インタビュー第4弾 藤重政孝&久保翔スペシャルトーク
── 隊長のお兄さん役の、弘道お兄さんについての印象を伺いたいのですが
【藤重】兄さんは確か「特撮物にでるのに憧れていた」って言ってたよね。
【久保】言ってましたね。
【藤重】やっぱりいつも笑顔で、現場がホワッと温かくなりますね。設定的にも実年齢でも自分より年上の兄さんが来てくれて、ちょっと心が楽になることもありましたよね。だから違和感なく兄役として僕も演じることが出来ました。それと飛鳥(伊藤綺夏)ちゃんはかわいいですね~。あまりにもかわいすぎて、娘には欲しくないですね(笑)。かわいすぎて困っちゃいます。絶対箱入りにしちゃうと思いますよ。でも賢い子でした。
── タツヤは飛鳥と絡むシーンも多かったですね
【久保】確かに僕と飛鳥ちゃんは一緒のシーンも多くて、一緒に行ったロケでは撮影の待ち時間、二人でずっと話してました。
【藤重】どういう話をしてたの?
【久保】僕はずっと聞き役で、小学校の話とか・・・・・・「学校の男子がこうなんですよー」「あ、そうなんだ」とか(笑)。
【藤重】入りたいわ、その会話~!(笑)
【久保】本当にかわいいですよね。ユウマ(川田祐)くんもツバサ(福山一樹さん)もあの可愛さは大絶賛してました。
── 逆にタツヤは大河博士とはあまり絡むシーンは少ないですね
【久保】そうですね。でもすごく役者としても人間としてもしっかりした方で、人としてとても頼れる方でした。芝居の上で共演することは少なかったですけど、撮影現場でご一緒させていただいたことは割とあったので、人間としての大きさを感じました。
── 藤重さんはサブタイトル・コールもされていますね
【藤重】すごい、よく判りますね。うちの親や妹は気がつかなかったですよ。ファンの人からも「そうだったんですか」って言われることが多くて、誰も気づいてないと思ってました。でも、僕はやりたかったんですよ。昔からアニメや特撮のヒーロー作品のサブタイトル・コールに、なんか憧れみたいなのがあったんですよ。1話の監督の岩本さんからも「やってみて」って言っていただけたので。
── では、特に隊長として言っているわけではないのですね
【藤重】違います。完全に素といいますか、一ナレーション的な感じで言ってます。隊長ぽくというディレクションも全然無いですし。
── 『レスキューファイアー』は子供向け作品なのですが、そこで意識していることはありますか?
【藤重】制作発表会でも話したんですけど、キャスト、スタッフ含めて、本当に夢を売っている仕事だと思うんですよ。フィクションなんだけど、それをみんなマジメに取り組んで作っていて。僕らは夢を持ってそうした仕事をしている訳なので、その夢さえ絶やさずに演じていれば、絶対夢が子供たちに伝わると思うんですよ。子供たちは本気で思いますからね。「レスキューファイアーに入隊したい!」って。それこそ子供のころに描ける自由な夢だったりもするので。そうした夢をみながら、持ち続けながら1年間演じ続けられるように意識してます。
【久保】僕が意識してるのは、子供にマネして欲しくないことはしないようにすることですね。お話を面白くするために、僕らなりに色々と演技プランを考えるんですが、それが結果として行儀の悪い仕草になってしまったことがあったんですね。15話でジュンとのジェスチャー対決みたいな形のシーンで、僕が渡したお茶碗をユウマ先輩が立ったまま受け取ってそのまま食べるっていう芝居をしたんですね。僕らはその時は意識は全くなかったんですけど、立ち食いは行儀が悪いのでは?というご意見が観ている親御さんから寄せられたんです。それを見て、こういう作品では単純に面白さ優先だけで演じるのは良くないなと思ったんです。むしろ子供にマネして欲しい、親御さんも安心して観てもらえる作品になれるように意識してますね。
── この作品の観てもらいたいところを伺いたいのですが
【久保】僕はタツヤを演じさせてもらっていますが、一般的に観てタツヤって変わってると思うんですよ。自分の感じたままに行動するっていうタイプじゃないですか。タツヤなりに多少はガマンしたりはしてるんですが、かなり感情のままに動いていると思うんです。それは普通の大人なら絶対にしないことで、実際全部を感情のままに行動するのは善し悪しなんですけど、ただタツヤの行動を観て、そうした素直な気持ちを持ったまま大人になって欲しいです。番組を観ることで、少しでもそうしたイメージを心のどこかに持ってもらいたいです。観てもらいたいのはそこですね。
【藤重】特撮ヒーロー作品ということで、善悪がハッキリしている部分が大きいんですけど、実は物語の終盤でちょっと自分でもみていて善悪が判らなくなるような展開が待っているんですよ。そこへどう話が繋がっていくのかをみてもらいたいですね。現代社会に訴えかける強いメッセージを持った番組なんだなと改めて感じましたので、ラストへ向かってどのようになってゆくのか楽しみにして欲しいと思います。
── 今後の見どころなども含めつつメッセージをお願いします
【藤重】1年間もあると「オレってこういうバックグラウンドだったんだ!」と思うようなことも結構あって──「オレは爽やかサヤカちゃんがすきだったんだ」(22話)とか(笑)、みんなそういうのをそれぞれ越えつつやって来たわけですが、放送されたら作品は視聴者のものであって、色々な受け止め方があると思うんです。打ち出しているテーマは一つなんですけど、観た人それぞれの感想があると思うんですよ。親子で観ている方が多いと思うんですが、ただ観るだけでなくて、作品のテーマを巧く親御さんの言葉で子供に伝えてあげて欲しいです。そこから親子の会話に繋げて欲しいですね。・・・・・・良いこと言ったね(笑)。では最後に久保くんがもっと良いことを言ってまとめてくれます。
【久保】!・・・・・・一年物のドラマに出演して僕が一番思ったのは、映画と違ってシリーズ全体の結末が判らない中で作って行かなきゃいけないことだったんですね。先が判らないので自分の中で計算みたいなことが出来ないんですね。今隊長が言われたように「タツヤにはこんな設定あったんだ!」みたいなこともありますし(笑)。それが逆に魅力でもあって、そうした積み重ねがあった上で最終回があるんですよ。だからタツヤだけでなく、他のみんなもどういう風にラストを迎えるのか?そこを期待して欲しいです。・・・・・・隊長の言葉にはちょっと負けたな(笑)。
【藤重】巧くまとめると、隊長も隊員も、そしてスタッフも『レスキューファイアー』に関わったことで人間的にも成長しましたね。端で見ていても久保くんの成長ぶりが判りましたし──また褒め殺しですけど(笑)。こういう作品に携われたので、子供たちへのメッセージを続けていきたいと思ってます。