名古屋の夏のビッグイベント、にっぽんど真ん中祭りの季節がやってきた。今年は175チーム、2万人の踊り子が参加するという。私は2年前から大須笑店街☆21というチームの一員として踊っている。
「今年も踊るの?相澤くん」
「当たり前だよ、前田さん」
「えっ、何?呼んだ?」
「あ、前田さん・・・。ウチにはいたんだっけ、前田さん・・・・」
前田さんがいるいないにかかわらず、今年私が踊ることについては、軽々しく「当たり前だよ、前田さん」と言っている状況ではなかった。私はこのどまつりをゴールデンタイムで2時間半生中継する番組のMCを務めることになっていたのだ。MCに決まったときは正直今年は踊るのはあきらめようと思っていたが、プロデューサーは逆に「踊れ!」と命じたのだった。そのほうがずっと思い入れのある番組になるというのだ。その結果私は大須笑店街☆21の演舞の直前にMC席を抜け出して、ステージで踊り、また急いでMC席に戻るという荒業に挑むことになった。
トークして、踊って・・・・これはもうアナウンサーの域を越えている。SMAPに近付いたと言ってもいいだろう。「これはおまえのための番組だぞ」なんて言われたりもした。
でも人間には2種類ある。そんなことを言われてノリノリになる人間と、死ぬほどプレッシャーを感じてしまう人間だ。ノリノリorDIE。私ははっきり後者である。
つづく