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2007年04月01日

東京 どんだけ~!?ツアー その2

みんなそこそこ多忙なためなかなか日程が合わず、山川の誕生日から1ヶ月ほど過ぎた3月末の週末、ようやくディズニーランドに行くことになった。せっかくディズニーランドまで行くのだから、ついでに東京観光もしようということになり、出発の2週間前にメンバーがそろって話し合いの場がもたれた。

「東京タワーが見たい!」「隅田川を下りたい!」「オカマさんのショーパブに行きたい!」「もんじゃが食べたい!」「すき焼き食べたい!」「スシ食いねえ!」


思いついたことを次々に口にする人々。みんな欲望の塊である。今回のツアーの幹事は大変だ。

「ジャンケン、ポイ!」
8人もいたのに一発で幹事が決まった。
決まったはずなのに、負けた編成部・仁村(♀)がすぐさま「もう一回やろうよ!」と訴えた。
「今、あと出しだったよー」とか理由をつけてジャンケンのやり直しを要求するのならわかるけど、理由もなくただやり直しを要求する人を初めてみた。
さらに驚くべきことに、仁村の目からはもうがこぼれていたのだ。涙ってもっとじんわり浮かんでこぼれるのが普通じゃない?一瞬にしてポロリだったので本当にびっくりしてしまった。そんなにイヤだったのか・・・・。
それでもやっぱり幹事は仁村で決定した。ただできるだけ負担を軽くしてあげるために、店さがしやレンタカーの手配はみんなで手伝うことになったのだった。

数日後、仁村からツアー日程がメールで送られてきた。


☆3月23日(金)
21時 名古屋発(車中泊)

☆3月24日(土)
AM3時~スパで風呂&マッサージ

7時~Tokyo Disney Land(8時開園)

19時~車移動⇒ホテルにcheck in

20時半~もんじゃ焼き♪

24時~東京タワーの消灯を見る(深まる絆)

25時~銀座のオカマさんショーパブ♪


☆3月25日(日)
早朝check out 築地で朝食
浜離宮より隅田川水上バス移動 浅草下船・徒歩で桜見物後、車で名古屋へ。


19時 名古屋到着→鍋♪


「どんだけ~!?」過労死という言葉が頭をよぎった。
確かに先日のミーティングで「おお!それもいいねー」と盛り上がった行き先ばかりだったが、こうして全て盛り込まれたものを見てみると恐ろしい過密スケジュールになっていた。
日曜早朝の築地は削るべきではなかろうか?
しかし、私はすでにディズニーランド内でのキャラクターコスプレにもストップをかけており、ここでまたNO!といったら「相澤はウルサイ!」というレッテルを貼られてしまう恐れがあった。
思い切って言っちゃおうか・・・・神様、勇気を下さい・・・・。卒業式前の女子中学生のように一晩悩んだすえ、翌朝「築地は自由参加にして下さい」としたためたメールを送ったのだった。

ところが、その日の午後になって銀座のオカマさんショーパブが土曜の夜にはショーをしないということがわかった。オカマさんの店がなくなればかなり楽になる。ホッと一安心である。
しかしそれもつかの間だった。すかさず「ではオカマさんの本場、新宿2丁目のお店はどうですか?」というメールをよこしたメンバーがいた。ディズニーランドに行って、新橋のホテルに宿泊するのにそのうえ新宿まで・・・・。またまた「どんだけ~!?」である。
今度はすぐさま新宿は欲張り過ぎという旨のメールを返した。とはいえ、ただNO!では「相澤はウルサイ!」という評判につながりかねないので「カマナシカマナイですよ」と駄洒落のオブラートでくるんでみた。こういう時駄洒落っていいよね。
その結果世論は「カマなしもヤムなし」という方向でまとまったのだった。
めでたし、めでたし。

つづく


2007年04月02日

東京 どんだけ~!?ツアー その3

スケジュール決定まで紆余曲折はあったが、いよいよその日が近づいてくると期待がどんどん高まっていく。それとともに「いくら仲がいいといってもこれだけ濃いメンバーが2泊3日も一緒にいて大丈夫だろうか?」という不安を口にするものもいた。
でもメンバー中最もポジティブな山川は、それすら楽しみにしているようだった。出発の10日前に山川から送られてきたメールをご紹介しよう。

みだれ髪の山川です。

わ~い!!

