テレビ愛知

≪ 2009年01月 | メイン | 2009年03月 ≫

2009年02月 バックナンバー


2009年02月08日

グアムで結婚式 その1

飲み仲間の一人である広報部・加藤マリ、通称カトマリがグアムで結婚式を挙げるというので、グアムに行くことになった。
早速会社の人に自慢する。

「俺、グアム行くんすよ。カトマリの結婚式で」

「へえ、いつから?」

「15の夜」

「15の夜て!尾崎気取り?盗んだバイクで走り出すの?行く先もわからぬまま?」

「行く先はグアムって言ってるじゃないですか!当然バイクじゃなくて飛行機だし。15日の夜の便ってことです。カトマリの結婚式は17日なんで、新郎新婦より早い現地入りになっちゃいますね」

「何なの、そのやる気は?」

「ついでにダイビングもしてこようと思って。今回は水中カメラマンもやってるTさんが一緒なんで心強いっすよ」

「で、結婚式はどんなとこでやるの?」

「さあ?どんなとこでしょうね。何かどっかのホテルらしいです。場所も時間もうろ覚えで・・・・」

「結婚式のほうがダイビングのついでみたいなことになっちゃってるじゃん!」

「まあ、今回はTさんが一緒なんで、そのへんのこと全て頼りきっちゃってるんです。Tさんと一緒でホント、いいことづくめですわ」

「・・・・果たして本当にそうでしょうか?」

「えっ!何?急に探偵さんみたいな口調になって!何かあるんですか?」

「Tさん、鼾が・・・・・・。覚悟しとけ」

「マジっすか!」

「耳栓は絶対必要」と言われたのに、当日まで買うのを忘れていた。
空港で買うつもりでいたら、その前にTさんと会ってしまった。
Tさんとは何回か仕事で一緒になったことがあるだけで、今まで一緒に遊びに行ったりしたことはない。
その程度の間柄なのでいきなり「耳栓を買いに行ってきます」と言ったら角が立つと思われ、Tさんが水中撮影用のビデオカメラの検査で足止めを喰らっているのを見計らってダッシュで買いに行くことにした。

やはり予め買っておくべきだった。
空港の売店に置いてある耳栓は気圧の変化で耳が痛くなるのを防ぐ機能がメインで遮音性はあまり高くないようであり、しかも850円もしたのである。
しかし、迷っている時間はなかった。
パッと手にしてレジへ走った。

店を出ると既にTさんは荷物検査から開放されており、私の行方を捜していたようだった。

「どこ行ってた?」

「いや、ちょっと、・・・・ガムを買いに」

旅の始まりからウソをついてしまった。
もっと胸襟を開いたおつきあいをしていこうと思っていたのに・・・。

その後、空港のロビーでTさんにコーヒーをおごって貰った。
500円だった。
850円-500円で350円か・・・・などと頭の中で計算してしまう。

でもこういう損得勘定をしていたら、私はTさんに対して巨額の負債を抱えていたことになるだろう。

Tさんはこのあともいつのまにか私の分までビールを買っておいてくれたり、2人でダイビングに行ったときもいろいろケアしてくれたり、本当に一方的にお世話になってしまった。
それに、そもそも今回の旅の手配からダイビングの予約まで全てTさんがやってくれたのだった。

だから鼾ぐらいの欠点には目をつぶろうと思った。
でも目をつぶってもなかなか眠れない夜もあった。
なぜなら私が空港で慌てて買った耳栓のパッケージにはよく見ると「小児用」と書かれていたから・・・・・。

エアコンの送風音すらカットできませんでした。


2009年02月09日

グアムで結婚式 その2

グアム到着は深夜。
翌朝、早速グアムで一番有名なダイビングスポット、ブルーホールに向かう。
水深18mのところに竪穴があって、その穴に潜って上を見上げると、入り口の形がハートに見えるということで有名な場所だ。
ハート型ねええ・・・。
あらかじめそう言われてから見るからそう見えるだけのような気がしなくもなかった。
「あの天井のしみ、武士の顔に見えない?」と言われてしまったら、そう見えてしまうように。
29.jpg
・・・この写真だとハートに見えるな・・・。

