ラフティングツアーは2時間ほどで終わった。
みんな日に焼けて腕や膝のあたりが赤くなっていたが、水中生活が長かった岡田君だけはあまり日に焼けておらず、そのかわり指先がすっかりふやけていた。
「ボートに乗っていた時間はみんなの半分くらいなのに同じ料金なのは納得がいかない」と憤る岡田君。誰よりも堪能したくせに。
その後、近くの道の駅の小さな食堂でランチタイム。
田舎の食堂らしく、どのメニューも大盛りだった。
丼物には味噌汁代わりにミニうどんがついていたのだが、そんなことは知らずに親子丼とうどんを頼んでしまった太郎君は「親子どん、うどん、ミニうどん」とドンドンドーンとたっぷり炭水化物を摂取するハメになった。
腹も膨らみ、温泉にも浸かって元気を回復した我々は東海地区最大級の鍾乳洞、大滝鍾乳洞へ向かった。
大滝鍾乳洞、そして近くにある縄文鍾乳洞の入場券、さらにはおみくじ引換券までついて1300円というチケットを購入し、まずは大滝鍾乳洞へ。
「天の柱」「天の産声」「孔雀の舞」
洞窟の中の鍾乳石にはそれぞれ凄まじく荘厳な名前が付けられていた。
名前は覚えてしまったが、どんな形だったかよく覚えていない。
鍾乳洞を出て下っていくと、売店があり、店の一番奥におみくじ引き換え所があった。
売店に客を誘導するための仕掛けであることがハッキリと読み取れたが、素直に店の奥まで行き、おみくじを引いた。
吉。一番気になる恋愛・結婚の欄には大していいことが書かれていなかったし、一応2番目に気になる仕事欄には「プロ野球」とだけ書かれていた。
どうしたらいいのだろう。
途方にくれていたら「仕事、プロ野球だってよ」という声が聞こえてきた。
メンバーの中にもう一人「プロ野球」と書かれていた人間がいたのだった。
たぶん、つづく