食になる間一髪、水戸老公が天罰を下す。
故郷水戸に近い笠間の城下で思いがけず弥七が救った若い男女。女は何と水戸を脱出した助三郎の縁談の相手田鶴、男は笠間藩の勘定方若侍。相思相愛の男女を助けて水戸老公が、商人と手を組んだ悪家老達をこらしめて、助三郎と志乃、田鶴と若侍、二組の若夫婦の仲をまとめる時の氏神。みちのくの旅の終わりを飾る第九部のフィナーレ。
第8部
西山荘で無事平穏な日々を送る黄門様(東野英治郎)は、薩摩に輿入れした将軍の姫君からの使いに旅への虫を起こしたが、ヤセガマンの最中だった。そんな時、将軍、綱吉(江原真二郎)が世継ぎ誕生を願って次々と発する悪令に、江戸庶民の難儀を聞いて、江戸に急行。綱吉を取り巻く側近の悪計を退治する。そのまま黄門様一行は、薩摩へ向かう世直しの旅に出る。
水戸光圀 : 東野英治郎 / 佐々木助三郎 : 里見浩太朗 / 渥美格之進 : 横内正
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
西山荘に無事平穏な日々を送る水戸老公が、薩摩に輿入れした将軍の姫君からの使いに旅への虫を起したが、ヤセガマンの最中。将軍綱吉が世継ぎ誕生を願って次々と発する悪令に、江戸庶民の難儀を聞いて、江戸に急行。綱吉を取り巻く側近の悪計を退治する。そのまま一路薩摩へと、水戸老公の世直し旅はその第一歩を踏み出した。
六郷の渡しで老公と八兵ヱが悪い雲助駕籠屋にひっかかり、駕籠屋と結託した代官所で百敲きの刑。手当をしてくれたのは悪党一味の妨害にも屈せず正業を営む男勝りの駕籠屋の娘。助さん格さんも駕籠屋になって大奮斗、デッチ上げられた人殺しのからくりを見事あばいて、悪党一味を根だやしにする御大師様は川崎宿の駕籠騒動。
東海道馬入川を渡った平塚宿、客引き娘の親切に引かされて泊った宿屋が何と幽霊宿。薬売りの老人が自殺した曰く付きの座敷に現れた幽霊の正体は?競争相手の宿屋に泊った弥七とお新が睨んだ博打うちと宿の主人の黒い繋がり、殺された親の仇を捜す息子を助けて水戸老公一座が演じる幽霊芝居は見事大当り、悪党一味の正体暴露。
駿河の浜辺沼津千本松原の界隈で、霊験あらたかな人肌地蔵。村人達は代官に仕事止めや寄進を強要されて青息吐息。水戸老公が勇敢な若者と代官に追われるその母親と妹を助けたが、水戸老公そっくりの父親の出現にてんやわんやの大騒ぎ。人肌地蔵の正体をあばいて悪代官のからくりを暴露する、二人の水戸老公神出鬼没の大活躍。
東海道名代の港町清水の宿場で無法なやくざから小料理屋の難儀を救った助さん格さん。やくざ一家の為めに町は無法地帯。地付きの目明しは腰抜けでその娘にも愛想をつかされている。水戸老公が町の人々を勇気づけダニ退治を試みたが臆病風。その時弱い筈の目明しが生命を的に立ち上り水戸老公の後ろ盾で無法者と対決する。
駿府名物安部川餅百ケ食べたら賞金一両、八兵ヱが挑戦したが惜しくもダウン。一方駿府の城下では酒の飲み比べ。食い過ぎの八兵ヱが、飲み比べに優勝した左官職人の妹に介抱されていた。久能山東照宮の普請をめぐる悪企みに引っ掛かった左官職人の腕前を惜しんだ水戸老公、助さん格さんを弟子に仕立て、悪者共を降参させる。
掛川の宿で助三郎が助けた母と子は名産葛布の総問屋の一人娘。人足元締めの息子を嫌って家出して、江戸で後家となっての国帰り。助三郎が身替り亭主で家へ帰ったが、その父親が問屋の暖簾を狙う元締め親子のたくらみに殺し屋に傷つけられた。水戸老公主の前で、黒幕奉行一味の非行をあばいて、織物の伝統を守ってやる。
三州吉田の領内で落ちぶれた織元の息子が箸にも棒にもならぬ親不孝者。見かねた水戸老公が足をとどめて、おしえさとすが馬の耳に念仏。やくざにおだてられ、老母が財産をかくしていると信じ込み益々つのる乱暴ろうぜき。だが愚かな息子へのつきぬ母の愛に感じた水戸老公が、息子御手討ちの土壇場に親不孝者を改心させる。
岡崎城下は殿様上覧の献上花火菊屋、松屋の腕比べの噂で持ち切り。八兵ヱの失敗で火傷をさせた花火師松屋に、三河男の心意気を感じた水戸老公が後ろ盾。利権を狙う一味に利用された花火問屋菊屋の息子が仕掛けた爆発から、傷ついた花火師松屋を助けて、工夫の花火しだれ柳を見事完成させて悪一味を裁ち、岡崎の夜空を飾る。
格之進が昔の剣術の友人を苦戦の最中から救ったが、格之進と友人を隠家に案内した馬子は意外や男装の娘。友人は城内の権力を握る国家老の生命を狙う江戸から来た刺客であった。一方、友人と同じ刺客の仲間と疑われた水戸老公達に迫る国家老一派の襲撃。友人の許婚と馬子の娘が、女心に生命をかける、名古屋城下の大決戦。
桑名の城下で弥七がやくざの乱暴から茶店の女主人を助けたが、その時現れた若侍に女主人は何故か弥七を亭主だと偽った。その様子に焼蛤ならぬ大焼きもちのお新をなだめる水戸老公。女主人が主家の若侍に尽くす真心に感じ入り、桑名藩のお家騒動を大事に致らず消し止め、若侍に親の仇を討たせ、若い二人の仲人役で上機嫌。
可愛い娘に鼻の下を延した助さんが見事財布をすられたが、その娘が病気で苦しむ兄妹連れからすり取った仇討免状にびっくり仰天。だが伊勢松坂の関処で水戸老公達が引っ掛り、スリの娘も共々御用。然し兄妹の探す敵が代官屋敷に匿われている事を知った。水戸老公の計畧で助さんとスリの娘が替玉となり仇の本陣に乗り込んだ。
伊勢山田に近い宿で送金を待つ水戸老公、怪しまれ身ぐるみ剥がれて追い出されたが旅役者の一行に拾われた。伊勢山田の町で頼った興行の元締めが無法な親分一家に嫌がらせを受け、娘太夫も危うく色好みの奉行の餌食。傷つけられた座頭を助け、水戸老公達が役者に扮し、狂言は何と本物を地で行く黄門漫遊記、世直し旅の大活躍。
熊野権現の御神域の中から現れた男、神隠しにあって一年、女房も子供も総てを忘れた記憶喪失。だが頭の古傷から不審を抱いた水戸老公、山番役人だった男の足取りをたどって苦心の探索。遂に御神木を盗み横流しする大掛りな悪事を探り出し、ごうごうたる那智の滝の霊験は男の記憶を呼び戻す。そしていよいよ火祭りの日を迎える。
紀州和歌山の城下で、餅食い競争でのびた八兵ヱを介抱してくれたのは能の面打師の娘だった。折から殿様献上の面を打つ兄弟弟子の腕くらべ。藩の悪家老一味が競作にやぶれ破門された兄弟子を使い、面の裏側に細工させ殿様毒殺をねらう大陰謀。この事実を探知した水戸老公は誠実な弟弟子と娘を助け、能の舞台に自から舞って大活躍。
大和国吉野で行方不明の夫を探す武家の妻と老女中に出逢ったがその女は助三郎の剣術の師匠の娘。だが折しも獄門の刑に処せられる贋金作りの首領は何と探し求める夫であった。無惨に打ちひしがれた妻女の悲しみが助三郎の胸を打つ。その后代官所へ狩り出される野鍛冶の秘密を追い、金をめぐる奥深い陰謀に迫る水戸老公。
奈良で水戸老公が求める墨造りの有名な老舗南都園。主人は頑固親父だが、やさしい娘と腕利きの職人は心が通う間柄。公儀納入の墨をめぐって利権を狙う商売仇が奉行所与力と企んで、主人を鹿殺しの罪に落す。処刑が迫る危機一髪の刑場に乗り込んだ水戸老公の大奮闘。若い職人と娘の仲を結び、新しい紅花造りの墨を世に残す。
泉州堺で知り会った若い盗人に盗賊の親分と間違えられた水戸老公。小盗人が目を付けた回廻問屋の金塊に不審を抱いて乗った仕事は何と土蔵破り。同じく金塊を狙う鳥追い女が、罠に掛けられて殺された親の仇討ちと判り、水戸老公の強行突破作戦。弥七の押えた金塊を証拠に抜け荷商人と結託して私腹を肥やす悪奉行を取り押える。
弥七夫婦が、旅先で母親に死なれた男の子を助けたが、その父親は酒処灘で働く杜氏だった。水戸老公と共に、健気な造り酒屋の女主人を助け、商売仇のいやがらせから守り酒造りに協力する。ようやく新酒が出来る寸前、酒を腐らす企みに掛ったが、細工は隆々。見事新酒造りに成功して、悪党一味をこらしめる、人の情の生一本。
淡路島で虚無僧と鳥差しの不思議な血斗。弥七とお新が、今際の虚無僧からたのまれた密書は、領内百姓の不穏な形勢を伝えるもの。名主の娘が恋する漁師の息子はその父親と共に公儀が放った里隠れの忍び者。水戸老公は百姓達を死地に追いやる悪家老の暴政を暴き、忍びの掟を越えて若い二人の愛情を実らせる淡路島の大活躍。
四国に渡った水戸老公が旅の噂に聞いた我が子高松城主松平讃岐守の悪い評判。父親を真似て、家来二人を連れて領内おしのびの見廻りに領民達は大迷惑。高松に乗り込んだ水戸老公、世間知らずの殿様を踊らせて私腹を肥やす悪人を取り押へ我が子に振るう愛の鞭。そこに親子の断絶はない、先の天下の副将軍黄門も人の親。
黒潮躍る南海の土佐の国、海に酒をそそぐ老婆の祈りは、かつて舟で出漁したきり帰らぬ息子の安否であった。その妹を嫁にねらう網頭が、鰹節の秘伝と利権をねらって悪奉行と組んだ恐ろしい企み。半年前に出漁した舟に仕掛けられた秘密を探った水戸老公の力は、魔訶不思議、死んだはずの息子が生き返り婚礼の席は一転大騒動。
伊予は山国木材の名産地、だが山持ち地主と樵達は犬猿の間柄。対立の最中で地主の娘と樵の息子が恋仲、駆落ち寸前を老公に止められたが、その時地主の息子が殺された。下手人の疑いで捕ったのは樵頭の息子、その表に糸引く材木商と代官の悪企みをお見通しの水戸老公の一計で、知らずに集った悪党一味に正義の鉄槌が下る。
伊予の国宇和島で、八兵ヱの棹差す舟で一同ぬれねずみ。老船頭に助けられたが、領民を苦しめる紙騒動に巻き込まれた。家老と紙問屋の悪事を探った若い藩士が江戸の藩主に訴えようとの志に、協力する老船頭が封印を破り藩士と共に舟を出したが追っ手に捕えられる。処刑寸前、奉行所に乗り込む水戸老公、正義の灯を守ってやる。
未だうら若い美男剣士、その腕前も只者でない。思わぬ縁で知り合った格之進に女と見抜かれて打明けたのは、許婚の武士に勝負で勝てばその妻になれると云う。ところがその武士には芸者の恋人があって子供まで宿した仲。水戸老公は、女目当にからむ悪党退治は容易いが、さて男一人に女二人、もつれにもつれた恋をどう裁く。
天下の景勝耶馬溪を擁する豊前の野にのどかに流れる鶯の声。藩の城代家老の風格に水戸老公も意気投合。だが突如藩中に荒れ狂う悪い勢力のクーデター。城代家老は捕われその娘と許婚者の若侍も追われる身。暴虐な次席家老一味を向うに廻して、水戸老公の采配で城代家老奪還を目指す時、主をしたう鶯の鳴音が思わぬ大手柄。
いで湯の街別府で、唯一人健気に宿を守る美しい嫁。嫁を取り巻く人間模様、博打にうつつをぬかす亭主、息子可愛さから嫁を事々にいびる姑、宿の権利書を奪おうとする暴力宿の一味、嫁を吾がものにと横恋慕の郡代。窮地に立たされた嫁を助け、姑を窘しめて、悪辣な暴力宿と好色郡代の野心を打ちひしぐ、老公情けの思いやり。
恐ろしい使い手の浪人者に殺された漁師の遺体を運んだ家に目の不自由な娘が一人。娘の目薬に不審を抱いた水戸老公。藩の御用船の船頭や舟子達がドンチャン騒ぎの席に紛れ込み、密貿易の秘密を掴むが、港奉行の悪一味は密貿易の罪を船頭達にかぶせ皆殺しを計る。危機一髪、水戸老公の怒りは燃えて、刑場に乗り込み大乱斗。
薩摩への国境で荷車に隠れていた女は、島津家へ輿入れした姫君の腰元で主席家老の娘だった。城内に物の化が現われて姫君と世継ぎの若君を苦しめる奇怪な噂。薩摩藩の世継ぎを巡るお家騒動の陰謀か?若い武士とその娘と共に水戸老公は、襲いかかる忍びの物の兇刃と斗い、姫と若君を守り悪人一味を倒して薩摩藩の危機を救う。
第7部
黄門様(東野英治郎)が松の枝おろしをしていて転落、腰を痛めた。養生のための温泉巡りをきっかけに旅が始まる。地蔵の湯の白坂屋藤兵衛(沢村宗之助)という男、娘客の路銀を盗み、宿銭不払いを理由に売りとばして悪どいかせぎ。一同協力して、奉行・矢吹伝八郎(南原宏治)をふくむ一味をやっつけたが、間一髪救出されたお秋(松原智恵子)、お春(村地弘美)の姉妹が北海道で行方不明になった父を捜す道中と聞くや、黄門様「わしが一緒に行ってやる」と北海道行きを決意。かくして黄門様一行は、お春も連れて長旅の一歩を踏み出した。
