番組表

役所さん「所作っていうのは、それをやることによって自分たちの気持ちの部分で何か変わるんですよね。ま、めんどくさいんですよ、所作っていちいち。でも、そういうことに押し込んでいった動きの中で、自分の気持ちも何となくきれいな感じになるっていうか、凛とした感じになる雰囲気は自分の中に入ってきますね。不自由だけど、やっぱり昔の人は、姿、形の美しさにこだわりがあったんでしょうね」
相澤「この作品に出てくる人たちは、所作も美しいし、言葉づかいも、生き方も美しいですよね。そういう人たちを描くのは、どうしてなんですか?」
小泉監督「黒沢さんが常々『美しい映画を』っていう風に僕たちにおっしゃってたんですよね。『美しい映画を僕は撮りたいんだ』って。黒沢さんが向いている方向に僕も進みたい、どうしたって・・・。美しさというのは形であったり、心であったり、自然だったり、いろいろあると思いますけど、黒沢さんが求めている美しさは何なのか?・・・・そういうものに少しでも近づきたいなってのは大きいんですよ」
つづく

相澤 伸郎 @ 2014年9月24日 12:20

映画「蜩の記」
主演の役所広司さんと小泉堯史監督にインタビューしました。
小泉監督は黒沢明監督の愛弟子です。
   
相澤「10年後の切腹を命じられながらも気高い生き方を貫く『戸田秋谷』という武士を演じるにあたって、意識されたことはありますか?」
  

役所さん「平常心で、静かな呼吸を常にしてる人だろうなと。とてもこれから腹を切る男には見えないという雰囲気を出さなければなと思いました」
   
相澤「200年前の武士を演じるために特に準備されたことは?」
   

役所さん「作法とかそういうものは、『小笠原流』というものを監督が選んで、僕たちは前もって道場に行って習って・・・。乗馬も小笠原流のものを習いました。そうすることによって、少しずつ少しずつ、昔の日本人に近づいていったような気がします」
   
相澤「乗馬も小笠原流なんですね?」
   

役所さん「ええ。僕は全く習得できなかったんですけども、小笠原流ってのは流鏑馬をして、駆け足の時はほとんど立って乗ってるんですけど、それはもう難しかったですね」
   

相澤「所作も難しかったですか?」
    

役所さん「ええ。畳の上を数歩立ち上がらずに進むだけで、筋肉痛になりましたね」
   

相澤「立ち上がらずに進む?」

  
役所さん「膝行っていうんですかね。(※身分が高い人の前で急に立ち上がるのは失礼にあたるため、膝をつけたまま進むこと)ほとんど椅子の生活してますので・・・・これはもう本当に『日本人じゃないな』と思いました(笑)」
  

つづく   

相澤 伸郎 @ 2014年9月20日 17:07

相澤 「劇団ひとり監督から見て、役者・劇団ひとりはどうですか?」
   

劇団ひとりさん 「素晴らしかったと思います。ホントに。微妙なニュアンスを『その言い方しかないんだよねー』っていう言い方をするんですよ」
  

大泉さん 「この人はこんなこと言ったあとで言い直さないのがすごいんですよね。『まあまあ、今のは冗談として…』って言わないですから」
  

劇団ひとりさん 「だって俺、本気で思ってますから!
・・・・でもこれやってみてわかったんですけど、当たり前なんですよね。自分が監督だから、監督の演出プラン全部わかってるし、自分で脚本も書いているから、どういうニュアンスでセリフを言ってほしいかっていう脚本家も思いもわかってるわけじゃないですか?だからほぼほぼ理想通りのことはやるんですよね。
でも、劇団ひとりは理想通りのことはやるけど、理想を超えることはまずないんですよね。
大泉さんとか、柴咲コウさんとかはたまにそれをボンッって超えてくれて、『こんなにいいシーンにしてくれるの?』っていうこともあって、撮影の後半はそれをずっと期待してました。
監督としての僕の仕事は、理想に行けないときだけ『こうして下さい』ってお願いするのであって、本来は台本を読んで、役者さんにいろいろ考えてきてもらったのをやってもらって、それが僕の期待以上っていうのが一番いいなあと思いましたけどね」
   

相澤 「お話を伺ってると、次の監督作品も期待したくなります」
  

劇団ひとりさん 「・・・・期待していいでしょうね。ここまでのものを作ったんですから。
・・・・こういうコメントって、もしこの映画がコケたときに使われたら恥ずかしいでしょ」

