「これでいいんだっけ?」という自問自答の連続で、不安だらけの初ドライブであったが、意外にスムーズに出発から一時間45分ほどで知多半島の先端までたどり着いた。右側には海、恋人たちが集う野間灯台、巨大エビフライで有名なまるは食堂旅館。野間灯台には全く用が無かったが、まるは食堂旅館にはかなり心ひかれた。13、4年前、取材で伺ったときに頂いたシャコの味噌汁の味がいまだに忘れられない。それにここには温泉も併設されていて、湯船につかりながらの眺望も素晴らしかったはずだ。
でも行けなかった。だって右側にあるんだもの。右側にあるということは、道路を横断しなければいけないということである。たったそれだけのことが何だか怖かったのである。
しかし、もう1時だ。腹も相当すいてきた。どこかで食事がしたい。左側にいい店をはないか。いい店とは、駐車スペースに余裕があって、バックじゃなくても駐車できる店のことだ。さらに15分ほどドライブを続けたら、そんな条件にぴったりの料理旅館があった。本当に余裕を持って車を止めることができたので、私にとっては「いい店」だったが、この昼食時に駐車スペースにこれだけの余裕があるということは、それだけ人気がない店ということになる。それなりのレベルの食事しか期待できそうにない。車を降りて改めて店構えを眺め、そう感じた。
つづく