いよいよですね!

ワクワクするねえ。

裏切り…
嫉妬…
暴力…
喧嘩…さまざまな試練を乗り越えた、絆ビールはさぞかしうまかろうもん。
 

・・・・山川は一体何を期待しているのか・・・・

つづく

2007年04月03日

東京 どんだけ~!?ツアー その4

いよいよその日が来た。
金曜の夜、我々絆のメンバーは名古屋市内のファミレスに集合した。まずここで腹ごしらえしてからみんなで8人乗りミニバンに乗り、夢と魔法の王国を目指すのだ。
最近のファミレスのメニューの充実ぶりには目を見張るものがあり、食事に関してはおおむね満足した我々だったが、この後交代で車を運転することになっていたのでビールを飲めないのが辛い。
「ううー、飲みてええ」
うめき声をあげるものもいた。最初からディズニーランドに行くなんて面倒くさいことはせずに、名古屋で飲み会にしといたほうがよかったかもしれないという思いもよぎり出す。

誰が運転するかはサービスエリアなどで休憩するたびジャンケンで決めることになっていた。若葉マークの私がどんな運転を見せるのかというのもこのツアーのお楽しみの一つになっていたのだが、私は負けなかった。もともと夜道は苦手な上に、「首都高速は恐ろしい」と「中高年のためのドライブ教室」という本に書かれていたので、とくに関東圏に入ってからは真剣に勝ちに行った。

ジャンケンというのは考えてやれば結構勝つ確率が高くなるということを今回初めて実感した。
「チョキは2回続けて出してこないだろう」などまだごくごく初歩的な読みしかできないが、今後より研究を重ねシンキング・ジャンケンを確立したいと思う。

午前2時過ぎに東京に入った。私はいつも東京へは新幹線で行くのだが、車で行った方がより東京の大きさが実感できると思った。林立する巨大なビル、その間にボオッと赤く浮かぶ東京タワー。
「オカンにも見せてやりたい」
もこみち化する我々。


さらに一時間ほどしてディズニーランドのすぐそばにある健康ランドに到着した。各種入浴施設を備えているだけでなく、リクライニングソファで仮眠もできるという大変有難い施設だ。でも眠りについたのは午前4時過ぎ、起きたのは7時であるからして眠いことこの上ない。ボオーっとした状態でヒゲを剃っていたらアゴからが大量に噴き出した。血の出所を鏡で確認したらそこにあるはずのホクロがなくなっていた。キャー!

つづく

2007年04月04日

東京 どんだけ~ツアー その5

ディズニーランドのゲートをくぐるのは15年ぶりだった。

15年ぶりではあるけれども、ディズニーランドを訪れた回数でいえば私は他のメンバーの追随を許さない。それもそのはず、私は学生時代ここでバイトをしていたことがあるのだ。

「目指せ!生活エンターテイメント」
これが当時地下鉄東西線の車内に貼ってあったディズニーランドのアルバイト募集ポスターのキャッチコピーである。千葉県在住の学生の間ではディズニーランドはポピュラーなバイト先の一つであった。
そしてその一人である私がディズニーランドで何をしていたかというと、ボートに乗ってジャングルを探検するというアトラクション「ジャングルクルーズ」の船長さんなのだった。

そんなわけで最初に向かったアトラクションはジャングルクルーズだった。すでに長い列が出来ており、待ち時間は50分と表示されていた。

ディズニーランドでは働いている人たちを「キャスト」と呼ぶのだが、ジャングルクルーズに女性キャストがいたので驚いた。私がいた頃は男性キャストしかいなかったのだ。実に男くさ~い職場だったのだ。体育会系だったといっていい。それなのに今や男女が仲むつまじく楽しそうに働いている。これも男女雇用機会均等法の影響なのだろうか?とにかく羨ましい。

私はディズニーランドのアルバイトの面接の時「ジャングルクルーズとシンデレラ城ミステリーツアー、どっちがいい?」と聞かれて、ジャングルクルーズを選んだのだが、そのことを今でも悔やんでいる。

シンデレラ城には女性キャストがたくさんいた。しかもカワイコちゃんばかり。そちらに行っていればきっと配偶者も見つかっていたのではないだろうか?結婚記念日の度に2人でディズニーランドを訪れ、子供が出来たら「パパとママはここで出会ったんだよ」などと言いながらシンデレラ城の前で記念撮影していたかもしれない。

