2018年12月20日

ジェンヌ日和 第3幕

たびたび、「宝塚の良さってどこにあるの?」と聞かれることがあります。


・男装

・現実世界ではなかなか聞けないキザであっついセリフ

・そのセリフが急に歌になる

・全身スパンコールのきらっきらな衣装

・大階段&巨大な羽

などなど...宝塚の一般的なイメージを言葉で表現すると

まるで浮世離れした世界が広がっているのでは!!

と思われがちです。


...あながち間違いではないのですが(笑)

見ているほうはその浮世離れがクセになるんですよね。


「君が恋しい」とか

「君には俺のそばにいて俺の思うように生きてほしい」

なんて言われたら...

【現実】

え(笑)

【宝塚】

もうっっ一生っっついていきますっっ(悶)


ハットのつばに指をかけ伏し目がちでそのつばを右から左になぞり

(そのゆびが放つ色気の破壊力...っ!!!!)

流し目でちらりと見られたら

【現実世界】

...(失笑)

【宝塚】

...(ときめきすぎて呼吸困難)


こんなこと日常茶飯事です。

壁際に追い詰められ、腰を抱き寄せられ、半ば無理やり唇を奪われるシーンなんて

*実際に口は重ねていませんのでご安心を(笑)

相手役の娘役さん(こりゃまた可憐で素敵なんですよ)に

自分を重ねて胸キュン放題ですよ。


男役さんも舞台化粧を落とすと、かわいらしいお顔立ちのかたや、

おきれいな顔立ちのかたばかりです。

でも普段から女性の思う、かっこいい男性像を体現してくれていて

かつ、よりかっこよく見えるよう、しぐさや言い方を研究してくれていらっしゃるので

胸キュン要素が高まるんですよね。

そこにまたわずかなしぐさの違いで個性がでるので

推しジェンヌさんに対しては

私が思うかっこいい男性の理想像が一致しているんだなって思っています(笑)


キザなセリフなども舞台で作られた世界だからと言われればそれまでなのですが、

宝塚はその世界観を壊さぬよう、在団中は服装や言動、プライベートも

徹底しているように感じます。

それは100年以上の歴史の中で男役、娘役それぞれに受け継がれてきたものや

ファンの皆さんと一緒に作り上げてきたものが根強くあるからではないかなぁと思います。


宝塚の駅を降りて、大劇場に向かうまでの街並みさえも

宝塚のモニュメントがあったり、いろんな店先には

ジェンヌさんのサイン入り公演ポスターがずらり。

「宝塚の世界」をすでにそこから創っているんです。


もちろん舞台は華やかで、人数も多く、生オケで迫力もありますし、

レビューはエンターテインメントに溢れています。

でも宝塚の良さは、舞台だけではなく

私たちファンや文化・伝統として支えてきた宝塚という町そのものにも

あるのではないかと思います。

宝塚に1歩足を踏み入れた瞬間きっと感じてもらえるはずです。

ぜーんぶひっくるめて「宝塚の良さ」なんだなと。

岡田 愛マリー @ 2018年12月20日 10:24
2018年12月10日

ジェンヌ日和 第2幕

さてきょうのジェンヌ日和は

先のブログで少しお話しした「望海風斗」さんについて。


彼女は現在の雪組トップであり宝塚歌劇の人気を支えるスターのひとりです。

彼女の出演する公演は(ただでさえほかの組の公演もチケットが取りにくくなっている中)

ものの数分で完売してしまうほど絶大な人気を誇ります。

どれほど人気かといいますと、パソコン・スマホ・電話すべて販売開始5分前から

スタンバイし、(5分前じゃないと自動的にサイトからログアウトしてしまいますので...)

秒針時計をみて開始時間になった瞬間連打をしても

つながらない...

やっとこさつながったと思っても時すでに遅しなのです...

それほど苦労して奇跡的に取れたときは天にも昇る気持ちになります、はい。


なぜ、こんなに人気なのか?


そのひとつに「歌唱力」があると思います。

歌劇団ですから、舞台に立つジェンヌさんたちは、もちろん歌って踊って演じます。

音楽学校受験生のころから歌や踊りのレッスンをし、

音楽学校に入ってからも芸事を磨き続けていますが

そういった人たちの中で「歌える」という武器があるのはとても魅力的です。

(もちろん、「踊り」であったり「演技」が武器のジェンヌさんもいます。)


では、望海さんの歌はどんな魅力があるのか?

なぜずっと聴いていたいと思うのか...


「歌がうまい」と一言に言っても

・音程が正確

・音域が広い

・声量がある

など様々ですよね。


望海さんの場合、正確な音程・声量はさることながら

歌の表現力がピカイチ。

「生きた歌」

いえ「色気のある歌」なんです。

低音ボイスでささやかれ、歌われた日にゃあ

もう・・・・・!!!!!!!!(悶)

「わたし女性に生まれてよかった」と思わせてくれて

(望海さんも女性です、重々承知しております、でも、男役さんは別なんです)

さらに声量フルスロットルで歌い上げられたときなんか

昇天です。

歌声からGを感じ、圧倒され、

脳内にお花がばぁーっと広がり、ふわふわし、

生きててよかった...

