「蜩ノ記」インタビュー その1
映画「蜩の記」
主演の役所広司さんと小泉堯史監督にインタビューしました。
小泉監督は黒沢明監督の愛弟子です。
相澤「10年後の切腹を命じられながらも気高い生き方を貫く『戸田秋谷』という武士を演じるにあたって、意識されたことはありますか?」
役所さん「平常心で、静かな呼吸を常にしてる人だろうなと。とてもこれから腹を切る男には見えないという雰囲気を出さなければなと思いました」
相澤「200年前の武士を演じるために特に準備されたことは?」
役所さん「作法とかそういうものは、『小笠原流』というものを監督が選んで、僕たちは前もって道場に行って習って・・・。乗馬も小笠原流のものを習いました。そうすることによって、少しずつ少しずつ、昔の日本人に近づいていったような気がします」
相澤「乗馬も小笠原流なんですね?」
役所さん「ええ。僕は全く習得できなかったんですけども、小笠原流ってのは流鏑馬をして、駆け足の時はほとんど立って乗ってるんですけど、それはもう難しかったですね」
相澤「所作も難しかったですか?」
役所さん「ええ。畳の上を数歩立ち上がらずに進むだけで、筋肉痛になりましたね」
相澤「立ち上がらずに進む?」
役所さん「膝行っていうんですかね。(※身分が高い人の前で急に立ち上がるのは失礼にあたるため、膝をつけたまま進むこと)ほとんど椅子の生活してますので・・・・これはもう本当に『日本人じゃないな』と思いました(笑)」
つづく