水戸光圀 : 東野英治郎 / 佐々木助三郎 : 里見浩太朗 / 渥美格之進 : 横内正
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
西山荘で松の古木の手入れ中、猿ならぬ木から落ちた水戸老公、養生のため温泉めぐりが口実となって又々始まる世直し旅。奥州白河の湯治場で女で稼ぐ悪辣な宿から、蝦夷の地へ父を尋ねる姉と妹を助けた水戸老公の一行は、妹娘を加えて風薫る初夏の奥州路を晴れやかに民謡の宝庫みちのくの旅、北に向かって出立して行った。
祭りに湧きたつ福島で祭り見物の最中、水戸老公と共に蝦夷に向うお春が何者かに攫われた。その頃助さんが盆踊りの輪の中で同じ年頃の娘を助けたが、その娘は刺客に狙われている。城内ではお世継ぎ問題で善と悪との斗いが渦巻く。替え玉にされたお春と本物の姫を助け婚約者の若殿と無事対面を叶えさせる、水戸老公福島の活躍。
伊達家の御家騒動で暗雲漂う仙台城下で老公一行が若い心中者を助けたが、男も娘も名代の老舗菓子屋の跡取り。二人の親が頑固者、元祖と本家で犬猿の仲。折から幼君暗殺の毒入り饅頭をめぐる企みに息子と娘が人質にされる。水戸老公が六十二万石の世継ぎを救い、若い二人の恋も実らせてやる。御存知伊達騒動、老公の活躍。
父を尋ねる娘お春を連れて水戸老公一行が石巻に近づいた頃、人違いでお新が渡された謎の密書。誤認と知った盗賊一味はお春とお新を攫って監禁。弥七が潜入した石巻の舟手番所では莫大な諸大名の米代金を狙う盗賊一味と役人の悪巧み。盗賊が仕掛けた爆薬が随処で爆発し始める。お新が監禁された舟倉にも炸裂寸前の煙が揚る。
花巻温泉で八兵ヱが若旦那と間違えられ良い気になって大尽遊び。処が、只より怖いものはない、これがとんだ落とし穴。借金のかたに働かされる宿に盗賊が押し入った。手引きをしたと疑われた親孝行な娘の身代りとなって八兵ヱが牢につながれる。八兵ヱ救出と盗賊一味を捕らえる為、水戸老公自ら牢に入って巻き起こす鹿踊り大作戦。
盛岡は南部藩の剣術指南役の地位を狙う浪人上りの二人組が家老とその息子に取り入って悪だくみ。藩指南役の師範代が誠実な武士で、跡つぎの娘と恋仲の若侍を助けて苦斗するが、眼を煩って失明寸前。遂に老指南役は卑怯な二人組に闇討ちされる。仇討に乗り込む師範代の危地を水戸老公が救って悪者一味を退治する剣の舞。
みちのくの旅は南部駒で名高い八戸で、悪名高い郷士の一党が馬喰達に無理難題。土地を奪われる瀬戸際の馬喰とその子供達を助ける水戸老公。姉娘を人質にした郷士の挑戦状を受けて単身敵地に乗り込む格之進。陰で糸引く悪代官一味を、勇駒の勢いで見事蹴散す。水戸黄門一行の大活躍。馬喰たちの歌声に送られて一行は更に北へ。
蝦夷の地に渡る直前、浅虫温泉の湯舟の中で青森の興行師から角力と間違えられた弥七。御老公に無理矢理大関にされて諏訪神社の御祭礼相撲の土俵に上げられる。その陰に、やくざな角力上りの亭主を待つ母と子の悲しみを知った水戸老公が瓢箪から出た駒を使って四十八手の番外手、悪をこらして親子にかける情けの土俵入り。
蝦夷松前に着いた水戸老公は、お春の父を尋ねる内蝦夷の御用商人北海屋がお春の父の失踪と関係があるのを知って江差に向った。そこでお春の父を匿うトド射ちの名人とその娘、更に北海屋との板挟みに苦しむその兄の出現。隠れ家に向う水戸老公達に襲いかかる悪人一味の銃声は轟き、娘は敵の手に。蝦夷地の苦斗が展開する。
北海屋一味と決戦を挑む水戸老公達は原始林に潜み、トド射ちがひとり敵地に乗り込んで娘を助け出す。が、敵の猛追は激しく、素性のばれたトド射ちの息子がお春と共に捕えられた。水戸老公達が漸くお春の父の隠れ家に辿り着いた時、藩兵を従えた敵の襲撃。トド射ちと敵の用心棒熊射ちの壮絶な一騎打ち。蝦夷の天地の大決戦。
花嫁衣裳がぜいたくと捕えられた父娘と共に、何を想ってか水戸老公も牢屋入り。厳しい検約令と重い年貢に苦しむ津軽藩の内情は老公の予想以上と二度びっくり。だが、弥七が探ぐった裏には、悪者どものとんだ二重生活。若い二人の恋人の幸せを取り戻し、庶民の苦しみを救け、民芸品津軽こぎん刺した世に残すみちのくの旅。
米処秋田の領内で水戸老公達が出逢った二人の武士。一人は旅から旅の風来浪人、一人は農民を悪役人から守り農政を指導する。二人が苦心協力して作るは新式脱穀機。だが二人の間には仇を討つ者、討たれるものと云う悲しい宿命が横たわっていた。乗り出した老公の真情込めた裁きは吉と出るか凶と出るか、恩讐を越えて涙あり。
民謡づいた水戸老公の云いつけで踊り歌い乍ら秋田の城下へ近づいた頃、夫々の父親と祖父を探す小さな三人組に翻弄され、怒り狂った目明しに水戸老公も泥棒扱い牢へ繋がれた。いよいよ領主も領民も一緒になって熱気に湧き返る盆踊りの夜、領主に白刃が閃く一大事が起きた。だが老公情けの計らいに皆の上に幸せが戻って来た。
横手の城下で起こった珍無類な出来事は、うっかり八兵ヱが二人現われる大騒動。何と、藩主松平の若殿様の顔型が八兵ヱと瓜二つ。お世つぎ問題で陰であやつる次席家老もその一味も大まごつき。水戸老公が二人の八兵ヱを巧みに使い分け、悪企みの裏をかいて次席家老とその一味を討ち破る。うっかり八兵ヱ男を上げる横手の大手柄。
米どころ出羽の国庄内地方に水戸光圀の一行が御忍びで現わるの報せに脛に傷をもつ郡奉行と米問屋の一味。贋桝使っての年貢米誤魔化しの悪事を隠さんとの焦りから旅巡り一座で夜逃げ中の役者を黄門一行と間違えて大もてなし、袖の下迄使ったが。其処へ現れた本物が筋書を立て、役者達を使って悪者一味を取って押える大芝居。
走る走る韋駄天走りの早飛脚。その競争相手に選ばれた八兵衛が特訓につぐ特訓、又特訓。出羽庄内藩の御本家と分家の意地の張り合いを正そうと、水戸老公の立てた作戦。元の主人親子への忠義を貫く早飛脚兄妹を助けて、かけくらべの大勝負の裏にひそんだ、庄内藩分裂を謀る悪家老一味を退治する、黄門様の韋駄天裁き。
老公と助三郎がヘボ将棋で夢中になりつつ乗り込む天童城下。将棋の駒のゆかしい文字の書き手は武家の妻。美しい妻女を狙う家老の息子の悪企みの罠に落ち、夫は入牢。その上、意地悪な姑に責められ涙も枯れた妻女を助け、駒は天童差し手は光圀。将棋名人を名乗った光圀が城内で鮮かな駒捌きを見せ、貞女の難儀を救ってやる。
山形の野天風呂でのんびり湯につかる内、何者かに路銀から大事な印籠迄盗まれた光圀一行の大御難。盗んだ村の若者が三つ葉葵の力で民百姓をいじめる悪代官と材木商をやっつけるが、若者の母親が人質にされた。姿を変えた水戸老公の作戦は、鍬形山の山小屋に悪者共を誘き寄せ天誅を下し、若者は親孝行に免じて許してやる。
米沢名産紅花問屋のじゃじゃ馬娘に献身的につかえる若い染物職人が、娘と二人で新しい染物をこの米沢でと工夫する姿に感じた水戸老公。藩の勘定方が娘を吾が物にしようと京都の染物問屋と手を組んだ罠に若い職人がかけられたのを救い出し、若い二人を応援し、真赤に咲いた紅花の愛を実らせ結ばせる、水戸老公の人情染め。
会津藩で有名なジャジャ馬お姫様に婿入りの話。だが相手は国家老のよこしまな計画で、評判の馬鹿殿様。自からその縁談をぶちこわそうと単身のり出す姫を追う家老一味の前に現われ、姫を捕えた謎の浪人者は、果して敵か味方か。風雲急を呼ぶ鶴ケ城。さて水戸老公の立てた姫君救い出し作戦は、意外な結末を迎える、痛快篇。
お新と夫婦きどりで旅をする商人風の男と、その妹で城中に腰元として勤める女の正体は? 水戸老公が巻き込まれた新発田藩お家騒動は、世継ぎの若君を毒殺せんとする国家老一味の悪謀みが吹き荒れる。若君を漸く城内より脱出させたが、既に毒薬が廻って死が迫る。一同が立てこもった山小屋は悪人達に包囲されて風前の灯。
助三郎と弥七が新潟近くの旅籠で若い男の口車に乗せられて一杯飲んだのが運のつき。飲み代を払わされて着いた新潟湊町、だが若い男はまことの回船問屋の若旦那、相棒は何と吉原からのつけ馬だった。勘当された若旦那を待つ母と娘をたぶらかして腹黒い番頭が役人と結託、店乗取りの陰謀を水戸老公が木っ端微塵に叩き潰す。
佐渡の金山この世の地獄。島送りの罪人と間違えられた助三郎が金山のからくり探索の為め潜り込んだ。廃坑に見せかけた隠し金山の秘密を知って、行方不明となったもと金山方広間役の父を探す娘を助けて水戸老公は、弥七の活躍と共に金山奉行と人入れ商人の悪徳を叩き潰し、生命の灯を奮い立たせる佐渡金山地獄の底の大奮斗。
越後長岡で角兵衛獅子の姉弟を助けた弥七が、角兵衛獅子の子供達を絞る親方夫婦をとっちめて、その背後に強欲な人足元締めの親分一家があるのを知った。そして料理屋に女中奉公する姉弟の母親が町奉行の弟を夫の仇と狙っているのを知った水戸老公、危うく罠に掛つた親子を助け、見事仇を討たせ、故郷に錦を飾らせる。
崖淵の荒れ小屋に得体の知れない子連れ強盗に謀られて閉じ籠められた老公一行は正に風前の灯。あげくの果てこの親子に身ぐるみ脱がされた。だがこの親子は赤の他人同志、高田城下の大商人である実の親に引き渡そうと乗り込んだがこれが大もめ。水戸老公には憎い筈の泥棒だが、人間の情愛に感じて、親子騒動に一肌ぬいだ。
信州信濃の善光寺への道すがら、父親を探す少年馬子がごろつき馬方共に襲われた。善光寺の門前町から問屋場一切を縄張りに、悪親分が役人と結託しての悪業のかぎり。馬だけが知っていた事の真相、悪親分の手下にされていた少年の父親をはげまし、水戸老公門前長の悪者退治は、牛ならぬ馬にひかれての善光寺詣でとなった。
烏の城と呼ばれる松本城下で、格之進が再会を楽しみにしていた友人の侍は、意外や逆臣の誹りを受けて暗殺の刃に襲われる。その老母と許婚の娘に会った格之進が、お家騒動の中心人物家老の腹心として、許婚の兄まで斬った友人の本心を押し計り、水戸老公と共に理非を正してその誠を貫き通してやり正義の刃が悪家老を斬る。
下諏訪宿で参勤交代の供侍の刀をひそかに改める若い男女を助けた水戸老公。父親が殺され盗まれた銘刀を探す為めと知って、一行総動員での刀探し。漸く高遠藩の侍の一人に目星をつけたが、意外や目指す刀は持参せず、窮地に追い込まれた一行。だが、ひとり成算を胸にひめた水戸老公が単身高遠藩主の本陣に乗り込んで行く。
弥七とお新が売り言葉に買い言葉、喧嘩別れの飯田の城下。水引元結作りと、紙作りの親同士がこれ又犬猿の仲、喧嘩のとばっちりで息子と娘の恋人同士が仲をさかれた。お新があやふく息子の嫁に望まれ祝言の土壇場、奉行と腹黒い商人のたくらみをぶちこわし、親同士の仲を納め、水戸老公が新旧二組の仲人役を勤める伊那の旅。
信州上田の在にある老人の天国をたづねた水戸老公一行が、宿を借りた家ではおめでたの出産騒ぎ、一行も老婆に追いまくられての大奮斗。だが、その夜、年老いたおふくろが行こうとした行く先は、天国どころか恐ろしい姨捨山。身を以て老人天国の真相を探ろうと、単身山へ登った老公に、不気味な山神様の秘密が襲いかかる。
思いがけず捨て子を拾って大弱りの助三郎と格之進、身投げしようとした捨て子の母親を助けた弥七が、水戸老公と落ち合った渋川の宿場町。赤ン坊の父親でばくち好きの馬子をいかさまにかけ、その女房をねらう悪親分と手を結ぶ強欲非道な悪代官を取り押え、親子の新しい門出を迎えてやる。痛快、赤ン坊騒動、ムジナ退治。
染物職人が三年間一心不乱に働いて溜めた金を、惚れた花魁に会う為一夜で使う覚悟に驚いた水戸老公。だが、職人の正直一途にほだされて共に廓へあがって大尽遊び。職人の真心は花魁にも通じて万事目出度しと思った処に現れた恋仇は何と領主のお殿様。がぜん巻き起る高崎城下恋のさやあて。粋な黄門裁きの゛紺屋高尾゛物語。
伊勢崎城下で瞼の父を探しもとめる若い踊り子。お下知物として都落ち刀を捨て、幇間となり世を凌ぐ男。その男を追う江戸の直参二人。そして岩鼻陣屋の役人。江戸の踊り子に縄張りを荒らされたと息巻く土地の芸達達。卍巴のてんやわんやの大騒動。水戸老公情けの計いで、二つに割れた親子のえにしが一つに合つた赤い櫛。