という言葉のみ浮かぶのです。

圧倒的歌唱力すぎて「へっへっへっ」

とつい笑ってしまいます。

相手役の真彩希帆さんとの声の相性もすばらしく

舞台のたびに、この時間よ永遠に続いてくれ、幕よ下りないで...と願ってしまいます。


花組の下級生時代から歌唱力に定評があり

2014年のエリザベートでは出世役と言われているルキーニ役を演じたり

(このルキーニがこりゃまたよくて!!!!!!皇后エリザベートを殺害した犯人でストーリーテラーなのですが

時折でてくる狂気的な演技がすんばらしい。歴代ルキーニで一番好きです)


その後雪組に異動してからも2番手男役として

様々な作品でいかんなく演技力・歌唱力を発揮していたのですが、

「色気のある歌」を如実に感じたのは

望海さんのトップ就任お披露目公演「ひかりふる路」にて

革命家マクシミリアン・ロベスピエールを演じた際。


理想の世界を作っていきたい!という希望に満ちた冒頭から

理想と現実に悩み、苦しみ、恐怖政治に至るまでの葛藤、

そして恐怖政治をしていく中でのむなしさ...

歌声一つで感情がひしひしと伝わってきて

歌を聴きながら、聴いているわたしも同じように一喜一憂するのです。

こんなにも感情が忙しく動くことってあるのか・・・!と新しい自分と出会う瞬間です。

ちなみにその実力はブロードウェイなどで楽曲を手掛ける作曲家

フランク・ワイルドホーン氏に「実にすばらしい」と言わしめたほどです。


どうしたら感情を歌に、言葉に、のせることができるのか...

詳細は違えど

私もナレーションで感情を言葉にのせることがありますが

これが実に難しい。


声で感情を表現するとき、自分が思っている以上にオーバーにしないと

伝わらないですし、

はたまた、オーバーにしすぎるとわざとらしくなる...

「生きた言葉」

「色気のある言葉」を紡ぐのはこんなにも難しいものなのかと

日々悩んでいるところです。


そんな時、望海さんの歌を聴くと

小手先の技術だけでなく

自分自身の心を動かすことが大切であると

感じられるのです。

トップに就任してもなお作品ごとに進化し続ける望海さんを

これからもずっと見続けたいと思います。

岡田 愛マリー @ 2018年12月10日 12:49
2018年12月 4日

ジェンヌ日和 第1幕

今まで観劇の感想などブログで書かせていただいていましたが

私の大好きな大好きな宝塚を皆様にもっとお伝えしたく

ヅカに特化した記事の時は「ジェンヌ日和」と題して

書かせていただくことにいたしました。

思い立ったが吉日。ということでさっそく今日から。

みなさま暖かい目で見守りいただければ幸いです^_^;


さて、現在宝塚大劇場では雪組公演「ファントム」が上演されています。

「オペラ座の怪人」といえばピンとくる方も多いと思います。

小説として世に送り出された「オペラ座の怪人」は

幾度となく映画やミュージカルにもなりました。


私も学生時代に2004年版の映画、劇団四季でもミュージカル版をみましたし、

とても大好きな作品の一つ。

マスカレードのシーンではきらびやかで華やかで

引き込まれたのを今でも覚えています。


宝塚「ファントム」も映画や四季版と同じなのか...と思いきや。

オペラ座の怪人を原作としてオリジナルの設定で上演されているんです。

これまでのオペラ座の怪人を

主人公・ファントムとヒロイン・クリスティーヌのお話とすると

宝塚版はファントムとクリスティーヌはもちろん

親子の愛を強く感じられる設定・演出となっています。

楽曲も異なるので「べつもの」として見ていただくとより楽しめるかもしれません。


宝塚での初演は2004年宙組公演。

当時の男役トップ和央ようかさんと娘役トップ花總まりさんで上演されたのですが

トップのお二人はもちろん、脇を固める安蘭けいさんや樹里咲穂さんの歌唱力が

ほんっっとうに素晴らしく...観劇後も忘れられず...

DVD発売後両親に頼み込んですぐに購入してもらい

今でも定期的に見ているほど好きなのです。


なかでもクリスティーヌが歌う「Home」という曲。

「きっと叶うはずよ 夢は」

という歌詞は当時宝塚音楽学校を受験をめざし

レッスンに励んでいた私の応援歌でしたね。

もちろんいまでも大好きな思い出の曲です!


さてそんな大好きなファントム

2004年宙組、2006年花組、2011年花組と再演されてきましたが

待望の今年、私がお慕い申し上げている望海風斗さまと真彩希帆さまの

お二人で再演が叶いました!!!!!!(ちなみに二人とも超絶歌唱力の持ち主です)

望海さんは花組の下級生時代にファントムに出演されて

いつかファントムを演じてみたいと挙げていただけに

まさに「夢は叶う」という瞬間をわれわれファンに見せてくれたのです。

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岡田 愛マリー @ 2018年12月 4日 14:55

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