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≪ 勇気を出して初めてのドライブ その5 | メイン | 2006年10月の日記 ≫

勇気を出して初めてのドライブ その6

玄関で、食事をしたい旨を伝えるとそのまま宿泊用の部屋に通された。テレビがあったので、すぐテレビ愛知をつける。自分がナレーションを担当した番組のオンエア時間だったのだ。ボリュームを上げて真剣にテレビに見入る。お茶を運んできた仲居さんには、「ずいぶんテレビ好きなお客さんね」と思われただろう。テレビから流れているのが私の声だということは内緒である。ちょっとした秘密を抱えているというドキドキ感があった。まあ、こんな秘密打ち明けられたところで、「はあ、そうですか」ぐらいのリアクションしか出来ないと思うが。

料理はやはりそれなりのレベルでしかなかった。何より車なので、ビールを飲めないのが辛い。そして、風呂。食事した客はただで入れるのだが、これが狭いし、汚いし・・・・。一人で湯船に使っていたら、何だか罰ゲームをさせられている気分になってきた。わびしいことこのうえない。

そもそもドライブなんて一人でするもんじゃない。改めて気付いてしまった。ここまで気付かない振りをしてきたのに・・・・。話相手になってくれるカーナビとか、早く開発されないかな・・・・。

でも、それはだいぶ先のことになりそうだ。しょせん、カーナビに人間の心はわからない。名古屋への帰り道、つくづく思い知らされた。

帰り道はちゃんとカーナビを使用したのだが、車線変更がうまくできなくて、指示されたところで曲がれず、慌ててリカバーしようと思ったら、とんでもない道に迷いこんでしまい、しまいには川沿いの一本道に出てしまった。そんな心細い思いをしているというのに、カーナビは黙って見ているだけだったのだ。思わず、「おーい、何とか言ってくれー」と呼びかけてしまった。それでも沈黙したままのカーナビ。わからないならわからないで、「ちょっと待ってて」とかでも言ってくれればいいのに、完全なネグレクトである。これは本当に辛い。

何とか自力で大きな通りに戻ることができたが、その後はカーナビから「あと700mで左折」などという指示がでるたびに「ここで車線変更しないとまたネグレクトされるー」と焦って強引な車線変更をしてしまい、後ろの車にクラクションを鳴らされることになった。

疲れからミスも連発した。ウィンカーはしょっちゅう出しっぱなし、時にはハンドブレーキ引きっぱなしで走ったりもした。ハンドブレーキって引いたままでも走れるのね。

披露困憊、ほうほうのていでレンタカー店に帰ったのが夕方5時30分。運転していた時間は合計4時間30分だった。車を降りると腰が痛み、ヒザがガクガクした。腕もだるい。全身に力が入りっぱなしだったのだろう。私はこんなに辛い思いをするために、30万円、4ヶ月もかけて自動車教習所に通ったのか・・・・。

「もう少し気楽に運転すればいいのに」

翌日、会社の後輩に言われた。気楽ですと・・・・?思わず声を荒げて言い返した。

「ドライブはなー、遊びじゃないんだよっ!」

「いやいやいやいや、遊びですよ」

軽くいなされた。私にも「ドライブは遊び」と言える日が来るんだろうか?

おしまい

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「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」(寺山修二)
「しゃかりきコロンブス」(光ゲンジ)

【担当番組】
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