2009年02月10日

グアムで結婚式 その3

そして次の日がカトマリの結婚式だった。
南国での結婚式ということで、ほとんどの出席者はアロハを着ていた。
私もその一人だった。
勢いで買ってしまったものの、数年間タンスで眠り続けていたアロハだ。
鶴がいっぱい羽ばたいているというなんともおめでたい感じのデザインである。
さらに、薄いオレンジという地の色も、偶然にもウエルカムドリンクと全く同じ色であり、色合い的にも会場にとても馴染んでいたため、ご出席の皆さんから「まさにきょうのための服ね」とご好評頂いた一方、「あといつ着るの?」という声も聞かれたのだった。
210.jpg

2009年02月11日

グアムで結婚式 その4

テレビ愛知は毎年夏に「世界コスプレサミット」というイベントを開催している。
世界各国から集まったコスプレイヤーが、日本のアニメやマンガのキャラクターに扮して様々なパフォーマンスを繰り広げる。
日本語の台詞をパフォーマンスに取り入れるコスプレイヤーも多いが、中には「うん?」と首を傾げたくなることもある。
ある国の女性コスプレイヤーは相方の男性コスプレイヤーに向かって「あなたは私の叔父様になれない」と言っていた。
どうやら「あなたは私の王子様になれない」と言いたかったらしい。
欧米の人にとっては「おう」と「お」の区別はなかなか難しいようだ。

グアムのホテル街で流れていた日本人向けのコマーシャルのアナウンスでも「ホテルを飛び出して、一緒に楽しもよ」と言っていた。「楽しもうよ」が「楽しもよ」になってしまうのだ。

今回カトマリたちが式を挙げた教会の外国人神父も日本語を交えて式を進めていたが、この「伸ばすべき音が伸ばせない」というミスが随所に見られた。
新婦の旧姓の「加藤」も「カトー」と発音できなかったため、新婦は「カトマリ」と呼ばれることになった。
こんなオフィシャルな場で、普段呼ばれているあだ名で呼ばれてしまったのだ。
何人かの出席者が我慢できず、笑い声をあげた。

また、伸ばすべき音を伸ばさない一方で、伸ばさなくていい音を伸ばしていた。
「この女子と夫婦に」という宣誓の言葉は「この上司とふうふうに」と発音されていた。
ふうふう・・・・お熱い感じやね。
2111.jpg

2009年02月12日

グアムで結婚式 その5

式にはカトマリ同様、私の飲み仲間である事業部・大久保、東京支社・宮田も出席していた。
二人は前日グアム入りしており、夜はホテルのバルコニーに出てビールをしこたま飲んだ結果、大久保はそのままバルコニーで寝入り、宮田は大変なことに巻き込まれたそうである。

「星の瞬きが尋常じゃなくて、そのうち空がすっごく揺れ出して、大変!UFOに攫われるんだーって思った・・・」

一体どれだけ飲んだんだろう?
212.jpg
こんだけ飲んだらしい。

2009年02月13日

グアムで結婚式 その6

結婚式のあと、グアムで最も有名な景勝地の一つである恋人岬に行くことになった。

私とTさんの男二人連れでそんなところに行ったら社内でどんな噂が広まるかわからないので、大久保と宮田の二人も誘った。
望まぬ結婚をさせられそうになった娘が、恋人と互いの髪を結び合ってこの岬から身を投げたという伝説から恋人岬と呼ばれているそうだが、それだったら、恋人岬というより心中岬と呼んだ方がより端的にこのエピソードを表せるのではなかろうか?

Tさんは恋人岬のサンセットをビデオに収めようとしていた。
Tさんは結婚式の模様をビデオで撮影していたのだが、その記念VTRに挿入するための映像である。
ただ夕日が沈む様子を写していてもつまらないので、私と大久保が水平線の向こうに夕日が沈む中、いいムードになっているカップル役として出演することになった。

男が女性の背後から両手を回して優しく抱きしめている様子を演じたつもりだったが、後で映像を見たら全然違っていた。
私の両手の位置が大久保の首の高さだったために、絞殺しようとしているようにしか見えないのである。
恋人岬が火曜サスペンスに出てくる日本海の断崖絶壁と化していたのだった。

慣れないことはするもんじゃないね・・・・。
213.jpg
この写真は私しか写ってません。

2009年02月15日

グアムで結婚式 その7

結婚式翌日の夕方、Tさんとデューティーフリーショップの中を歩いていたら、きのうの結婚式で知り合った40歳代の男性、Aさんと、30代の女性、B女史の二人組に出くわした。

