かぐや姫の物語 インタビュー その1

2013年11月23日

映画「かぐや姫の物語」でかぐや姫の声を演じた朝倉あきさんと西村義明プロデューサーにインタビューしてきました。
   

相澤「かぐや姫の声を誰が演じるかは、オーディションで決められたそうですが、朝倉さんが選ばれた理由は?」
   

西村プロデューサー「『かぐや姫の物語』って映画は、
高畑監督は『真の悲劇である』と言ってるんですね。
かぐや姫が月に帰ってしまうところは変えてませんから。
その悲しみ方が大事になってくるんですよ。
悲しみ方っていろいろありますけど、朝倉あきさんの悲しみ方の中には、違う感情があるんです。
悲しいだけじゃなく、悔しいって感情があるんですよね。
悔しいって感情ってね、一生懸命生きてる人間にしか出せないんですよ。
彼女の声の中には、悲しみの中に悔しさ、
つまり、懸命に生きた一人の女性の声が乗り移ってるんですよね」
   

相澤「というお話を聞いて、朝倉さんは自分ではどう思われますか?」
   

朝倉さん「すごくビックリしましたね・・・・・・そうですね、確かにそういう部分があるかもしれません」
  
西村プロデューサー「あるんです!!!」
  

朝倉さん「ある、あります。いろいろ私も悩んだり、苦しんだりしますけど、あんまりそういうのは出したくなくて・・・・。そういう部分を見抜かれてるかと思うと・・・・今ものすっごく恥ずかしいです」
   


西村プロデューサー「(笑)」
   


朝倉さん「本当にすごく短いオーディションだったんですね。
私の中では『落ちた・・・・』と思ったくらい、あっさりしたオーディションで。
その中でそこまで見抜かれていたかと思うと、何て言うか・・・・・恐ろしいですね」
   

相澤「見抜けるものなんですね」
   

西村プロデューサー「彼女の声だけ違ったんですよ。
彼女にたどり着くまでに、高畑さんと、おおげさじゃなく数百人の声を聴いていたんですよ。
有名無名問わず。
その女性の声の多くが一つは甘えた声だったんですよね。
もう一つは芝居とか声が全部受け身だったんですよ。

かぐや姫って女性を描くときに高畑さんが大事にしていたのが、『自分の考えを持っている女性』。
そういうものを描こうとしているのに、声が受け身だったり、
男性におもねる声だったりしたらダメだろうと。
オーディションやっても全然見つからなくて、最後に彼女の声にたどり着いたときには即決でしたね。『彼女だ!』って。
彼女の声には一生懸命生きている一人の女性の意志ってのが感じられたんですよ」
   
つづく

相澤 伸郎 @ 2013年11月23日 17:16

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