・・・・・妄想を膨らませているうちに50分が過ぎ、我々の順番が来た。

ジャングルの様子、象やカバなどの動物たち、探検隊や原住民の皆さんの様子は以前と変わらなかったが、それらに対しての船長さんの案内コメントが結構変わっていた。船長さんの裁量なのかもしれないが、駄洒落や言葉遊び系のネタが姿を消していた。
詳しくは書けないけれども、以前は「首が回らないって・・・」という言葉がオチになっているところがあったはずだが、全く違うコメントに差し替えられていた。おそらく「首が回らない」という言い回しが今の人たちに通じなくなってきたために変更を余儀なくされたんだと思う。

駄洒落の方は別に姿を消しても構わないが(あれ?前々回のブログと言ってること違いますね)、粋な言葉遊びや言い回しは残していきたい。そんな気持ちを込めつつ、今回はこのへんでドロンします。←粋な言い回し

つづく


2007年04月05日

東京 どんだけ~ツアー その6

春休みのディズニーランドは大変な賑わいだった。春なのに盆と正月がいっぺんに来たような騒ぎである。アトラクションの待ち時間は軒並み1時間を超えていた。

ジャングルクルーズのあと、どのアトラクションにも決めかねてただぶらぶらと歩いていたら、待ち時間35分という表示を見つけた。トゥーンタウンの中にある「ガジェットのゴーコースター」である。
ネズミのガジェットがドングリをくりぬいて作ったというコンセプトのジェットコースターなので小さくて可愛らしい、対象年齢も3歳以上というお子様向けの乗り物だが、メディア開発部・岸本(♂)は「これはかなり怖いですって」と本気で嫌がった。
そもそもこの男がジェットコースターが苦手というので我々はスプラッシュマウンテンやビッグサンダーマウンテンに乗るのをあきらめたのだ。これぐらいはつきあってもらうぞと強い態度で強制的に道連れにした。というか、岸本があまりに怖がるので我々は面白くなってしまったのである。
順番が近づくにつれ、どんどん挙動不審になっていく岸本。人間離れした勢いでキョロキョロし始めた。まるでセキセイインコのようである。息づかいも何だかおかしなことになっており、ずっと「スー」とパンクしたタイヤから空気が漏れているような音を出しつづけていた。
「乗ってるお客さん、みんな楽しそうに笑ってるよ。そんなに怖くないんじゃない?」
本当に子供を相手にするように一生懸命なだめても、「うわー、来るんじゃなかったー」と叫び、手のひらで顔を覆うのだった。

いよいよ我々の番が来た。私と山川(♀)が先頭に、そして岸本は私の後ろの席に乗り込んだ。
「ホラーっ!」
急カーブや急降下のたびに絶叫する岸本。あとで訊いたら「ホラ、言わんこっちゃない。めちゃくちゃ怖いじゃないですか!」という意味の「ホラーっ!」だと教えてくれた。

つづく

2007年04月06日

東京 どんだけ~!?ツアー その7

長時間待ちの人気アトラクションを全く無視したわけではない。
最近はファストパスという便利なものがあって、さほど待たなくても人気アトラクションに乗れるのだ。
スプラッシュマウンテンやビッグサンダーマウンテンは前回書いた理由によってあきらめなければならなかったので、「ミクロアドベンチャー」と「プーさんのハニーハント」の二つをファストパスを使って楽しんだ。

ミクロアドベンチャーは、3D映像がスクリーンから飛び出してくる人気アトラクションだ。
本当に飛び出してくるように見えるので、冒頭から座席でハッとのけぞった。
だが、それだけびっくりしておきながら次の瞬間グーと寝息を立てていた。ハッとしてグーだ。
ねむたくてねむたくてしょうがない。まさにねむた祭り。ラッセーラー ラッセラーと押し寄せる睡魔に負けてしまったのだ。

そんな疲労のピークを迎えた状態で、プーさんのハニーハントへ。しばし疲れを忘れた。これは楽しい。
自分の乗っているゴンドラが次にどこへ行くのかわからないのがいい。
前のゴンドラを追い越したり、後ろのゴンドラに追い越されたり、前のゴンドラが右に進んだのに左に進んだり・・・・。それによって“迷い込んだ”感覚が味わえるのだ。
前のゴンドラに続いて順にストーリーを追っていくパターンのアトラクションとは一線を画している。私が来なかった15年の間にすっかり進歩したのだなあ(*^_^*)