懐かしい水戸の城下も近づく宇都宮で、日光奉行と江戸大奥の老女が結託しての悪謀みを探知した水戸老公。江戸から来たお秋お春姉妹のお秋を水戸の姫君に仕立てて、家老の娘と許婚の若侍を応援、奉行と老女の不倫を正し、悪一味を一掃。領主奥平の危難を救う水戸老公みちのくの世直し旅、仕上げの一働き。日本晴れの御帰館。
第6部
五島からの帰途、鹿児島に上陸した黄門様一行。水戸への第1歩をふみだした。ここで目にしたのは“ハイヤ節”の踊りの輪。一見陽性の盆踊り風で、少々エロティックなところもあり、八兵衛は喜んで仲間入りした。ところがこの踊り、安産祈願が目的で男子禁制だった。たちまちつまみだされた八兵衛、あわや袋叩きかというところに通りかかった弟子丸左源太(西郷輝彦)が止めに入って事なきを得た。その後、城下の宿に泊まった一行は、島津候(大田博之)の評判がひどく悪いのにビックリする。
水戸光圀 : 東野英治郎 / 佐々木助三郎 : 里見浩太朗 / 渥美格之進 : 横内正
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
島津家に嫁入りした将軍家の姫君。日毎の贅沢三昧で庶民の暮しは苦しくなる一方。実権を握る老女には城代家老も頭が上がらない。だが大奥育ちの身は所詮世間知らず。悪家老につけ込まれて忠義の若侍に悉く辛く当る。何も知らない島津公も悪家老に丸め込まれそうになった時、姿を見せた御老公の諫言によって目を覚ます。
格さんが路用の金を落とした為に無一文で旅を続ける老公一行。途中、宮崎へ女中奉公に行く娘達から弁当を分けて貰って飢えを凌ぐ体たらく。だが女中奉公とは名ばかり、実は京大阪に売られる身なのだ。無一文がバレて、宿屋でこき使われている間に事情を知つた黄門さま、娘達への恩返しとばかり、悪者相手に大奮戦。
きじ馬売りの若妻に夫と間違えられた格さん。夫は無実の罪で行方をくらましたまま。病身の姑を抱えてじっと真実の現われる日を待っている。一計を案じた格さん、夫の振りをして真犯人をおびき出しにかかる。だが夫は既に殺されていた。嫁姑の真心に打たれた御老公、真犯人の家老父子に正義の鉄槌を下し、嫁姑の心根に報いる。
放蕩が過ぎて勘当された大店の若旦那が久々に故郷の地へ。妹も取りなすが、父親は若旦那を許さない。そんな時、店から拝領の観音像が盗まれる。みかん売買の権利を巡っての陰謀か。いっぱしのアニイを気取る若旦那だが、何をやっても半人前。妹に心配のかけ通し。父親思いの兄妹の為、老公が大泥棒となって真の悪を裁く。
急に嫁が欲しいと言い出した八兵衛、助さんの戯れ言に乗せられておてもやん探し。殺人現場を目撃した弥七は逆におてもやんに惚れられてしまう。人妻に横恋慕し、想いが叶わぬとなるや、夫を殺して妻子に謀反人の家族と汚名を着せる目付。夫の無事を晴らし、仇を討たんとする母子に、おてもやんと老公一行が助太刀する。
灯籠まつりの近い山鹿の里。今年も将軍家献上の灯籠を競う細工師達。名人を敗るべく研究を重ねる姉弟。だが思うにまかせずあせる弟。姉と恋仲の名人の忠告にも苛立つばかり。勝負にこだわり過ぎ、つい郡代らの姦計に乗せられ、名人を陥れてしまう。が、老公達の手助けもあって改心した弟、名人に負けぬ作品を仕上げる。
地獄めぐりの湯治場で老公一行が行き合わせた下級武士の嫁と姑。献身的に仕える嫁だが、姑にはいちいち気に障る。日田の掛屋から岡藩七万石の台所視察を頼まれた御老公、城下で下へも置かぬもてなしを受ける。だが掛屋は米相場に手を出し無一文。藩士はがっかり。一方、姑にいびり出された嫁だが、老公の仲裁で仲直り。
惚れた女房の為に抜け荷一味から足を洗った目明し。裏切り者に対する抜け荷一味の執拗な仕返しに、女房の身を案じた目明しはひとり家を去り、殺されてしまう。女房の腹の中に小さな命が育っている事も知らずに。復讐を誓った女房。十手を掴むと、恐れをなした村人を尻目に、御老公一行の助太刀で、見事に一味を捕縛する。
老公一行が福岡の宿屋へ着くと、あろう事か、別の黄門さま一行が既に投宿中。その偽黄門さまに仇討ちを願い出る踊り子。巡り合った仇は今は大道場主。病身の兄と妹の願いを叶えてやろうと本物の黄門さま、尻込みする偽黄門さまを宥めたり賺したり。本物偽物、入り乱れての助力のお陰で、兄妹は見事に仇討ち本懐を遂げる。
暴風雨の為、難波して散り散りに隠岐島に流れ着いた老公一行。島を支配するのは代官と網元。漁場の独占を企む両人にとって邪魔なのは、少林寺拳法を使う兄妹の存在。だが役人がぐるでは兄妹も手の打ちようがない。海賊まがいの手段で私腹を肥やす代官と網元から、命掛けで島民を守る兄妹を、老公一行が悪の手から救う。
出雲では時ならぬ神かくしが続発。若い娘が次々と姿を消す。老公一行の目の前で沢田屋の娘も神かくしに。実は後妻を嫌った娘の狂言。だが忍びくずれの誘拐団の知る所となり、娘は本当にかどわかされてしまう。今までの神かくしは皆この一味の仕業。一行の働きで助け出された娘、御老公の計らいで初めて後妻の真情を知る。
格さんが十年振りに訪ねた旧友は、国抜けの大罪で召捕りに。裏には世継を巡る松江藩のお家騒動が。藩主の弟の寵愛を受けた妹と旧友は、自らの血縁に撃がる藩主の孫を立てる城代と対立。藩政を牛耳らんとする城代の手から弟君を匿っていたのだ。双方の言い分を聞いた老公、命に代えて訴えた妹の心根を汲み取ってやるのだった。
老公一行の助けた旅芸人の花形娘は実は鳥取藩横目の娘。虚無僧に変装した許婚と共に、御城代が隠し金山で私腹を肥やしている事実を暴き藩政を正そうと当主のいる江戸より出て来たのだ。しかし許婚は出世の為に次席家老に寝返る。隠し金山の元凶は実は次席家老……。娘の申し立てで事件は解決。わざと娘の手にかかって死ぬ許婚。
街道筋を荒し廻る兇状持ちは弥七にウリ二つ。神社で旅人の懐を狙うちんぴらは、弥七を兇状持ちと感違い。みやげ者を商うちんぴらの母の恩ある織元は、西国屋から機場を乗っとられようとしている。一枚かんでいる二足草鞋のやくざと郡奉行。兇状持ちは弥七と共に西国屋へ押し入り織元に三年前の恩返しをする。
腕の良い花ござ造りの職人は、年がら年中夫婦喧嘩。博奕にかまけて仕事をせず、おまけに負けてばかり。御老公は岡山藩主に金を貸りて一世一代の大勝負。にらんだとうりのイカサマ丁半。盆ござの下ではイカサマ師を弥七が威し、老公の大勝利。老公に刃が向けられ大乱闘。そこへ家老が駆けつけ、イカサマ一味を縛り上げる。
松山藩では、世継ぎをめぐり、亡き正室の嫡子菊千代と側室の子を立てようとする二派に分れての暗斗。菊千代は実は替玉。母に会いたい一心で城を抜け出し老公と知り合う。菊千代の命を狙う側室方の次席家老。菊千代留守中に公儀大目付が裁決に松山城へ。弥七の報せで老公は菊千代を連れ登城。次席家老の悪事を暴き、お家は安泰。
藩主の不在をよいことに他国との紙商いを禁止、領内で出来る紙を全て藩が買上げる等、土佐紙の利権を動かし、私利私慾に耽る城代家老、目付、御用商人。老舗の紙問屋にも自由に買付けが出来ず、紙不足から値上りし、領民も大迷惑。商人に身を替えた次席家老の間者と弥七の手で密売の帳簿を入手、悪事が露見。
徳島名物阿波踊り。しかしここ数年間唄や囃子言葉は一切御法度。十年前、家老と大阪の商人が藍の利益を独占しようと藍問屋に漏れ衣をきせ闕所にしたが、その阿漕なやり口に苦しめられた人々は、藍問屋の息子八郎太の再来を願い囃子唄をつくったからだ。その八郎太が帰って来て、老公立会いのもとで両親のうらみをはらす。
若い男女が駆け落ち。二人は紀の国を二つに分ける程の勢力を持つ家の娘と息子。両家は百年来の敵同士。若い二人の行動に両家の争いは激しくなり、老公主従も巻き込まれる。争いはついに刃物ざたにまで及び、見かねた老公、名乗りをあげる。若い二人は御老公の粋な計らいで紀の国を離れ、水戸へ旅立つのであった。
通船問屋「車屋」の主人が亡くなり、三年前勘当された極道息子が帰って来る。店は息子の継母が守り、息子を正道に戻らせて継がせようと思っている。が、親の心子知らず。河内中の通船乗つ取りを町奉行所与力とたくらんでいる通船問屋に踊らされる息子。河内音頭を見物に来た老公一行の助太刀で悪事は露見。親子の誤解も解ける。
押し込み強盗の一味と間違えられて牢に入れられる老公一行。無実の証しに二日の猶予をもらい本物の一味を捜す助・格・弥七。一味は間の山一の長者の家へ押し込む。しかし、一味の一人が、そこを貸りて住んでいる盲眼の女大道芸人とその子の捜している父親だった。父親は改心し、老公は無事牢から出され、伊勢を後に旅立った。
尾張藩の主席家老は、藩内政治向き一切を、自分の思うが儘に取りしきっている。心ある侍達は、次席家老を盟主に首席家老排斥を企てている。お家の為に一命を投げ出し主席家老を斬る武骨一徹の作事方下役の小身侍。しかし、藩では私斗果し合いは御法度。腹を切る覚悟の武骨侍。御老公の心優しいとりはからいが……。
元津山藩江戸御留守居役の娘が父の仇討に浜松へ。仇は郡奉行の息子。父の病いがちをよい事に悪事を重ねている息子は、目付と組んで娘を無礼討ちにし、闇に葬るたくらみ。息子の悪行を知った郡奉行は息子を切り切腹。鰻屋に居候している問屋場の勘当息子と老公一行の助太刀により、娘はとどめを刺しみごと仇討本懐をとげる。
大井川の川留めでごった返している金谷の宿。川の水嵩をごまかして川留めにし、旅人の難儀につけ込み法外なボロ儲けをする代官と川越人足の元締。そのからくりを知った為に陣屋へ監禁される人足の女房。老公の路銀を盗んだ女白波と老公一行はそろって盗人かぶりで陣屋へ忍び込み女房を助け、川留めのからくりを暴露する。
十五年前に行方知れずとなった許婚を待つ山師の娘。しかし許婚は病で行き倒れ、通りがかりの無法者に夫婦約束の書付を娘に渡すよう頼み絶命。娘を好きになる無法者。山師は金山を掘る夢の実現の為、娘を百両でお金奉行に売る。老公の出現でお金奉行から救われる娘。だが、山師は金山でお金奉行の用心に殺されてしまう。
江戸を守る要害の関門箱根の関所。ところが袖の下で何とでもなる仕組み。この噂を聞いた老公一行、視察へと繰り出すが関所番頭に正体を……。まんまと騙された御老公、何とか尻尾を掴もうとするのだが。女人禁制の裏街道を急ぐ一人の女。理由を聞けば姉が関所で本当に監禁されていると言う。何とこの破廉恥関所の背後には……。
無罪放免とは知らず逃げ回っている大工の夫を捜している女に老公一行は出会い捜してやるのだが男は帰れない理由がある。世話になった親方の放蕩息子を一人前の大工にするという堅い決意が。ところがこの息子、ヤクザ相手にイカサマ博奕をし、誤って人を殺してしまったから大変。鎌倉縁切寺に因んでの人情噺。
老公一行、ひょんな事から元網元の家に世話になるが、ここの主人、曲がった事の嫌いな大の頑固者。娘の好きな網元の息子も、代官への上納金を納めた事が気に入らず、結婚を許して貰えぬ始末。ここは頑固者同士、老公一役買つて娘の力にと説得するのだが、一重に親の愛と知り、まずは代官の悪行を正そうと、葵の御紋が悪を斬る。
夫の眼の治療代の借金を払えずヤクザに苦しむ女。陰で手を引くのが女を吾が者に狙う破廉恥名主。女は老公を将軍家の医者と勘違い。治療を頼まれた老公、断ると思いきや、軽く引き受け一同唖然。と、今度は本物の将軍家の医者がやって来てこれが又々悪い奴。老公の企みは。破廉恥医者か、偽医者か。成田を舞台に一行の大活躍。
潮来の乗合い船の権利を一人占めしようとする片腕のヤクザの親分。邪魔者は頑固一徹な船頭。かねてから噂を聞いていた老公は弥七に内偵を。渡世人風の男と出会った一行。親分の片腕を斬った男、そして船頭の息子。諸悪の背後には代官が。親分かつての恨みと私慾の為に船頭親子に兇刃の嵐。怒る一行、故郷を眼前に大暴れ。
水戸に帰った一行、老公を迎える為の掘割り工事に出喰わす。百姓達に信望の厚い若き郷士が命を賭け現場の監督を努めるのだが、何と完成の水入れの段になって水が流れない。明らかなる設計ミスを、設計者の切腹を止め、作事奉行は郷士と百姓に責任を被せようとする。老公一行、この騒動を治め、長い諸国遍行の有終の美を飾る。
