テレビ愛知

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2006年10月 バックナンバー


2006年10月02日

勇気を出して初めてのドライブ その1

自動車教習所は卒業したものの、多忙のためなかなか受けられなかった運転免許試験をやっと受けることができた。試験中、後ろの席の男性が小声で「よしっ!」と頻繁に言うのがとても気になった。それほど気合を入れなくても解けそうな問題ばっかりなのに。よっぽどマークシートがきれいに塗りつぶせたのかしらん?と軽く心の中でバカにしていたが、合格発表の瞬間は私も「よし!」と声を出してしまった。結構嬉しいもんですな。

「とったど~」

翌日、出社して会う人会う人に報告した。いいもんだな、「おめでとう」って言ってもらえるのは。思えば、やれ結婚だ、やれ子供ができただ、人に「おめでとう」と言うばっかりの日々がずいぶん長いこと続いていた。私だってたまには言われてみたかったのだ。

鉄は熱いうちに打て。あまり打たれ強い方ではないが、ここでペーパードライバーになってしまわないためには、さっさと実際に運転してみねばなるまい。週末にレンタカーを予約した。さて、どこへ行こうか?

「秋の海って、いいよね」

そんな声が自分の中から聞こえてきたので、思い切って知多半島をぐるっと回ることにした。

つづく

2006年10月03日

勇気を出して初めてのドライブ その2

初めてのドライブを前に社内のいろいろな人にアドバイスを求めた。

「レンタカーを借りるなら大きい車の方がぶつかった時安全だよ」

「もし事故起こしても自走して帰ってくれば5万円で済むけど、レッカーされたら20万円請求されるから、事故は自力で帰れる程度にとどめた方がいいよ

とどめた方がいいよって言われてもねー。起こしたくて事故起こすわけじゃないしねー。それにしても事故前提のアドバイスばかりだ。今回のドライブの目的地である知多半島にある半田市に住んでいる人からは「半田市には入って来んな!」と言われた。なぜそこまで言われなきゃならないのか。悔し涙が滲んだ。

また、「後ろからついて行って、ビデオカメラを回したい」という申し出も複数名からあった。「面白い画が撮れそうだ」というのである。本当に面白い画が撮りたいというのであれば、私の車の助手席に座るべきだと思うが、そこまでの勇気の持ち主はいないのだった。所詮ウチの局には、真のテレビマンはいないということだな。・・・・なんて偉そうに言っている私だが、もし「助手席でカメラ回します」と言われても断るだろう。だって、カメラを向けられると緊張するんだもん。・・・・・結局のところ、私が一番テレビマンらしくないのだった。

つづく

2006年10月04日

勇気を出して初めてのドライブ その3

記念すべき初ドライブで最初にかけるBGMは、かねてから決めていた。くるりの「ハイウェイ」である。今回は高速道路を避けてひたすら下道を行くので、ちっともハイウェイじゃないのだけれど、♪僕が旅に出る理由は・・・・・で始まるこの曲は、旅に出る理由の3番目として♪車の免許取ってもいいかななんて思っていること~と歌っているのだ。今の私にぴったりではないか。先日もカラオケで熱唱したばかりだ。

カバンにCDと若葉マークと夢だけ詰め込んで、レンタカーショップにトボトボ15分ほど歩いていく。道すがらずっと呪文のようにぶつぶつつぶやいていた言葉は「ブレーキは左、アクセルは右」・・・・・ふと我に帰って思う。こんな独り言言ってる人間が運転なんかしちゃっていいのだろうか?