ハニーハントが終わって外へ出ると雨が降り出していた。
案の定である。
天気予報が当たったということではない。
今回のツアーの主役、山川は低気圧ガール、超のつく雨女なのだ。サザンオールスターズの「TSUNAMI」が似合う女なのである。
入学式、卒業式、遠足、運動会、修学旅行、成人式は全て雨。キャンプファイヤーも雨で中止、おととし行ったユニバーサルスタジオも、去年行ったディズニーランドも雨だったという。
ね?「♪思い出は~いつの日も雨~」でしょ?

まだ午後3時だったが引き上げることにした。
早めに新橋のホテルにチェックインしてちょっとだけ眠る。
夜はこれからなのだ。

つづく

2007年04月07日

東京 どんだけ~!?ツアー その8

晩御飯にもんじゃ焼きを食べたあと、カラオケボックスへ。結局、名古屋だろうと、金沢だろうと、日間賀島だろうと、東京だろうとやることは同じなのだった。
本当はそこそこの時間に切り上げて、みんなで東京タワーの消灯を見つめながら絆を深めるはずだったのに、つい歌いたい気持ちに負けて延長を重ね、そんな時間はとっくに過ぎてしまった。

ホテルに戻って翌朝の集合時間を確認する。
「じゃあ、10時で」
結局10時か・・・。いつのまにか早朝の築地行きはナシになっていた。そうだよなー、そうなるよなー、このメンバーなら・・・・。事前のスケジュール表を見てあんなに気を揉んだ自分がバカだったのである。

翌日の行動も全くスケジュール表とは違うものになった。当初の予定では、車を駐車場に置いておいて隅田川水上バスに乗って浅草へ向かうはずだったが、疲労の抜けない我々はもう徒歩での移動が面倒になっていた。かといって車で浅草まで行って遊ぶという気もなく、どうしたもんかねえと軽く途方に暮れていたら、大久保が「横浜中華街に行きましょう!」とナイスアイデアを提案した。横浜なら方角的にも名古屋へ向かう途中で寄る形になってちょうどいい。
「じゃあ、相澤さんの実家に寄れますね」
岸本がおかしなことを言い出した。私の実家は千葉市にある。確かに以前、ディズニーランド帰りにみんなで寄ろうという意見も出ていたが、それは千葉県内の移動だったからそういう話が出たわけで、もはや東京におり、しかもこれから横浜に行くと言っている段階で「じゃあ、相澤さんの実家に寄れますね」という発言が出てくるのはどう考えてもおかしい。どうやら岸本の頭の中では神奈川と千葉の位置関係がまるで整理されていないらしい。

そういえば岸本は関東地方、特に千葉県にまるで疎いのだった。
山川邸でのディズニー・コスプレパレードの時にもこんなことがあった。ミッキーマウスの役をふられた岸本は「僕ミッキー。東京から山川さんを迎えに来たよ」とのたまったである。(ミッキーなのにちっとも裏声を使わず普通の声で)。岸本はディズニーランドが千葉県にあるということを知らなかったのだ。

そんなエピソードを思い出した我々は岸本は一体どれぐらい関東地方に疎いのか確かめてみることにした。
「成田空港も千葉県だって知ってる?」
「ええーっ!マジっすかー!」
「木更津はどこかわかる?」
「えーと、確か・・・ドーナツ化現象のドーナツの部分ですよね」
ドーナツの部分と言われても方角がわからないし、そもそも何県かわかっているのかしらん?
「栃木の方っすかねえ・・・」
栃木って海ないよねー。アクアラインも海ほたるもないがしろだ。
確かに東海地方の人間にとっては木更津はマイナーな存在であり、そこまで求めるのは酷かもしれないが、神奈川県と千葉県、どっちがどっちかくらいは何とか憶えてもらえんじゃろうか?
「どうしても位置関係がピンとこないんすよねー。えーと・・・京浜工業地帯がこっち側にあって、京葉工業地域がこっち・・・。京浜の浜は横浜の浜で、京葉の葉は千葉の葉だから・・・・」
神奈川と千葉の位置関係を整理するためにわざわさ工業地帯を持ち出し始める岸本。ドーナツ化現象につづき社会科用語の登場だ。ドーナツ化現象とか工業地帯を覚える前に都道府県の場所を覚えるのが普通ではないかと思うが、どうだろう?
「千葉と神奈川が一緒になるのは、山形県民が愛知県と愛媛県がごっちゃになるのと同じっすよ」
変な理屈を持ち出す岸本。実際に、愛知と愛媛の区別がつかない人が山形にいたらしい。岸本は山形大学出身なのだ。
「山形ってどっち?」
山崎が念のために岸本に訊く。
「え~と、北ってどっちでしたっけ?こっちすか?じゃあこっちすね」
力強く北の方角を指差す岸本。近所のスーパーの場所聞いてるんじゃないんだけどなあ・・・。