第5部
水戸から江戸を目指す光圀公(東野英治郎)の行列にひとりの娘が駆け込んできた。娘は五島藩主五島大和守の息女・安里姫(小林由枝)と言い、藩内の内紛を鎮め、領民たちに幸せを取り戻そうとはるばる江戸へやって機会をうかがっていたと言う。これを知った黄門様は立ち上がり、助さん格さんと供に五島列島を目指す旅が始まる。しかし、その行く手にはこれにも増して恐ろしい企みや刺客の手が待ち受けているのだった…。
水戸光圀 : 東野英治郎 / 佐々木助三郎 : 里見浩太朗 / 渥美格之進 : 横内正
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
格之進に瓜二つの男が。水戸老公と将軍家の行列を間違えて直訴に出た若い女。肥前五島の領主の娘で安里姫という。悪どい城代家老のため危機にさらされている五島を救いたい一心で江戸に来た姫だが怪物のような坊主(玄竜)に追いつめられて危機一髪。事情を聞いた老公は義憤し、みずから五島へおもむく決心をする。
甲州路を行く老公一行は青梅宿で崖崩れで足止めを喰う。旅籠で相宿となった御岳詣り一行の一人の男にただよう殺気。それもその筈男の父と妹を無礼討ちにした侍が近くの旅籠にいる。老公はこの男に仇討ちを成就させてやるが。その頃、東海道を行く為老公一行は玄竜達に襲われお新が負傷、脱出するが跡をつけられてしまう。
賊に襲われていた一行を救う老公達。その護送役は助三郎の竹馬の友で現在は代官所元締をしている。だが友の変心は尋常一様ではない。江戸送りの印伝物を奪われた為だけではない。何かがある…。彼は代官の好計によって印伝物の横流しを余儀なくされていたのだ。玄竜の存在に怖れながらも助三郎の友情がこの友を救う。
ひょんなことから、とあるさびれた旅籠に草鞋を脱いだ老公一行。使用人は僅かに一人。お新や安里姫までが掃除炊事をやらされる破目に…。事情を聞いた老公は看板を書いてやる。途端に押し寄せるような泊まり客。この旅籠の以前の番頭は代官に賄賂を贈り老公達を捕らえようと図る。玄竜が荷担して老公一行は猛火に囲まれる。
塩の津留めを目撃した御老公一行。この津留め、実は松本藩家老が私腹を肥やさんとして企らんだもの。これに猛反対した勘定吟味役は家老に暗殺される。家老の娘と勘定吟味役の息子とは恋仲であった。腐心する家老の前に玄竜が…。公儀の隠密に仕立てられる老公達。安里姫の危機…。前途ある男女を救う老公一行の大活躍。
名匠左甚五郎を生んだ飛騨高山に彫刻の名人を訪ねた老公一行だが出迎えたのは酒飲みの二代目。たった一人の妹が苦しんでいるのも知らぬていたらくに老公達はあきれ果てる。お新の厳しい意見で心を入れかえる二代目だが、彼女と夫婦になりたいと言い出す。そこへ弥七が…。邪な代官と材木商人とを懲らしめる老公一行道中記。
八兵衛の為に身の回りの物すべてを盗まれた老公一行。ところがこの泥棒、実は大変な親孝行者。本物とは露知らず老公達を老公一行に仕立て、途中で捕えられた玄竜までをその一行に加える。男の気持ちにうたれた老公は命ぜられるまま。故郷に錦を飾る泥棒男。そこへ助格達が…。暴れる玄竜達。泥棒男は捨て身で老公を護る。
実直一途の藩勘定方下役が、御用金行方不明の不正を正そうとして、城代の手下に襲われ重傷。当日婚礼の予定が血で汚され花嫁は実家に連れ戻される。だが一旦嫁ぐことを決意した彼女は実家との縁を切ってまでも思いを果たす。その心に打たれた老公一行、囮を使って城代の化けの皮を剥がす。美しく固く結ばれた嫁と姑の物語り。
藩主の留守をよい事に福井藩特産の奉書紙を蔵から盗み出した勘定方組頭一味。その汚名は六年前に泥棒稼業から足を洗った錺職人に着せられた。誤解から彼の怒りは老公一行に向けられる。そこへ錺職人の昔の子分が…。子分は騙されて紙泥棒の片棒を担がされていたのだ。真犯人を暴き錺職人の汚名を晴らす老公一行の大活躍。
名物『橋立饅頭』の売り子は、実は廻船問屋の若旦那。父親に店の女中との結婚を反対され、店を飛び出したのだ。だが、奉行も女中に横恋慕。店と恋との板狭みに苦しみ、自ら身を引く女中。その女中を奉行に差し出して、利権の独占を企むライバルの廻船問屋と町のダニ。若い恋人達に打たれた御老公、ひと肌脱いで大活躍。
弥七を亭主の幽霊と間違えた女博奕打ちは、十七年前に捨てた娘の祝言を見に戻って来た。だが娘は借金のカタに女郎の身。言い交わした古着屋と心中する寸前に老公一行に救われる。いかさまがバレて追われる身の女博奕打ち、老公の力を借りて娘と和解。晴れて祝言の後、老公一行の大掃除が行われ、幽霊も安心して消え去る。
早馬から大原女を救った親切な侍は、大小を封印し、数珠を手に、曰くあり気な人物。実は十八年前に、早馬を飛ばす途中で老百姓を切った罪の償いをしに来たのだ。しかも助けた大原女が老百姓の孫娘だったとは…。病気の父と借金と、言い寄る代官の息子。老公の助力で悪玉一派は片付き、大原女も侍の誠実さに怨讐を忘れ去る。
十日以内に五百反の反物を納めないと店を潰されるという瀬戸際に立たされた伊丹屋の女主人。だが織り子は商売敵の丹波屋によって金と力で次々と押さえられてゆく。八方塞がりの伊丹屋に手を貸した老公一行、織り子を脅していたやくざを退治し、五百反を織り上げる。丹波屋に丸め込まれた蔵役人も、三つ葉葵の前に畏れ入る。
姫路城下に夜な夜な出没する妖怪。侍の髷を切っては闇に消える。剣術指南役の道場の門弟ばかりが狙われるのを不信に思った御老公の調べで浮かび上がる五年前の妖怪殺人事件。八兵衛が惚れた薬売りは、殺された当時の指南役の娘で、妖怪事件も親の仇を討つ為の娘の仕業。真犯人は藩金横領の家老一派。老公の助けで娘は仇を討つ。
十一年前に生き別れになった母を探しながら行商を続ける桃太郎姿の少年と出会った老公一行。老公が母探しに協力を申し出るが、肝心の少年は玄竜一味に連れ去られる。玄竜の仲間である勘定役の屋敷に捕われた少年、そこで勘定役の妻となってる母と再会する。桃太郎芝居を装って屋敷へ乗り込んだ老公一行、美事に鬼を退治する。
広島の城下に入った途端、老公一行を待ち受けた歓迎に面喰らう主従。城内では城主が病の床に伏し、京の高僧が祈祷を続けている最中。実はこの高僧は玄竜。家老同士の対立を利用して一気に老公一行を無きものにする姦計。危うく命を落としかけた老公一行だが、玄竜の企みを見破り、痴れ者を倒すが玄竜はまたしても逃げ去る。
領内探索の為、ひと足先に松山領に入った弥七とお新。ドジな土地の親分に隠密と間違えられ、追われる身に。親分には腕の立つ正体不明の用心棒がいる。百姓の訴えを無視し続ける郡奉行と家老も、隠密と聞いて狼狽。弥七の先導で山越えを図る百姓達に鉄砲隊を差し向ける。だが用心棒の加勢と駆け着けた老公の裁きで無事落着。
殺人現場を目撃した老公一行、代官所に届けるが埒があかない。恋がある。傾いた網元の息子と村娘。だが娘の兄はやくざ者、海産物問屋竜屋に妹を嫁がせようと、竜屋の言いなり。殺しも兄が竜屋に脅かされて網元を潰す為であった。代官所の役人も鼻薬をかがされていて役に立たない。若い二人を結ばせようと老公一行が大奮闘。
一膳飯屋で情を受けた娘巡礼の財布を狙う文無し浪人。行きずりのお新は巡礼に救いの手を。一方、ひょんなことから祈祷師にまつりあげられた老公に消え失せた宝刀の行方を尋ねに来る浪人の妻。この夫婦をこれまで堕とした宝刀をめぐる醜いお家騒動は御老公一行をも巻き込む。巡礼がめぐり逢う変わり果てた瞼の父母の眼に涙。
老公一行が茶店で拾った夫婦喧嘩。女房が娘盛りに出奔し残した老父の今際のきわに会わせたい孫娘は既に病死。御老公は慈悲の心で替え玉作戦を勧めるが、畳の舗の跡取りに絡んで争う父の後妻と女の夫。番頭と共に店を奪おうとする後妻の放つ刺客をかわし、替え玉となるおみつ。総てを知りながら老父は快く騙されてやる。
御老公一行が止むなく宿った寺に現われた盲目の琵琶法師。その琵琶の音に誘われるように夜ごと出没する平家落人の亡霊。幽霊船の漂う壇の浦に舟を漕ぎ出す恋仲の二人の若者、海賊を操りその上前をはねる船奉行の悪事が浮かび上がる。これにかねてより御老公一行を狙う玄竜が加わり、怨み重なる荒海を背景に展開する大活劇。
御老公一行に逸れ杣道に迷い込んだ八兵ヱは軽業師八兵ヱなる同名の男を激流から救い出すが、一寸の隙に身包み剥がれ大弱り。残った軽業師の衣裳で老公の宿に辿り着いた八兵ヱを待っていたのは身重の情婦。この二人に騙されたと迫る織物問屋。唐織の秘伝をめぐる陰謀に巻き込まれた八兵ヱ、嫌疑を晴らさんと一世一代の大奮闘。
刺客兄妹の危機を見かけ思わず手を出す格之進と弥七。それを糸口に唐津藩を揺るがす藩主嫡男後見人と重臣一派の内紛の全貌が明らかに。格さんと弥七が救った娘と反対勢力にいる若侍の恋。陶工あがりの藩重役の歪んだ悲願は、藩主末弟が唐津焼きに熱中する間に老公の命までも犠牲にしようとする。これを迎え撃っての大活躍。
久々の再会を前に気が気でない御老公と佐賀の大殿。この旧友同士に割って入る反対勢力。大殿追放案を老公に蹴られた一派は更に光圀暗殺をも計画。そんな折り、知ってか知らずか二人の御隠居は揃ってお忍びの下情御視察。しみじみと治世の難しさを噛みしめる二人の背後を狙う種ケ島。その時風を切る赤い風車が死闘の幕を開ける。
おくんち祭の前景気で賑わう長崎の街。唐手使いの大道芸人が弥七を襲う。一方、老公が無頼漢の手から娘を救った、ところがなんと亡命中の明国王女。これを匿う貿易商の心意気に打たれる御老公。王女を清国に売り渡さんと策を弄する豪商の主。その陰に暗躍する玄竜一味は奉行を口車に乗せ御老公一行を爆殺せんと追い詰めてゆく。
爆死寸前の老公らを救ったのは謎の唐手使い。玄竜は兄の仇。奪われた安里姫は五島藩の実権を手中に収めんとする家老父子の虜となり政略結婚を強いられる。玉の浦一族の冤罪を晴らすべく甘んじて犠牲となる安里姫は老公生存を知らない。領民総出の婚儀の席に躍り出る御老公一行。西海の果ての死闘は旅の転機を飾る大団円。
第4部
越後高田藩のお家騒動が伏線となって、世直し旅が始まる。一件落着したかに見えた事件の根は深く、なお事件の余波はくすぶっていた。謎の旅絵師・石塚清雅(中丸忠雄)の誘いに敢えて乗った黄門様の前途には、数々の障害が立ちはだかる。事態収拾後は「奥の細道」を書いた松尾芭蕉の足跡をたどる漫遊記となる。
水戸光圀 : 東野英治郎 / 佐々木助三郎 : 里見浩太朗 / 渥美格之進 : 横内正
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
平穏の日々が続く西山荘。独身者の自由を持て余し気味の助三郎と八兵衛は、御老公に旅ごころを起こさせようと大奮闘。そうはさせじと中山備前守が助三郎の縁組みを企てた折りも折り、突如怪しい侍達に追われる画師が西山荘に現われ縁談は雲散霧消。かくして流行りの〝奥の細道〟に導かれるかの如く老公主従の旅は始まる。
謎の画師と共に旅立った御老公一行は、そのふり出しで怪しい侍達の火矢に襲われるが辛くも脱出。忍藩を通りかかった一行は、〝天狗馬鹿〟なる若殿の出迎えに遭う。世間からは嘲笑の的のこの若様、胸の内では父の長患いと兄の病死に疑問を抱いていた。叔母の息子との世継ぎ争いの裏に蠢く陰謀を御老公の鋭い眼光が射る。
偶然乗り合わせた渡し舟で御老公を感心させた気のいい若侍は、毎年ダルマ市の頃この高崎を訪れるのだった。御老公はこの男が実は兄の仇と暮らす、ダルマ商の妹の安否を気遣う旅であることを知る。この仇討ちを上意討ちの手段を以ってしても遂げさせようと藩の追手が迫る。妹の幸福のため武士を捨てる若侍を必死で護る老公主従。
三年の修業を積み愛する女剣士に試合を申し込んで敗れた浪人は、画師を捜すうち三国峠で賊に囲まれた老公と助三郎の危機を救い、ふたりに腕を認められる。浪人は老公に授けられたマジナイをひっ下げて再度挑戦。剣術指南役の地位をめぐる悪企みに巻き込まれながらも、娘の愛と役職を勝ち取る浪人。さて御老公のマジナイとは?
