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≪ 2007年 秋の日記 その3 | メイン | A組男子の法隆寺 ≫

2007年 秋の日記 その4

11月18日

鍛え直すべきなのは膀胱ばかりではなかった。足腰も心肺機能も相当鍛え直す必要がある。木曽三川公園リレーマラソンに参加してつくづくそう思った。

「何でもいいから、ここに名前書いて」
飲み会で酔いが回った頃にそう言われて、参加申込書にサインした人間が21人もいた。
集まりすぎだった。20人と21人では大きな違いがあったのだ。
木曽三川公園リレーマラソンは5人以上10人以下のメンバーで一つのチームを作り、リレーで42、195km走るというイベントである。
集まったのが20人だったら、10人のチームを2つ作ればよかったのだが、21人集まったために7人のチームを3つ作らなければならなくなった。
10人で42、195kmを割ると、一人大体4kmという計算になるが、7人だと6kmになってしまう。
木曽三川公園のランニングコースは一周2km。一周走りきると次の走者にたすきを渡してローテーションしていく。10人であれば一人2回ずつ走ればすんだのに、7人になったために3回ずつ走らなくてはいけなくなったのだった。

3チームとも「にっぽんど真ん中まつり」の出場チーム「大須笑店街☆21」が母体だったが、私のチームは最年長の私を含め30代の男性が何人かいたために「おっさん臭店街」というチーム名にされていた。走るたびに空気を汚しているみたいでとてもイヤな感じである。

前の走者からたすきを受け取るリレーゾーンから200mほど走ったところに、ランナーとしては参加しない大須笑店街☆21のメンバーが応援団として陣取っていた。応援団といっても、彼らのテーマは昼からみんなで楽しくお酒を飲もうというものである。
だが、たとえ酔っ払いが相手でも、私は人から見られると燃えてしまうタイプの人間である。たすきを受け取ってから、酔っ払いたちが陣取っているところを過ぎるまでのおよそ300mをかなりのペースで飛ばした。完全にペース配分を間違っていた。残りの1700mは地獄の苦しみを味わうはめになった。

一回目の出番でそんな苦しみを味わったのに、2回目でも同じことを繰り返した。そして、まるで学習することなく3回目の出番でも出だしから飛ばしていたら、2回目の出番までは「頑張れー!」と声援を送ってくれていた応援団が「だから飛ばし過ぎだって!」「ペースを落とせー」「無理するなー」「調子に乗るなー」と激しい罵声を浴びせてきたのだった。

最後の走者に襷が渡った。
ゴール前の直線は、チームメイトによる並走が許されている。
みんなで手を繋いでゴールテープを切り、そのままジャンプして叫んだ。
「ビクトリー!」
何ていうんですか、達成感。
「なぜ、金を払ってまで走るのか?」という疑問への解答を見つけた気がした。
もちろん、それも走り終えたあとだから言えることだけどね。
走っている最中はとても・・・・・。

おしまい


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「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」(寺山修二)
「しゃかりきコロンブス」(光ゲンジ)

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