つづく

2006年10月05日

勇気を出して初めてのドライブ その4

「大きい車の方が万が一ぶつかった時、安全だよ」というアドバイスを受けていたにも関わらず、小型車を借りた。小型車と普通車で2000円も料金が違うのだから仕方がない。

土曜の午前中だというのに、レンタカーショップにはなぜか黒いスーツに金髪という、見るからにホストという感じの若者が3、4人たむろしていた。本当は店員さんに「きょう初めてのドライブなんです」と伝えて、あれこれ聞こうと思っていたのだが、そんな会話を聞かれたら「このおっさん、若葉マークだとよ」と囲まれ、「どれ見せてみろよ」と大事な若葉マークを取り上げられ、「か、返して下さい」と言っても、「ほれこっちだっこちだ」とパス回しされるに違いないので、黙ってそそくさと車に乗り込んだ。

乗り込んだと思ったら、すぐ店員が路上へ誘導し始めた。えーっ!カーナビの使い方の説明ぐらいあるかと思っていたのに・・・。心の準備も、CDの準備もできないまま、冒険の旅が始まった。

冒険のオープニングにはどうしてもBGMは欠かせないというのに、CDのかけかたがわからない。運転でいっぱいいっぱいになりながらも、手探りであれこれカーナビをいじくってみたが、画面が指紋だらけになっただけだった。緊張ですでに手が汗でベトベトになっていたのである。いじくっているうちにAMラジオが点いた。「ハイウェイ」が流れるはずだった車内に、「小学校からの英語教育、是か非か」というAMラジオのおしゃべりがこだましたのだった。

つづく

2006年10月06日

勇気を出して初めてのドライブ その5

「これでいいんだっけ?」という自問自答の連続で、不安だらけの初ドライブであったが、意外にスムーズに出発から一時間45分ほどで知多半島の先端までたどり着いた。右側には海、恋人たちが集う野間灯台、巨大エビフライで有名なまるは食堂旅館。野間灯台には全く用が無かったが、まるは食堂旅館にはかなり心ひかれた。13、4年前、取材で伺ったときに頂いたシャコの味噌汁の味がいまだに忘れられない。それにここには温泉も併設されていて、湯船につかりながらの眺望も素晴らしかったはずだ。

でも行けなかった。だって右側にあるんだもの。右側にあるということは、道路を横断しなければいけないということである。たったそれだけのことが何だか怖かったのである。

しかし、もう1時だ。腹も相当すいてきた。どこかで食事がしたい。左側にいい店をはないか。いい店とは、駐車スペースに余裕があって、バックじゃなくても駐車できる店のことだ。さらに15分ほどドライブを続けたら、そんな条件にぴったりの料理旅館があった。本当に余裕を持って車を止めることができたので、私にとっては「いい店」だったが、この昼食時に駐車スペースにこれだけの余裕があるということは、それだけ人気がない店ということになる。それなりのレベルの食事しか期待できそうにない。車を降りて改めて店構えを眺め、そう感じた。

つづく

2006年10月10日

勇気を出して初めてのドライブ その6

玄関で、食事をしたい旨を伝えるとそのまま宿泊用の部屋に通された。テレビがあったので、すぐテレビ愛知をつける。自分がナレーションを担当した番組のオンエア時間だったのだ。ボリュームを上げて真剣にテレビに見入る。お茶を運んできた仲居さんには、「ずいぶんテレビ好きなお客さんね」と思われただろう。テレビから流れているのが私の声だということは内緒である。ちょっとした秘密を抱えているというドキドキ感があった。まあ、こんな秘密打ち明けられたところで、「はあ、そうですか」ぐらいのリアクションしか出来ないと思うが。

料理はやはりそれなりのレベルでしかなかった。何より車なので、ビールを飲めないのが辛い。そして、風呂。食事した客はただで入れるのだが、これが狭いし、汚いし・・・・。一人で湯船に使っていたら、何だか罰ゲームをさせられている気分になってきた。わびしいことこのうえない。

そもそもドライブなんて一人でするもんじゃない。改めて気付いてしまった。ここまで気付かない振りをしてきたのに・・・・。話相手になってくれるカーナビとか、早く開発されないかな・・・・。