つづく

2007年04月09日

東京 どんだけ~ツアー その9

横浜まで誰が運転するか?朝食がまだだったので、ドライブスルーを経験したことのない私に経験させてみようという意見が出たが「お断りだっ!」と力強く拒否した。やはり東京での運転は恐ろしい。

例によってジャンケンをした結果、山川がハンドルを握ることになった。私ほどとは言わないが、山川もあまり車の運転には習熟していない。助手席にはベテランドライバーが座るべきところだが、これまたジャンケンで決めた結果、私が助手席に座ることになった。

「やっぱり首都高速こええええー!!車多いなー!道幅狭いよー!カーブ急じゃねえ?!うわー、合流車線超短いっ!ええっ、こんな隙間ないのに一体どのタイミングで合流するの?!いかんいかん、助手席の俺が落ち着かなくては・・・・」
思ったことを全て大声で口に出して、山川の集中力をかき乱した私。それでも山川は意外に冷静なハンドル捌きをみせ、スムーズに横浜中華街に到着した。

雑貨屋の店頭にパンダのぬいぐるみが並んでいた。それを見た岸本が「パンダって中国にいるんすねー。アマゾンかなんかに生息してるのかと思ってました」とまたまた突拍子もないことを言い出した。
旅が始まった当初は「わざとやってんじゃないの~?」という疑惑の声もあがった岸本の天然ボケ発言だが、今ではすっかり「モノが違う」という評価が定着しており、その純朴な佇まいに女性メンバーはみなすっかり魅了されていた。「愛らしい」とか「抱きしめたくなる」とか「きっしー(岸本)は天然だけど、ただの天然じゃなくて天然の真珠だよ。このままけがれなくいつまでもキラキラ輝いてほしい」という声が多数寄せられるようになっていた。

「あ、この店にも石ちゃん来たみたい・・・・」
石塚英彦さんの写真とサイン色紙を店先に飾った中華料理店が3軒並んでいた。非常に効率のよいロケが行われたようだ。
そのうちの一軒に入った我々。ウナギと栗を一緒に煮たメニューなどもあり、おいしさのあまりつい食べ過ぎてしまった。我々はこの店にたどりつく前においしそうな豚まんを目撃していた。後で食べようと決めていたはずなのにすでに別腹まで満室状態になっており、あきらめざるをえなかった。そのかわり今回参加できなかった編成部・宮田へのお土産用に一袋買ったのだが、この豚まんがのちに大久保の車のトランクの中で忘れ去られ、異臭騒ぎを起こすことになるとはこのとき知る由もないのだった。

つづく

2007年04月10日

東京 どんだけ~!?ツアー その10

中華街では手相占いが盛んに行われていた。山崎が大久保に「見てもらいなよ」としきりにすすめる。実は大久保は先日名古屋で占ってもらい、シングルマザーになると言われていたのだ。
石塚英彦さんのサインが飾られた占い屋さんの前で足を止める。今回は石塚さんの足跡をたどるツアーになってしまった。

店には占い師が3人いた。まず大久保が席につく。待っているのもつまらないので隣の席で私も占ってもらうことにした。
めちゃめちゃ誉められた。占いというより、お金を払って誉めてもらったみたいだ。どうやら相澤という男、人の上にたつ器らしいですぜ。( ̄ー+ ̄)
最大の懸案である結婚もあと2年でできるらしいので一安心である。ところでその相手にはどうしたらめぐり合えるのだろうか?
「友達に紹介してもらうといいです」あまりに普通の答えなので非常にガッカリした。「それ、もうやってますから・・・」って話だ。露骨にテンションが下がった私の様子を見た占い師は「あなた頑固なところあるでしょう?」と人間関係の占いに話題を変えようとしたが、「頑固なところのない人間などいないじゃないか!そんな大抵の人間に当てはまるようなこと言ってまで『うわっ当たってますね』と言われたいのか!」とますます冷ややかな気持ちになってしまった。占い師もそれ以上粘ろうとはせず、私の占いは終わった。

