テレビ愛知

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2006年05月 バックナンバー


2006年05月03日

レッツ・ビギン

「お前も一緒に、11月の揖斐川マラソンに出ないか?」

4月下旬のある日、会社の先輩に勧誘された。この人はすでに5回も揖斐川マラソンに出場している強者だ。

「絶対、感動するって!」

「いやー、絶対無理ですね、やめときます。長距離は高校時代に校内マラソンで10キロ走ったのが最後ですもん。それに揖斐川でしょ?確かあのコース、高低差が200mもあるんですよねー。僕、心臓があまり丈夫じゃないんです。絶対完走できませんから・・・・」

「完走できなきゃ意味ないのか?」

「え?」

「大事なのはスタートラインに立つことじゃないのか?」

簡単に説得された。「大事なのはスタートラインに立つことじゃないのか」って言われたら「そうです」としか言いようがない。まさにワンフレーズポリティックス。「改革にYESかNOか」って突きつける小泉首相のやり方だ。

「じゃあ、早速ランニングシューズを買いにいこう」

さっさとシューズも買わせて、その気にさせてしまおうという先輩の策略も見え隠れしたが、あくる日待ち合わせ場所に行ってみると、他にも3人の若手社員がいた。先輩のワンフレーズポリティックスに乗せられたのは私だけではなかったのだ。

「よし、じゃあ今まさにスタートラインに立ったというイメージで記念写真を撮ろう」

先輩がデジカメを構えると4人のうち2人がクラウチング・スタートの構えを取ろうとした。マラソンのスタートにクラウチングはないよなー。大丈夫なのかしらん?この人たち・・・・・。

2006年05月08日

ゴールデンウィークの日記

Kif_0921_2 新潟県十日町市の松之山というところに行ってきた。私の両親がここの出身で、今でも祖父の家が残っている。祖父は今、関東地方で暮らしているのだが、このゴールデンウィーク、その祖父を連れて、私の両親、妹夫婦、叔父、叔母が集まっているというので、合流することにしたのである。

松之山の最寄りの駅であるまつだい駅に父に車で迎えに来て貰ったのだが、乗る電車を一本間違えてしまい、すっかり待たせてしまった。車に乗り込むと父に「ニュースの本番だったら、一本間違えたら大変だよな」と言われてしまった。

Kif_0926 確かにその通りだけれども、休みの日まで本番並みの緊張感を持ちつづけるのは至難の技だ。もともとうっかり者の私だ。それを懸命に仕事では隠しているのだ。ゴールデンウィークぐらいのびのびとうっかりさせてほしいものだと、迷惑をかけておきながら思ったりした。

松之山は長野県との県境に程近い山間の農村で、傾斜地にはたくさんの棚田があるのだが、豪雪地帯でもあり、5月だというのに雪で真っ白だった。ゴールデンウィークに訪ねたのは十数年ぶりである。祖父に会うのも3年ぶりだ。

Kif_0938 「?・・・・・・伸郎君か!・・・・」

祖父は、私が誰だか一瞬わからなかったようだ。ものすごくインチキくさいデザインの眼鏡をかけていたせいもあるが、どうも私がすっかり変わり果てていたらしく、相当違和感があったようだ。すいません、あなたの孫はこんな風になってしまいました。

「まあ、すっかりハンサムになって・・・」

Kif_0948  その一方で、祖父の義妹さんからはこんな声をかけて頂いた。この方にお目にかかるのも本当に久しぶりであった。どのくらい久しぶりかというと「また背が伸びたんじゃない?」と訊かれるぐらい久しぶりなのだった。その後もこの方は私のことをずっと「ハンサムさん」と呼んでくださった。私も最初のうちは「いえいえそんな・・・」と答えていたのだが、そのうち「はい」と返事をするようになっていた。

ハンサムさんといえば、妹の旦那さんがなかなかのハンサムさんである。そのうえ、若いのに会社の社長さんなのである。仕事の話など全くしなかったが、日々プレッシKif_0949ャーがきついのかもしれない。夜、同じ部屋で寝たのだが、一晩に4回も寝言を言ったのだ。

