英会話教室で年配の女性の生徒さんがスタッフに大きな封筒を渡していました。
「私趣味で絵手紙を描いていてるのよ。この前描いたヤツをベン先生にプレゼントしたいんだけど、ベン先生日本語わからないだろうから、あなた英語に訳してくれない?」
「それなら大丈夫です。ベンは日本語ペラペラですから。奥さん日本人ですしね」
「えええええーっ!騙されたああ!全然しゃべれないフリしてー!」
英会話教室だから日本語しゃべらなかっただけだと思います。
騙したなんて言われてベンも気の毒です。
そんなやり取りを聞きながら、私はある結婚式で見た外国人神父さんのことを思い出していました。
例の「クルシイトキモ~、ヤメルトキモ」と、とてもたどたどしい日本語で宣誓の儀式を進めていたのですが、途中で咳が止らなくなり、しばらく咳き込んだあと、ものすごく普通に「すいません」と言ったのです。
カタカナではなくひらがなで「すいません」と書くのがふさわしい感じ。
たった5文字ですが、本当は日本語ペラペラだということを雄弁に物語っていました。
この時は私も「騙されたああ!」と思いましたよ。