清須会議 インタビュー その4
☆☆☆柴田勝家役の役所広司さんと共演した感想は?
大泉さん「人を受け入れる力がすごいというか、
演技しててもホントに心地いいんですよね。
セリフをきちんと受け止めてくれるというか。
・・・・対決してるシーンなんですけどね。
何だろう、この不思議なやりやすさは?っていう・・・・。
勝家は今回すごくチャーミングな役で、
台本の中でも非常に面白いんですけど、
それをさらに役所さんは自分のお芝居の力でさらに面白くしちゃうから
そこがすごいというか・・・・。
僕なんかホントにもう三谷さんに言われることをこなすのに精一杯で、
自分から監督の演出以外で何かをする余裕ってないんですけど、
役所さんはやってくるんですよねー。
そこがやっぱりすごい。実際面白い。
☆☆☆例えばどんなシーンで?
大泉さん
「清須会議の前に佐藤浩市さん演じる池田恒興が
秀吉と勝家どちらにつくかっていうのが大きなポイントなわけですよね。
勝家も秀吉も自分の側に取り込みたいわけですよ。
で、同じ日の朝にどちらからも声がかかって、
恒興が朝飯を食わされるってシーンがあるんですよね。
まず勝家に呼ばれて、勝家とめしを食ってお腹いっぱいなのに
秀吉ともつきあわなきゃいけないって面白いシーンなんですけど、
勝家がごはんを食べて、歯茎のあたりに何かはさまってるんでしょね、
ものすごい勢いでボリボリボリボリ口の中に指を入れて掘ってるんですよ。
今回の勝家ってのはくさいし、汚いし・・・みたいな役なんで
非常に勝家らしいわけですけれども。
その掘った指で恒興の肩に手をまわして
「おいっ、味方につけ!」ってやるわけですよ。
これやられたらやだなってことをやるわけですよ。
監督がそのシーンを見て、そのあと僕のシーンを撮ったんですけど、
『大泉くん、ちょっとこれを見てごらん』って言われて、
役所さんのその芝居を見せられて、『同じことやってほしい』って言われて、
で、秀吉もガリガリガリガリ指をなめてから恒興と肩を組むっていう・・・・。
だから、役所さんのお芝居でその2つのシーンが
さらにまた面白くなっちゃったわけですよねー」
おしまい