縮緬問屋の光右衛門は実在した。画師の案内で小千谷の宿を訪れた老公は宿場中から仇敵扱い。それもその筈、丹後屋の強欲主は老公と瓜二つ。商売仇の山城屋は汚職絡みの反物献上に取り入ろうと丹後屋の嫁を誘拐。画師の活躍でこれを知った老公は、守銭奴光右衛門を諫め結託。家老一味の陰謀に立ち向かっていく、ふたりの光右衛門。
一触即発の高田城下。城を追われた郷士を迫害する上士達。この上、郷士の土地までも奪おうというのか。謎の画師がその正体を現す時が来た。父はかつての家老職。迫り来る上士達は郷士の窮状を救おうとする老公の命までも狙う。城内次席家老の味方を得、この陰謀を城主に伝える伝令がゆく。広野に迫り来る敵。御老公危うし!!
一膳飯屋で財布を掏られた老公は喰逃げを咎められるところを人形問屋の老婦人に救われる。この店に老公が厄介になった矢先、将軍家御拝領の内裏雛が消える。咎を背負って娘婿が連行される。手を尽くし雛の行方を追う老公。浮かび上がる番頭の横恋慕。更に次席家老の奸計。老公を困らせたスリがそれぞれの欲望をひとつに結ぶ。
米沢城下、次々と公儀隠密を殺害する無気味な謎の三人組。水戸老公一行の目前でも、また一人……。この三人組を操るは城代家老と睨んだ老公一行も、隠密と間違えられて狙われる始末。そして、次席家老の娘に恋した若い隠密にも魔の手が……。上杉藩のお世継ぎ騒動の渦中に巻き込まれた老公一行の大活躍。
山形城下一の米問屋北野屋。ところがここの若旦那、大の剣術気違い。商売そっちのけで、毎日剣術に明けくれているが、ちっとも強くない。財力に眼をつけている道場主や浪人達におだてられているだけ。家老までもが私腹を肥やそうと何やら道場主と企む。水戸老公一行も若旦那を更生させようと乗り出すが、はた又一騒動。
紅花の名所天童。老公一行、船に乗って売られていく百姓の娘を助けるのだが事はうまく運ばない。美しい紅花の背後には厳しい年貢の取り立てと少女達の血の滲むような苦労が……。それもこの天童藩、莫大な借財を抱えていたのだ。ところがその背後で藩主を欺き、商人と手を組み私腹を肥やそうとする悪い奴。老公、若さ撥刺の大活躍。
道に迷った老公一行、庄内の堅石村に辿り着くが、土地は荒れ、百姓達に生気が無い事に気が付く。郡奉行が三年前に召抱えられた時からの事だという。この奉行、小田原から来ている姉弟の敵討の相手でもある。いったいこの奉行の正体は、狙いは?城主の幼少をいい事に、私利私欲を貪ぼる重役衆を裁く御老公の鞭が冴える。
秋田の湊町。老公一行、行列に出逢うが何と藩が借財を重ねている大商人の行列であった。その行列の中の家老を狙撃しようとした一人の若者がいる。かつて勘定役で切腹させられた父を持ち、兄は牢に入れられているのである。その兄の嫁を家老と大商人は慰み者にしようと企むが、老公一行、秋田名物なまはげに扮して大活躍。
壮大な秋田杉の林の中で一人の百姓が殺される。秋田藩の支藩大館藩の領主の留守をいい事に御本家の重役が借財返済の為勝手に伐採する企みを知られたからだ。その場に居合わせた曲わっぱ作りに精を出す下級武士、恋仲のマタギの娘も命を狙われる。己の欲を満さんばかりに人の命も顧みぬ極悪人に老公の怒りの杖が闇を裂く。
老公が川に落ち、村の少年とその姉に助けて貰う。この村、隣村との仲が大そう悪い。老公が間を取りまとめようと骨を折る。ところが双方の村に山目付けが嫌がらせをし、互いに村を壊滅させようと企んでいた事が発覚。いったい誰が、その目的は……老公一行にも狙いの矢が向けられる。御老公、農家の守り神オシラ様に扮して大活躍。
太鼓づくりの老舗・烏帽子屋はヤクザにからまれている。持ち山を譲れというのだ。ヤクザの背後には代官所がついている。そこへブラリと現われる一人の男。その男と夫との間で苦しむ烏帽子屋の若女房。代官は窮地のあまり老公の命を奪おうとするが…。男と女、親と子のもつれた糸をときほぐす水戸老公一行の大活躍。
将軍家献上の馬を育てることに異常な熱意を抱く母と息子。三年前献上馬が毒殺された。その時の御馬奉行であった夫はその責任をとって切腹。だが毒殺の裏には汚い企みが…。保身のために暗躍する馬主、代官、御馬奉行。そして、敵討ち。けなげな母子を救う、水戸老公一行の大活躍。
村人三十余名が一斉に蒸発?!村人をさらったのは鉄砲、槍、居合抜、等に超一流の腕を誇る七人の男たちだった。すでに他界している町奉行を呼び出す。水戸老公は自ら山の湯治場に足を踏み入れる。恐怖に怯える村人たちを救うため、七人の強敵を一人一人うちたおしていく老公一行の手に汗にぎる大活躍。
人もうらやむほど仲の良い父と娘、その父が何者かに殺された。村人の殆んどが木地師である。それが山の木を切ってはならぬという奉行所からの達し。全ては私腹を肥やさんとする郡奉行と村役人との謀略だ。怒りに燃えた娘は敵討ちを決意、格之進に剣の手ほどきを受ける。そして本願成就。十和田湖は今も波静かであった。
高価な南部釜に代わる廉価な生活用具を作りたい、と親方と喧嘩別れした弟子は、藩の禁制を破ってまでも願いを成就。その出来ばえに親方は己が非を認める。だが肚黒い吟味役と町役人との謀略で牢につながれる。そして、年に一度の上覧の日…。悪人を懲らしめ正直者を救う水戸老公一行の大活躍。
百姓たちの手で、川の流れを変え、肥沃な土地をふやそうと南蛮式の機械で測量をする武家娘。それを助ける老人。私利私慾の為に商人と結託して武家娘に圧力をかける城代家老。水戸老公は城へ乗り込み、武家娘の志を叶えさせる。そして浪人と武家娘を一諸にさせ娘の家の再興をとりはからう。
田村藩伝来の家宝天九郎の槍にいたく執心な老中は、それが自分の手に入らない事を不快に思い、甲賀忍者を隠密として送り、田村藩取りつぶしを企る。百姓達は餓死寸前。大庄屋の家族を人質にとり、米倉を焼き討ちする計画。老公一行は、盗賊の一団となりすまし甲賀者と近づき大活躍。藩は元通りとなり、百姓達も大喜こび。
父の仇の策略により、無実の罪をきせられた浪人。仇討免状を持って石巻へ来るその妹。昔、その浪人の家に奉公していた「くじら屋」の女将の伜、吟味役は、仇討免状の再吟味のために兄妹を牢に。が仇一味が牢内で兄妹の暗殺を計画。吟味役と女将はやむなく牢破り。水戸老公一行の働きにより、見事仇討本懐を遂げる兄と妹。
弥七が助けた身投げ女は廻船問屋の若妻。この女こそ、弥七の昔の頭の娘。近頃、仙台の城下町を荒らしている盗賊は、その頭を裏切って殺した男。弥七の赤い風車の手裏剣を利用して弥七を落とし入れる。おまけに、若妻の出生の秘密の臍の緒書を持って脅迫していた。水戸老公一行は盗賊の一団と成りすまし罠にかけて大活躍。
旅の若侍が黒装束の一味の手によって殺された。残された骨箱。「剣かたばみ」の印籠。この若侍はいったい何者か。助三郎はこの若侍になりすまし、鎌先へ…。木地椀作りの家には眼の不自由な若侍の妹。骨壷の中は砂金。蔵奉行が若侍に罠をかけ、砂金盗賊の犯人に仕立て、自れの罪を着せかけたのだ。娘の眼は全快。水戸老公の登場。
私財を投げうって、百姓達と共に用水路の補強工事を完成させる代官。しかし、彼を失脚させるため、国家老と蔵奉行は、藩御用両替屋とつるみ、両替屋押込み蔵破りの濡れ衣をきせる。代官が年貢米上納金を担保として両替屋から金を借りていたことを利用したのだ。老公一行の活躍で代官の無実が判明。しかし、その報遅く切腹。
米どころ会津の酒がなぜまずくなったのか?造り酒屋の主人小原庄助、なぜ身上をつぶしたのか?造り酒屋笠屋と悪代官は、私腹を肥やすために酒に租税をかけ、庄助を罠にかけ、ゆすり、まずい酒を造らす。庄助の娘と杜氏はひそかに山小屋でうまい酒を密造。水戸老公一行の働きにより、会津にうまい酒が帰って来た。
世間知らずの殿様が今日も領内をお忍びで領内視察。だが領民達は家来のお膳立てに従わされて昼食もロクに食べられぬ始末。郡山二万石乗っ取りを計る家老と先殿の愛妾にハメられた殿様、危ない所を水戸老公一行に救われる。殿様の純な心に触れた一行、自ら手助けを買って出て、見事に郡山の悪の根を断ち切る。
御用金輸送隊を賊の手から救った水戸老公一行。隊の中に内通者がいると見て密かに探索。恩人、白石屋の娘を救うべく賊と手を結んだ弥七とお新、老公とひと芝居打って黒幕を探り出そうとする。賊とともに御用金強奪に成功した時、姿をみせた黒幕の正体は意外にも輸送隊の代官。駆けつけた老公一行、無事に御用金を取り戻す。
人に親切を施して何がしかの礼金をせびる旅の浪人と行き合わせた御老公一行、まさかその浪人に仇と間違えられるとは…。そこに土地のやくざ、二十六年振りに再会した浪人の妻と娘も絡まって、東照宮での大立ち廻り。だが所詮は人違い。落胆する浪人に、これからは親娘三人幸せに生きる道をと説く御老公。親娘の幸せも近い。
城の新御殿普請を請け負っていた宮大工が殺された。後任に選ばれたのは同じ飛騨伊丹流の棟梁。だが棟梁は仕事を引き受けない。業を煮やした普請奉行は、棟梁の娘と弟子を人質に。からくり普請の目的は城の乗っ取りにあると見た水戸老公一行、城に乗り込んで危い所でからくりを止め、黒幕の城代家老以下の姦計を発き出す。
水戸老公一行の目の前で関所を破った長槍の浪人、今度は百姓達に頼まれて検地の邪魔。驚いたのは勘定奉行、浪人は十一年前に別れた父だった。奉行の藩政改革で甘い汁を吸えなくなる城代家老一派、浪人を利用して奉行を潰しにかかるが、改革の正しさを知った老公一行に退治される。親子の仲直りも出来、古河藩の未来は明るい。
無実の罪で捕えられた百姓と、その妹に関わり合った御老公一行。事件の背後には大庄屋が。神君家康公のお墨付をタテに、代官も頭が上がらぬその権力。その専横に耐え切れず、江戸へ直訴する途中で兄が捕われたのも大庄屋の策略だ。百姓達の苦しみを救うべく立ち上がった御老公、問題のお墨付を引き裂き、悪を裁く。
水戸を目の前にした御老公一行、老公の酔狂でガマの油売りを用心棒に雇う。その頃水戸では付家老中中備前守が急死、跡目を巡って争いが。備前守の遺言状を狙う本家中山家用人と、老公が戻るまではと応戦する浪路や弥七。だが肝心の老公はガマ祭りに浮かれている。報せを受けた老公、急いで水戸に戻り、悪計に裁きを下す。
第10部
国民的時代劇シリーズ「水戸黄門」第10部。江戸城内で発生した勅使接待にまつわる事件の後始末のため、黄門様は京行きをかって出る。助さんは志乃との結婚直前で、本来ならば、水戸に残留するところ。だが、助さんに志乃がくっついて来て、女連れ道中になる。
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助三郎と志乃の婚礼の準備も整った頃、京より江戸へ勅使がやって来た。ところがその勅使が曲者。西陣織の利権絡みの賄賂で太る高家と組んで不埒な所業。揚句の果ては接待役のもてなしが悪いと謹慎させ、思いつめて詫びに来た美しい接待役の妹にまで襲いかかるが、危機一髪老公が立ち塞がる。後始末に京へ旅立つ老公一行。
程ヶ谷の宿外れで危うい所を助けた娘は人入れ稼業の女元締めだった。色と欲とに絡むガラの悪い同業の親分が代官としめし合わせてのたくらみ、大名道中人足請負いを用命される。義憤に燃える水戸老公。そこで志乃が尾張大納言の若君に化けての一芝居。街道のダ二の大掃除を助けて、女元締めに晴れの仕事をとげさせてやる。
八兵衛が茶店でまんまと一杯食った女壺振りを追っていると、平塚宿で怪しい虚無僧達とそれを追う侍達の闇の斗いが巻き起る。とつぜん虚無僧に捕えられ姫君の姿に変えられてしまった女壺振りに襲いかかる刺客の刃。はたしてどちらが善玉なのか悪玉なのか。小田原藩のお家騒動の渦中に水戸老公一行も巻き込まれての大活躍。
箱根八里を縄張りに旅人を苦しめる無法な駕籠屋と長年箱根で駕籠の御用をつとめるまじめな駕籠屋。悪い駕籠屋の用人棒に父親を殺され仇討ちを決意するけなげな幼い兄弟。関所役人と組んで悪い駕籠屋が箱根の商売を一手に奪おうと仕掛けた悪どいたくらみ。幼い兄弟に力を貸した水戸老公。一致団結して、雲助退治に大活躍。