一方、大久保の占いはまだ続いていた。
名古屋の占い師には「シングルマザーになる」と断言された大久保だったが、今回は「結婚できる」と言われたらしい。ついさっきまで「一人で育てる!」と強い決意を語っていたのに、「相手はどんな人ですか?」と熱心に聞いている。

「相手は酉年生まれか、丑年生まれだって・・」
嬉しそうに占いの結果を報告する大久保。マインドコントロールに簡単に引っかかるタイプだな。気をつけて欲しいものである。

つづく

2007年04月11日

東京 どんだけ~!?ツアー その11

今回のツアーで女子にモテモテとなった岸本だが、実は結婚している。奥さんをおいて一人だけディズニーランドに行くなんてことはありえず、今回のツアーには夫婦揃って参加していた。その岸本夫妻が帰りは名古屋まで運転をすることになっていた。

おいしい中華料理を食べるのにビールが飲めないなんて耐えられない、犠牲者は2人も出れば十分だと、中華料理が出てくる前にジャンケンをして帰りのドライバー2人を決めておいたのだ。岸本はジャンケンで負けたのだが、岸本の奥さんは「あたし飲まないから」と大久保に勝ちを譲ったのだった。
おかげで気分よく酔えた我々。「ではオフタリンの夫婦力(めおとりょく)をとくと拝見しますかな」などと適当な言葉をかけて、帰り道は後部座席でリラックスしていた。

ハンドルはほとんど岸本が握ったが、最後の方で奥さんに代わった。奥さんは若干運転に不安なところもあるようで、時折助手席の岸本の方を向いて「大丈夫かな?」という表情を見せる。すると岸本は「大丈夫だよ」という優しい眼差しを返すのだった。♪目と目で通じ合う そういう仲になりたいわー。見事に夫婦力を見せ付けられた。フロントガラスから差し込む西日とあいまって、前の席がものすごく眩しく感じられた。
そんな岸本夫妻にすっかり好感を持った我々は新婚家庭を覗きたくてたまらなくなり、そのまま岸本邸にお邪魔し、鍋パーティーを開いたのだった。

またまたたらふく食べたあとのデザートは、2人の結婚披露宴DVDだった。甘~い!
(*^m^*)

つづく

2007年04月12日

東京 どんだけ~!?ツアー その12

こういうことを書くと「人のことをあれこれ言える身分じゃないだろう!」というご指摘を頂きそうだが、岸本の髪の毛の生え際はM字型に後退している。生え際のラインが似ているためにディズニーランドでは子供たちから何度かミッキーマウスと間違えられていた。(ウソです)

山崎がそんなことを指摘しつつ、どうして岸本に決めたのかと奥さんに問い質したところ「ハゲても、優しいからいいかなと思って・・・」という答えが返ってきた。
羨ましいことこの上ない。・・・・もちろんハゲることがではない。ハゲたっていいと言ってもらえることがである。

     ハゲたっていいよとキミが言ったから きょうが2人の結婚記念日

岸本の奥さんの実家は鹿児島なので、2人の披露宴は鹿児島と名古屋の2箇所で行われた。披露宴のDVDも2本あったのだが、我々はそれを2本とも結構しっかり見た。

「冒頭の部分ちょっと変えてきたねー」
赤の他人である岸本のお父上のスピーチもしっかり2回ともチェックさせて頂いた。もちろん岸本本人のスピーチも。

「僕はマキ(奥さんの名前)という名の焼酎を一生飲みつづけていきます」
奥さんの実家、鹿児島を意識しての例えだが、あまりうまい例えとは言いがたい。それでも岸本は“例え”が好きらしく、次々に“例え”を繰り出してくる。

