番組表

日本語教師体験記

2025年8月28日

スマホの機種変更をした。

スマホショップの店員の敬語が丁寧すぎて、ちょっと面白いことになっていた。

 

「お客さまのスマホにおさわりいたしますね

 

「いたします」を付けるから変なのか?

いや「おさわりします」でも変だ。

スマホに対して敬語を使っているような気がするし、なんだか猥褻な感じもする。

つくづく日本語は難しい。

 

今私はそんな日本語と格闘している。

日本語教師になるための学校に通っているのだ。

先日、初めて教育実習の教壇に立った。

まったくもってうまくいかなかった。

ボコボコにされた。いや、ボッコボッコにされた。

ポジティブな言い方をすれば『多くの学びがあった』ということになるかもしれないが・・・・。

 

生徒は中国人2人、韓国人、エジプト人、モンゴル人、合わせて5人。

本当の生徒ではなく、生徒役のアルバイトとして集められた人たちだ。

もう何度も生徒役を演じてきているプロフェッショナル生徒だ。

今回は「初級レベル」という設定になっている。

 

私がこの日教えることになっていたのは『伝聞のそうです』だった。

最初に「あすは晴れるそうです」といった文を教え、さらにその情報をどこで知ったのかを示す「~たんですが」を付けた文を教える。

「天気予報で見たんですが、あすは晴れるそうです」といった具合だ。

 

早速質問が出る。

「先生、『天気予報で見たんですが』よりも『天気予報によると』のほうが使うと思います」

 

「いえ、普段話すときは『見たんですが』のほうが多く使われます」

 

そんなことないです

 

なぜ、生徒であるあなたが断言するの?

 

「『によると』は、話すときよりも、論文などを書くときに使います。あらたまった場所で使います」

 

「『あらたまった』って何ですか?初めて聞きました」

 

・・・なぜ『によると』は知っていて、『あらたまった』は聞いたこともないのか?

 

「『あらたまった』というのは、ニュースとか、大勢の人の前で話すときとか、スーツを着ているような状況で話すときです」

 

スーツを着て友達を話すときはどうしますか?

 

「・・・その場合は『~たんですが』でいいですよ」

 

質問されているというより、因縁をつけられているような気もしてきたが、授業を進める。

左に新聞のイラスト、右に台風のイラストを並べたスライドを見せた。

新聞と台風の間に「~んですが」、台風の右には「そうです」と書いてある。

「新聞で読んだんですが、台風が来るそうです」という文を生徒に言わせようとしたのだ。

  

ところが、指名した生徒はこう答えたのだった。

「新聞で見たんですが・・・」

 

「あ、新聞の場合は『読んだんですが』のほうがいいですね」

 

「何でですか!『見た』でいいと思います」

 

「何でですか!」と言われましてもね・・・・・

『読みます』と『見ます』はどう違うのか?なぜ新聞は『読みます』のほうがいいのか?

この程度のことでも説明するのは難しい。

なにしろ生徒は『初級レベル』なので、簡単な日本語しか使ってはいけないという制限があるのだ。

 

「『読む』というのは、ただ『見る』のと違います。内容を理解・・・・わかるために時間をかけて・・・読みますよね。『見る』だと新聞の見出し・・・・大きい字のところを見るくらいで、詳しい内容はわからないですよね?・・・うん、『読む』のほうが『見る』よりも長い時間がかかりますね。『見る」だと時間が短いです。チラっと見ただけでは・・・」

その瞬間、生徒たちが叫んだ。

 

チラっと!!!!

 

外国人には日本語の擬態語・擬音語のニュアンスは伝わりにくい。日本語教師が擬音語・擬態語を使うのはタブーとされている。

それを知っているプロフェッショナル生徒たちが私のミスを指摘したのだ。

それにしてもあんなに一斉に「ダウト!」みたいな感じで言われて、へこんだ。

 

気を取り直して、次のスライドへ。今度はテレビのイラストだ。 

 

「テレビは『見たんですが』を使います」

 

「先生、エジプトでは『テレビを聞く』と言います」

 

相澤 伸郎 @ 2025年8月28日 13:05

令和7年7月17日

2025年7月17日

令和7年7月17日はレイワシチネン・シチガツジューシチニチと読むのが正しいとされている。

最近「17日」をジューナナニチと読む人が増えている。

テレビでもイベント告知CMなどでジューナナニチと読んでいるのをちょくちょく耳にするようになってきた。

 

最近もディレクターに「ジューナナ」のほが聞き取りやすいんですけどね・・・ダメですか?」と訊かれ「ダメです。NHKの出しているアクセント辞典にもジューシチニチしか載っていません」とアナウンサーらしいことを言って臨んだナレーション収録で「ジューイチっぽく聞こえたんでもう一回お願いします」と録り直しを求められるという、アナウンサーにあるまじき醜態をさらしたばかりだ。

 

シチとナナの使い分けにルールはあるのだろうか?

