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≪ チーム・さびしんぼう 北陸ツアー その4 | メイン | 2006年 4月の日記 ≫

チーム・さびしんぼう 北陸ツアー その5

Kif_0833 「かに食いたいっす」

山根の一言で始まった今回の旅。いよいよ越前海岸の料理旅館でカニのフルコースが始まった。かなりのお値段であったが、今回は山根のお別れツアーなので、「山根のカニ代は俺が持つ!」と宣言していた私。山根に「高いんだから、しっかり味わって食べるように。身をチューチュー吸いすぎて口から血 が出るくらい、カニに血の味が混じるくらいまで味わい尽くすように」と厳命した。奢るときもせこさを漂わす私だ。

高級ブランド蟹の証、黄色いタグがついた大きな越前かにたちがどどーんとテーブルの上を占拠する、まさにカニのカーニバル。思わす韻を踏んでしまうほどのカニ尽くしだ。刺身や鍋も合わせると、一人あたり3匹くらいカニを食すことになりそうだ。Kif_0822

「こ、これは・・・・」

口に入れたらやっぱり絶句。♪おいしくって~おいしくって~言葉に出来な~い。「今、俺確実に親よりうまいもの食ってんなー」と、申し訳なさまで覚える。37年間生きてきたが、そんなこと思ったの初めてだ。それぐらいうまいのだ。

仲居さんが入れ替わり立ち代り現れ、バリバリと甲羅を割ったり、脚にハサミで切れ目を入れて、カニを食べやすい状態にしてくれる。そして、その都度「おいしい?」と我々に尋ねる。相当カニが自慢のようだ。あんまり何回も聞かれるので、少々うるさくなってきたけれど、我々3人のために9匹ものカニが命を落としているのだ。念仏代わりと思って、毎回「うまいっす」と応えた。

しかし、それもだんだん難しくなってきた。量が多すぎるのだ。食べても食べても減らない。カニマラソンの様相を呈してきた。もう口からハサミが出てきそうである。結局、食べきれず、鍋は翌日の朝食に回してもらうことにした。

「さーて、腹ごなしに歌っておきますかー」

旅館の中にあKif_0820るカラオケスナックへ。他に客もおらず、3人で歌い放題である。

まず大久保が「蒼いフォトグラフ」を歌った。松田聖子さん風に歌っているのだが、語尾のビブラート以外はどうも南野陽子さんに聞こえるのがとても不思議だった。松田聖子と南野陽子って、「子」しか合ってないじゃん!っていうか共通点何もないじゃん。

続いて私が「瑠璃色の地球」を歌う。宿へ来る途中の車の中で松田聖子ベストを聴いていた我々。「私の好きな松田聖子ベスト3」という緊急アンケートを実施したところ、驚くべきことに3人とも「蒼いフォトグラフ」と「瑠璃色の地球」がランクインしていたのだ。渋い選曲で一致をみたことに、我々はまた絆の深さを確認したのだった。

カラオケボックス気分で切れ目なく歌いつづけていたら、スナックのママが「一人3500円でいいわ」と言い出した。

「あなたたち、何だか私の子供みたいなんだもの」

子供だって。まさかこの年で若さがウリになるとは思わなかった。張り切って新し目の曲にシフトする我々。浴衣に丹前姿でHIPHOP。ケツメイシメドレーだ。

するとママさんは「一人3000円」まで値下げしてくれた。本当は一杯2000円もとる店らしいので、かなりのサービスだ。ママさんのお子さんに感謝しなくては。で、そのお子さんはどんな人なのかしらん?

「この間娘の誕生日で本人から電話してきたんだけど、もう40歳になったって・・・」

40かよっ!年上に見られてたのか。決して若さがウリになったのではなかったのである。

その後もママさんは曲が終わるごとに「旅館の人には内緒よ」「本当は一杯2000円なのよ」「子供みたいなんだもの」を繰り返した。さきほど仲居さんたちに「おいしい?」と繰り返し聞かれたこともあって、「福井県の人はいい人だけど、ちょっとしつこい」という印象を持ってしまった。

しつこいといえば、我々の歌も然りだ。カラオケスナックであれだけ歌ったのに、引き続き大浴場でも他に誰もいないのをいいことに大声で中村雅俊メドレーを始める私と山根。「俺たちの旅」「心の色」「恋人も濡れる街角」。カラオケスナックなんかよりずっと声が響いて気持ちがいい。ただカラオケと違って歌詞が出ないので、「恋人も濡れる街角」を歌っていても、何度も♪触るだけで感じちゃう~という歌詞が出てきた。本当は一回しか出てこないはずなのに。それでもフルコーラス歌いきった。酔っ払いの言い草そのものだが、今となっては「どうやってたどり着いたのか、まるで憶えていない」

一方、大久保は、女湯でスナックのママさんと一緒になっていた。ママさんは店をしめて家に帰る前に、いつも風呂に入っていくらしい。そして風呂の中でも引き続き「本当は一杯2000円なのよ」というフレーズを繰り返したそうだ。

翌朝、朝食を食べに宴会場へ行って驚いた。昨晩残した鍋だけ食べればいいと思っていたのに、通常の朝食も並んでいたのである。通常の朝食と言っても、味噌汁にはどどーんとカニが入っていたりして、ボリューム感たっぷりなのだ。昨晩の食べ過ぎでちっともおなかが減ってないのに、この量。そしてまた繰り返される仲居さんたちの「おいしい?」攻撃。確かにうまいよっ!うまいから残せないんだよっ!どう考えたって多すぎるだろ!という気持ちは口に出さず、昨晩同様「うまいっす」と応えていたら、仲居さんから信じられない言葉をかけられた。

「あんたも好きねー」

ええーっ!加トちゃんー!?・・・・・こっちがこんなに苦しい思いをして無理矢理詰め込んでいるというのに、「あんたも好きねー」って欲望丸出しみたいな扱いしやがってー。戦意喪失。一気にペースダウンだ。鍋の中の雑炊はもう残してしまおう。すると今度は雑炊を作ってくれた仲居さんが言う。

「私の作った雑炊、まずかった?」

うわ~ん、もうっ!めんどくせええーっ。食べますよ~。・・・・・何かもうカニリンチみたいだ。確かにうまいカニだったと思うが、あのカニの味を思い出そうとすると、先におなかの苦しさが蘇ってきてしまう。本当に当分カニは遠慮したい。

宿代は私の予想をかなり上回っていた。十分な予算を財布に入れてきたつもりだったが、とても山根の分まで払いきれない。結局大久保にも出して貰った。それでも私の財布には1050円しか残らなかった。

おしまい

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「犬のジュース屋さん Z」

【好きな言葉】
「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」(寺山修二)
「しゃかりきコロンブス」(光ゲンジ)

【担当番組】
ニュースデータで解析!サンデージャーナル、特番など

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