おとといは洋食でピザやハンバーグ三昧、きのうは中華。食欲の秋に身を任せていたら大変なことになりそうだ・・・と思っていたら、スポーツ部の山根から「肉食いに行きませんか?」と誘いの電話。きょう休みだった山根はスポーツジムでたっぷりと汗を流し、かなり腹をすかせているという。しかしこっちは最近運動不足でもあり、三日続けてこってりディナーは避けたかったので、「焼肉は遠慮したいが、モツ鍋ならば」と答えた。大して差がないように感じるかもしれないが、モツ鍋は15年ぐらい前にブームになったときは、ローカロリーな食べ物として紹介されていたはずだ。
席につき、モツ鍋とサラダを注文する。カプサイシンダイエットも辞さない覚悟で「ピリ辛サラダ」である。しかし、口にしてみると思いのほか辛く、早々にカプサイシンダイエットは断念せざるをえなかった。何か他のものでヘルシーさを補わなくては。そうだ、豆腐だ。モツが煮える前に、フライング気味に鍋の中の豆腐に手をつける。
「相澤さん、もう食っちゃうっすか?」
「豆腐はいいんだよ。山根もジムに行ってきたばかりなら、肉より豆腐食べなきゃ。筋肉つけたいなら大豆のタンパク質が一番だよ」
「大豆は畑の肉っすからね」
「筋肉は畑で作れ!ってことだな」
「筋肉は畑で作れ!」思いつきで口にしたわりに、なかなかいいフレーズだったので、もう一度言ってみた。山根が「勉強になりますっ」などと気持ちのいい合いの手を入れるので、さらにもう一度「筋肉は畑で作れ!」と繰り返した。くどいのは酔っている証拠。すでに芋焼酎もいい感じですすんでいたのだった。モツ鍋のスープのオレンジ色と、芋焼酎のボトルの黒でテーブルの上はハロウィン色に染まっており、ちょっとしたパーティー気分だ。鍋の中ではモツたちがグツグツとダンスを踊っている。あれ?モツってこんなにスープに浮かぶものだっただろうか?かなり脂身が多い。ぶくぶく白い脂身はまるでカリフラワーのようだ。こんなに内臓に脂肪をつけちゃダメだよなーと言いつつ、二人で5人前を食したのだった。