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ボルネオ ネイチャーリゾートの旅 その5

Kif_0619_1   もっと野生動物に遭いた~い!その晩、またホテルのすぐ裏にある熱帯雨林に出かけた。夜行性動物観察会があるのだ。

熱帯雨林に入って2分ほど歩いたところにベンチが用意してあった。その前の林の中にスタッフがエサを撒き、懐中電灯で林の中を照らす。参加者は座って息を殺し、その光の先に野生動物を捜す。

Kif_0618木の上に野生の猫がいた。普通の猫よりふた回りぐらい大きい。しかし、そのまま眠ってしまったらしく、動かない。

1時間20分たった。空白の時間である。何も現れない。あっ、チョロチョロ走るものが・・・。ネズミだ。

結局、この晩はこれだけしか見ることができなかった。ボルネオまで来て、猫とネズミである。

翌朝、また熱帯雨林へ向かった。今度は小高くなっている熱帯雨林の頂上まで登り、海へ抜けるジャングルウォーキングツアーであるKif_0616。頂上までは30分の道のりだった。頂上には櫓があり、遠くキナバル山まで見渡せた。絶景である。

それにしても上から見るとホテルのロケーションはつくづく素晴らしい。熱帯雨林と海と川に囲まれているのである。ただホテルの隣だけ熱帯雨林のこんもりとした濃い緑ではなく、芝の淡い緑になっているのが気になった。ゴルフコースである。あそこも熱帯雨林のままだったら、もっと野生動物に遭えるはずなのにと思った。このジャングルウォーキングツアーでも、めぼしい野生動物はセミぐらいしか見られなかったのだ。日本にはいない真っ黒なセミと小指の先ほどしかないセミだったから、嬉しいことは嬉しいけれど、ボルネオまで来てセミである。

ホテルに戻り、レストランで休んでいたら、日本人客がやってきた。朝からあのゴルフコースに出ていたらしい。

「午後はオランウータンを見に行こうや」

「オランウータンって、何だ?

「ホラ、チンパンジーの兄貴みたいなヤツ」

ああ、あれか

本当にそんな説明でわかったんだろうか?わかったとしても、この人たちは野生のオランウータンはボルネオでしか見られないということを全く理解していないのは明らかだ。なんでボルネオまで来てゴルフをするんだろうなー。私はそもそもゴルフをしないからそう思うのかもしれないが。

熱帯雨林ばかりに出かけたので、最後にちょっとだけビーチに出た。このホテルのプライベートビーチでは乗馬ができるのだ。たまたま乗った馬が白馬だったので燃えた。砂浜で白い馬に乗ったら、人は将軍になりたくなるものである。

Kif_0630 「はいやっ!」

リゾートビーチに似つかわしくない掛け声を出して、馬を走らせる。頭の中であの曲が何度もリフレインする。

♪チャーラー チャチャチャー チャラ チャチャラー

ボルネオの旅のエンディングテーマが、暴れん坊将軍のオープニングテーマになってしまった。

そして、尻にはかなりの痛みが残った。元々ヘタッピーなうえに、久しぶりの乗馬だったので、激しく何度も鞍に打ちつけていたのだ。この尻でエコノミークラスのロングフライトに耐えられるだろうか?大きな不安を胸にホテルをあとにした。

おしまい

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