私はデジタルツール全般を非常に苦手としている。
メールもあまり出さない。
出すとしても手短に用件を伝えるだけだ。
楽しげなお誘いのメールにも「了解」としか返さない人間だ。
そんな私が先日「こんにちワン」から始まるややおどけた感じのメールを送信したところ、世界コスプレサミット事務局の鈴木は相当驚いたようで、こんなメールを寄越した。
「どうしたんですか、相澤さん!何かいいことあったでしょ?さてはあなたこの三日以内にHしましたね?」
・・・・・実際は飼っていた猫を亡くした悲しみを紛らわせるためにおどけていただけなのに。
「こんにちワン」も猫を忘れたい、避けたいという気持ちが、代わりに犬を呼び寄せたに過ぎないのに・・・・。
そんな、猫が死んだときでもなきゃ長文メールを出さない、極力デジタルツールに触れる時間を少なくしたい私であるから巷で流行っているというツイッターなども一生手を出すことはないと思っていた。
ところが、仕事としてやらなくてはいけなくなったなう!
世界コスプレサミット、シンガポール代表選考会及びマレーシア代表選考会の審査員としてシンガポールに行くことが決まり、現地からリアルタイムでイベントの模様をツイートするという任務が与えられたのだ。
出発の二日前、鈴木から手ほどきを受けた。
「写真はマストです。ないと味気なくなっちゃうんで。文章は短く、なんとなく面白そうなことを書けばいいんです」
確かに鈴木は短く、なんとなく面白そうなことを書くのがうまい。
東海Walkerという雑誌に掲載された「世界コスプレサミット」の記事の中に顔写真つきで彼の自己紹介コメントが載っていたが、こんな感じである。
「んちゃ☆オラ鈴木。世界コスプレサミットを見に来ないと、月に代わっておしおきよ!」
なんとなく面白い。
特に「オラ鈴木」。
師として仰ぐに足る人物、と見た。
「じゃあ、とりあえず練習を兼ねて『今週末シンガポールに行きます』とツイートしてみましょう。この間の『こんにちワン』的な、ちょっと面白い感じの文章にして下さいね」
「『こんにちワン』の流れでいくと、『シンガポールに行きマウス』かな・・・」
「だったら『行ッキーマウス』にしましょう」
「うまいなー」
「うまいすか?じゃあ『行ッキーマウス&見ニーマウス』にしましょう」
よくそんなポンポン思いつくなー。
つづく
相澤アナのイメージがダジャレをポンポン思いつくほうだと思ったんですが…そうではなかったみたいですね。