村人達を牛馬の如くしぼり上げるケチで頑固な大庄屋は、何と水戸老公と瓜二つ。とうとう村人の不満が爆発して、庄屋誘拐のたくらみは水戸老公の身代りに悪代官一味もまんまとひっかかって失敗。庄屋の三人娘や使用人、村人達のうそとまことを知らされて鬼の庄屋も目に涙。水戸老公が破滅寸前の村に平和を取り戻してやる。
お茶どころ駿河の国、久能詣でをすませて来た水戸老公一行が助けたあわれな父親と娘は、つぶれた老舗の親子。家出した息子が帰って来たが人の噂に商売がたきの悪だくみを知って復讐に燃える。お茶の運上金をねらう泥棒一味とそっくり姿を真似た水戸老公達が代官一味の悪計をみごと手玉にとって、どんでん返しのお茶騒動。
浜名湖を控えた新居の関所の役人が見るに見かねる汚職ぶり。関所破りと称しては娘達を人買に売りさばいて暴利を貪る醜態。水戸老公のふところに飛び込んだおきゃんな娘と弥七が関わった若い男女の駆落ち者。水戸老公は手品使い一座に化けて、新居の関所で勧進帳の一芝居。悪役人どもをこらしめて、旅人の難儀を除いてやる。
御油の宿をはずれた道中で助けた庄屋の娘。襲った悪者は、谷に馬を飼う牧童頭の三兄弟の末の弟。逆襲に燃える兄弟は、たちまち村へ脅迫の無理難題。宿場を守るはずの役人は子供連れのやもめ暮しで臆病小心で酒びたりの男。襲いかかる無法者の前に村人皆殺しの寸前、水戸老公の気合い一喝。負け犬根性の役人が真の勇気を取り戻す。
助三郎と弥七が助けた母と娘は岡崎の味噌屋の主人。名代の八丁味噌の造り方を一度見学したいと立ち寄った水戸老公と合流したが、家老と結託して大豆買い占めの上、女主人を親爺が、娘を息子がそれぞれ狙う味噌問屋の狸親子の悪だくみ。味噌蔵に罠をしかけて、借金をカセに母と娘にひつこく迫るのを水戸老公がやっつける。
伊勢の四日市で路銀が切れて御難の真っ最中に助けた女軽業一座とともに水戸老公達が興行の呼び込み裏方で大活躍。女太夫と一座を狙って色と欲との代官と手を結ぶ悪者一味の妨害に怒りを燃やして立ち上がる水戸老公。その騒ぎの中に影のようにきまって出没する若い侍の謎の正体。代官所の白洲に展開する水戸老公の一芝居。
包丁一本さらしに巻いた小粋な旅の板前に、何と水戸老公も八兵ヱも丁半博打で捲揚げられてすってんてん。遂に宿も追い出されたところを助けてくれた料理屋の若い娘。店の乗っ取りをたくらむ悪者一味と娘を狙う町奉行。怒りに燃えた水戸老公、その店の奉公人だった旅の板前を助けて、娘親子に恩返し。悪者どもを退治する。
近江の国水口で八兵衛を助けた薬の行商人が役人に追われる男からあずかった謎の手帳。きびしい詮議に捕えられた行商人が水戸老公にたくした郷里で待つ妻への土産の櫛。夫を想う妻の嘆きをエサに悪役人の横恋慕。あわや死罪の夫の命と自分の身体の交換条件に死を決した妻を助けて水戸老公一行が、悪者一味をたたきのめす。
近江の国、草津の近くで庄屋の娘が婚礼の夜、花嫁に化けた盗賊の一味が代官への運上金を奪うところを追いはらった水戸老公の見事さに近くの村々から、用人棒を頼まれた。しかし、運上金の集るその夜、裏をかいた盗賊が金を受け取った役人一行を襲った。しかも、鬼の面をつけた頭の姿形は何と水戸老公そっくりという怪事件。
水戸老公に江戸であついお灸をすえられた悪公卿が性懲りもなく京の都で、仕掛けた証文にひっかかった商家の娘を追いかけまわす相変らずの悪行ぶり。水戸老公の都入りの邪魔をするが、さんざんに退けられた。左大臣と水戸老公の息がぴったり、力を合わせて御所に巣喰うねずみを退治する。京の都を舞台に巻き起こる大波乱。
近江路で、ませた子供が引く馬に乗った縁で水戸老公が、生みの親を探す少年馬子と泊った大津の宿で、少年の姉というやさしい心の女中に出会い、とんだお家騒動のからくりを知る。実は御落胤だった少年馬子とその母親、そして少年を育てた女中を助け、悪党どもを成敗し、八方丸くおさめて、晴ればれと近江八景の名所見物。
徳川四天王の中でも音に聞こえた井伊家の若殿様が乱心か、遠乗りと称して娘狩り。志乃をさらって乱暴狼藉のあげく弓の的に。最後の矢が放たれる寸前、若き剣術指南役が体を投げうち志乃を救う。志乃が老公の供の者と薄々気づいた悪家老は、お家を救う為と称して老公暗殺を企てるが、見事に老公があばき、井伊家を救う。
大垣城下で八兵ヱが呉服問屋の娘の危難を救おうと柄にもなくいきがったのが運のつき。越後の縮緬問屋の若旦那と間違われて、藩の接待で大盤振舞いのもてなし。娘を奪い、店をのっとろうという商売敵の黒いたくらみ。そこへとうとう越後から本物の縮緬問屋が現われたから一騒動まき起こる。水戸老公ここ一番の腕の見せ所。
木曾川下りで名高い尾張国犬山で、とある山頂にひとり琴をひく盲目の女。行方知れない夫の帰りを待ちわびる妻の耳に聞こえて来たのは、正しく夫の吹く尺八。木曾の御用木をめぐって悪だくみ、横流しする悪者達のワナにかけられた夫婦の悲運を知って、怒りに燃える水戸老公。夫婦が奏でる愛の調べが月明の木曾に冴えわたる。
水戸老公が、かねてより念願の名高い志野焼を賞翫したいと多治見をたずねたが、名工の主人は将軍献上の茶碗作りに苦心惨憺。おりから勘当された一人息子が弥七に助けられたが、父親は頑固一徹。しかし、裏に悪代官のたくらみを知った水戸老公が、許婚の娘の真心とともに親子の情を呼びさまして、見事な名器を世におくり出す。
美濃国・岩村で出会った馬上の娘はジャジャ馬ならぬ女医者。父娘共々評判の高い親娘医者。その親娘に仕掛ける代官と藩のヤブ御典医の悪だくみ。家老の息子の無法な横恋慕に許婚者が無惨にも殺された。悲しい恨みが紅蓮の炎の如く燃えたぎる。捨ててはおけぬと水戸老公悪者共をきりきり舞い。親娘の暗雲を追い払ってやる。
木曾の山越えで足を痛めた志乃を乗せた女馬子に、馬子達を使ってひどいいやがらせを仕掛ける悪問屋の親分。その裏に腹を合わせる役人とともに、女主人が取り仕切る生糸問屋乗つ取りのたくらみ。女主人のぐれた義理の弟をまんまとワナにはめたが、その弟を助けた渡世人が胸に秘めた十年前の恩返し。木曾馬籠の宿の大活躍。
山国信州の高遠で、いでゆをめざす御老公。一行が途中で助けた女が一夜で消えてしまった。湯宿で働く娘の唄にのんびり保養もつかの間、藩主が留守を幸いに悪計めぐらす国家老一味を父の仇と狙う姉妹の危い所を救い出す。水戸老公の一計にまんまと誘い出された悪者ども。御老公達と殿の面前で、姉妹が見事仇討ちを遂げる。
甲州、韮崎の問屋場で、荷運びの中馬が老公達の目前で襲われた。ただの野盗の仕業ではなく、裏に訳有りと見抜いた老公に、何故か口を閉ざす中馬問屋の人々。実は、中馬問屋の主人が病身で娘一人なのを幸いに、荷運び馬の利権を一人占めしようという伝馬の悪親玉と代官の陰謀が……富士の霊峰を背に老公が悪を懲らしめる。
武州八王子で泊った宿の主人が又とない縁起かつぎ。神々のお告げで仲を裂かれた娘が、許婚者の男と危うく心中のところを助けた水戸老公、日本一の占い師に化けると、ああら不思議―ひとりでに徳利が動き出す。横車を押した代官が娘と婚礼の席上で、か弱い花嫁が突然変身。代官一味をとっちめる。悪者一味はてんてこ舞い。
国元常陸に近づいた土浦で、老公の山野辺兵庫へ宛てた短冊を届ける為に一行を離れた格さんが潮来で仇と人違いされた。聞けば逆恨みで夫を闇討ちされた武士の妻とその若党で死を覚悟の仇討ち旅。老公一行が助太刀して見事本懐を遂げさせて、無事に帰った西山荘でいよいよ助三郎、志乃の祝言を迎える。目出度い梅の春の門出。
第11部
出羽庄内藩に起こっている農民たちの窮状を水戸光圀(東野英治郎)に直訴するためにやってきたお美代。
助三郎(里見浩太朗)、格之進(大和田伸也)、八兵衛(高橋元太郎)らお馴染みの顔ぶれに、お美代も加わり、出羽国の庄内藩・鶴岡城下へ!
御老公一行の世直し旅が始まった。
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
弥七が西山荘に向かう途中、刺客に斬られた若侍を助けた。一方、西山荘では盆踊りの娘達にまぎれ込んだ不審の娘。その二人が出羽庄内藩の危機を水戸老公に直訴。襲いかかる刺客達を倒して大張り切りの水戸老公。妻と冷戦中の助三郎と格之進、弥七、八兵ヱ、おなじみの顔ぶれに庄内から来た若い娘・お美代を加えて世直し旅。
奥州・二本松の城下で祭り見物の助三郎・八兵ヱが面をかぶった怪しい一団に襲われている娘を助ける最中、加勢にはいった旅の薬屋。いわくあり気な娘と町人ながらなかなか腕前の立つ若い薬屋の正体は。折から城中は姫君に婿入る若君の到着をひかえて、姫の行方不明に大騒動。ひそかに世継をねらう悪の企みが危機をはらむ。
米沢の城下近くで供の者をまんまとまいた水戸老公が見たものは、女が二人で死人を埋める不気味な姿。老公を替え玉にして閉じこめた女達は大筒の火薬づくりと奇々怪々。城中で悪者のために無念の死をとげた夫の無実をはらそうとする母と嫁を助けて、殿御上覧の砲術競べに一同が乗り込んで轟く砲声の中、波瀾万丈の大活躍。
山形で最上紅花に法外な運上金をかけて容赦なく民百姓を苦しめ抜く悪者達に一泡ふかせて暴れまわっては風の如く去って行く三度笠の男。人呼んで紅緒の仙太郎騒動。仙太郎を誘い出そうと必死の役人達に捕われ囮にされた渡し守りの老爺と娘がはりつけ寸前の危機一髪。現われた三人の紅緒の三度笠。刑場は上を下への大混乱。
弟妹を一手に育てきり廻す農家の娘のけなげさに思わず心を打たれた水戸老公、娘や子供達を喜ばそうと大サービス。その娘がひそかにしたう庄屋の息子が穀物問屋の押しかけ縁談を断つたのが仇となり、娘は奉行の横車で召捕られたが、たちまち水戸老公が救い出し、助三郎の介添いで若い二人に愛のささやきをかわさせてやる。
いよいよ目的地・庄内鶴岡城下で、廻船問屋の若い番頭を追う謎の虚無僧。その虚無僧をねらって殺し屋が襲いかかれば、助太刀に現われた第二、第三の虚無僧。藩主の帰国の日を迎えての虚々実々の斗い。権力と金力を一手に握ろうとする悪だくみを、水戸老公がお美代と弥太郎の後楯になって名物・化物祭の裏に風雲が渦巻く。
本荘二万石のお殿様がおしのびで領民の暮しを見廻って上気機嫌。そのお殿様が何と八兵ヱと瓜二つ。一方城中は、殿様の眼を外に向けさせて私腹を肥そうと策をめぐらす悪家老の黒い霧が立込める有様。正義の若侍が死を決して、八兵ヱを替え玉に遂にクーデターを計画。本物の殿様と水戸老公の出会いから、珍騒動が続出する。
津軽三味線に聞き惚れている最中に怪我をしてしまったお美代を親切に手当てしてくれた娘の父は津軽凧の絵師だった。隠密狩りが吹き荒れている弘前城下で、公儀隠密と間違えられてからくも脱出した弥七が探った銀山の秘密。城代家老一味の御用銀横流しのたくらみを水戸老公が見事に打ち破って、父娘を救ってやる隠密騒動。
陸奥の国八戸で腹痛に苦しむ水戸老公が出会ったのは強慾非道な医者と、もう一人世の為人の為に患者を救う貧乏医者。だがその医者を父の仇とねらう侍が現われた。水戸老公の口添えで貴重な薬草を集め終わる迄仇討は延期となるが、その医者の心の尊さに打たれた侍が、最後の薬草取りに生命をかける。すべては恩讐の彼方へ。
みちのく盛岡で水戸老公の財布をねらったドヂなコソ泥。その父親は八兵衛が飛び込んだソバ屋の親父で無類のガンコ者。親子仲直りのため、水戸老公が仕組んだ芝居も水の泡。町奉行と組んだやくざ一家がコソ泥息子をタネに悪だくみ。水戸老公が悪者達をひっ捕え、息子を真人間に立ちかえらせる。しみじみうれしいそばの味。
三陸の宮古へ向う弥七が途中で助けた武士の子が、父を訪ねる宮古の町は献上品を積んでいた舟の爆破沈没事件で大騒動のまっ最中。海産物問屋の利権をねらう悪者一味には凄腕をふるう用心棒が一人。ひたすら父を想う少年の真心に一肌ぬいだ水戸老公、自ら牢に入れられて証拠をつかむや獅子奮迅。悪党達を懲らしめる大活躍。
陸前高田の高市で助けた親子の死んだ夫が格之進と瓜二つ。親子の脳裏に甦える昔日の幸福。その夫が藩の金塊を運搬中に殺されたという話に不審を抱いた水戸老公、そっくりな格之進を使って悪者一味を大混乱に陥れる。そこへ現われた謎の虚無僧に敵はますます大混乱。消えた金塊の謎解きに仕組んだ老公の計略が図に当たる。
