翌朝、早起きしてマーライオンを観に行った。
今回はタクシーで行くことにした。
この間街で助けてくれた青年の発音を真似て「マー」と伸ばさずに「マライオン」と運転手に告げた。
「何?」
「マライオン」
「何だって?」
あれ?やっぱり「マー」と伸ばしたほうがいいのかな?
「マーライオン」
「何のことだ?・・・・さっぱりわからん」
何でだよう!何で通じないんだよう!
また手元にあった地図でマーライオンの場所を指差す。
「ああ、マライアのことか」
この運転手さんは「マライア」と発音したように聞こえたが、大した差はないじゃないか!
一体なぜ通じないのか。
だって、こっちはヒント出しまくり状態なのだ。
さて、問題です。
「ホテルに泊まっている外国人で、カメラと地図を持っていて見るからに観光客といった感じの人が行きそうな所で、「マ」から始まる場所はどこでしょう?」
どう考えたってマーライオンでしょうがっ!
今回も地図を持っていたからよかったが、もし持っていなかったら口から水を吐くジェスチャーとかするはめになっていたんだろうか?
そんな私の憤りをよそに、運転手は涼しげな顔で「スースー」と口笛を吹きながらマーライオンに向かい始めた。
何の曲か知らないが、中国っぽいその曲が吹き終わらないうちに着いた。
こんな近かったのか!
タクシー代は3ドル20セントだった。
日本円にすると・・・200円!
おとといの夜あんなに大汗かいて80分も歩いたのがつくづくバカらしくなった。
そんな怒りも込め、マーライオンの写真をバシャバシャ撮った。
マーライオン自体は大したものではないと思うが、ポジショニングが素晴らしい。
マーライオンを写真に収めると、背景に非常に格好のいい高層ビル群が写るのだ。
そんな写真をシンガポールから帰って来た人に見せられた人は「シンガポールってすごいっ!」と思うに違いない。
ちなみにこのマーライオンを建てさせたのもリー・クワンユーだそうだ。
なかなかの策士ですな。
マーライオンを後にしてしばらく歩いていたらアジア系の人に話しかけられた。
「Do you know how to get to the マーライオン?」
私と同じ発音の「マーライオン」だった。
満面の笑顔で道を教えてあげた。
「よかったねえ、あなたは「マーライオン」が通じる相手に尋ねて」という気持ちを込めて・・・・。
つづく
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