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かぐや姫の物語 インタビュー その3

2013年11月25日

相澤「画についても伺いたいと思います。余白を多く残した、デッサンのような画にしたのはなぜなんでしょう?」
   
西村プロデューサー「日本の現行のセル・アニメーションといわれるものも
アメリカで隆盛を誇っているコンピューターグラフィックスの3Dアニメーションも
そもそも画面そのものが完成された画面なんですよ。
高畑さんはあえてスケッチっていう途中段階、未完成の画面を作ろうとしたんです。
なぜかっていうと、画面が完成されていると、
お客さんは自分で想像力を働かせることはありませんよね。
この作品は、僕らは『引き算のアニメーション』って言ってるんですけど、
いろんなものを抜いていって、シンプルにしていくことによって、
お客さんと一体化しようと試みました。
お客さんが自分の想像力を働かせて、
いろんなものを感じ取れるような画面を目指したんです」
  
相澤「そうした“抜いた絵”を描くのも、描き混んだ絵と同じくらい時間がかかるものなんですか?」
  

西村プロデューサー「時間はかからないかもしれません。ただ描ける人がいません。
絵っていうのは線を足せば足すほど、塗りこめば塗りこむほど、
上手く見えるんですよ。下手な人間が描いても。
でも、サササっって描くのは、上手い人間じゃないと描けないんです。
この『かぐや姫の物語』の現場には、多くの天才が揃ったんです。
じゃなかったら出来なかったです。
天才たちの仕事ですね、これは」
   

おしまい

相澤 伸郎 @ 2013年11月25日 10:25

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