でも、それはだいぶ先のことになりそうだ。しょせん、カーナビに人間の心はわからない。名古屋への帰り道、つくづく思い知らされた。

帰り道はちゃんとカーナビを使用したのだが、車線変更がうまくできなくて、指示されたところで曲がれず、慌ててリカバーしようと思ったら、とんでもない道に迷いこんでしまい、しまいには川沿いの一本道に出てしまった。そんな心細い思いをしているというのに、カーナビは黙って見ているだけだったのだ。思わず、「おーい、何とか言ってくれー」と呼びかけてしまった。それでも沈黙したままのカーナビ。わからないならわからないで、「ちょっと待ってて」とかでも言ってくれればいいのに、完全なネグレクトである。これは本当に辛い。

何とか自力で大きな通りに戻ることができたが、その後はカーナビから「あと700mで左折」などという指示がでるたびに「ここで車線変更しないとまたネグレクトされるー」と焦って強引な車線変更をしてしまい、後ろの車にクラクションを鳴らされることになった。

疲れからミスも連発した。ウィンカーはしょっちゅう出しっぱなし、時にはハンドブレーキ引きっぱなしで走ったりもした。ハンドブレーキって引いたままでも走れるのね。

披露困憊、ほうほうのていでレンタカー店に帰ったのが夕方5時30分。運転していた時間は合計4時間30分だった。車を降りると腰が痛み、ヒザがガクガクした。腕もだるい。全身に力が入りっぱなしだったのだろう。私はこんなに辛い思いをするために、30万円、4ヶ月もかけて自動車教習所に通ったのか・・・・。

「もう少し気楽に運転すればいいのに」

翌日、会社の後輩に言われた。気楽ですと・・・・?思わず声を荒げて言い返した。

「ドライブはなー、遊びじゃないんだよっ!」

「いやいやいやいや、遊びですよ」

軽くいなされた。私にも「ドライブは遊び」と言える日が来るんだろうか?

おしまい

2006年10月30日

2006年10月の日記

                   10月12日

朝起きたらものすごく疲労していた。ひどい夢ばかり4本立てで見たからだ。一本目では超弱小サッカーチームのキーパーをやらされ、2本目では最新型絶叫マシーンに乗せられた。3本目ではロシア政府の高官に「お前はどっちにつくんだ」と銃をつきつけられ、4本目ではお笑い芸人になっていた。持ちネタは「♪偉人伝、偉人伝、偉人でんでんででんでん」と明らかなパクリであり、しかもオチは「エジソンかっこいい~っ!」などというものであった。当然お客さんはしらけきっており、私はいたたまれなくって目を覚ました。ぐっしょりと寝汗をかいていた。

                   10月27日

毎週テレビ雑誌を買っているが、どの雑誌を買うかは決めていない。コンビニで各テレビ雑誌に必ずある占いコーナーを立ち読みして、私の星座であるみずがめ座の運勢が一番いい雑誌を買うのだ。さ~て、今週はどの雑誌かな?

「シンジラレナーイ」

思わずヒルマン監督になった。みずがめ座全滅。どの雑誌を見ても運勢が悪いのだ。

「まあ気にするな、こんなの当たらないさ」

必死に自分自身に言い聞かせる。

「思い出してみろ、全ての雑誌の占いで『みずがめ座絶好調!』って書かれてた時だって、ちっともいいことなかったじゃないか

あれ?・・・・占いが当たろうが当たるまいが、いいことないんじゃん!

結局テレビ雑誌を買うのをやめて、野菜ジュースと小豆バーを持ってレジに行き、1000円札を出したら、いいことがあった。おつりが777円だったのだ!何となく幸せな気分で家に帰りましたとさ。

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プロフィール

【最近面白かった漫画】
「三月のライオン」
「とめはねっ!」
「宇宙兄弟」
「モテキ」
「へうげもの」
「もやしもん」
「こさめちゃん」
「犬のジュース屋さん Z」

【好きな言葉】
「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」(寺山修二)
「しゃかりきコロンブス」(光ゲンジ)

【担当番組】
ニュースデータで解析!サンデージャーナル、特番など

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