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金沢 絆見つけ旅 その9

車内に歌声が蘇った。

さっきまでタイヤチェーンのガガガガガガという音で掻き消されていた中森明菜さんのベスト盤がやっと聞こえるようになった。歌詞カードを見ずに歌えるヒット曲の数々。みんなで元気よく唱和する。

♪無口な女に・・・なるぅわぁあー(サンドベージ)

みんなで声を揃えて歌うとちょっと変なのだった。

敦賀インターチェンジで高速を降りて下道へ。滋賀県に入り、コンビニで休憩する。ここでサイコロタKif_1182_2イムだ。

今回の旅では最初のドライバーは私と決まっていたが、そのあとはサービスエリアやコンビニなどに駐車する度にサイコロを投げて次に誰が運転するかを決めていた。今回の旅のためにメンバー一人一人の名前が入った「人志 松本のすべらない話」風のサイコロが用意されていた。

サイコロが指名したのは私だった。よりによってこんなところで・・・・。下道は路面が凍結している恐れがあった。しかし「すべらない話」同様、すべることは許されない。

みぞれ交じりの雨が降る夜道。それだけでも私には荷が重いのに、路面の凍結は予想以上だった。

「ギアを3rdに!」

後部座席から大久保が短いアドバイスを飛ばす。

「よしっ!頼んだぞ山川」

助手席の山川にギアの操作を任せる。ギア操作のために左手をハンドルから離すのが怖かったのだ。路面の端の方が凍って黒く光っている。道も峠みたいなところに入っていく。ブレーキを使わない運転を心掛け、慎重に運転する。そんな状況だというのに、後ろの人たちは旅の疲れが出たのか、眠っていた。よく眠れるものだ。度胸がいいのか?私を信頼しているのか?眠ってたらそのまま・・・・ということだってあるのに。

1時間ほど走って、ガソリンスタンドに停める。慎重に運転したおかげで、結局最後まですべり知らずであった。

車を停めるのと同時に、みんな「おつかれさまでしたあー!!!」ととても大きな声を出した。あまりの大声にガソリンスタンドのおじさんも「何だろうこの集団は?!」とびっくりした顔をしていた。何だよ、さっきまで眠ってたくせに・・・・。

実は誰一人として眠ってなんかいなかったそうだ。後部座席には運転席以上に緊張感が充満していたらしい。みな恐怖に身を固くして静まり返っていたのだ。あの「おつかれさまでしたー」は「生きててよかったー」という叫びだったのだ。そりゃ声もデカくなるか。

ガソリンスタンドでサイコロを振り、また大久保が私のあとにハンドルを握ることになった。行きに続いて帰りでも私の次にハンドルを握った大久保は、その後みんなから運転がとてもうまいという評価を得ることになった。

名古屋に戻り、事業部・加藤(♀)の家で蟹鍋だ。料理は一切しない私だが、今回は蟹の甲羅を引っぺがすという大役を与えられた。蟹があんなに怒った表情をするなんて知らなかった。両眼を激しく吊り上げ、私を睨む。親指を突っ込んで甲羅を引っぺがすとメリメリメリという音が指先から骨伝導で伝わってくる。あのサイズの生き物の息の根を止めたのは生まれて初めての経験だった。

タイヤにチェーンを巻き、凍った道路で運転し、蟹を殺した。一日で三つも初体験をしてしまったことになる。

「相澤さん、今回の旅で成長しましたね」

もういくつ寝ると38歳なのに成長を認められた。しかも後輩たちに。

おしまい

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【最近面白かった漫画】
「三月のライオン」
「とめはねっ!」
「宇宙兄弟」
「モテキ」
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「もやしもん」
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「犬のジュース屋さん Z」

【好きな言葉】
「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」(寺山修二)
「しゃかりきコロンブス」(光ゲンジ)

【担当番組】
ニュースデータで解析!サンデージャーナル、特番など

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