一方メイドさんは私の額の状態よりもフラッシュの光が気になったようだった。
私がメイドさんにタマゴで殴打される瞬間をデジカメで捉えたメンバーがいたのである。
「写真は撮らないで!今写真撮った人、消去して下さい。ここ撮影禁止なんで、すぐ消してっ!」
さっきまでの甘ったるいしゃべりではなかった。
少なくとも「今写真を撮った人」じゃなくて「今写真を撮ったご主人様」と言うべきではないのだろうか・・・・・。
写真が消去されたのを確認すると、メイドさんはまた甘ったるい声に戻った。
「ではこのタマゴに魔法の粉をかけま~す」
「魔法の粉って(苦笑)・・・・塩だよね」
「魔法の粉っ!」
・・・・怒鳴りつけられた。
ちっともご主人様に対する態度ではない。
コロコロ変わる態度、というか、キャラ設定にちょっとついていけない。
「はい、お口を開けて~」
再び甘い口調に戻ったメイドさんが、あらかた白身が破壊され黄身丸出しのゆでタマゴを私の口に放り込む。
そして、「さっきは痛かったよね~。はいこれどうぞ」と言って、私の額に絆創膏を貼った。
これで「萌え萌えタマゴ」終了である。
つづく