尾道3部作をご存知だろうか?大林宣彦監督の映画「転校生」(1982年)、「時をかける少女」(1983年)、「さびしんぼう」(1985年)の3作品のことである。いずれも大林監督のふるさとである広島県尾道市が舞台になっている。
その尾道へ行くことになった。メンバーは私と、スポーツ部・山根(♂)、広報部・大久保(♀)の3人である。私と山根は昔から尾道3部作のファンであり、私はすでに2度、山根も1度、尾道を訪れたことがあり、折に触れ2人で尾道の素晴らしさを大久保に吹聴した結果、3人で行くことになったのである。
チーム名も決めた。「チーム・さびしんぼう」である。尾道3部作の中でも私が最も愛している「さびしんぼう」から取ったものであるが、大久保から「ぴったり過ぎてイヤだ」という声が出た。
確かにこの3人は、30代半ばでまだ配偶者も、配偶者候補もおらず、ひとつき後に迫ったクリスマスもどうしようかと途方にくれている「さびしんぼう」である。自らさびしんぼうと名乗ることで侘しさが余計つのるという主張もわからないでもなかったが、かといって「チーム・転校生」ではよそもの感があるし、「チーム・時をかける少女」では中年3人組にあまりにも似つかわしくない。やはりここは「チーム・さびしんぼう」しかないのである。
つづく