やっとパーキングエリアに着いた。急げ岸本、走るんだ!・・・・ところが岸本はゾウガメのようにのっそりと車を降り、のたのたと歩いていく。
「走ったりしたら、その衝撃でやばいんじゃないか」
山崎さんが、岸本の後ろ姿を見て冷静に分析する。そういえば若干内股だ。
そして、トイレにしてはやや長い時間が経過した。
「アイツは全てを出し切ろうとしているんだ」そうみんなで爽やかに噂しあい、晴れやかな表情で帰ってくるであろう岸本を待った。
「あ、出てきた」
「ええーっ!」
車内から一斉に声があがった。岸本の表情がとても険しい。一体何があったのか?
「ふがいない戦いをしてしまいました・・・」
便器が和式だったために足がつってしまい、心ゆくまで粘れなかったのだという。
「自分のようにお腹の弱い人間がいると、他の皆さんのテンション下がっちゃいますよね・・・・」
岸本はすっかり自己嫌悪に陥っていたようだが、別に我々のテンションが下がるようなことはなく、「和式にもウォシュレットってあんのかな?」といつもどおり下らぬ会話に花を咲かせていた。しかし、そんな平和な時間は長くは続かないのだった・・・。次回「巻けチェーン!車内に響く暴れ太鼓」にご期待ください。