アクセント辞典で改めて調べてみると、シチは「7月」とか「7時」「7年」「7人」という使用頻度の高い言葉で使われているが、圧倒的多数の助数詞でナナのほうが使われていた。

すでに「7年(ナナネン)」と「7人(ナナネン)」はアクセント辞典でも【許容】となっているので、シチは消えゆく運命なのかもしれない。

  

もっと深刻なのは4(シ)だった。

アクセント辞典の助数詞発音一覧表に掲載されている258の助数詞のうちシと読むのは「4月」と官位の「四位」だけだった。

官位はほとんどの人にとって縁がないものなので、事実上「4月」ぐらいしかシの出番はないのだ。

 

ちなみにシチもシも音読み。

「イチ、ニー、サン、シー、ゴー、ロク、シチ、ハチ、キュー、ジュー」と数えるときは全部音読みなのに、「ジュー、キュー、ハチ、ナナ、ロク、ゴー、ヨン、サン、ニー、イチ」とカウントダウンの時に4と7だけ訓読みになるのはなんでだろう?

 

結局読み方にルールなんてなく、なんとなく読みやすいほうになっているだけだとすれば、そのうちジューナナニチも7月(ナナガツ)も7時(ナナジ)も普通になっていくのかもしれない。

相澤 伸郎 @ 2025年7月17日 13:30

子供がいる家庭では、妻は夫のことを「お父さん」と呼ぶ。

日本では普通のことだが、外国の人たちにとってはホワイ ジャパニーズ ピーポー案件の一つらしい。

 

自分の父親ではない人間を「お父さん」と呼ぶのは、家庭内にとどまらない。

先日街なかでモデルルームの呼び込みをしていた男性に「お父さん、見ていきませんか?」と呼びかけられて、とても腹が立った。

私には子供がいない。

人生で初めて「お父さん」呼ばわりされたのだ。

30歳のころ、迂闊にも写真撮影をしていた高校生の前を横切って「おじさんが写っちゃった」と言われた時の何倍もショックだった。

私のように普段「お父さん」と呼ばれていない人間は、「お父さん」と呼ばれることにものすごく抵抗を感じる。

そのあたりに配慮してか、先日テレビの街頭インタビューでディレクターが年配の男性に「お兄さん」と呼びかけているのを見たが、あれもちょっと違和感があった。

日本語には、名前も知らない初対面の年配男性に呼びかける適当な言葉がないのだ。

 

その点、中国が羨ましい。

年上の男性に呼びかけるときには「先生」と言うらしい。

「先」に「生」まれた人だから、もともとの言葉の意味通りだ。

それなのに日本では教師や医師など、ごく一部の人に対してしか使えない。

せっかくちょうどいい言葉があったのに、勿体ないことをしたものだ。

 

そういえば以前、ケバブ店の前を通りかかったときにトルコ人の店員にこう呼びかけられた。

そこのイケメン!

悪い気はしなかった。

相澤 伸郎 @ 2025年7月 9日 14:17

目の調子が悪いので眼科に行った。

平日の眼科はかなりご年配の患者ばかりだった。

患者を呼び出すとき、名前を大きな声で3回も繰り返すのがここではデフォルトになっていた。

それだけ耳の遠い方が多いのだろう。

自分はまだそこまで年を取っていない。

「あいざ・・・」

「はいっ!」

「あいざわ」と言い終える前に返事をしたことで、自分はまだ若いとアピールできた気がした。

誰に向けてのアピールなんだか・・・。

 

検査の結果、目は病気などではなかった。

医者にはこう言われた。

「老化ですね」

相澤 伸郎 @ 2025年7月 7日 11:38

7月5日に日本に大災害が起きるという話をすっかり信じている若手スタッフがいる。

「それじゃ、今のうちにやりたいことやらないと。何する?」と聞いてみた。

「前から行きたかったお店に行きます」

ささやかなり。

相澤 伸郎 @ 2025年7月 2日 10:17

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