旅のたいくつしのぎに八兵衛が若旦那になったが、フグにあたって危いところ。助けてくれた仙台のさかな屋の娘。娘と老舗の看板をねらう悪者一味。大張り切りの八兵衛を助けて水戸老公もかまぼこ造り。襲いかかる悪者どもをこてんぱんにやっつけて、娘の笑顔に正体がばれた。喜ぶ八兵衛の泣き笑い。仙台城下のかまぼこ騒動。
会津若松で会津塗りの職人とすっかり気が合った水戸老公。しかし名人気質を鼻にかけて、妹と内弟子が苦労する。そこで一計案じた水戸老公、藩主への献上品の競作に師弟がひたすら打ち込むそのひまに、城下のダニどもに一泡ふかせてやる手ぎわのよさ。できあがった塗り物にたくして、職人の真心を説く水戸老公の情と教え。
越後・新発田で、娘太夫の危難を救った助三郎と格之進。その太夫が何とお志乃に瓜二つ。八兵ヱが財布を掏られて野宿の瀬戸際、楽屋に泊めてくれた小屋主の親切と娘太夫の心意気にいたく感じた水戸老公。興行をぶちこわそうと画策する悪者一味を向うに廻して、本物が演じる「水戸黄門」の大芝居。胸のすくような幕が上がる。
越後の国、信濃川のほとりで出会ったヘっポコやくざ。三条で音に聞えた野鍛冶の仕事を見学に立寄った水戸老公が、役人と結託した悪問屋のたくらみに、窮地に落とされた名人かたぎの職人とその娘を助けて、家出していた親不孝息子を自ら鎚をとってきたえ直し、悪者共をとり押さえ、誇り高い三条野鍛冶の伝統を守ってやる。
与板の城下で、格之進が家老の息子に乱暴される武家娘を救ってやったのが発端。娘の父親が藩主の名物行事”早駈け”に必要な鎧兜の質受けまで面倒を見たが、娘をねらう家老一味の工作で父は闇討ちの重傷をおってしまう。父の名代で出場する息子を助けて水戸老公が悪者どもを退治して、見事に勝ち名乗りを上げさせてやる。
三国峠の山道で風邪をこじらせて苦しむ八兵衛を助けてくれた女馬子は庄屋の娘。だが、継母に追い出され乳母の家に身をよせる悲しい運命。悪代官と結んだ継母と番頭が病気の庄屋を殺して、家を乗っ取る悪だくみを許しておけぬと水戸老公。娘になつく名馬とともにひと暴れ。悪者どもを退治して親子に幸せをもたらしてやる。
武州忍藩の城下で、足袋の内職に一生懸命精を出す下級藩士の妻を鬼のような姑がひどい嫁いびり。だが、見るに見かねた水戸老公を感激させる純情一途な妻の真心。正義感に燃えさかる夫を闇討ちにかけて、私腹をこやし家老職を狙う悪奉行の抜荷をつきとめた水戸老公が藩主の前で悪事をあばき、夫婦に幸せの道を開いてやる。
からっ風が吹き荒れる武州・秩父の宿場は正に死の街。やくざ同士の斬り合いに血潮も飛び散る。水戸老公達に宿を貸してくれた不思議な娘が胸に秘めた大望。闇夜をぬって飛ぶ破魔矢。神のお告げに踊らされてやくざ同士が大出入り。水戸老公達も二手に別れてやくざの用心棒にやとわれた。果して陰であやつる仕掛人の正体は。
阿夫利神社の大山詣りで賑わっている伊勢原の宿外れで助三郎が拾った赤ん坊をめぐって一騒動。水戸老公も子守唄の初体験。賢兄愚弟の旗本の世継問題がからんでかわいい赤ん坊の生命がねらわれる。必死で赤ん坊を守る若い母親と忠義な家来を助けて、よこしまな旗本の次男坊と悪代官一味を取って押さえ、親子を救う大活躍。
相模の国、鎌倉彫りの名人の仕事場を見学に立寄った水戸老公の目の前で一番弟子の破門騒ぎ。頑固一徹の名人かたぎの父と破門された弟子にひそかに恋する娘の苦しみ。弟弟子の真心を踏みにじる代官一味の悪だくみを知った水戸老公、放ってはおけぬと一肌ぬいで後だて。師と弟子達の心を一つにして、見事名作を完成させる。
房州館山で、少年に案内された宿は落ち目となってしまった網元の家だった。漁業の権利と娘の両方をねらう色と欲との悪党が代官と組んで横車の悪業。そこに現れた渡世人が何と風車の弥七と瓜二つ。間違えられた弥七が牢に入れられてしまった。水戸老公の作戦にキリキリ舞いの悪党一味を見事に退治して明るい漁場を取り戻す。
下総佐倉の城下で、格之進が再会を楽しみにしていた友人は武士の魂を捨てて何とやくざの用人棒に変りはてていた。だが、あいかわらずの剣の冴えに、友を固く信じつづける格之進は苦悩する。そんな格之進を拒絶する友。悪城代家老のお家乗っ取りの謀渦巻く佐倉の城下で男の友情を手助けして水戸老公が悪を滅ぼす大活躍。
故郷水戸も間近い土浦で留守番の志乃を気づかう助三郎が水戸に向った後、水戸老公達は岩槻藩の内紛にまき込まれてしまう。殿様が不在中、城代家老を押込めて権力を一手に握ろうとする重役一味と正義を守ろうとする必死の若侍の闘争。裏切られて苦境に立たされた若侍達を助けて、水戸老公人形造りの名所・岩槻での大活躍。
第13部
東野英治郎が黄門役を演じる最終シリーズ。尾張藩に謀叛の企てありというので将軍綱吉が激怒。何者かの陰謀と見抜いた黄門さま、真相調査のため尾張へ向かうというのが旅立ちの理由となるが、後半は例によっての漫遊記に。
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漫遊から戻られた水戸老公だが、あいかわらずじっとしていられない。連日、荒地開墾に精を出している。その頃、江戸では将軍綱吉狙撃という大事件が発生。しかも狙撃に使われた短筒には尾張家の家紋が。尾張藩に恨みを持つ一族が企む天下転覆の陰謀に、そうはさせじと乗り出す御老公。天下の命運を賭けて、前途多難な尾張への旅立ち。
執拗に水戸老公を狙う梟の左源太。その間に巧みに供に加わった忍びの娘由美。老公の身辺に危機が孕む頃、石屋の職人を助けたところから、小田原領内で石切り場を巡る暗闘に巻き込まれた。夜明けとともに仕掛けられた爆発に、左源太に踊らされた悪者供が見守る中、水戸老公の安否は、崩れ落ちる岩石の中に埋もれるが-。
箱根の関所で山人足と手を結び、私腹を肥やす役人に阻まれて入牢するハメになった水戸老公一行。途中助けた若い馬子に導かれた湯の宿で温泉気分に浸つたのも束の間、老公を狙う由美の刃に危機一髪の瀬戸際を越えるなど、外に内に敵を抱えた危険な道中。男装の娘馬子の仇討ちを助勢して、山に巣喰う悪者どもを大掃除。
伊豆路を辿る水戸老公の前にまたも現れる左源太。由美と共謀しての誘拐の狂言と、金山を巡る不穏な噂を確かめに、着いた湯ヶ島に神隠しにあった如く無人の村。農民を助けて金山奉行一味のからくりを追求する水戸老公を狙って闇に躍る左源太。遂に坑内に閉じ込められて爆破が迫る。必死に救出を計る弥七。危し、水戸老公!
由比の宿場で相宿となった若い旅人はどうやら怪しい裏道稼業の人間。弥七にあしらわれ、水戸老公を泥棒の親分と信じ、乾分に。旅人の親父は、清水港を牛耳る悪に単身楯突く頑固者。親父に孝行したいと願う心を買つて水戸老公、一同盗賊姿で代官所に忍び込み、乗り込んだお白洲で、逆に悪代官の裁きを着ける活躍に、父子も無事和解。
大井川のほとり島田宿で張り合う二つの宿屋、鍋屋と大鍋屋。主人は強気な女と弱気な男。だが二人は元夫婦。ふたりを何とか元の鞘に納めようと幽霊騒ぎの茶番劇。無法な川止めで私腹を肥やす川越人足の悪親分と代官の悪業を探つた水戸老公。老公を狙う梟の左源太の襲撃!風雲急を告げる大井川のひと騒動。
浜松の城下で老公と八兵衛が出逢った道楽若旦那。その若旦那に乗せられ、鉄火場に連れ込まれたはいいが、一緒に身ぐるみ脱がされる大失態。だが、馬鹿息子の面倒を見るうなぎ屋の心意気を買った御老公、ヤクザ相手にお新が鮮やかな壷捌き。町奉行と結ぶ悪徳商人の企みを暴いて送る、日本一のうなぎの味にも似た痛快編!
三州吉田の城下で、八兵衛がひょんな事から見染めたしじみ売りの娘。病身の武家の妻子に仕える建気さだが、驚く程の小太刀の使い手。水戸からの送金が遅れて、因業な宿の主にこき使われる身となった水戸老公一同が、その武家娘達の大望を知ってひと肌脱いだ仇討ちの助太刀。胸のすく大活躍で見事に仇討ち本懐を遂げさせる。
三河の国は岡崎で、鉄砲に撃たれた男を救った水戸老公。男を担ぎ込んだ水車小屋で、一行を匿って追手を追い払った只者ではない親父。おりから老公を狙う左源太や平岩一族、藩の火薬を横流ししている悪者一味、また、娘への愛情に命を賭ける抜け忍の親父とそれぞれの秘密を守る為に入り乱れ。硝煙火を噴く危機が水車小屋に迫る。
御三家筆頭の尾張家謀反の噂に名古屋の地は物情騒然。附家老が隠れ砦に乗り込み、忍び一族と対したが逆に捕えられた。尾張家に怨みを持ち、復讐の鬼と化した忍び一族の刃が狙うのは水戸老公。尾張に入った老公を刺し貫く梟の左源太の狂刃。果たして老公の安否は?執念渦巻く忍びが血で血を洗う大乱闘、天下騒乱の一大危機が迫る!
梟の左源太、由美達忍びの故郷、伊賀上野を訪れた水戸老公。伊賀の里では特産の組紐の行商が禁じられ、二束三文で買い叩かれて領民の死活問題に。郡奉行と御用商人の悪企みを探る為、助格が用心棒代りで一味に潜入。が、老公と八兵衛が敵に捕えられ、あわや打ち首寸前の土壇場。刑場に老公の高笑いがこだまする。
助三郎と八兵衛が道連れになった美しい女と供のきょうきん者。娘を売ったものの、罠に嵌って傷ついた親父を助けた事から、伊勢山田に巣喰う悪供を向こうに廻すハメになる。娘を助け出そうと女壷振りに化け、賭場へ乗り込む度胸のよさに助さんも惚れた。七変化の如く姿を化ける女の正体は?お伊勢様初詣の御老公、正月の大活躍。
高野山で弥七が助けた若い女は、御老公が出逢った高野豆腐造りの職人の女房。この職人の母親が見るに見かねる嫁いびり。女房を狙う好色な藩の国家老と手を組んだ悪問屋の為に仕事から外された職人を助け、御老公達も慣れぬ豆腐造り。利権を狙って職人一家を苦しめる悪に一行が正義の鉄槌を下せば、嫁姑の仲も氷解する。
大坂の町で水戸老公に近づいた男が一生の頼み。勘当を許して貰う為、お新に許婚者の身代りとなってくれという突然の申し出。いたずら心を起こした老公が引き受けたから事は面倒に。薬種問屋の身代を狙う悪者一味に引き入れられ、悩む後添いの女。問屋の主の命を縮める悪計を察し、喧嘩別れの助格とひと肌脱いだ浪花の大騒動。
作州津山への道で一行が知り合った父子ふたり連れ。だが父親とは真っ赤な嘘、何んと枕探しのゴマのハエ。老公の道中差しを盗んだが、三葉葵の御紋からたちまち御用に。改心した男、本当の父親を探す子供の為に力を貸したが、今度は津山藩土木工事の裏に潜んだ汚職に巻き込まれる。老公の計らいで父と子は涙の再会。
鳥取藩が藩政改革を巡って真っ二つ。百姓達も生き死にの分かれ目と不穏な情勢。重役の主張の対立に、二分した若侍達も一触即発の睨み合い。かつての仲間に裏切り者と呼ばれながらも、自らの信念を貫き通そうとする若侍。その母と妻を助けた水戸老公。果して何れが善か悪なのか。鳥取藩の危機に乗り出す水戸老公の裁きは如何に。
出雲の国は神話と和紙の名産地。食べ過ぎの八兵衛を、驚くほど介抱する宿屋の女中。もしや八兵衛に惚れたのかもと、御老公達も興味津々。折りから紙問屋の総元締を選ぶ出雲和紙の審査が迫る。悪企みにつられた職人と正直な弟弟子をめぐる紙すき職人の腕比べに絡む欲を蹴散らし、ひたむきな娘心の為に一肌脱いだ黄門様の縁結び。
石見の国、浜田の港で対立する網元同士の争い。浜奉行と結んで藩の御用網を狙う悪玉。善玉の網元の跡取り息子は女に迷って酒びたり。父親と兄の為に心配する弟が、悪玉の仕組んだ罠にかかつて破滅の危機。義理と情けに苦しむ息子と女の真心を知った水戸老公、血の繋がらない兄弟を助け、怒りに燃えて悪者退治に立ち上がる。
萩長門の国、萩の城下に名高い萩焼きの名工を訪ねた一行だが、これが名人気質の頑固者。水戸老公と茶碗を焼け焼かぬで取っ組み合いの大喧嘩。隣の後家さんの家に居座つた老公との意地比べ。二人の騒動に巻き込まれ、名工の娘との仲を裂かれた弟子を誘い込む商人の悪企みを逆に取って、老公が献上の茶碗をネタに施す細工の妙。
博多の町で助けた女は柳町の名物芸者、桃太郎。調子に乗った助・格・八兵ヱの若旦那ごっこに弥七も加わって大はしゃぎ。のけ者にされた上、爺や扱いの水戸老公とお新の怒りも、桃太郎を巡る舟手奉行、廻船問屋の悪企みを知り、一肌脱ぐ気に。抜け荷の秘密を暴き、桃太郎と博多人形作りに励む若旦那を助ける筑前博多の痛快篇。