「〇〇〇は×××しておこうっ」

私も寝ぼけていたので、しっかりと内容は覚えていないが、どうもリーダーとしての決断を迫られているような口調だった。私と違って、休みの日もしっかり本番の緊張感を持続しているようだ。しかも24時間。すごいよなー。私なんかあの晩見た夢の内容からいって、もし寝言を言っていたとしたら「そりゃないっすよー」とかそんなんだと思うもの。

2006年05月23日

お出かけデスカ~

会社の近くのコンビニの中年女性店員さんはいつも「ありがとうございました」を省略して「ございましたー」とおっしゃる。肝心なところを省略しているのだ。ちっとも感謝されてる気がしない。

ちなみに朝は店に入ると「ございまーす」とおっしゃる。「おはようございます」の「おはよう」を省略しているのだ。

とても元気に明るい声で「ございまーす」とおっしゃるので、私はいつもその店員さんに挨拶されそうになると、心の中で「サザエで」とつぶやいている。「サザエでございまーす」の完成というわけだ。ぷぷぷ。

また、家の近くのコンビニで弁当を買うと「あたためデスカ?」と言われるのも気になる。そこは「あたためマスカ?」だろう!変な日本語使うんじゃない!という憤りを紛らわすために、「あたためデスカ?」と言われたら、心の中で「レレレのレー」とつぶやくことにしている。「レレレのおじさんにしてやったぜ、ふふふ」とほくそえむのである。

2006年05月25日

キリンのブタ

Kif_0965_1豊橋自然史博物館に行った。ここで今、去年の愛知万博で展示されていた冷凍マンモスが見られるのだ。

ついに見ましたぞ、マンモスを。結局万博の時は見られずじまいだったも んなー。決して口にはしないが、心の中で「マンモスうれピー」と叫んだのだった。

Kif_0968豊橋自然史博物館は豊橋総合動植物公園の中にある。5月の動物園は遠足の幼稚園児でいっぱいだった。

「キリンさーん、こっち向いてー!」

アフリカの動物たちを集めたアフリカゾーンでは、ちっとも顔を見せてくれないキリンに子供たちが大声で何度も呼びかけていた。

Kif_0967キリンっ!こっち向けー」

キリンが全く反応しないので、園児たちの言葉使いが変わっていく。

「キリンのバカ!」

やがて罵詈雑言を浴びせ始める。この子たちはきっと将来名古屋ドームや名古屋競輪場で選手に野次を飛ばすようになるのだろう。

「キリンのジジイ!」

ジジイって、それだけで悪口になるのか。近くのベンチに座っていたおじいさんが微妙な表情を見せた。

「キリンのブタ!」

キリンに向かってブタ!って、かなりシュールである。

「キリンのベンジョムシ」

もっと斬新なのも出てきた。しかし、ここで園児たちのボキャブラリーは尽きたようだ。あとは「バカ」「「ジジイ」「ブタ」「ベンジョムシ」の4つを何度も繰り返すばかりだ。

「キリンのバカジジイ」

一人の子が言葉と言葉を組み合わせることを思いついた。これが新しい流れとなる。

「キリンのブタジジイ」

ブタジジイって意味がよくわからないが、子供たちの世界にはルールなどないのだ。

「キリンのベンジョムシジジイ」

いや、どうもルールはあるらしい。組み合わせられるのは必ず「ジジイ」なのだった。ベンチに座っていたおじいさんはどんな気持ちで聞いていたのだろうか。

Kif_0974_1

動物を見るのもいいけれど、子供たちを見ているのもなかなか面白い。そう思っていたら、この動物園には人間の檻もあるのだった。この檻には自由に出入りできるようになっていて、中のベンチに座って休憩できるようになっているのだが、檻の外には他の動物の檻と同じように「分類・霊長目ヒト科」とか「学名・ホモサピエンス」、「英名・M AN」などと書かれていて、「お願い・夕食が食べられなくなるので、おやつを与えすぎないで下さい」「お願い・働かなくなるのでお酒を飲ませすぎないで下さい」というボードが張 られているのだった。なかなか洒落が利いている。

