テレビ愛知

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2005年08月29日

どまつりな日々 その1

名古屋の夏のビッグイベント、にっぽんど真ん中祭りの季節がやってきた。今年は175チーム、2万人の踊り子が参加するという。私は2年前から大須笑店街☆21というチームの一員として踊っている。

「今年も踊るの?相澤くん」

「当たり前だよ、前田さん」

「えっ、何?呼んだ?」

「あ、前田さん・・・。ウチにはいたんだっけ、前田さん・・・・」

前田さんがいるいないにかかわらず、今年私が踊ることについては、軽々しく「当たり前だよ、前田さん」と言っている状況ではなかった。私はこのどまつりをゴールデンタイムで2時間半生中継する番組のMCを務めることになっていたのだ。MCに決まったときは正直今年は踊るのはあきらめようと思っていたが、プロデューサーは逆に「踊れ!」と命じたのだった。そのほうがずっと思い入れのある番組になるというのだ。その結果私は大須笑店街☆21の演舞の直前にMC席を抜け出して、ステージで踊り、また急いでMC席に戻るという荒業に挑むことになった。

トークして、踊って・・・・これはもうアナウンサーの域を越えている。SMAPに近付いたと言ってもいいだろう。「これはおまえのための番組だぞ」なんて言われたりもした。

でも人間には2種類ある。そんなことを言われてノリノリになる人間と、死ぬほどプレッシャーを感じてしまう人間だ。ノリノリorDIE。私ははっきり後者である。

つづく

2005年08月30日

どまつりな日々 その2

テレビ愛知がどまつりの生中継をするのは今年が初めて。しかもゴールデンタイムだ。テレビ愛知としてはかなり力が入っていた。目標視聴率は10%だ。

「何としても10%ほしいんです。テレビ愛知は社運を、そして私はアナウンサー生命をかけてます!是非、友達や家族にも見てもらってください」

大須笑店街☆21の最後の練習のあと、チームメイトに呼びかけたところ、代表が「みんなの大事な仲間の番組だから、しっかり宣伝するんだよー」と言ってくれた。こういうことさらっと言うからなー、ウチの代表は。あたしゃ泣きそうになったよ。

そのうえ「目指せ、10%!」と激まで飛ばしてくれて、みんなも「おおーっ!」と力強く応えてくれたのだった。みんなテレビ愛知の関係者でも何でもないのに。

嬉しかった。今回のどまつり生中継に関しては、前回書いたようにかなりプレッシャーを感じていた私だが、おかげで「自分にはこの声援があるんだ、大丈夫!」という気持ちになれたのだった。本当に今年も踊ることにしてよかった。

つづく

どまつりな日々 その3

どまつり初日。大須笑店街☆21は3つの会場を回ることになっていた。最初の会場は大津通りパレード会場。今年のどまつりは20の会場が設けられていたが、審査員の前での演舞はこの大津通り会場だけである。この審査で選ばれた10チームだけが、翌日の夜のファイナルステージに進むことができるのだ。

それほど重要な会場でいきなり踊るとミスが出る可能性もあるということで、かなり早く集合して公園で練習してから本番に臨んだ。

パレードは4列縦隊で進む。私は一番右の列だった。去年は左側に審査員席があったので、審査員へのアピールは左側の人たちに任せようと思っていたのだが、どうやら今年は審査員が右側にいらっしゃるということが本番直前に判明した。責任重大である。動揺している私にさらに追い討ちをかけたのが、チームメイトの一言だった。

「・・・鼻毛出てるよ」

何ですとー!職業柄、マメに手入れしていたはずなのに、こんな大事なところではみ出しやがってー!鼻毛なんか出ていたら審査員の心証を悪くしてしまうではないか!かといって、もうパレードのスタート位置に立ってしまっており、衆人環視の中引っこ抜くわけにはいかない。右手の人差し指を折り曲げ、第二関節のところで必死に鼻に押し込んだ。

ちゃんと引っ込んだのか?踊ってる最中にまた顔を出すのではないか?えっ?鼻毛の顔ってどこだ?もう気になってしょうがない。吹けばとぶような一本の鼻毛に私の集中力は吹き飛ばされた。

それでも一度もミスすることなく踊りきったが、表情が硬かったかもしれない。こんなことでファイナル進出できなかったら、悔やんでも悔やみきれない。

つづく

どまつりな日々 その4

「みなさん楽しそうですねー」と言うより「本当に楽しいんです!」と言いたい。これがアナウンサーである私が番組中にMC席を抜け出して踊ることの目的であった。本番が終わるといろいろな人から「いい表情で踊っていた」とお褒めの言葉を頂いた。当初の目的は達成できたようである。ダンスに対するコメントが首から上に集中したのはちょっと残念でもあったけれど。

翌日、どまつり2日目は私のアナウンサー人生において最高の日であった。どの会場に行っても「きのうテレビ見ましたよ」「頑張ってましたねー」とたくさんの人に声をかけていただいたのである。今までも「見てます」ぐらいのことは言われたことはあったけれども、あそこまで好意的な反応は初めてだった。握手も何度も求められたし、中には「サインして!」と背中を差し出す踊り子さんもいた。私はサインらしいサインも持ってないし、大事な衣装の背中に書くなんて恐れ多いので一度は断ったのだが、「それでも」ということだったので、肩のあたりに、求められたサイズの4分の1ぐらいの大きさで楷書で「相澤伸郎」と書かせていただいた。

演舞中も大きな声で「アナウンサー!」と声をかけて頂いた。本当にありがたいことであるが、今後の課題もはっきりした。名前を覚えてもらわなくては!衣装に「相澤伸郎」書かせてくれたあの踊り子さんのためにも。

おしまい

※大須笑店街☆21は今年もファイナルまで進むことが出来ました。YATTA!

チーム、関係者のみなさん、応援してくださった方々、本当にありがとうございました。

アナウンサーの動画を見る!

プロフィール

【最近面白かった漫画】
「三月のライオン」
「とめはねっ!」
「宇宙兄弟」
「モテキ」
「へうげもの」
「もやしもん」
「こさめちゃん」
「犬のジュース屋さん Z」

【好きな言葉】
「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」(寺山修二)
「しゃかりきコロンブス」(光ゲンジ)

【担当番組】
ニュースデータで解析!サンデージャーナル、特番など

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