帰りはスカイレールという世界最長のゴンドラに乗って、熱帯雨林を上から見下ろしながら下山する。
日本人のカップルと乗り合わせるハメになった。
女の子は高いところが苦手らしく、顔をハンカチで覆い、か細い声で彼氏に「窓は開けないでぇ」と懇願していた。
窓を開けないといい写真が撮れないんだけどなー、と思いつつ、元々少しだけ開いていた細~い隙間からカメラのレンズ部分だけ出して写真を撮ったのだった。
「何で関係ない俺までこんな肩身の狭い思いをしなくちゃいけないんだー!」と若干腹も立ったが、おかげで「彼女の面倒見るのも大変だなー。その点一人旅は気楽でいいなあー」と一人旅の素晴らしさを改めて実感することができたのだった。
・・・・・まあ、負け惜しみですけど。
おしまい