                   

                                                                                                        あと、これは洒落なのかどうか定かではないのだが、「ダイアナモンキー」というサルのうちの一匹には「チャールズ」という名前がつけられていた・・・・。

2006年05月26日

そうだニャー

誰が決めたか知らないが、日本では猫が擬人化されて言葉を話すキャラクターになった時には、必ず語尾にニャーをつけることになっている。犬の場合はワン、ブタの場合はブーだ。

また、鳴き声が定かではない動物の場合は、動物名を語尾につけることがよく行われる。

「おなかがすいたんだクマ

こんなしゃべり方をするクマの漫画を見たことがある。何でクマをつけるのか、よくわからない。

「海をきれいにしたいメリ

テレビ愛知のエコ・キャンペーン・キャラクター、三河湾に棲むスナメリのメリ夫くんも語尾に「メリ」をつける。キテレツ大百科のコロ助が語尾に「ナリ」をつけるのと似ているが、「ナリ」は「也」というもともと日本語にある表現であるのに比べ、「メリ」の方がずっと不自然な言葉使いであるといえる。

より自然な日本語に近づけるという観点から言うと、「スナメリ」の「メリ」の方ではなく「スナ」の方を使ってみてはどうだろうか?

「海をきれいにしたいでスナ

・・・・何か他人事って感じでスナ。ダメか、やっぱし・・・。

さて、次のセリフは一体何者がしゃべったものでしょう?

「僕をつければ安心ドーム!

HIV感染防止コンドーム普及キャンペーンのポスターに描かれたコンドーム君の言動である。ものすごく強引に語尾に「ドーム」をつけるのだ。これぐらい強引だと、本人もちょくちょく付け忘れちゃうんじゃないの?・・・・しっかりつけなきゃダメでしょって趣旨のキャンペーンなのにね。

いろいろキャンペーンの話が続いたので、ついでにもう一つ突っ込んでおきたい。昔「痴漢防止ふれあいキャンペーン」っていうポスターを見かけたんだけど、「ふれあい」って「触れ合い」でしょ?「ふれあいキャンペーン」じゃ、さわるのやめさせたいんだか、奨励してんだかよくわからなくないですか?

2006年05月29日

あげるあげるエブリディ

今、「あげる」という言葉が勢力を拡大しつつある。

例えば、「ペットにエサをあげる」という言い方が普通になっている。本来は「エサをやる」が正しいのであるが、飼い主の皆さんは「そんな言い方したら、ペットがかわいそう」などとおっしゃるのである。ペットを人間並みに扱う、ペットの人格化が進んでいるのだ。

「太ももの裏側の筋肉を優しく伸ばしてあげて下さい」

私の通っているスポーツジムのインストラクターの間では、こんな言い回しがまかり通っている。筋肉に人格を与えているのだ。いわば、筋肉の一つ一つがきんに君になっているのだ。

さて、37歳になってやっと自動車教習所に通い始めた私だが、ここでも変なところで「あげる」が出てくる。

「出席簿に名前を書いてあげて下さい」

「テキストの大事なところに印をつけてあげて下さい」

教官たちは出席簿やテキストに人格を与えているのだ。そのくせ生徒に対しては手厳しい。

「居眠りしたり、サンダル履きで来たら、つまみ出します

ここでは人間の方が犬・猫のような扱いを受けているのだ。

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プロフィール

【最近面白かった漫画】
「三月のライオン」
「とめはねっ!」
「宇宙兄弟」
「モテキ」
「へうげもの」
「もやしもん」
「こさめちゃん」
「犬のジュース屋さん Z」

【好きな言葉】
「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」(寺山修二)
「しゃかりきコロンブス」(光ゲンジ)

【担当番組】
ニュースデータで解析!サンデージャーナル、特番など

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