またまたグループ絆の話である。我々の存在はだいぶ世間の皆様にも知られてきたみたいだ。世間といっても主に社内だけど。先日も会社の先輩に声をかけられた。
「また一緒に遊んでんの?あの、何とかっていうグループで・・・」
「絆ですっ!」
「そうそう契りね」
・・・・何で絆って言ってるそばから契りになってしまうのだろうか。本当に人の話を聞かない人というのはいるもんだ。私たちは絆だ。決して契ったりしない。一部の人からは「不毛なグループ交際集団」などと揶揄されたりする平均年齢33歳の仲良しグループだ。
メンバーの一人、編成部・山川(♀)が先月、誕生日を迎えた。当日の夜、ディズニー好きの山川のために我々はディズニーキャラクターに扮装して山川邸に突入した。そしてびっくりしている山川の周りをグルグルとパレードし、ディズニーランドのパスポートをプレゼントしたのだった。
コスチュームは一着あたり一万5千円。それが7人分だから、そのお金を集めてプレゼント代にあてていたら相当いいものが買えたはずだが、モノより思い出。プライスレスだ。
それに女性たちはシンデレラや白雪姫、眠れる森の美女に扮してかなりご満悦の様子であり、山川の誕生日にかこつけて自分たちの願望を叶えたようなところもあった。
ディズニーランドには山川だけでなくみんな一緒に行くことになっていたのだが、この扮装で乗り込もう!と悪ノリする輩も現れた。いや、むしろみんなそのつもりになっていたと言っていい。ただ一人を除いては。
その一人とは他でもない私である。私だけは今回のコスプレをエンジョイしきれずにいたのだ。
読者の皆さんはこの格好が何だかわかるだろうか?
グーフィーなんだよ!これでも。
もう一人の男性メンバー、山崎が着用したドナルド・ダックのコスチュームは、かなりうまく出来ていた。おしりの大きいアヒル体型をちゃんと表現しており、帽子のつばもクチバシになっていて、その上にあの縦長の大きな目もついているのに、私のグーフィーは黄緑色の食パンみたいな帽子の両脇に耳がダランと垂れているだけで、あの特徴的な目や口はまるで表現されていないのだ。
さすがにこれでは何だかわからないだろうと製作者も判断したのだろう、帽子の正面には大きく「GOOFY」という刺繍が施されており、それを見てやっと「ああ、じゃあグーフィーなんだね」とわかるという非常にレベルの低い出来なのだった。
山川邸への突入の時だって、最初は私が先頭でスタンバイしていたのだが、こんな扮装の男が先頭だと何のパレードだかわからなくなってしまう恐れがあると他の人に代わってもらったのだった。案の定山川にはパレードが終わっても「何かディズニーのキャラクターらしい」という程度しかご理解頂けなかったのである。
インターネットで注文する前に写真でチェックしなかった自分のずぼらさを呪うばかりだ。あーあ、ドラえもんがいたらなあ・・・・。
つづく