イヤなことを忘れるために酒の力を借りようと思った。
ちょうどその晩、飲み会があった。
2010年の世界コスプレサミットでオーストラリア代表だった女の子が名古屋に遊びに来ていたので、彼女を囲む会が開かれたのだ。
コスプレサミットで通訳として大活躍しているカナダ人のエドも参加していて、その彼女に「オーストラリアの若者の間で流行っているクールな言い回しはないか」尋ねていた。
しばし考えたのち、彼女が口にしたフレーズは「bloody brilliant」というものだった。
直訳すると「血まみれの天才」ということになるが、これが最上級の誉め言葉として使われるらしい。
「血まみれ」などという悪い言葉を誉め言葉に転用するのは、日本の若者が「ヤバイ」をいい意味で使ったりするのと同じだ。
悪い言葉の中でもなぜ「bloody」なのかというと、おそらくそのあとに続く「brilliant」と韻を踏んでいるのだろう。
単語の頭を同じ音で始める、所謂「頭韻」というやつだ。
英語圏の人はこの「頭韻」をとても好む。
例えば
She is as busy as bee.
(彼女はハチのように忙しい)
これはbusyのbとbeeのbの頭韻。
He is as green as glass.
(彼は芝生のように青い=奴は青二才だ)
これはgreenのgrとglassのglの頭韻・・・・・・・と説明したところで、「頭韻って、相澤さんが得意な駄洒落みたいなもんすね」と言われそうな気がする。
どこかの青二才に。
そして、もし私がオーストラリアに行くことがあって、実際に「bloody brilliant」を口にしたら、向こうの若者に「言イ方ガ若イデスネー」と笑われるんだろうなあ・・・・。
・・・・・ちっとも昼間の屈辱が忘れられない私なのだった。
ちなみにオーストラリアのコスプレコンテストの会場に来ている女の子たちにモテるコスプレは軍服・制服系、もしくは「ルパン3世」だそうだ。(「ふぅじこちゃぁぁん」のモノマネが通用するかはわからないが)
そして女の子をナンパするための洒落たフレーズは「You wanna be my FINAL FANTASY?」(俺のファイナルファンタジーにならない?)だそうである。
このフレーズはオーストラリア以外でも英語圏であれば恐らく通じるらしいが、OTAKU限定なので、その辺は注意されたい。
こんにちは。
英語圏の人々が、頭韻を好むというのは初めて知りました。生活圏が異なると、言葉に関しても好みの言い回しが異なるというのは、興味深いですよね。
何か私も、世の中全ての女性を魅了することができる魔法の言葉を知っていたら、今頃、自分の人生はきっと違っていたと思いつつ、毎日を過ごしています。(だから何なんだと言われてしまいそうですが・・・。)