「皆さんは土です。私たちという花を咲かせて下さい」
まだまだ若いつぼみとも言うべき存在の2人を今後ともあたたかく見守ってやってくださいということなのだが、そのために「皆さんは土です」と言い切るのはどうなのか?
それでも悪気のなさが伝わっているからか、こりゃ助けてやらにゃいかんという気にさせるのか?会場から温かい拍手が送られていた。
いいなー。(*^_^*)

岸本は絆のメンバーの中では最年少なのだが、この後輩に学ぶべき点がたくさんあることを悟った、私を始めいい年して独身のメンバーたち。「披露宴ってどのくらい赤字出た?」「初めて向こうのご両親に会いに行ったときにどんな服を着て行った?」などとやけに具体的な質問を岸本に次々と浴びせ倒し、気付けば午前2時40分を回っていたのだった。・・・・最後まで「どんだけ~!?(-o-;)」なツアーだった。

おしまい

2007年04月13日

校長先生からのプレゼント

もはやすっかり季節外れの話題で恐縮だが、みなさんはご自分の小学校の入学式のことを憶えているだろうか?


「きょうは私から皆さんにプレゼントがあります」

今から31年前。私の小学校の入学式で校長先生はこう新入生の前で切り出した。


「プレゼントは三つの木です。三つの木とは勇気、元気、根気です」
・・・・結局何もくれないんじゃん!非常に落胆したことをきのうのことのように覚えている。

きっと校長先生は知人の結婚式で耳にした「三つの袋を大切にしてほしいと思います」というスピーチにヒントを得て祝辞を考えたのだろうが、それだったら「三つの木を大切にしてほしいと思います」って言えばいいのに「プレゼントします」というアレンジを加えたことで子供たちをいたずらに落胆させる結果を招いたのである。
どうしてこんなことをしてしまったのだろうか?大人の見栄だろうか?しかし、その見栄のために「これだから大人ってやつは信用できねえんだっ!」とその日からグレ始めた児童もいたとかいないとか・・・っていう噂を聞いたり聞かなかったりしたものである。

そんな非常に問題の多いスピーチだったが、小学校の校長先生の話で私が今でも憶えているのはこれ一つだけなのだった。

中学の校長先生の話は何一つ覚えていない。

高校一年の時の校長先生は政経がもともとの担当科目だったために、いつも全校集会でマクロ経済の話を延々として、我々生徒たちをケムに巻いた。ケムに巻いたとしかいいようがない。ちっともわからなかったのだ。校長先生が教えてくれたことといえば、「スピーチは聴衆のレベルに合わせる」ということぐらいだろうか?


一方、私が2年生になったときに赴任してきた校長先生の話はとてもわかりやすかった。中でも体育祭の開会式でのスピーチが忘れられない。


空を、見上げてごらん」(限りなくやさしいトーンで)


確かに体育祭にふさわしい秋晴れだったが、校長がこう切り出したとたん、グラウンドは爆笑に包まれたれた。片手で自分の鼻をつまみ、もう片方の手を顔の前で左右に振り「くっせ~、くっせ~」と大声で叫ぶ生徒も何人もいた。最近は見かけない動きだが、当時はわざとらしい言動に対してはこのように目の前に本当にクサい物があるかのようなリアクションをとるのが正統とされていたのだった。


とにかくこの校長先生は青春が大好きだったのである。そして、そんな校長の青春好きの巻き添えとなったのが野球部だった。超弱小チームだったのに、翌年の夏の高校野球で、予選の一回戦から校長命令で全校生徒が球場に応援に行くことになったのだ。その話を聞いた当の野球部員たちは「緊張しちゃうから、みんなで来るのはやめて下さい」と校長室に直訴しにいったそうだが、全く相手にされなかったという。


結果は8対0、5回コールド負け。こちらも全く相手にされなかったわけである。緊張しちゃおうがしまいが、歴然とした実力差があった。

ただ、今でもこうして青春の1ページとして私の記憶にも残っているのだから、青春大好きの校長先生の思惑通りということになるのかもしれない。

アナウンサーの動画を見る!

プロフィール

【最近面白かった漫画】
「三月のライオン」
「とめはねっ!」
「宇宙兄弟」
「モテキ」
「へうげもの」
「もやしもん」
「こさめちゃん」
「犬のジュース屋さん Z」

【好きな言葉】
「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」(寺山修二)
「しゃかりきコロンブス」(光ゲンジ)

【担当番組】
ニュースデータで解析!サンデージャーナル、特番など

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