相澤 伸郎 @ 2014年5月15日 10:11

相澤 「今回大泉さんが演じた晴夫はマジシャンでした。大泉さんが数々のマジックを披露していますが、監督からご覧になって、大泉さんのマジックはいかがでしたか?」
  

劇団ひとりさん 「素晴らしかったと思います。一番最初に大泉さんが練習している風景を見たときは、本当にヘタクソだったんですよ。僕はうまくなっていく過程を見てるので、ひとしおですよね、ここまで立派なマジシャンになられてっていう感動が・・・」

  
大泉さん 「空き時間ずっとマジックですからね。ずーっと練習してました。ずーっとハト出してました
  
相澤 「ハト出すの難しいんですか?」
  
大泉さん 「ハト出すの難しいですよ!やってご覧なさいよあなた!!出ないから!」
  

相澤 「出ないですか?」
 
   
大泉さん 「出ないよ!出てもね、アイツら、はばたかないんですよ。パッと出すじゃない?出たらね、ふんっって普通にいるだけなんですよ。ハトはばたかないとあのマジック、めっちゃ地味ですから。そんなことになってるマジシャンいないから、見たことないだけなんですよ。出した瞬間、パタパタパタっって、必ずなってますから。ところが、ハトは出せばはばたくかっていうと、そうじゃないんですよ。はばたかせるには技が必要なんですよ。それが難しいんですよ」
   
相澤 「技といいますと?」
   

大泉さん 「ちょっとコチョコチョしたりするんですよ。居心地悪いからアイツらはばたくんですよ。出した瞬間にチョチョって胸のあたりをさわったり、わざと落ちるように持ってやるんです。落ちそうになるからはばたくんです。でもあんまりやり過ぎるとホントに飛んで行っちゃうんですよ。その場でパタパタするだけじゃなくて、ホントに飛ばれたら、『あああ!どこ行った?』って、これまたねえー、何かわけわかんないマジックになるんです。バーンって出して、手の上でパタパタしてる。そこで『どうです?』って、ドヤ顔も大事なんですよね」
   
相澤 「それだけ練習したら、ドヤ顔も上手になったんじゃないですか?」
   

大泉さん 「ドヤ顔は難しいですね。僕はなかなかね・・・・。どっちかっていうと、飛んでいっちゃって『ああああ!』っていうタイプの人間なもんだから。」
  

相澤 「でも映画の後半では結構なドヤ顔を決めてましたよね?」
   

大泉さん 「決めてますよ。・・・・・・・・ドヤ顔って言うな!あんないいシーンを!」

  
つづく
   

相澤 伸郎 @ 2014年5月14日 14:47

相澤 「完成した映画をごらんになって、劇団ひとり監督の、特にどんなところにセンスを感じましたか?」
   

大泉さん 「今の時代に96分の映画って、なかなかないですよね?1時間半で見応えのある実写の映画って・・・・。長くするのは簡単・・・・簡単って言っちゃ失礼ですけど、やりたいことやっていくと大体長くなるんですよ。それをあえて短く作るっていうのはねー・・・・。
いろんなところがセンスがよかったですね。


前半は割と曲がかかんないんですよ。普通もっと音楽かかるんですよね。テンポ出したり、客を引き込むためにも。でも、かかんないんですよ、音楽が。それが、僕が演じている晴夫がタイムスリップして物語が展開していくところから曲がかかっていくっていうのもなんか・・・・・(軽く舌打ち)・・・・・センスあんなーって」
   

劇団ひとりさん 「なんでイヤイヤなの!   
  


大泉さん 「かかる曲が少ないんだけど、その分効果的で、まんまと術中にはまっていくんですよね。もう普通の視聴者になってましたね。試写って大概自分の演技を確認するっていうつらい作業でもあるんですよね。『あーあ…』みたいな、『やれやれ』みたいな思いで観たりするものなのに、この作品はホント引き込まれて観てましたね。自分がマジックをするシーンだけは『うううーっ…大丈夫か?』みたいな感じだったけど・・・・・。
出演者をこれだけぐーって引き込む映画ってすごい!って思いましたね。こっちは知ってるんだからね、ストーリーを。・・・・・・大したもんですよ」
   
つづく

相澤 伸郎 @ 2014年5月13日 18:17

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