結婚式のあと、グアムで最も有名な景勝地の一つである恋人岬に行くことになった。
私とTさんの男二人連れでそんなところに行ったら社内でどんな噂が広まるかわからないので、大久保と宮田の二人も誘った。
望まぬ結婚をさせられそうになった娘が、恋人と互いの髪を結び合ってこの岬から身を投げたという伝説から恋人岬と呼ばれているそうだが、それだったら、恋人岬というより心中岬と呼んだ方がより端的にこのエピソードを表せるのではなかろうか?
Tさんは恋人岬のサンセットをビデオに収めようとしていた。
Tさんは結婚式の模様をビデオで撮影していたのだが、その記念VTRに挿入するための映像である。
ただ夕日が沈む様子を写していてもつまらないので、私と大久保が水平線の向こうに夕日が沈む中、いいムードになっているカップル役として出演することになった。
男が女性の背後から両手を回して優しく抱きしめている様子を演じたつもりだったが、後で映像を見たら全然違っていた。
私の両手の位置が大久保の首の高さだったために、絞殺しようとしているようにしか見えないのである。
恋人岬が火曜サスペンスに出てくる日本海の断崖絶壁と化していたのだった。
慣れないことはするもんじゃないね・・・・。
この写真は私しか写ってません。