11月15日公開の映画、「わたしは光をにぎっている」から、主演の松本穂香さんと監督の中川龍太郎さんにお話を伺いました!
――まず、お二人に伺います。モスクワ国際映画祭の招待作品である今作。完成し公開を控えた今のお気持ちをお聞かせください。
ちょうど去年の今頃撮っていて、こうやって完成して世間に送り出せるのはうれしいですね。
映画のロケ地の銭湯は閉店が決まってもうないんですけど、そのタイミングに偶然重なったのもご縁なのかなって思っています。
――松本さんに関しては初の国際映画祭の招待作品になったわけですが…。
海外映画祭に出品する作品に携わることが夢でしたのですごくうれしいです。
あの空気感を楽しみながら作品を作っていくことができたのかなって思います。
――下町の風景、おじいちゃんおばあちゃんの雰囲気などとても印象的でした。
中川監督はどんな思いをもってこの作品を撮られたのでしょうか?
日本の古き良き風景というか…今、区画整理などで街がどんどん生まれ変わっていて。それが悪いってわけではないんですけど、「映画を通して見たどことなく懐かしく感じる場所や裏路地などが、今はもうないんだよ」っていうのを感じてほしくて。余韻っていうんですかね。失われていく景色を残せたら、って思いました。
――松本さんは、主人公・澪を演じるにあたり「あえて作りこまなかった」とのことですが、大阪から出てきた時のご自身と重なる部分はあったということでしょうか?
そうですね、声が小さいところとか(笑)人見知りなところとか、口数が少ないところとか…(笑)。
「澪ちゃんは自分のことを話せないんじゃなくて話さないんだよ。そうすることで自分を守ってるんだよ」っていうセリフがあるんですけど、言われたときは結構自分自身にぐさっと刺さりましたね。
これだけでなく、随所に結構心に来るセリフがたくさんあって…自然と表現できましたね。
――監督から澪について「こんな感じでは」と言われたときに「澪は私です」と答えたみたいですね(笑)。
それね!(笑)いまとなっては結構尾ひれついてるよね(笑)。
決して強めに言われたわけではないですからね(笑)。
すみません(笑)。
――ちなみにどのシーンだったんですか?
映画ではなく、スチール撮影の時でしたよね。
そうそう。動きで表現するときよりも、静止画・スチールで表現するほうが難しいというか。本当に役を自身に落とし込んでいないと撮れないので…そこは本当に松本さんでよかったと思っています。
――では最後に視聴者の皆さんに見どころを含めて一言お願いします。
この作品は「10年後にはもしかしたらなくなっているかもしれない風景を撮りたい」と思い、作りました。
また、現代版の「魔女の宅急便」といいますか…新しい場所で、いろんな経験をしながら自分の居場所を見つけ、もしくは作っていく…。
見た後の余韻も楽しんでいただけたらと思います。
監督がそこまでおっしゃったからもう言うことない…(笑)。
澪を演じることができて本当に幸せでした。演じるというよりも、「等身大でいた」の方が正しいのかもしれませんが…。
きっと皆さんの心の中にもなにか響くものがあるのではないかな、と思っています。ぜひ劇場でご覧ください。
私も公開に先立ち一足早く見せていただいたのですが、映画の中の風景がどこか懐かしく…。でも今はもうないんだと監督から伺ったときには心がチクリとしたような感じがしました。
今も当然あるものだと思っていたものがもうない。でも前を向いてしゃんとする。
まさにこれだなと思いました。ぜひ劇場でこの感覚を味わっていただけたらなと思います。
映画「わたしは光をにぎっている」は11月15日(金)公開です。