翌日はケアンズの誇るもう一つの世界遺産、世界最古の熱帯雨林・キュランダをめぐるツアーに参加した。
ケアンズからレトロな観光列車に乗って1時間45分、キュランダ村へと向かう。
熱帯雨林の間を山肌を縫うように走る観光列車の最後尾の車両は、30数名の日本人ツアー客で貸切になっていた。
日本人にとってこの列車の車窓に映る景色のいくつかは馴染み深いものである。
中でも列車が大きく右にカーブするポイントは有名だ。
列車がひらがなの「つ」が左右逆になったような形になるので、我々の乗っている車両からは前の方の車両が右方向に走っていく姿が見える。
このシーンは「世界の車窓から」のオープニングを10年もの間飾ったそうである。
そのほか、某蚊取りマットのCM撮影で河童が流れた川や某ファイト一発の橋などもあった。
日本人ガイドが乗り込んでいるのでこういう情報を知ることが出来たのだが、そのガイドさんが線路の脇に生えていた黄色の竹を指差して「この竹はゴールデンバンブーといって、この竹にお祈りするとお金持ちになるといわれています」と紹介したものだから、この竹が現れるたび、最後尾の車両だけ「パン・パン」とかしわ手が鳴り響くという、ちょっと変てこな光景が展開されたのだった。
つづく