「ドッグレース行きませんか?」

いきなり誘われたが、全く興味がないのでキッパリとお断りした。

「じゃあ、このあとどうするんですか?」

「ご飯食べに行きます。ベトナム料理の店が割りと旨いってことなんで、行ってみようかなと・・・」

挨拶程度の会話をして別れた。

ベトナム料理の店は確かに旨かった。
日本で私が知っているベトナム料理の店より本場に近い味つけになっている気がしたが、お客さんの大半は日本人らしく、メニュー表も日本語で書かれていた。
「野菜とキノのスープ」
そういえば以前サイパンに行った時も「レストラ」って看板を見かけたっけ。
外国の人にとってカタカナって意外に難しいらしい。
「これ、明らかにキノコですよね」などと話していたら、「あ、いた!」という声が聞こえてきた。
AさんとB女史だった。
そして、二人はまっすぐ我々のテーブルまで歩いてきてこう言った。

「ドッグレース行きませんか?」

デジャビュ?

2009年02月17日

グアムで結婚式 その8

我々は店を出て近くの大きなホテルに向かった。
そこでタクシーを捕まえようというのである。
タクシーは見つかったが、ドッグレース行きはあっさり中止になった。
ドライバーによると、ドッグレースはこの時期開催していないというのである。

仕方がないので飲みに行くことになった。
Aさんが「あんまり日本人観光客が来ない、いい感じのバーはありませんか?」とドライバーに訊ねる。
すると、ドライバーはホテルの電話帳を借りて、あちこち電話し始めた。
日曜日なのでやっている店が少ないらしい。
店を見つけるのに15分ほどかかった。
バンドが演奏しているライブバーだという。

メインストリートから外れて少々行ったところにその店はあった。
この場所なら確かに日本人観光客は来なさそうだ。
店にはいるとステージでは白いブーツにデニムのショートパンツ、白いタンクトップ姿のフィリピン人4人組が英語の歌を歌っていた。

「コンバンワ~」

我々が正面の席に座るとボーカルのIZAM(仮名)がいきなり日本語で話しかけてきた。
日本人観光客が来ないところとリクエストしたはずだったが、そんなことはないようだった。
やはりグアムではどこへ行っても日本人は上客なのだろう。

「次ハ『ハチハチ』ノ歌デス。知ッテマスカ?」

「あ!モンパチ(モンゴル800)のこと?」とB女史が大きな声で問い返した。

「ソンナコトナイデス」

確かに「ハチハチ」から「モンパチ」というのもかなり強引だと思うが、「ソンナコトナイデス」って・・・。
あまりにもキッパリ否定しすぎではなかろうか。
まあ、日本語力が高くないだけで、決して悪気はないんだろうけど。
さらに「『ハチハチ』トイウノハ、フィリピンノ歌デス」と言うので、みんなで「知るかいっ!」と突っ込んだのだった。

IZAMという仮名にしたのは、このボーカルがいわゆる一つのニューハーフだったからなのだが、B女史だけはずっと女性だと思い込んでいたらしく、その事実を告げられると心底驚いた様子で「え!気づかなかったの私だけ~?私の目はふしだらってことか~」と叫んだのだった。

残念ながらB女史もあまり日本語力が高くないようである。

2009年02月18日

グアムで結婚式 その9

「ハチハチ」はポップなダンスミュージックだった。
IZAMがボーカルでその左隣の女性がコーラス、右側の二人はダンサーということらしかったが、ダンスというより簡単なステップを踏んでいるだけなので、すぐマネできそうである。私とB女史はIZAMの「一緒ニ踊ッテ下サイ」という呼びかけに応じて立ち上がった。
我々の席とステージの間には空間があって、踊れるようになっていたのである。

そういえば昔東京で、こんな踊れるスペースつきのライブバーに行ったことがある。
そんなスペースがあっても、ステージ上でバンドが演奏していたのは「ハイウエイスター」であり、とても踊る雰囲気ではなかった。
にもかかわらず、ステージ前のスペースでは、おじいさんと50歳代ぐらいのいかにもホステスといった感じの女性がうっとりとチークダンスを踊っていたのだった・・・。
全く曲関係なかったなあ・・・・。

