相変わらずのテンパリドライブに親巻き添え その1
長野県との県境に程近い、新潟県十日町市の松之山に行って来た。ここには亡くなった祖父母の家が残っており、11月3日からの連休、私の両親と妹、叔父夫婦が集まるというので合流したのだ。
名古屋から松之山までは車で行くと6時間はかかる。そんな長時間運転する自信がないので、長野までJRで行き、そこからレンタカーで松之山へ向かうことにした。これならハンドルを握る時間は2時間半くらいで済むが、それでも、免許を取ってから一月ちょっと、まだ5、6回しかハンドルを握っていない私にとってはかなり難度の高いコースだった。
長野市を抜け、まず高速道路に乗る。高速に乗るのもまだ3回目だ。入り口でうまく発券機に近づけなかったために、シートベルトを外して窓から身を乗り出すハメになった。後続の車両が待っていたので、通行券を受け取るとすぐシートベルトもせずに発進したら、ピーピーと警告音が鳴り始めた。
「もう高速走り出しちゃってますもん、手遅れですって!今、この状況でシートベルトを締める方がよっぽど危ないですって!」という訴えはまるで汲み取ってくれず、ピーピー音はドンドンドンドン激しくなっていく。うわーん!追い詰められて仕方なく、走りながらシートベルトを締めた。車がグオングオン左右に揺れた。
高速を降りたあとも追い詰められ続けた。細くクネクネした追い越し禁止の山道で、後ろからずーっと同じ車がついてくるのだ。モタモタしてご迷惑をかけてはいけない。山々では紅葉が始まっていたが、一瞥もせずに走り続けた。
ドライブの間、車内では渡辺美里さんの2枚組ベストアルバムの一枚目だけが繰り返し流れていた。走行中にCDを入れ替える余裕がないので、出発するときに一度CDを入れたら、その一枚だけがオートリバースで流れつづけることになるのだ。「マイ レボリューション」をはじめ、数々の大ヒット曲が詰まったCDだが、さほどメジャーではない「泣いちゃいそうだよ」という曲がひどく印象に残っているのは、やはりドライブ中の私の心情とシンクロしていたからだろう。
何とか祖父母の家に辿り着くと、先に到着していた母に「おお、エラかったねー」と、初めてのおつかいから帰ってきた子供みたいな誉められ方をした。いくつになっても子供は子供ということか・・・・。
つづく