チャンギ空港にシンガポールコスプレクラブのステファニーが迎えに来てくれた。
名前はイギリス風だし、私との会話は英語だが、タクシーに乗り込むとステファニーは中国語で運転手に行き先を告げた。
シンガポールの公用語は英語、中国語、マレー語、タミール語の4つ。
琵琶湖ほどの面積の国で様々な文化が混ざり合っているのだ。
ステファニーも中国系だけれど、おばあさんはマレー人だったという。
ホテルに着いてまず打ち合わせ。
今回のシンガポール代表選考会及びマレーシア代表選考会はシンガポールコスプレクラブが主催する「コスフェスト」というイベントの中で行われることになっていた。
この「コスフェスト」は2001年、当時16歳だったステファニーがセーラームーンのコスプレをしたところから始まった。
ステファニーはシンガポールで初めてコスプレした女性らしい・・・。
最初はごく小さなイベントだったが、徐々に大きくなっていき、2007年にはシンガポールのカリスマ的政治家、リー・クワンユーも来場するほどになった。
そして彼から「面白い!どんどんおやんなさい」というお墨付きも得て、さらに勢いを増し、去年は2日間で2万2千人の来場者があったという。
今回はシンガポール代表選考会とマレーシア代表選考会以外にもアジアの5カ国が参加する「アジアコスプレチャンピオンシップ」や「日本語アニメカラオケ大会」などが開かれることになっており、私に全ての審査員を務めてほしいという。
えーーー、聞いてないよーーーー!
日本では「シンガポール代表とマレーシア代表だけ決めてくればいい」と言われていたのに・・・・。
正直さほどアニメやゲームに詳しいわけではない。
コスプレだって実際にしたことは・・・・2回くらいだ。
ところがステファニーは「自分もコスプレをしている人には審査員をやってほしくない」という。コスプレイヤー同士は国をまたいで知り合いというケースも多いし、自分がコスプレしたことのあるキャラクターに思い入れがあったりして、審査の中立性が保てないというのだ。
世界コスプレサミット事務局の鈴木からは「向こうの人たちは日本人ってだけでものすごくアニメやゲームに詳しいと思ってますよ。何しろ本場から行くわけですから、相当期待されてますよ」と脅されていたけれど、別にそんなこともないようだ。
カラオケの審査は大丈夫だろう。
会場にいる誰より日本語は上手いはずだし、歌だってなかなかのものだ。
「俺、カラオケは得意なんだよね」というとステファニーに「じゃ、出場する?」と聞かれた。
えー、そんなに簡単に出ていいの?
審査の中立性は?
つづく
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