尾道は海からちょっと歩くとすぐ山になる。標高136mの千光寺山にのぼるロープウェイから見る街は、滑り落ちないように山の斜面にしがみついているようだった。寺がやたらに多いのは瀬戸内海を航行する船の安全を祈願して、豪商たちが競って寺を建立したからである。山頂の展望台から瀬戸内海を眺めたあと、お土産屋さんで「尾道三部作ロケ地マップ」を入手した。ここからはいよいよロケ地めぐりである。
まず千光寺山で、「転校生」の主人公2人が不良にからまれた岩場をチェックする。「不良にからまれた岩場」・・・・興味のない人にとっては「何じゃ、そりゃ!」だろうが、ファンとしてはここは見逃せない名所の一つである。
そのあと再びロープウェイで山を下り、麓にある「うしとら神社」に向かう。ここは「時をかける少女」が時をかけて過去に降り立った場所である。そんなシーンにピッタリの、楠の巨木群がうっそうと繁った神社である。またまたわれわれのカメラ心が激しくくすぐられた。3人とも映画でも撮る気?というぐらいいろいろと構図に凝っていた。楠の大きさを表現しようとしゃがんで下からカメラをのぞくたび、ヒザがガクガクした。朝の自転車のダメージがまだかなり残っていたのである。
疲れた体を癒すのはやはり、甘いものである。尾道三部作にも再三登場している「茶房こもん」でティータイムだ。ここのワッフルも全国に名が知れ渡っている。
メニューを見ると、バターワッフルにプリンとコーヒーがついたセットがあった。普段はほとんどプリンなどというものを口にすることはないが、わざわざお得なセットにしてくれたので頼んでみることにした。正解だった。絶品である。この味をどう表現するか?デザート部門ということで、女性である大久保に最初の感想を求めた。
「まいうー」
がっかりである。山根からも激しい叱責の声が飛んだ。
「・・・・最悪。お前のリポートからは何も伝わって来ねーよ!」
いつのまにかリポーターにされていた。たとえカメラは回っていなくても、テレビマンたるもの、常にオンエアに乗っても恥ずかしくないコメントを心がけるべきだということだろう。
私なりにリポートすると「プリンは絹漉しのなめらかな舌触りで、バニラ風味というかクリームのような優しい甘味、ソースにレモンが少しかかっていて、とてもさわやかな後味が残る。そして薄焼きのワッフルは表面がさくっとしていて、中はふんわり、バターの塩味とメープルシロップの甘さのバランスが絶妙」というところだろうか。
プリンとワッフルで血糖値を一気に上げたところで、「尾道3部作」の中でも最も有名なあの階段へと向かう。次回「上がって来いヤス!決死の階段落ち」にご期待ください。
つづく