『あいざーのぶお38周年記念スペシャル・のぶお、38歳の冬』と題して『パラダイス銀河』をBGMに、ここ日間賀島で私のプロモーションビデオを撮影するという。一体誰に向かって、何をプロモーションしようというのか?
「是非、お見合いの時に相手に渡して下さい。相澤さんのいいところをこれでアピールするんです」
お見合いの予定もないし、私のいいところアピールするのにこの衣装というのはありえない。渡されたジーンズの短パンを穿くとジャニーズらしからぬ毛脛が露出した。そのくせ頭にはピンクのハチマキ、首にはキラキラとしたモールを巻いているのである。気持ち悪いんである。ただでさえ二日酔いで気持ち悪いのに・・・・。
それに外はとても冷たい風が吹いていて到底短パンなんかで耐えられるものではなかった。みんなはちゃんとストッキングなどで防寒しているけれど、こちらは素足である。歯をガチガチさせて震えていたら、事業部・加藤(♀)がヒザの上まである長いレッグウォーマーを貸してくれた。女の子がショートパンツを穿くときのためのものである。本来ヒザ上ぐらいまでしか上げないものなのだろうが、自分の男らしい太ももが剥き出しになるのが気持ち悪くて、加藤には申し訳ないけれど、かなり上の方まで強引にグイグイ引っ張って穿いていたら、ふと私の姿に目を留めた大久保が大声で叫んだ。
「イヤーッ!もう穿けなーい」
レッグウォーマーは加藤のものではなく、大久保からの“又貸し”だったのだ。
つづく