肥前唐津藩の殿様は大のお微行好き。ひょんな事から出逢った八兵ヱと衣服を取り換えた事から波乱が巻き起こる。八兵ヱは殿様に間違われて城内に、本物は助さんに抜け荷の現場を見せつけられて吃驚仰天!さらには捕えられ、牢内で老公とご対面。殿様の本物と偽者を操る老公が、次席家老と悪徳商人一味の悪企みを叩き潰す。
佐賀の城下に夜な夜な現われる化け猫。人々の恐怖は頂点に。汚職の責めを負って切腹した家老の怨みだという噂の中で、左源太が出逢った忍びの正体は?佐賀錦の小間物を売る娘とその父親が生命を賭けた悲願とは。血潮の中に浮かぶ怨みの黒猫の叫びが闇に響く時、非道な陰謀を探り、悪の正体を暴く水戸老公の活躍が始まる。
久留米の城下で水戸老公達に看取られて死んだ機織り娘。同じ頃、弥七とお新に助けられた少女はその妹だった。将軍家献上品の陰で、生き地獄の様な機織り場で働く娘達の有様に眉を曇らせた水戸老公、機織り機作り屋の娘と番頭が工夫を重ねたかすり織を成功させ、非道な悪家老を懲らしめる。後世に残る、久留米絣の物語。
熊本で一行が出逢った威勢のいい少年馬子。自分の家を宿代りにして旅籠代を取るしっかり者。だが親兄弟もなく愛馬とふたりぼっちの淋しい暮し。その少年が弥七の助けた武家の女を乗せた事から思わぬ展開。我が子を前にしながら名乗れぬ武家の非情な運命に泣く母。母と子の愛情が利害を越えて水戸老公の情けの前に甦える。
延岡の城下で老公が見た、苛酷な年貢に苦しむ農民達の窮状。思い余って一揆を企てるが、郡方の知る所となり、首謀者は手傷を負って酔いどれ名医の許に。一揆の計画を聞いてしまった事から農民達に捕われた老公と八。ふたりの身を案じる助格も役人に追われるハメに。沈黙を破って家老へ直訴に向かう名医に悪の手が襲いかかる。
薩摩の国で、一行が負傷した隠密を救った事から散り散りに。折りから藩内では、藩主綱貴の病いを期に、世継ぎを巡つて真っ二つの争い。嫡男を推す城代派の若者達が立て籠った寺を、この機に藩論を藩主異腹の弟に持って行こうとする家老が、不気味な山伏、日高ヤンボシに襲わせる。果たしてどちらが正か邪か。老公の裁きが下る。
第3部
将軍家の実権を握ろうとする柳沢吉保の陰謀で、薩摩忍者軍団の刺客が黄門様に忍び寄る…。 黄門様は、日本を争乱の戦火から守り、大藩薩摩を交流の場にし、日本全国に真の平和をもたらすために旅に出る。 第3部から助さん役で里見浩太朗が登場し、以後16年に及ぶ当たり役を確立した。
水戸光圀:東野英治郎 / 佐々木助三郎:里見浩太朗 / 渥美格之進:横内正
※放送日は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。
二度の諸国漫遊を終えた老公は晴耕雨読の生活。格之助の妻深雪はお目出た。が、めでたい事ばかりではない。将軍家の跡目に際し将軍家御信任柳沢吉保の不隠な動き-。老公に向けられる薩摩の刺客の刃。江戸には御三家筆頭尾張綱誠が御忍びで……。薩摩の狙いは、吉保の企みは如何に。諸国が気になり出した老公、三度目の旅へ。
話は第1話よりつづく。老公一行は江戸から小田原へ。お新は弥七を親の仇と信じて追いかける。そして、老公達を追う不気味な侍。小田原の石切り場では老公一行を皆殺しにする計画が-。誰の差し金か。暗躍する正体不明の侍、名は拓殖九郎太、そしてお新の父を殺した夜鴉の藤吉、しつこくつきまとわれる老公達の行く手には……。
ここ江戸要害の地箱根。関所辺りは悪質な雲助達が横暴極まる振舞い。何故か役人見て見ぬ振り。江戸から父の仇を討たんと来た女。お新の協力を得て果たそうとするのだが何とその相手は……。老公一行、雲助を操る悪い奴を退治しようと乗り出すが、待ち構えるは九郎太と藤吉、悪徳奉公と雲助を退治もつかのま、老公の命を狙わんと……。
家康公お墨付のワサビの産地駿府有度木村。対外不出のワサビ苗を極貧の自分の村で育てようと盗み出す若き侍。手助けをする名主とその娘が運上金で私腹を肥やしている悪徳奉公の手に-。事情を知つた老公、自ら掟を破り、侍に苗を渡す人情裁量。しかし、弥七はお新の誤解に苦しみ、老公一行の行く手には一波乱、二波乱の兆し。
弥七が藤吉と九郎太の挟み討ちに合い、谷底へ。父の仇を討ちに来た姉弟がいる。相手は道場主。老公一行、姉弟に協力し、一策を仕掛けたが、道場側には九郎太と藤吉が-。逆に姉弟を人質に取られ、一行の居処を知られてしまい絶体絶命。そこに、どっこい生きていた弥七の大活躍。死んだと思っていたお新の女心は複雑に揺れて……。
江戸防衛の第一線大井川。老公一行が到着した時は川止め。宿場では藤吉が老公の所在を求めて暗躍。役人と手を結び不当な料金を得ている人足頭の目の上のこぶは一徹な人足。この人足、賭事大好き。藤吉と人足頭、借金を楯に老公を大井川に放り込む事を強要。断る人足の命危うし。そこへ老公一行、駆けつけての大活躍。
詮議の厳しい掛川藩の御城下に入った御老公一行は旅人宿で助さんに生き写しの虚無僧と隣合せる。旅芸人の芝居小屋で忽然と姿を消す虚無僧が謎を呼ぶ。養子縁組みを強いられる姫君は意中の人に導かれるように旅の一座に紛れて逃避行。愛を誓った姫と虚無僧。憩う間もなく悪家老の追手がかかる。いよいよ冴える老公の裁き。
浜松城下で老公が止めに入った子供の喧嘩。助けた少年の亡き父は主君からあらぬ嫌疑をかけられ、申し開きもせず自害した勘定方。父に代わって少年を厳しく侍の子として育てる母。少年の父の切腹の顛末を調べるうちに浮かび上る現勘定方と穀物問屋との癒着。御老公一行を狙う霞のお新も加わり事件は急転直下。
老公一行が大木の洞の中から拾い上げた赤児が巻き起こす大事件。赤児目当ての悪家老と老公を亡き者にせんとする柳沢配下の刺客が御老公一行を付け狙う。あたりかまわず泣きわめき、抱いてあやせば粗相の子に助さん格さん御老公までが大往生。忍び詣での祈りに失踪した世継ぎを廻る争奮戦。赤児を抱えて老公主従の大奮闘。
かつて二人の侍が主君の命により死を賭して通し矢を競った岡崎三十三間堂に、今年も記録に挑もうと使い手達が集う。殊に、競技に敗れた父の切腹、お家断絶の憂き目に遭った若侍にとって十年の修業のこれは総仕上げだ。回船問屋と共に甘い汁を吸う悪家老は折り悪しく訪れた御老公一行に弓の刺客を差し向けるが……。
横暴な郡奉行に耐えかねてあわや強訴しかける農民を思い止まらせる老公。騒ぎを起こして農民の土地を奪い取ろうとした奉行はこれに激怒。農民の長を脅迫する。鳥好きの少年の活躍で、密書を運ぶ伝書鳩から柳沢の陰謀を裏付ける証拠を入手したのも束の間。霞のお新に奪われるが、この密書がお新を改心させ良心の花を開かせる。
焼蛤を食べ過ぎて葦原に立ち往生の御老公と八兵ヱを助けたのは娘馬子。助さん格さんとはぐれた御老公は博奕好きの娘の父のため神戸藩の世継ぎを巡る筆頭家老の陰謀に巻き込まれる。刺客九郎太の刃をもはね返す老公。その眼前で身体を張って藩政を、愛する者を憂う猟師あがりの家老。これに打たれた老公の口添えが平和を呼ぶ。
街道で浪人と斬り結ぶ武家娘を救った格さんと八兵ヱ。娘は亀山藩用人の兄と共に借米の領内搬入に命を賭ける。そうはさせじと問屋と組んで米飢饉を煽る城代家老。陸路を抑えられ、米俵を積んだ舟で激流を下る格さんと娘を九郎太の鉄砲隊が狙う。辛くも勝ち得た米を御法度破りにさせまいと御老公が案じた一計が冴える。
伊賀上野忍者の里。そこに対立する名張者、拓殖者の忍者達。そして、かつて名張者の弥七は掟破りの抜忍。刺客九郎太は拓殖者の抜忍。その九郎太、城主を欺き忍者を使って老公殺害を要請。しかし、二派の忍者を持て余ましていた城主、腹蔵があった。お新の前に現れた死んだはずの藤吉。弥七、お新、そして、一行の運命は如何。
近松のお初徳兵衛のような男と女。ヤクザ紛いの油屋、代官に女を貢ごうとする。金の払えぬ男は女と手を取り合って……。博奕好きの女の弟、姉を取り戻そうと大博奕-。事情を知った女の父は唖然。ところがこの父親と代官と油屋はかつての仲間同志。恥を知った父親は自殺。怒り狂う弟。男と女の運命は。御老公、曾根崎舞台に大活躍。
同じ屋号の茶道具屋が向い合って本家、宗家と名乗って敵対していた。この茶道具屋を紹介された老公が迷う。先代の死後、後継が決まらずこの始末という。本家の娘と宗家の若旦那、困った事に恋人同士。その娘に惚れた城代側役を利用して店を乗っ取ろうとする宗家の悪漢番頭。どっこい老公の千里眼は鋭く光る。堺の町で一行の大活躍。
老公一行辻斬りの噂を聞くや、辻斬りに襲われる。斬られた八兵ヱを介抱する為、泊めて貰った家が有名な刀鍛冶の家。城主の若君に納める刀を二人の息子が後継目指して製造真最中。後妻である妻は連れ子を後継にと躍起。八兵ヱは下手人を捜し当てるが、何と刀蒐集狂の国家老。様々なる情と欲のからみ合い。それをほぐす御老公。
老公一行正体不明の虚無僧と出会う。この虚無僧、次々と大商人を斬り殺す。そして、虚無僧と連絡を取り合う不審な城中の女、金物屋の主人、そして、もう一人の虚無僧。彼達の目的は如何。不審に思った老公、弥七を城中へと送り込む。彼達の頂上の敵は何と国家老。国家老と商人達には悪質な過去が-。塩の名産徳島での、大活躍。
旅先で死別した男に渡された珊瑚の恵比須。これを母に渡してくれと頼まれた格。所が、この母親盲目で格を息子と間違える。この家代々網元。ところが悪代官と手を組んだヤクザ者の食い物となっている。格、男一番、何とかしようとするのだが-。一行は格の持つ金を当てに大散財。挙句、助は格の敵方の用心棒。土佐舞台の人情噺し。
旅先で父母を捜す少女に出会う。父は紙問屋の主人。居処を発見するのだが、紙密売の廉で奉行所へ。しかし、真相は家老の悪業の証拠を握っていたのだ。証拠を握っている者がもう二人。あの九郎太、藤吉。その弱みにつけ込み、家老に老公を殺害するよう強請。そして、少女がさらわれた……。紙の名産岩国で老公一行の大活躍。
つまらぬ事から格さんと喧嘩して夜の下関に飛び出した助さん。八兵衛とふぐ料理屋でヤケ酒。そこへお忍びで現われたのは長州藩の姫君。だが姫君は助さんの前から連れ去られてしまう。犯人はふぐ料理屋の父子。恩人の命を救う為にやむを得ず非常手段に。忠臣を無実の罪に陥れた奸物を御老公一行の手助けで姫君が裁く。
助さんが惚れた博多芸者は仇持ち。放火を失火と裁かれて、欠所となった廻船問屋の娘である。放火の真犯人を探すうとやっきになる妹を、恨みを忘れろと悟す兄は、博多人形造りに精魂を傾ける。だが兄妹の正体を知った真犯人の廻船問屋と奉行は兄妹を狙いにかかる。私腹を肥やす為に手段を選ばぬ悪者共を老公が裁く。
騙されて海賊船に乗せられてしまった老公とお新。海賊の首領は女。キリシタン信者の開き直った姿だ。ところがこの船に老公のそっくりさんが。さらには女海賊の妹の許婚者も乗り合わせている。老公の正体を知った女海賊、そっくりさんを利用して一計を案じるが……。命掛けの恋人達の為に、御ご老公が情ある計らいをみせる。
島原の乱以後、半減された年貢を、再び元に戻そうとする代官とそれを阻止しようとする村人達。そんな時、村人達の指導者が銃で撃ち殺される。犯人は数年前に死んだと云われる、村人の味方の筈の鉄砲の名人か。代官の企みでばらばらにされた村人達。非常なやり口に憤怒した御老公、悪代官とその一味に正義の鉄槌を下す。
細川藩のジャジャ馬姫と、馬にかけては名人級の厩中間と行き会った老公一行。藩内では家老が実権を握り、私腹を肥やしている。事情を探る一行に迫る九郎太の魔手。中間が秘かに馬術を教えている若者は前馬術指南役の息子で、家老一派を父の仇と狙っている。競べ馬の日、一行の力を借りた若者が、天晴れ仇討ち本懐を遂げる。
細島の港でトビ人足の元締の女房を、大庄屋に妾奉公させようとする養父の手から救った弥七。元締の昔の恋人である娘が現れた事から生じた三角関係に巻き込まれてしまう。御老公もこの色恋沙汰は持て余し気味。だが、命をかけた夫婦の堅い絆を知った時、娘は自ら身を引く。寧ろ、清々しい思いを胸に湧き上がらせて……。
薩摩藩に入った老公一行、九郎太や城代の妨害に遭いながらも島津侯に面会し、誤解を解く。城代は自刃。お新も藤吉を倒し、父の仇を討つ。任務不首尾に終った九郎太も自害。江戸に戻った老公、柳沢吉保を隠居に追い込み、事件に終止符を打つ。留守中に格さんには男の子が。弥七とお新もどうやらうまく行きそうな雰囲気だ。