2009年02月19日

グアムで結婚式 その10

話をグアムに戻す。

『ハチハチ』の意味はわからなかったが、どうやら『ハチハチ』という言葉に合わせて腰をクイクイと動かすのが決まりのようだった。
私もダンサーたちの動きに合わせて、クイクイさせていたが、急に恥ずかしくなって席に戻った。
残念ながら年々ノリが悪くなっているのである。
一方、B女史はいつのまにかステージに上がり、ダンサーの列に加わっていた。
素晴らしいはじけっぷりだ。

B女史は昼間、全く泳げないのに果敢にもシュノーケリングに挑戦し、案の定怖い思いをし、泣きながらホテルの部屋にもどったそうである。
その憂さをここで一気に晴らしていたのだった。

やがてIZAMたちはステージを降り、別のバンドが登場した。
このバンドのボーカル2人もフィリピン人だった。今度は2人とも女性だったけれど。
2人とも日本に滞在していたことがあるらしく、また日本語で呼びかけてくる。

何しろ客はほとんど我々だけなのである。
この店は大丈夫なのか?
ぼったくられたりするんじゃないか?
気になったAさんはメニュー表で飲み物の値段だけでも確認しようとしたが、店員が「メニュー表などない」と男らしく言い切るので、ますます疑念が募り「今の段階で一人当たりいくら?」と聞いたところ「37ドル」という答えが返ってきたのだった。

「えー、まだ一杯しか飲んでないのに37ドルっすかー・・・・。とりあえずおかわりっ!

酔っ払うとおおらかになってしまう私。踊ってノドも乾いていたし。そして、ステージから戻ってきたB女史は、値段の見当が全くつかないテキーラを注文したのだった。


最初のIZAMたちより、二組目のバンドのほうがかなりレベルが高かった。
演奏も、そしてルックスも。
特に右側の女性はわりかしタイプだった。
そんな彼女が「私ハ昔福岡ニ住ンデイマシタ。知ッテマスカ?」などと言うものだから、私は「明太子!」「とんこつラーメン!」「大宰府!」などとありったけの福岡情報をステージ上の彼女に向かって叫んだのだった。好意を精一杯表現したのだ。
さっきIZAMに「知るかいっ!」という言葉を浴びせた同じ人間とは思えない。

さて、気になるお値段の方だが、全然大したことなかった。ライブバーなので、最初に席代として30ドル取られるだけで、飲み物は普通の値段でしたとさ。

めでたし、めでたし。

2009年02月20日

笑い声が心に響くこともあるのよ

時々新聞を声を出して読む練習をします。
アナウンサーはたとえ他人が書いた原稿だろうと、自分の言葉として話さなくてはなりません。
自分の言葉にするというのは、ちゃんとその言葉を理解するということです。
原稿の中に初めて口にする言葉があったりすると、なかなか自分の言葉になりません。
新聞を音読するのは、難しい政治や経済、法律の言葉を口に馴染ませておくための練習です。
一度口に出すだけで大分違うのです。

先日、世間話の中で、私が「ハンパねえ」という言葉を口にしたところ、若手女子アナ、アラッチに「プハハハハっ!」と笑われました。
私の「ハンパねえ」にかなり違和感を感じたようです。
自分の言葉になっていなかったということでしょう。
それもそのはず、私はこのとき生まれて初めて「ハンパねえ」と言ったのです。
もっと「ハンパねえ」を口に出して練習しなくてはと思いました。

アナウンサーの動画を見る!

プロフィール

【最近面白かった漫画】
「三月のライオン」
「とめはねっ!」
「宇宙兄弟」
「モテキ」
「へうげもの」
「もやしもん」
「こさめちゃん」
「犬のジュース屋さん Z」

【好きな言葉】
「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」(寺山修二)
「しゃかりきコロンブス」(光ゲンジ)

【担当番組】
ニュースデータで解析!サンデージャーナル、特番など

バックナンバー



RSS:このブログのフィードを取得
もっともっとバックナンバー
テレビ愛知HPトップへ!
Copyright©Aichi Television Broadcasting Co.,LTD. All rights reserved.
注意事項:このWEBサイトに掲載されている文章・写真等の著作権はテレビ愛知およびその他の権利者に帰属しています。
無断での転載・再配布などはご遠慮ください。