「遊びに行こっ!」のレポーターを3年半務めたマナカナちゃんがこのたび番組を卒業することになり、そのお別れパーティーが開かれました。
会場はカラオケ屋さんの広~いVIPルームで、50人あまりの番組関係者が集まりました。
司会は「遊びに行こっ!」のナレーターを務めている私とおおみちとせさん、幹事は若手ディレクターのN君でした。
「本番のちょっと前に打ち合わせをしよう」という話になっていたのですが、開始時間の直前にそのN君から「急遽用事が入ったので大幅に遅刻します。いろいろ変更がありそうですけど、お渡ししておいた進行表にそって、適当に進めておいて下さい」という電話がありました。
パーティーが始まると、まず挨拶するはずの人が欠席していました。
確かにこれはいろいろ変更がありそうです。
変更というか「進行表と現実との乖離」といったほうがいいかもしれません。
例えば、進行表では余興タイムのトップバッターは『新人ADのO君によるお笑いステージ』となっていたのですが、O君はステージにあがると「では得意のモノマネで」と前置きして松山千春さんの歌をごく普通に歌いました。
ただのカラオケでした。
次の出演者は大丈夫なんだろうか?私は不安になりA君が歌っている最中に、2番目にステージにあがることになっていた同じく新人ADのE君のところに確認に行きました。
「この進行表だとキミ、ものすごいダンスを披露することになってるけど・・・?」
「えー、そうなんすか?聞いてませんでした」
「何か得意のダンスがあるって聞いてるんだけど?」
「あのダンスやるには決まった曲があるんですけど、その曲カラオケにないはずなんですよ」
「ないはずなんだ・・・」
「一応捜してみます。・・・・・あ、やっぱないです」
「ないのに呼ばれちゃったんだねー・・・・。じゃあ代わりに何か出来ない?」
「いやー、ちょっと・・・」
E君は他の番組のスタッフです。全く「遊びに行こっ!」と関わりがありません。ダンスを披露するためだけにN君に呼ばれていたらしいのですが、あっさり舞台に立つことをあきらめました。
その結果、ほかの出席者からたびたび「お前なんでここにいるんだ?」と訊ねられるハメになりました。
マナカナちゃんにとっても「一体誰ですかこの人は?」という疑問は大きかったにちがいありません。何しろあのお二人は今まで番組に関わった50人以上のスタッフ全員の顔と名前をちゃんと覚えているのですから。
つづく